2019年7月24日 17:00
東京2020オリンピックまでいよいよ残り1年を切った。日本での夏季オリンピックは1964年以降、実に56年ぶりである。先日抽選が行なわれた観戦チケットの争奪戦の熱気は記憶に新しいところだ。
そして2020年7月24日に開会を控える東京オリンピックにあわせて、その1年前になる2019年7月24日にセガゲームスは「東京2020オリンピック The Official Video Game」を発売する。
本作は東京2020オリンピックの競技種目の中から、16種目(後日4種目を配信予定)のスポーツゲームを収録した作品だ。テニスや野球といったビデオゲームでもお馴染みの対戦系の種目はとっつきやすく王道に、100mや水泳といったストイックにタイムを縮めていく種目はボタンの連打やタイミングよくスティックを倒すなど操作はシンプルに作られている。
だが本気で勝利を目指そうとしたり、タイムを縮めようとすると連打の速さはもちろん、スティックを倒す正確な操作や、ボタン入力のタイミングなど、テクニックを求められる、入り口は広く奥行きは深いスポーツゲーム集になっている。
弊誌では体験版のレポートとして「110mハードル」、「200m個人メドレー」、「テニス(シングルス/ダブルス)」の種目について紹介しているが、今回は製品版でプレイできるアバターのカスタマイズと、16種目の中から「走り幅跳び」、「BMX」、「ボクシング」をピックアップして紹介していこう。なお今回もPS4版でプレイしている。
こだわったキャラクターメイクが可能でウェアの種類も超豊富!
まずは自分の分身になる自分のアバターを作っていく。まずは大きく男女を分けたあと、体各や顔の輪郭、顔のパーツから、ボイスまでをカスタマイズしていく。本作はオンラインでの対戦にも対応しているため、自分の国や地域を背負う自分だけのアバターを作って競技に挑もう。
またアバターだけでなくウェアのカスタマイズの幅が広いのが特徴だ。スタンダードなウェアはもちろんだが、本作にはユニークなウェアも多数用意されている。ユニークなウェアはゲーム内で獲得できるポイントでアンロックする必要があるが、ポイントはかなりたまりやすく、様々な種目をプレイしていれば自然とアンロックできるようになっている。
見た目に反して超シビア!ついつい繰り返しプレイしてしまうストイックな競技「走幅跳」
それでは筆者が特にハマった種目を紹介していこう。
1つが「走幅跳」だ。本作の陸上競技は基本的にボタンを連打して加速する。そこに「110mハードル」であればボタンの連打に加えてハードルを飛び越えるという操作が加わるといった具合だ。
走幅跳も連打で助走のスピードを稼ぐところは同じだ。本種目がユニークなのは踏切の瞬間で、ジャンプの瞬間左スティックを倒すのだ。そしてこの左スティックを倒す角度が45度に近いほど飛距離を稼げるというゲームになっている。
つまり操作としてはボタンを連打して助走でスピードをつけて、スティックを倒しジャンプする、操作はシンプルなのだが、好成績を残すためには連打の速さ、スティックを倒すタイミング、スティックを倒す角度という3つの要素が求められるのだ。
どれかひとつの要素に気を取られていると他の部分に影響が出てしまったりするし、特に踏切線を越えてジャンプしてしまうと他の要素がどれだけ正確でも失格になってしまうというシビアさが面白い。
一人称の迫力はゲームならでは!「BMX」レースで熱くなる!
もう1つ筆者のお気に入りの陸上競技が「BMX」レースだ。こちらも他の陸上競技と同じように連打で加速するという基本的な要素は変わらない。コース上にマークがある部分でジャンプボタンを押すとアクロバティックなトリックを決められる。この演出がただのレースにはない爽快感になっているのだ。
そして筆者が特にお気に入りなのが1人称視点でプレイできることだ。これがBMXレースならではのスピード感や、トリックを決めたときのジャンプの高さをリアルに感じられる。これはまさにゲームならではの演出だろう。シビアにタイムを競い合うときには向いてない印象だが、ダイナミクスさを感じられるのがお気に入りだ。
スポーツゲームとしては珍しいジャンル。直感操作で楽しい「ボクシング」
そして最後に紹介したいのが「ボクシング」だ。ボクシングはこれまでに紹介した種目とは少し操作感が異なる。左スティックと右スティックがそれぞれ左腕、右腕に対応しておりスティックの倒し方で、横に倒すとフック、上に倒すとストレート、下に倒すとアッパーという操作になっている。この操作がなかなかに直感的で、気持ちが良い。
さらにサイドステップでパンチを避けたり、タイミング良くガードボタンを押すことで“ジャストガード”というテクニックを出したりとシンプルながらも格闘ゲームさながらの駆け引きが楽しめるのだ。
今回紹介した種目以外も入り口はシンプルで直感的、ガチンコでタイムを縮めたり勝利を目指そうとすると細かなテクニックが用意されているという、普段ゲームをあまりプレイしないスポーツファンから、日々タイムアタックなどをやりこんでいるコアゲーマーまで幅広いユーザーをターゲットとした作品になっていると感じた。
インターネットでの協力プレイはもちろんだが、オフラインでの対戦プレイに対応しているので、普段あまりゲームをしない友達や親戚と集まったときにオリンピックの話をしながらワイワイと楽しむのがベストなゲームだと感じた。
総じてカジュアルゲーマーからコアゲーマーまで楽しめる種目が盛り込まれているゲームだ。個人的には本格的なスポーツゲームがやりたければ専用のタイトルを、カジュアルにオリンピック種目のゲームをプレイするのであれば本作をプレイする、という印象で他のスポーツゲームとの差別化もできていると感じた。
気になったのはゲームをプレイするモチベーションだろうか。ゲームをプレイすることでポイントが貯まりウェアなどがアンロックできるが、ビジュアルにこだわりがなければモチベーションに繋がりにくい。一方でオンライン対戦にはかなり期待している。日本の国旗を背負って世界中の人と対戦するのは燃えそうだ。
オリンピックまであと1年。オリンピックに向けて今後も様々な盛り上がりを見せるのだろう。本作はプレイステーション4、Nintendo Switchで現在発売中である。