先行体験
【ドラクエ3】HD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」第2回試遊レポート
勇者の旅立ちやカンダタとの戦い、新職業「まもの使い」や新要素「モンスター・バトルロード」を体験できるTGS試遊範囲を先行プレイ
2024年9月4日 12:00
- 【ドラゴンクエストIII そして伝説へ…】
- 11月14日 発売予定(Steam版は11月15日発売)
- 価格:
- 7,678円(通常版)
- 9,878円(通常版+ブック型収納ボックス)
- 10,980円(旅立ちの4人パーティセット)
- 13,180円(旅立ちの4人パーティセット+ブック型収納ボックス
- 18,570円(勇者と旅の仲間コンプリートセット)
スクウェア・エニックスが11月14日に発売を予定しているHD-2D版「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」が、9月26日より開催される「東京ゲームショウ2024」(TGS 2024)に出展される。それに先駆けて、国内メディア向けの試遊会が同社にて開催された。
本作で2回目の開催となる今回の試遊会は、TGS 2024に出展されるものと同等の体験版で、会場で試遊できるいくつかの要素を基準にプレイすることができた。そのレポートをお届けしよう。
旅立ちやロマリア周辺の探索など4つの体験内容が提示。時間の許す限り自由にプレイ可能
冒頭でも述べた通り試遊会は2回目で、初回のレポートは弊誌でもお届けしている。そちらではオリジナルの「ドラゴンクエストIII」からの変更点などを挙げ、ゲーム本編のシステムやグラフィックスの質感などを伝えている。
今回は大まかに4つの項目を体験対象としており、その範囲内で自由にプレイすることができた。なおTGSでも制限時間の15分以内なら、同様の体験を進めることができる。その内容は以下の通り。
1.最初から遊ぶ(オープニングと旅立ちからルイーダの酒場での仲間登録、アリアハン大陸の探索)
2.新要素「モンスター・バトルロード」を遊ぶ(旅で出会う「はぐれモンスター」を保護して戦わせる闘技場)
3.「シャンパーニの塔」攻略に挑戦(ロマリア北西のシャンパーニの塔にいるカンダタとその一味と戦う)
4.自由に探索(町やフィールドなどを自由に探索)
体験時はそれぞれをプレイできるセーブデータが用意され、2番以降はゲームを数時間進めた状態のロマリア(ストーリー的に2番目に訪れる城)から始められる。
なおこの体験会では、プレイステーション 5版とPC版が用意されたのだが、古くからのファンとしては「ドラゴンクエスト」シリーズの新作がPCで動いていたのはなんとも感慨深い出来事であった。ちなみに本稿はPS5版でのプレイレポートとなる。
オープニングの心理テスト風の語りかけにより、勇者の性格が決まる
まずはオープニング。おなじみの「ロトのテーマ」で始まるタイトル画面では、2人の巫女とラーミアらしき壁画風のビジュアルが映し出された後タイトルロゴが出るのだが、その間にファミコン版「ドラゴンクエストIII」を思わせる文字だけのシンプルなタイトルが挟み込まれるのは、当時を知る筆者のような世代にはグッとくる演出であった。
ゲームのオープニングでは、スーパーファミコン版から導入された、主人公の勇者に対する心理テストのような語りかけによる、キャラクターの「性格」の設定が行なわれる。筆者が思うがままに答えてみたら、「らんぼうもの」になってしまってちょっとショックだったが、正直に答えた結果なので仕方がない。もし製品版でも同じ結果なら、本当にそうなのだと認識して、その後の自分自身の行ないを改めようと思った。
かくして「らんぼうもの」の勇者はアリアハンで旅立ちの日を迎える。母親や王様など重要人物が絡むイベントではボイスによる音声演出があるのがドラマチックだ。ちなみにボイスはボタンでスキップしたり、設定でボリュームを0にしたりすることで、聞かずに進めることもできた。好みにもよるが、せっかくの録り下ろし音声なので初回のプレイはしっかり聞いて楽しみたいところ。
登場人物は4頭身ほどのデフォルメキャラクターで、ファミコン版やモバイル版ともまた違って、スリムで自然な印象を受ける。よく見ると2Dイラストを取り込んだものではなく、ドット絵で表現されていて、ファミコンやスーパーファミコンを意識した“レトロ調”ではなく、本作ならではのタッチで描かれているのが好感が持てる。
ルイーダの酒場での仲間の登録も印象的だった。選べる職業は戦士・武闘家・魔法使い・僧侶・商人・遊び人に加え、スーパーファミコン版で追加された盗賊、さらに本作から新たに「まもの使い」が加わった。この職業については後ほど紹介するとして、さらにもうひとつ「賢者」が存在すると思われるが、最初から選べないのは従来通りだ。
最初に驚かされたのは、仲間の見た目のグラフィックスと声が複数用意されていたこと。見た目は主に頭と髪型の違いで、ルックス(A・B)ごとに各4種類ずつあり、さらに髪の毛の色も14色から選択可能だ。僅かな違いながらフィールドを並んで歩くと結構印象が違い、彼らは戦闘画面にも登場するので、ちょっと新鮮な気持ちで楽しめるだろう。また声に関してはイメージに合わせた名称が付けられていてその場で聞くことができる。これらは戦闘時に再生される仕組みだ。
細かなところではあるが、ゲーム開始から要所にチュートリアル的な説明画面が挿入されたり、現在進行中のイベントの目的はメニュー画面に表示され一覧が見られるようになっていたり、セーブは教会で「おいのり」をする以外に要所でオートセーブされたりするなど、プレイヤーに優しいフォローがあるのもポイントだ。またPS5デフォルトの決定ボタンは×ボタンとなるが、○ボタンと入れ替えることも可能だった。
モンスターとの戦闘はシリーズおなじみの「さくせん」のシステムを導入していて、オートでも任意のコマンド入力の両方で進められる。現代の技術で進化したAI戦闘は「さくせん」の内容に見合った最適解で戦ってくれるので、少なくともこの序盤の戦闘で困ることはなかった。もし昔ながらのコマンド入力戦闘を楽しみたいのなら全員を「めいれいさせろ」に設定してプレイすれば。また戦闘はスピードを「ふつう」、「はやい」、「超はやい」の3段階に設定することができる。
保護した「はぐれモンスター」を戦わせる「モンスター・バトルロード」
ここからは試遊会に参加したメディア一同が初めて冒険するロマリア周辺についてのレポートとなる。セーブデータは「バトルロード場」からのスタートで、その場ですぐに新要素の「モンスター・バトルロード」を体験することができた。ちなみにオリジナル版では、モンスター同士の戦闘にゴールドを賭けて観戦する「格闘場」であった。
ここで主役となるのは、ダンジョンなどに隠れている魔性の消えた魔物「はぐれモンスター」で、見つけて保護することができる。今回の試遊会の範囲で行けた、とあるダンジョンにも隠れているので、TGSでプレイ予定の人は探してみてほしい。
バトルロードにはランクがあり、ゴールドを支払うことで参加できるようになる。出場させられるモンスターは最大3体で、それぞれに設定した「さくせん」に従って行動する。ターンごとに「さくせん」の変更は可能だが、プレイヤーが操作することはできないようになっている。複数の相手と戦って、最後まで勝ち残ることで賞品と賞金がもらえ、次のランクへの出場資格が授与されるといった具合だ。
賞品を見てみると、消費アイテムや装備があり、種などの貴重なアイテムが賞品になっているときもある。賞金も序盤にはありがたい金額で、挑戦してみる価値はありそうだ。もしかするとこのバトルロードだけで手に入るアイテムや装備などもあるかもしれない。
そしてこのバトルロード場があるロマリアは、王様がとある事件で困っている。それを解決することが先へ進むためのカギとなる。向かうはシャンパーニの塔にある「カンダタ一味」のアジトだ。塔まではそれなりの距離があるが、今回はルーラの呪文でひとっ飛びで行くことができた。
シャンパーニの塔の空気感を表す演出もかなりいい感じで、昼間に行くと入口は明るく、奥に進むにつれだんだん暗くなっていく。途中には日が差す明るい場所もあるが、だからといって敵との遭遇率が下がるわけではない。ところどころに点いている明かりに反射するチリが舞い、周囲にはにガラクタが散乱している。壁がない場所もあり、うっかり足を踏み外せば真っ逆さまだ(ダメージは受けないが、塔の外に出てしまう)。
しかもこの塔、下部分が大きな土台のような形で、その屋上から上に尖った小さな塔がある特殊な構造で、ダンジョンとしての形状にその形が反映されている。その見せ方は本作ならではのもので、オリジナルを遊んだことがある人も「ああ、こんな形だったんだ!」と新鮮な驚きを味わうことができるだろう。
この塔で特に活躍してくれたのが新職業の「まもの使い」である。モンスターの生態に詳しく、彼らが使うような特技を使って戦う独自の戦闘スタイルの職業で、狼を呼び出して敵全体に複数のダメージを与える「とおぼえ」や、敵単体の身をすくませる「なめまわし」、HPを回復する「やすらぎの歌」(仲間全員)、「けづくろい」(仲間1人)といった攻守に富んだ特技を使いこなせる万能な職業で、パーティに1人入れておくと頼りになりそうだ。特筆すべきは、前述のはぐれモンスターの気配を感知する特技「やせいのかん」が使えることで、これにより保護できるモンスターの数は格段に増えるはず。バトルロードもさらに楽しくなるのではないだろうか。
シャンパーニの塔の最上階ではカンダタ一味が待ち受けている。彼らのアジトがことのほか豪華で驚かされたが、さらに驚いたのはイベントでカンダタがボイスでしゃべったことだ。本作の演出として当然のことではあるのだが、あの調子のボイスが再生されたことに思わず吹き出してしまった。
そんなカンダタ一味はさすがに手強くカンダタの痛恨の一撃で、まもの使いが倒されてしまい、大きなピンチに陥った。そこまでにある程度ダメージを与えていたので、「さくせん」を変更して僧侶を回復役に徹することで何とか倒すことができた。
ロマリアでのイベントを解決した筆者だったが、その後の展開をすっかり忘れていて、次に目指すべきカザーブやノアニールには立ち寄らず、南の砂漠にあるピラミッドへと向かうことにした。ピラミッドは筆者が本作の冒険の中で特別(トラウマ的に)印象深かったダンジョンで、本作でその中がどうなっているのかがどうしても知りたかったからである。
ピラミッドに行く途中にはアッサラームの町もあり、ここでは夜だけ楽しめるあのイベントを体験することができた。
アッサラームでの興奮も冷めやらないまま、夜通し砂漠を歩いてたどり着いたピラミッドだったが、なんと今回の試遊会では入口から中に入ることができなくなっていて、それを確認したところでタイムアップに。続きは製品版でのお楽しみとなった。
約1時間半設けられた体験会だったが、ここに記したいろいろなことができたのは大きな収穫だった。セーブデータが用意されていたこともあるが、何より、設定によりゲーム全体のテンポを上げることができたのが大きい。制限時間があった今回ほど急いで進める必要はないが、時間をかけずに楽しみたい人もいると思うので、好みの設定を試していただきたいもの。
オリジナルの味わいを残しつつも、演出や音声などによってストーリーはよりドラマチックなものとなった。遊びやすさは言わずもがなで、かゆいところに手が届くフォローにより、オリジナルを知っている人も知らない人も必ず楽しめるのは間違いない。そしてこの後まだまだ続くストーリーはもちろんのこと、本作の仕様を受け継ぐであろう「ドラゴンクエストI&II」で描かれる「ロト伝説」の続きにも期待せずにはいられない。
(C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX
(C) SUGIYAMA KOBO
(P) SUGIYAMA KOBO
※画面写真・映像はすべてPS5版の開発中のものです。