「ストリートファイター」シリーズ12タイトルが集結! 一足先に海外版をプレイ!

Street Fighter 30th Anniversary Collection

「Street Fighter 30th Anniversary Collection」

ジャンル:
  • 格闘ゲーム
発売元:
  • Capcom U.S.A
開発元:
  • Digital Eclipse
プラットフォーム:
  • Windows PC
  • PS4
  • Xbox One
  • Nintendo Switch
価格:
39.99ドル
発売日:
2018年5月29日

 アクション映画が好きだった筆者は、1987年に「ストリートファイター」シリーズの第1作目である「ストリートファイター」を初めて目にしたとき、大きな衝撃を受けた。2人のファイターが画面内で戦う姿は、ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画を見ているような雰囲気で、筆者が求めていたゲームが目の前にあることに感動を覚えたのを今でも覚えている。

 1987年当時、アップライト筐体に気圧式ボタンを実装し、格闘ゲームに体感ゲームの要素を取り入れた「ストリートファイター」は、異彩を放っていた。その後、対戦に特化した「ストリートファイターII」(以下、「スト2」)が誕生すると、日本中のゲームセンターに「スト2」のプレーヤーがあふれかえり、「ストリートファイターII'」(以下、「スト2ダッシュ」)が発売される頃には、1店舗に1台に留まらず2台、3台と増える現象が各地で起こった。

 「スト2ダッシュ」発売後から間もなく、ゲームスピードの大幅な上昇、新技の実装、キャラバランスの見直しなど、現在のアップデートの先駆け的な“調整”が行なわれた「ストリートファイターII'ターボ」(以下、「スト2ターボ」)が発売された。そのムーブメントはアーケードに止まらずコンシューマーにまで広がり、プレーヤー人口が爆発的に増え続けた。コンシューマー版の「スト2ターボ」が発売されるのを機に、対戦格闘ゲームを使用したeスポーツの先駆けともいえる「ストリートファイターII ターボチャンピオンシップ'93 IN 国技館」がカプコン公式大会として開催された。予選は各地のゲームショップで行なわれ、決勝大会の会場は、大会名の通り、両国国技館で行なわれた。

 今回紹介するタイトルの日本版「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」(以下 日本版「SF30th」)は、当初、2018年春に発売すると発表があった。「スト2」のファンコミュニティでは、最新の据置機でプレイできる期待と喜びに沸く一方、コアなファンからは、移植に関して不安の声も同時に起こっていた。

 というのは「スト2」のコアファンは、1991年から2018年になってもなお、アーケード版をベースに現役の“対戦ツール”として研究し続けている。そのため、「移植」という部分に関して非常に細かい部分まで要求してしまう傾向があるのだ。

 今回、「SF30th」の発表後に、「ストリートファイターVアーケードエディション」(以下、「SFVAE」)の大会等で試遊台が設けられ、多くのファンの感想がSNSを通じて広まっていった。高評価の感想も多くあったが、「収録タイトルがすべて海外版で日本版の収録がない」という部分に不満や落胆の声が多く、日が立つにつれて、メーカーへの批判へと変わっていった。特に不満を主張したのは日本のファンで、「日本のゲームのアニバーサリーコレクションなのに、我々が子供の頃に遊んだゲームが収録されてない」という声がもっとも多かったように思う。

 ちなみに、「ストリートファイター」シリーズは、同一タイトルであっても日本版と海外版で、メニューやセリフの言語表記以外に、仕様が異なる部分が多い。一例を挙げると、「スト2ダッシュ」はキャラの挙動が若干異なっており、「ストリートファイターZERO」シリーズは、海外では「ストリートファイターALPHA」として発表され、隠しキャラの有無も違ったりしている。

 このようなファンの声がメーカーへ届いたのか、日本国内版の発売は一時期「発売日未定」へと変更になり、「ストリートファイター」公式サイトにおいて5月30日、プロモーションプロデューサーの綾野智章氏から、2018年秋に発売の目途がたったことが発表された

 現在、海外版は5月29日に発売され、購入したファン達はさっそくSteamのコミュニティーやツイッター等のSNSへ、スクリーンショットを続々と掲載し、盛り上がりを見せている。本稿では、2018年秋の発売を前に、海外版である「Street Fighter 30th Anniversary Collection」を「ストリートファイター」シリーズのファンボーイの視点でお伝えする。

【Street Fighter 30th Anniversary Collection - Launch Trailer】

【「SF30th」収録タイトル一覧(全12タイトル)】
STREET FIGHTER
STREET FIGHTER II
STREET FIGHTER II'
STREET FIGHTER II' HYPER FIGHTING
SUPER STREET FIGHTER II
SUPER STREET FIGHTER II TURBO(スーパーストリートファイターII X)
STREET FIGHTER ALPHA
STREET FIGHTER ALPHA 2
STREET FIGHTER ALPHA 3
STREET FIGHTER III
STREET FIGHTER III 2ND IMPACT
STREET FIGHTER III 3RD STRIKE
※いずれも海外アーケード版

まずは動作チェック。意外と軽いPCで遊べる

 今回は、レビュー用にPC版を使用したため、複数の環境で動作チェックを行なうことができた。日本版の発売の際にPC版購入の検討材料として、動作確認ができたPCの構成を簡単ではあるがここに記述しておく。

【ノートPC】
メーカー: Dell Inc. Inspiron 7373(2in1 ノートPC)
CPU: Intel Core i5-8250U 1.60GHz
GPU: Intel UHD Graphics 620 (内臓グラフィックス)
メモリ: 8GB
OS: Windows 10(64 ビット)

 筆者がビジネス用途で使用しているノートPCにインストールしたところ、問題なく遊ぶことができた。描画も60fpsで、ほぼ安定動作していることを確認したが、ゲーム中はノートPCが発熱するようで、放熱については気を付ける必要がある。1度、ゲーム中に処理落ちしたことがあったが、PCを再起動しゲームを起動してプレイすることで、処理落ちをすることも無くなった。

 さらに負荷を掛けるため、配信ツールを利用してYouTube LIVEで配信しながら「スト2ターボ」をオンライン対戦でプレイしてみたが、ゲーム中の処理落ち等は確認できず、快適に遊ぶことができた。また、モニターの入力遅延についても、ゲーム中に感じることは無く、非常に快適であった。

 ちなみに同PCで「ストリートファイターV」をインストールしてみたところ、やはり3Dグラフィックスを採用したタイトルであるためか、グラフィック設定を最低設定にしても遊べなかった。

【デスクトップPC】
メーカー: 自作PC
CPU: Intel Core i7 2600K (Sandy Bridge) Socket1155LGA
マザーボード: ASUS P8Z68-V (Intel Z68)
GPU: NIDIA GeForce GTX 750 Ti
メモリ: DDR3 Dual 24GB 668.9 MHz (CL9)

 先ほどのノートPCよりスペックを高くしているが、デスクトップPCもゲーミングというには貧弱の構成である。ただ、一応ビデオカードを積んでいるためか、処理落ち等は確認することはできなかった。以上、2台の検証から、「SF30th」は比較的軽いゲームであることがわかる。

検証に使用したゲームコントローラー

 今回検証に使用したコントローラーは下記の機種である。こちらも簡単に報告する。

【ゲームコントローラー】
コントローラータイプ: スティックコントーラー
モデル: HORI リアルアーケードPro.N HAYABUSA for PS4 PS3 PC

コントローラータイプ: パッドコントローラー
モデル: Mad Catz ストリートファイター X 鉄拳 ファイトパッド S.D. - 春麗 & キャミィ v.s. ジュリア & ボブ (Xbox 360 対応版)

 どちらのコントローラーも起動前に接続しておくことで、ソフト側でボタンコンフィグをすることなく遊ぶことができた。

まずは全12タイトルの中から屈指の名作「スト2」初期3作をプレイ!

 「ストリートファイター」シリーズにおいて、筆者が1番思い入れ深い作品は、やはりCPS1基板でリリースされた、「スト2」、「スト2ダッシュ」、「スト2ターボ」の3作である。現在の格闘ゲームのeスポーツシーンは、これらの作品無しに語れない。

 筆者はまず、何よりも先に「スト2」を起動し、当時やり込んでいたリュウとガイルでプレイしながら、操作感、ゲームの進行、グラフィック、効果音、BGM、バグの移植度合い等々、「スト2」ファンなら気になる部分を一通り確かめてみた。

 「スト2」については、コメントや一部のキャラ名表記を除き、私の記憶と照らし合わせても大きな違いは見受けられず、当時と遜色のない「スト2」をプレイすることができた。

 リュウでCPUガイルに対して弱昇龍拳でサマーソルトキックを誘ってパーフェクトが取れたり、ガイルで、気絶させた相手に、ジャンプ強キック→アッパー→ソニック→裏拳の4段攻撃を入れたり、バグ技「真空投げ」も決められるなど、すべて当時のままの感触でプレイでき興奮した。

※「ガイルの真空投げ」……初代「スト2」のバグ技。一定の間合いに入れば、相手の状態にかかわらず投げが成立する。

「スト2」の移植内容のチェック中に、初めて見るガイルが消えるバグに遭遇。再現できることはわかったが、海外版には昔からあるバグなのか確認できていない。
「スト2」、「スト2ダッシュ」のデモ対戦中に、使用キャラ数を表示させる隠しコマンドも再現されている。コマンドは2P側のコントローラーで「↑↑↓↓←→←→中P、小P」。

 「スト2」は、今にして思えばゲームスピードが遅いのだが、グラフィックスと効果音と操作のシンクロによって得られる爽快感が、それまでの格闘ゲームと比べると群を抜いていた。たとえば、弱パンチ連打の風切り音が心地良く、弱Pボタンを永遠に連打したくなる衝動に駆られる。ヒット時の破裂音に近い打撃音も、「今、まさに連続で強力な技を決めてる!」と感じられる素晴らしい演出であった。

 まだまだ「スト2」を触りたい衝動を抑えながら「スト2ダッシュ」の検証に移った。稼働当時、なぜか地元の飲食店に設置されていた海外版「スト2ダッシュ」を触っていた印象で、サイコクラッシャーの削り回数が異常であったことを思い出し、実際に確認してみると、4~5回削ることを改めて確認、食らったほうがマシになるダメージを確認できたことが嬉しかった。

 当時の筆者は唯々「スト2」の新作がプレイできて楽しいという感情しかなかったが、今の筆者が「スト2」から「スト2ダッシュ」をプレイして感じたものは、操作性とゲーム性の著しい向上による満足感の高さである。

 操作性の向上として貢献した部分は特殊技の実装である。ガイルのニーバズーカー、ダルシムのドリルキックがこれに当たるが、ガイルは溜めを継続したまま前進が可能となり、ダルシムは遅いジャンプに、大きな動きの変化を可能とした。

 ゲーム性の向上に関しては、攻撃判定と負け判定の大幅な見直しによって、キャラバランスが均一化の方向に修正され、より優れた対戦ツールに進化している。この修正は結果的にプレーヤーのニーズに答えながら、これまで蓄積されたゲーム攻略を強制的にリセットすることで、最新作として生まれ変われるという副産物も生まれている。

追加された新技。どちらもキャラクターの操作性や遊びの創造性を向上させる技だった。「スト2」から「スト2ダッシュ」への移行は、現在稼働中の「ストV」のシーズンという概念と非常に似ている

 「スト2ターボ」は、「スト2ダッシュ」から劇的に上がるゲームスピードが特徴だ。あまりの速さに少しだけ戸惑ったが、稼働当時に地元のゲーセンでも流行った小足アッパー昇龍拳を試す頃には、筆者の手元のボタン操作音と「スト2ターボ」から再生されるヒット効果音の重なりが、音ゲーを遊んでいるように感じて大変気持ち良くなった。

 この作品も「スト2ダッシュ」と同様、攻撃判定と負け判定を再度修正して最新作としているのだが、「スト2ターボ」最大の功績は「ゲームスピードアップ」と「新必殺技の追加」ではないだろうか。

 まず、ゲーム全体のスピードアップによるゲーム性の変化だ。これによりプレーヤーの対戦攻略の方向性が大きく変化した。「スト2ダッシュ」までは、リーチがある程度長く、対空行動が比較的容易な対応型のキャラである、ダルシム、ガイル、サガットが最終的な評価でも上位に位置する。ターボになってもこの傾向は消えたわけではないが、ゲームスピードアップによって、スピードを生かした戦略が生まれ、「全対応攻略」から「反応できないスピードを生かした攻略」も対戦攻略においては重要な要素の1つとなった。

 ゲームスピードアップの変化と共に、各キャラに新必殺技を追加することで、新たな遊び方を提供し、プレーヤーの遊び心に訴えかける調整になっていると感じた。

 「スト2」、「スト2ダッシュ」、「スト2ターボ」と触った感想としては、当時の思い出に浸ることができる完成度の高い移植であると断言できる。筆者はゲームをプレイしている間、当時の自分の感情を思い出すことが多く、違和感を覚えることが少なかった。

 上記のタイトルを触った後、「スーパー」以降のタイトルも順番にプレイしたが、隠し要素等も含めてアーケード版を忠実に移植されていたと感じた。海外版と日本版の違いも「ミュージアム」モードでしっかりと補足説明され、痒いところにも手が届く作りになっている。特に、「SUPER STREET FIGHTER II TURBO(日本版はX)」の移植としては、過去最高の移植とうわさもあるDC版と比べても遜色ないものとなっている。

追加された必殺技である「春麗の気功拳」、「ダルシムのヨガテレポート」、「リュウとケンの空中竜巻旋風脚」は、既存のグラフィックスを流用して新技作成していることにも驚く。追加された新技はどちらもキャラの操作性や遊びの創造性を向上させる技であった

続いて人生のやり残し「ストリートファイター」をノーコンティニューでクリアする

 筆者は「スト2」の挙動を一通り確認した後、人生でやり残したことの1つである「『ストリートファイター』をノーコンティニューでクリアする」を実現すべく、「ストリートファイター」を起動した。

 アーケード版を遊ぶのは30年ぶりで、自分がどうやってサガットまで到達していたのか思い出せなかったが、「スト2」で鍛え上げた操作技術で、波動拳も昇竜拳も竜巻旋風脚も高い精度で出せるようになっていた。ゲームオーバーを繰り返す覚悟でプレイしていたが、7回目のチャレンジでサガットを倒すことができた。

 「ストリートファイター」が稼働していた当時が中学生だった。圧縮ボタンを力いっぱい叩いて、汗だくになって遊んでいたあの頃の私に、この感動と喜びを伝えたい衝動に駆られる。

懐かしのタイトル画面。「ストリートファイター」のみクレジットSEが再生される。
筆者がストリートファイターで、1番初めに戦ったキャラが烈である。烈の法衣と構えの特徴からモデルは少林寺拳法に間違いない。筆者も経験者であったので親近感が沸いたのを覚えている。
当時、とても難しかった昇竜拳も今では簡単に出せてしまう。
ボーナスステージも特徴的だ。手刀による試割り2回目はブロック割り。
サガットも昇竜拳連打であっさり攻略。この頃の昇竜拳は当たり方次第で一撃で相手を倒せるまさに必殺技。
自力でのエンディングは初めてだった。感無量である。

オンラインモード 単位時間当たりの対戦回数が多い素敵な仕様。

 オンライン対戦が楽しめるタイトルは「STREET FIGHTER II' HYPER FIGHTING」、「SUPER STREET FIGHTER II TURBO」、「STREET FIGHTER ALPHA 3」、「STREET FIGHTER III 3RD STRIKE」の4タイトル。

 オンラインの対戦は至って快適である。もちろん海外のプレーヤーとの対戦では、ゲームとして厳しいこともあるが、通信相性の良いプレーヤーとであれば、ラグを感じない対戦が可能である。

 細かい仕様については割愛するが、オンラインアーケード、ランクマッチ、カジュアルマッチの3モードは、対戦者を待ち受けし、気軽に対戦できるモードである。この3モードのできは素晴らしい。何といってもマッチングしてから対戦が始まるまでの時間が短いことである。対戦者が見つかってすぐにキャラクターセレクト画面へ移行し、キャラが決定すると対戦が開始される。キャラセレクト画面移行はアーケードと同じ画面構成になるため、想像しやすいだろう。対戦が終わって再戦を行なう際にも、演出の短いリザルト画面の直後に再戦の選択肢が表れ、お互いが再戦を希望すると、すぐにキャラセレクト画面に移行する。

 もともとアーケードでは、オペレーターの収益性を考えると、「単位時間当たりのインカム」が上がる必要があるため、余計な時間を消費する演出は無く、ボタン押下で次々と先に進める仕様が一般的である。今回の移植はアーケードに準ずるように設計されたのか、対戦を連続で行なうことができるため、対戦ゲームとして最高に心地よい仕様となっている。

オンラインオプションは、プレイ前に必ず確認
入力ラグ 0~8:オンライン対戦では、通信環境が悪い場合、ゲームを遅延させて通信結果の待ち時間を作ることで、快適性を求める方法をとることがある。本設定では、数値を小さくするとゲーム上の遅延が少なくなり操作性が向上するが、ネットワーク相性が悪いと描画が不自然になる。数値を大きくすると、ゲーム上で遅延を意図的に発生させて、操作性を若干犠牲にして描画に影響を与えにくくする。筆者は0に設定して遊んでいるが、韓国プレーヤーと対戦しても快適に対戦プレイを楽しむことができた。

その他のモードも総ざらいでチェック!

 本タイトルの中でも特に気になったモードについてレポートする。

オフラインモード VSモード

 各タイトル毎に対戦に必要な部分のみで構成されたものになっている。

 「STREET FIGHTER」:ステージセレクトのみで、キャラセレクトなし。リュウvsケンのみ。

キャラクターセレクト画面なしに対戦が始まる。

 その他のタイトル:VSモード専用のステージセレクト画面の後、各ゲームのキャラセレクト画面へ移行し、対戦がすぐに始められる仕様となっている。また対戦に決着がつくと「再戦」を選ぶメニューが表れる。「はい」を選べばキャラセレクト画面へ移行し、「いいえ」を選択するとゲーム選択画面になる。対戦ツールとしても非常に快適だ。

ステージセレクトは共通で好感度が高い
キャラクターセレクト画面→対戦の流れは、各タイトルの画面構成となる
リザルト画面から再戦の有無を選ぶことができ、再戦する場合は即同一ステージでキャラクターセレクト画面へ移行するため、連戦を繰り返すプレーヤーにとっては時間短縮で非常にありがたい

トレーニングモード

 そしてトレーニングモードも用意されている。アーケード版にはないトレーニングモードが追加されているところは、評価すべきところだが、手放しに喜べない部分もある。

 まず、トレーニングオプションである。ダミー設定に関しては、各タイトル毎に必要な設定を網羅している。この部分は非常に丁寧に準備されていると感じた。相手キャラのレコードとプレイが実装されている部分については好感が持てる。ゲージ設定についても、SCゲージの自動回復タイミングや速度が若干遅いと感じるが、大きな問題ではない。

 非常に残念なのが、一般設定となっている「ダメージ表示」である。練習に必要な情報は表示されていると思うが、「スト2ターボ」だけがコンボヒットの表示がない。内部的に難しいのかもしれないが、もともと「スト2ターボ」にはコンボ表記が出ないので、トレーニングで確認できると、より利用価値の高い機能となったのではないだろうか。

トレーニングモード中に確認できる情報量が、近代対戦格闘ゲームと比べると少なく感じるのは仕方がないが、実装されたことはプレーヤーとして大変ありがたい。
「スト2ターボ」に関しては、ゲームシステムとしてコンボ表記されないので、トレーニングモードでコンボヒットの表記を実現してほしかった。

 そして、今回のトレーニングオプションで最も残念だった部分が「入力表示」である。「入力表示」は、移動8方向(レバー入力)及び6ボタン(攻撃ボタン6種)の入力履歴を表示する機能で、対戦格闘ゲームのトレーニングモードの機能で最も大切な機能の1つであることは言うまでもない。

 例えば、昇龍拳の練習中に何度も失敗しているプレーヤーの入力履歴をみることで、失敗の原因を確実に確認することができる。

 しかしながら、今回実装された入力表示機能は機能として不十分である。対戦格闘ゲームのトレーニングモードに必要な入力履歴は、すべてのボタンON、OFFと前の状態からの経過時間(経過フレーム)である。攻撃ボタンON、OFFのタイミングで成功するため、ボタン離し必殺技およびSC、CAを確認することができない。本タイトルの前に発売された「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」では、入力の変化をすべて表示していたので、「入力表示」については、もし可能であれば修正して頂きたい部分である。

SC真空波動拳LV3を「強Pボタン離し」で成立させたスクショ。SC成立のタイミングには、「レバーのONとOFF」、「攻撃ボタンのONとOFF」、「コマンド完了時の方向ボタンと攻撃ボタンがビタとズレ」と8パターンが存在するが、本タイトルの「入力表示」では、どの状態なのか確認することができない。

 また、本タイトルのトレーニングモードは、オンラインモードに対応した4タイトルのみとなっている。対戦格闘ゲームファンは、トレーニングモードを非常に好んでプレイする人が多い。今後のアップデートで他のタイトルに対応することを期待したい。

ミュージアムキャラクター

 「ストリートファイター」シリーズのキャラクターを堪能できるモードである。キャラクターの設定やショートストーリーが掲載されている。また、各タイトルの必殺技のモーションをすべて確認することができるのも楽しい。普段は一瞬しか見ることのできない技のモーションもじっくり見ることができて楽しい。

 ただ、大変残念なことに、「ストリートファイター」に登場した一部のキャラクターが掲載されていない。単純な掲載漏れなのか、何か事情があるのかはわからないが、大変悲しい事態である。カプコンには是非、今後のアップデートで対応して頂きたい。なお、記載されていないキャラは以下の通り。

RETSU、GEKI、JOE、MIKE、LEE、EAGLE、GILL

掲載されていないキャラクター達

過去最高クラスの移植度を誇る「SF30th」。今秋の日本語版にも期待

 いかがだっただろうか。本タイトルは、過去最高クラスの移植であったと確信する。また、アーケード版に搭載されていない対戦モードやトレーニングモード、オンライン対戦モードの実装も、多タイトルを収録した本作品の特性を考慮して設計されており好感が持てる。

 収録タイトルの開発資料やイラスト、音楽など、多くの情報が詰め込まれた本タイトルは、アニバーサリーコレクションとしてすばらしい作品であったと思う。日本版収録以外のゲーム移植部分は完成度が高かっただけに、日本国内版も同時にリリースされ、すべての「ストリートファイター」ファンと共に、同じ時期に盛り上がれないことが悔やまれてならない。

 一方でトレーニングモードの仕様が「ストリートファイター」シリーズに合ってないことや、資料のキャラ情報の一部が抜け落ちている等、残念な部分も散見された。

 果たして日本版ではどのような仕様になるだろうか。我々「ストリートファイター」ファンの声を受けて、日本版の発売を延期したメーカーからの答えを信じて、2018年秋を、対戦格闘ゲームファンの皆さんと共に楽しみに待ちたいと思う。