2016年10月11日 13:00
あの果てしない宇宙の彼方には、何があるんだろう。「スター・ウォーズ」のようにエイリアンと出会う風景や、「オデッセイ」や「2001年宇宙の旅」のようなSF世界を思い浮かべることがあるかもしれない。8月25日に発売されたプレイステーション 4用「No Man's Sky」は、1,844京個という途方もない数の惑星群からなる銀河を探査し、その中心を目指す航海へと繰り出すゲームだ。
惑星群はそのすべてが、惑星の大気状態や地質、地形、秘められた資源、植物や原生生物に至るまで何もかもランダムに生成される。たとえば貴重な資源がたっぷりと埋蔵されている極寒の惑星や、猛毒の大気に覆われ、とげとげしい岩や植物が生える惑星、そして地球のように恵まれた環境の惑星――というように、まさに無限大のパターンからなる星を探索することができる。
そんな銀河で何ができるのか? 一応のゴールとして「銀河の中心へ辿り着く」という目標はあるが、プレーヤーは辿り着いた惑星のすべてを調べ、データベースへ報告する探検家になってもいいし、ひたすらに自分の装備を整え、一心不乱に銀河の中心へ走る冒険者になってもいい。あるいは銀河を股にかける海賊となって、方々の宇宙ステーションや宇宙船を破壊し掠奪する……その行動に見合う「責任」を負えるならだが……そんなプレイも許される。つまり何をするのも自由だし、どんな勢力になっても、どのような結末を迎えるかも自由ということだ。
筆者は今回、このゲームの数千京分のいくつか(ほんのちょっぴり)の要素しか触れられていないが、そんなちょっぴりの部分に含まれた刺激的で新鮮な体験を、レビューとして伝えたい。
不時着した宇宙船、極寒の大地。まずは最低限の装備を整えよう
ゲームが始まると、さっそく雪原に放り出された。最初はどのプレーヤーも宇宙船の墜落現場からスタートするようだが、墜落する惑星は様々だ。筆者は雪の降る星に墜落し、墜落した際にできたらしい大きなクレーターからスタートした。周囲は高い崖に囲まれていて、自分が乗っていたであろう宇宙船は大破し煙を上げている。資源の採集やデータ収集、戦闘も可能なはずの「マルチツール」のパーツもほとんどが破損している。唯一無事だった資源採集パーツ「マイニングビーム」を手に、まずは惑星探査に必要なパーツたちを修理することから始まるのだ。
宇宙服(エクソスーツ)に装備されたジェットパックを使い、クレーターの外へ出た。見渡す限りごつごつした岩と針葉樹のような植物ばかりだ。資源が採取できるものに近づくと、そこからどのような資源が採取できるかがわかる。植物からは燃料となる「アイソトープ」、岩石や所々に柱のように生えている鉱石からは鉄やアルミニウム、時にはプラチナや「クライソナイト(オリジナルの鉱石)」といった「オキシド」、「シリケト」といった資源が採取できる。これらは各種装備をアップグレードするための素材になるし、異星人との取引で資金(ユニット)にできる。始めのうちは宇宙船やマルチツールを修理するための鉄と、燃料になるプルトニウムや炭素を集めることに専念するといい。プルトニウムはほとんどの場合、不思議なことに「結晶」の形で見つかる。
また、プレーヤーが訪れた惑星の大気に毒性があったり、酷暑・極寒に襲われる場合にはエクソスーツに装備されている「生命維持システム」と「危険制御システム」がフル稼働してプレーヤーを保護する。これは先ほど紹介したアイソトープ資源をエネルギーとして稼働するのだが、植物などから採取できる炭素より、プルトニウムを使用した方が資源の節約になる。宇宙船の燃料はもちろん、マルチツールに装備して使う武器やマイニングビームも全てアイソトープ資源からエネルギーを補給するため、常に十分な量の資源を持ち歩いたり、宇宙船の空いた倉庫の中に貯蓄しておく必要がある。
周辺の岩から十分な量の鉄を集め、周辺の稀少資源の場所がわかる「スキャナー」と惑星の生物や鉱石を調査するための「分析レンズ」を修理した。分析レンズを使って得たデータや到達した星系、惑星の情報は、PS4版ではOPTIONボタンから閲覧できる「ディスカバリー」画面から確認できる。ここからデータをアップロードするとユニットが報酬として支払われるほか、名前を変えることもできる。
他にも「旅」画面では今までの実績を確認したり、「設定」画面で操作方法の確認や「オプション」で画面の明度や音量、カメラ感度の設定も可能。ここで注意したいのが決定ボタンとキャンセルボタンの違いで、PS4版では「英語版」仕様で、×ボタンが決定、○ボタンがキャンセルとなっているのだ。筆者はこれに慣れきっていない頃に誤って押したボタンが原因で、異星人との取引を逃した経験がある。日本の通常使用とは逆なのでなかなか慣れるのは難しいが、間違えないよう注意を払いたい。
パーツを作るための素材を採集していると、突然ロボットから攻撃された。「センチネル」と呼ばれるこのロボットたちは、銀河中の惑星に派遣されたいわゆる「管理者」のようなものらしい。惑星の管理を行ない、むやみな採掘や原生生物の狩猟に反応してプレーヤーをスキャンしてきたり、場合によっては容赦なく攻撃をしかけてくる。初期状態のマイニングビームでは攻撃こそできるが、あくまで戦闘用ではなく資源採集用なのだ。応戦するもあっけなく倒されてしまった。
プレーヤーが何らかの原因により倒れてしまうと、その場にいくつかの所持品(装備品は除く)を「アイテムケース」としてドロップし、最後にセーブした地点からやりなおしとなる。プレーヤーは倒れるたびに「新たな世代」として生まれるが、これはクローン技術か何かなのだろうか?
異星人の歴史に触れ、旅の糧を手に入れる。そして広大な星の航海へ
素材を集めながら宇宙船を修理し、ついに惑星内だけなら飛行できるようになった。さっそく空から惑星を観光していると、明らかな人工物が姿を見せた。円筒形のオブジェは「知識の石」という名前で、それに触れれば惑星に住んでいる異星人の「言葉」を知ることができる。
シェルターや基地にはデータが残されていたり、大きな基地には異星人が住んでいることもある。データを収集したり、異星人とうまく交流できれば装備をアップグレードするための設計図や、運が良ければ新しく強力で、さらに格好いいマルチツールを獲得できることもある。
冒険の相棒「マルチツール」は様々な形と好みのカスタマイズで更に便利に
マルチツールにも拳銃型、ライフル型など多様なモデルがある。ただしマルチツールは1つしか持てず、新しいマルチツールを手にする場合、古いものは廃棄となってしまう。もし気に入ったモデルや、貴重な素材を使うアップグレードがある場合はそのまま自分のツールを持っておくのもいいし、アップグレードを「分解」して素材を確保し、新しいツールに載せ替えるということもできる。
マルチツールにはマイニングビーム、分析レンズ、スキャナーの他にもマシンガンのように小型の弾を発射する「ボルトキャスター」、投射すると爆発・地形を破壊するグレネードランチャーのような「プラズマランチャー」といったツールが存在する。それぞれ設計図を手に入れてクラフト・装着するか、新しいマルチツールに備え付けられたものを使うことになる。これらのツールはアップグレード用の設計図を入手し、同じくクラフトしてマルチツールの空きスロットに配置することで性能を向上できる。
筆者が運良く見つけたアップグレードの中には、ツールの消費エネルギーを節約するなどの便利機能の他に、それぞれのツールの性質を大きく変えるものがあった。たとえばボルトキャスターの性質を変える「広範囲発射」はショットガンに似た散弾を発射するようになり、「バウンス・ショット」は弾を跳弾させ、「ショートバースト」は高速で弾を発射するなど。これらを組み合わせて、違う性質の弾にすることもできる。
また、プラズマランチャーにも似たようなアップグレードが存在し、生命体を追尾するロケットに変更したり、爆破範囲を大きく広げたりすることも可能だ。マイニングビームにも性質を変化させるアップグレードがあるかもしれない。こういったツールのアップグレードを楽しむのも、このゲームの魅力のひとつだろう。
そしてさらに惑星探索を続け、ついに「コーバックス」と呼ばれる異星人種に遭遇した。進化の過程で機械の体を手に入れた種で、彼ら特有の「コーバックス語」を喋る。先ほど紹介したモノリスなどから得られる「言葉」はここで役に立つこととなるのだ。なにやら訳のわからない文字列とカタカナが混じった言葉が聞こえるが、色々な「言葉」を手に入れておくとこの異星人との会話が翻訳されてくる。たとえば異星人がアイテムを欲しているとき、助けを求められたときにどうしたらいいかがわかるのは非常に便利だ。返答によっては貰えるアイテムが変わったり、最悪シールドや宇宙船、マルチツールのパーツにダメージを受けてしまう可能性もある。異星人との交流を重視するのなら、言葉の入手もおろそかにはできない。
宇宙に出るまでがチュートリアル。やっと果てしない銀河の航海へ
惑星を飛び出し、超高速での航行を行なうのに必要な「パルスエンジン」を修理できれば、ついに墜落した惑星を飛び出して宇宙空間へ足をのばすことができるようになる。惑星を脱出し小惑星帯を抜けると、自分が居た惑星「ヌゴルスボスチアム」に所属する星系「うなにょくる」を発見した。どちらも覚えにくい名前だが、この「うなにょくる」が擁する他の星は「たしじょんイルホフ」だとか「いまだののどジズフ」、「ルムパラセGL157」といった奇妙な名前ばかり。ランダム生成だからこそ楽しめる要素だろう。もちろんこの星系や惑星の第一発見者が自分なら、名前を変えてしまうこともできる。こういった惑星の名前や、そこに根付いた原生生物などがすでに他プレーヤーに発見・報告されている場合は報告や名前の変更はできないようだ。
星系には宇宙ステーションがあり、他の宇宙船が次々に入出港を繰り返していた。ステーション内で待ち構えていれば、入港してくる宇宙船のパイロットと取引ができたり、宇宙船そのものを交換することもできる。取引にはユニットが必要だが、惑星を探査したデータをアップロードしたり、採集した資源を売却して稼げる。稀少なオキシド資源や鉱石資源、シリケト資源は高値で売れることが多く、高価な宇宙船やマルチツールを購入する資金源になる。宇宙船にもアップグレードが存在するが、採集した資源を貯蔵する倉庫としての機能も持っている。アップグレードを満載するにしろ輸送するためのキャパシティを確保するにしろ、宇宙船はスロットが多くて困ることはない。
広大な銀河は自由で刺激的だ。しかしそれだけに厳しい場面も、辛いこともある
惑星を探査し、そこで得た情報や資源を糧に資金を稼ぎ、ツールをアップグレードして銀河の中心へ。他の星系へ移動するためには、ワープ装置である「ハイパードライブ」が必要だが、残念ながらこの宇宙船には搭載されていない。どうにか設計図かパーツそのものを搭載した宇宙船を見つけるため、次の惑星へ旅立とう。もちろん資源を売却して宇宙船を購入してもいいし、惑星をくまなく探し回って墜落した宇宙船を発見、修理して乗り換えてもいい。
なにをするにも自由な世界だからこそ、このゲームをどう楽しむかも自由だ。初めに述べたとおり、探検家にも、冒険者にも、海賊にもなっていいゲームだ。最高のマルチツールを探す旅も、イカした宇宙船に乗る夢も、悪事を働く宇宙船を撃墜するヒーローになる夢も叶えられる。
「No Man's Sky」はプレーヤーが宇宙で、未知の惑星で実現したい希望を実現してくれるゲームであるといえよう。大型の遺跡には異星人の言葉だけでなく、太古の歴史が綴られたオブジェクトがあったり、星系を荒らす海賊もいる。様々な姿の異星人にも会えるし、どれも言葉はデタラメで不可解だ。――ただし、貴重で高価な資源の少ない惑星では資金探しに苦労したり、厳しい環境の惑星では簡単に生命維持装置が停止してしまったりする。ずっと採掘を続けていたり、調査のために一日を費やす……なんてことを繰り返していたら同じ作業の続くプレイが辛くなってしまう。そんなときは、また違う遊び方を楽しんでみよう。
単調な作業が続く環境なら、いろいろな分野に手を出してみればいいのだ。いつか自分が最初に降り立った星が恋しくなったなら、ログの1番上にはいつでも自分が最初に見た星系がある。長い長いワープを繰り返すが、最終的には自分のいた星へ帰れるのだ。「EVE Online」のようなガチガチの星間戦争でもなく、「DEAD SPACE」のような殺伐とした世界でもなく、未知の惑星を、ワクワクした気分でじっくり手広く楽しみたい方にぜひオススメしたい1本だ。
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