先行レビュー

「ファイナルファンタジー レゾナンス」体験版プレビュー

心にしみるサブシナリオも見どころの第1章をまるごとプレイ!

【ファイナルファンタジー レゾナンス】
10月22日 発売予定(Steam版は10月23日発売)
価格:
7,678円(通常版)
9,878円(デジタルデラックス版)
25,500円(コレクターズエディション)

 スクウェア・エニックスより10月22日に発売される「ファイナルファンタジー レゾナンス」(以下、「FFレゾナンス」)の体験版が、9月4日に配信される。本作は、スマートフォン向けゲーム「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS(FFブレイブエクスヴィアス)」の1stシーズンをベースに、演出の追加やストーリーの再構築を施した作品だ。コンシューマーゲーム機向けのRPGとして、一本にまとめる形で新たに生まれ変わっている。

 さらに、スクエニが得意とする“HD-2D”で描かれたグラフィックからは、初期の「ファイナルファンタジー」シリーズを思い起こさせるような、どこか懐かしい雰囲気も漂っている。そこに現代的な演出を加えることで、単なる懐古趣味にとどまらず、今のゲームとして楽しめるように仕上げられているところも魅力だ。

 今回配信された体験版では、なんと第1章をまるごとプレイすることができる。もちろん、クリア後のセーブデータは、そのまま製品版へ引き継ぐことが可能だ。キャラクターのレベルは15まで、後ほど紹介するマスターランクは5までという制限が設けられているものの、通常のペースで遊んでいる限り、上限に達する前に体験版の最後までたどり着けるようになっていた。

 プレイ時間は、おおむね4時間から6時間ほど。どのようなゲームになっているのか確かめたい人にとっても、ちょうどいいボリュームといえるだろう。本稿では、体験版に収録された第1章を最後までプレイしてわかった、本作ならではの魅力や特徴を紹介していく。

【『ファイナルファンタジー レゾナンス』2ndトレーラー】

冒頭から圧巻の演出で物語の世界観へ引き込まれる!

 「FFレゾナンス」では、ゲーム開始時に「Casual」「Normal」「Expert」の3段階から難易度を選択できる。デフォルトの「Normal」は、ストーリーとバトルをバランスよく楽しめる標準的な難易度だ。「Casual」は敵がやや弱くなり、物語を中心に楽しみたい人に向いている。一方、「Expert」では敵が手強くなり、緊張感のあるバトルを味わえるほか、一部の戦闘でより多くの報酬を獲得できる。難易度はプレイ中にいつでも変更できるため、まずは好みのものを選んで始めても問題ない。

 ゲーム冒頭では、過去に起きた伝説の物語が描かれる。こちらはいわゆるチュートリアル的な内容となっており、プレイヤーの宿敵となる常闇のヴェリアスとただならぬ因縁を持つ謎の女性を操りながら、ゲームを進めていくことになる。

謎の女性(CVは水瀬いのりさん)を操り、バトルの基本などが学べるようになっていた

 何よりも驚かされるのは、その映像演出の素晴らしさだ。ドット絵風のアニメーションに加えて、縦横無尽に動き回るカメラワークなど、これまでに経験したことのないようなシーンが次から次へと展開されていくのである。冒頭だけで一気にこのゲームの世界観に引き込まれてしまった。

冒頭に流れるアニメーションは一見の価値あり

 このパートが終わると時代が進み、舞台はグランシェルト王国へと移る。ここから先は、グランシェルト王国の騎士であるレインが主人公となり、相棒のラスウェルとともに本格的な冒険が始まっていくことになるのである。

 このレインとラスウェルというコンビが、なんとも絶妙だ。レインは飛空艇部隊の隊長で騎士団のエースでありながら、人情味のある性格の持ち主だ。そのため、様々な出来事に直面して困り顔になる場面も多い。そのレインを引き立てつつ、正しい道を選べるよう、常に冷静な助言を送るのがラスウェルである。

主人公のレイン。飛空艇部隊の隊長ではあるが、人情味の深い人物だ

 この会話シーンは、サブシナリオなど一部を除くと、基本的にフルボイスで楽しむことができる。演じる声優陣も、レイン役の岡本信彦さんやラスウェル役の小林裕介さんに加えて、藤田茜さん、大塚明夫さん、水瀬いのりさんと豪華な面々が名を連ねている。

幼少期に家族を亡くし、レインの家族とともに育ってきたラスウェル。そのため、レインの性格もよくわかっている、良き相棒だ

 ゲーム冒頭のストーリーはこんな感じだ。グランシェルト王の勅命を受け、土の神殿の調査に出かけることになったレインとラスウェル。そこには、同国が代々守り続けてきた土のクリスタルが安置されていた。だが、その周囲に張られた魔法障壁が弱まっているとの報告があり、飛空艇団の隊長であるレインに調査の任が下されたのである。

 神殿の奥にたどり着いたふたりの前に現われたのは、ゲーム冒頭のパートにも登場した常闇のヴェリアスだった。レインたちは果敢に戦いを挑むものの、その圧倒的な力の前に一撃で倒され、土のクリスタルも破壊されてしまう。

後に常闇のヴェリアスと分かる謎の人物に倒され、土のクリスタルも破壊されてしまう

 一命を取り留めたふたりが城へ戻ると、そこは炎に包まれていた。常闇のヴェリアスの目的は、城の宝物庫に保管されていた国宝の神器を奪うことだったのである。レインたちは再び常闇のヴェリアスと対峙するが、その力の差は歴然としていた。命運が尽きたかと思われた瞬間、窮地に陥ったふたりを救ったのは、土のクリスタルから現われた謎の少女だった。

 常闇のヴェリアスたちが立ち去ったあと、謎の少女は人間の姿へと変化する。フィーナと名乗るその少女は、自分の名前以外の記憶を失っていた。その後、フィーナが仲間に加わることになり、3人の冒険が幕を開ける。

常闇のヴェリアスと再戦することになったのだが、力の差は歴然だ
最初にレインたちを救ってくれた、土のクリスタルから現われた謎の少女がここでも彼らを救ってくれる
常闇のヴェリアス率いる六盟傑の行方を追いかけることになったレインたち。ここで新たな仲間として、フィーナも加わることになる

次の一手を考えながらバトルを進めていこう

 敵とのバトルには、一部を除いてランダムエンカウント方式が採用されている。画面右上のミニマップが緑色に光っている間は安全だが、移動距離に応じて黄色、赤色と変化するにつれ敵との遭遇率が上昇する。敵と遭遇するとバトル画面に切り替わり、戦闘が始まる。

右上のミニマップが赤く点滅すると、敵との遭遇率が高くなる

 戦闘では、画面上に表示されたタイムラインの順番に沿って、敵味方のキャラクターが行動していく。次に誰の手番が回ってくるのかひと目で把握できるため、その後の展開を見越して作戦を立てやすい。味方の手番になったら、「たたかう」「技」「防御」などのコマンドを選択していこう。

 「技」にはキャラクター固有の攻撃や魔法などがある。一部の魔法は、敵単体を対象にするだけでなく、威力は下がるものの敵全体を攻撃することも可能だ。ここで重要になるのが、敵のHPを直接減らすだけではなく、ブレイクを狙うことである。

 敵のHPの下にある黄色いブレイクゲージをすべて削ると、相手をブレイク状態にできる。ブレイクした敵はそのターンに行動できなくなるうえ、通常よりも大きなダメージを受けるようになる。敵の攻撃を封じながら、効率よくHPを減らせるというわけだ。

 また、敵にはそれぞれ属性による弱点が設定されており、弱点を突くことでブレイクゲージを効率よく削ることができる。敵が大技を繰り出そうとしている場合も、その前にブレイクできれば攻撃を阻止することが可能だ。

敵の下に表示された赤いバーがHP、黄色いバーがブレイクゲージを表している
コマンドの選択時には、敵のHPとブレイクゲージをどれだけ減らせるか確認できる

 このように本作のバトルでは、行動順や属性、ブレイクゲージを確認しながら、次の一手を考えることが重要になる。単なるターン制バトルにとどまらず、状況に応じて戦術を組み立てていく楽しさも、本作の魅力といえるだろう。

この場面では1体のみだが、すべての敵をブレイクすると「フルブレイク」が発生し、追加で行動できる

 「FFレゾナンス」では、「ファイナルファンタジー」シリーズらしい派手な戦闘演出が楽しめるのも特徴だ。そのひとつが、各キャラクターの必殺技にあたる「リミットバースト」である。戦闘中にピンク色のリミットゲージがたまり、満タンになると発動可能になる。

 リミットゲージは戦闘をまたいで持ち越せないため、通常のバトルでは発動する前に決着がつくことも多い。一方、長期戦になりやすいボス戦では発動する機会が多くなる。キャラクターごとに異なる派手な演出も用意されているので、発動可能になったら積極的に使っていこう。

フィーナのリミットゲージがたまり、リミットバースト「ホーリーレイ」が発動可能に!
リミットバースト発動時には、派手なアニメーションも楽しめる

探索しがいのあるダンジョンやフィールド!

 冒険のメインとなるダンジョンは、非常にオーソドックスなスタイルだ。分かれ道の先へ進んでみると、期待どおり宝箱が置かれているなど、探索したくなる作りになっている。そのため、つい寄り道したくなってしまうようなゲームデザインになっていた。

 これはダンジョンだけではなく、フィールド上でも同じだ。フィールドを移動していると、光っている場所があることがわかる。そちらに近づくと、アイテムを拾うことができた。ゲームの進行上、最初は行けない場所もあるのだが、そうした部分も含めていろいろと探索したくなってしまう。

ダンジョンではついつい隅々まで探索したくなる
フィールド上でも光っている場所を調べるとアイテムがゲットできる

 フィーナが仲間に加わって間もなく、チョコボが手に入る。チョコボはフィールド上で簡単に呼び出すことができる上に、移動速度も上がる便利なのりものである。それとは別に、1度訪れた場所にファストトラベルで簡単に移動することもできる。

チョコボに乗れば、フィールドの移動がさらに楽に!

 本作で特に感心したのが、サブシナリオだ。サブシナリオでは、お使いクエストのように特定の場所に行くことが多い。その行き先として指定されるのが、過去に訪れた街やダンジョンだ。チョコボに乗って移動してもいいのだが、地図を表示して移動先を選べば、ファストトラベルで瞬時にその場所に行くことができる。

過去に訪れた街やダンジョンなどは、地図を開いて場所を選べばファストトラベルで瞬時に移動できる

 ちなみに、サブシナリオの作りも優秀で、メインストーリーとはひと味違った物語が楽しめるようになっていた。中にはホロリとさせられるようなものも用意されているので、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。

サブシナリオも心にしみるストーリーが用意されている

英雄たちを装備して能力が使えるビジョン

 「FFレゾナンス」ならではといえる要素が「ビジョン」だ。冒険の途中、キャラクターたちの想いが結晶化した「ビジョンクリスタル」と呼ばれるものを入手できる。これは戦士や魔道士の幻影を宿したもので、キャラクターに装備すると、その力を利用できるようになるのだ。

ビジョンを装備すると、キャラクターの後に幻影が現れる

 このビジョンはマップ上に点在する「光の祠」を訪れることで入手可能だ。最初のものはメインストーリーの途中で入手することができ、後にチョコボを入手できるコルの村のすぐ近くに青く光る祠があったので行ってみたところ、そちらで初代「ファイナルファンタジー」の英雄であるウォーリアオブライトのビジョンを入手することができた。このときには、初代「ファイナルファンタジー」の映像も流れ、思わず懐かしさがこみ上げてきた。

 ちなみに、歴代「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する英雄たちのビジョンが世界中にちりばめられているそうなので、そちらを見つけて集めていくというのも本作の楽しみ方のひとつである。

コルの村のすぐ近くに、光の祠を発見!
ここで、ウォーリアオブライトのビジョンを入手することができた

 ビジョンは、キャラクターひとりにつきひとつまで装備可能だ。ビジョンを装備していると、その能力やアビリティが使えるようになるだけではなく、装備したキャラクターとビジョンの共鳴度を表すマスタリーランク(MR)を上げていくことができる。

新たに入手したビジョンは、装備することで初めて力を発揮する

 マスタリーランクが上がることで、それぞれのキャラクターは新たなアビリティを覚えていく。1度覚えたアビリティは、別のビジョンを付け替えた後も装備することが可能だ。このように、ビジョンを付け替えながら新たなアビリティを覚え、それを装備することで自分の思い描くキャラクターに育てていくことができるのである。

戦闘時に装備したビジョンの技も利用可能になる
ビジョンを装着して覚えたアビリティは、ほかのビジョンに付け替えたあとも装備できる

 入手したばかりのビジョンは、最初からすべての力を引き出せるわけではない。魔石を使って覚醒させることで、新たなアビリティも利用可能になる。第1章後半まで物語を進めて港町グランポートへ戻ると、ビジョンを強化するためのイベントが発生する。

 そこでレインたちの前に現われるのが、光のモーグリだ。光のモーグリに魔石を渡すことで、ビジョンを覚醒させられるようになるのである。今回の体験版では強化の機会が1度だけだったが、可能な範囲で積極的に強化しておくといいだろう。

光のモーグリがビジョンの力を引き出してくれる

 ちなみにバトル中、敵キャラをフルブレイクさせると、エクストラフェイズでもう1度行動できるようになるが、このときにビジョンを装備していると、その大技にあたる「レゾナンス」を放つことができる。効果は装備したビジョンによって大きく異なる。

 たとえば、ウォーリアオブライトのレゾナンス「クリスタルブレイバー」は、敵全体に物理攻撃を仕掛けるだけではなく、3ターンの間、自分の防御力と精神力を向上させ、徐々に回復するリジェネも付与される。

 攻撃系のレゾナンスだけでなく、回復系も用意されている。白魔道士のリーアを装備している場合は、味方全体のHPを回復してリジェネをかけ、最大HPを超える回復もしてくれるレゾナンスの「癒やしの風」が利用可能だ。

 これらのレゾナンスは、どれかひとつだけ発動することができるので、その時々の状況に合わせて、攻撃や回復などの手段として利用するのがいいだろう。

どのビジョンのレゾナンスを発動するか選ぶことができる
レゾナンス発動時のカットシーンも個性的だ

おなじみの召喚獣も登場!

 ここまでいろいろと本作のポイントをご紹介してきたが、「あれ? 何か足りなくない?」と思われた方もいるのではないだろうか。そう、もちろんこのゲームにもシリーズでおなじみの召喚獣が「幻獣」という形で登場する。

 この第1章では、セイレーンの塔で幻獣のセイレーンを召喚できるようになる。といっても簡単に手に入れられるというわけではなく、幻獣と戦って自らの力を示さなければならないのだ。この章のクライマックスともいえる戦いになっているので、十分に準備を整えてから挑むようにしよう。

召喚獣のセイレーンが登場
セイレーンに勝つことで彼女の力が扱えるようになる

 もちろん、すぐにセイレーンと戦えるわけではなく、道中にもさまざまな敵が待ち構えている。中でもユニークな存在がギルガメッシュだ。道中の宝箱から「源氏の小手」を手に入れたところ、それを奪おうとするギルガメッシュが立ちはだかった。バトルは途中で終わってしまったのだが、この先もたびたび登場しそうな展開となっていた。

強敵ではあるが、ややおちゃらけた雰囲気を纏っているギルガメッシュ。今回は決着を付けることができなかった

この先の展開がもっと気になる素晴らしい章の締めくくり!

 セイレーンに勝つことで、それまで出航停止になっていた船が利用できるようになる。この船に乗り込み、次の場所へ向かおうとするところで、第1章は幕を閉じる。物語全体ではまだ序盤にすぎないが、ここまで紹介してきたように、その内容は非常に濃密だ。

 この先の展開に期待を抱かせる締めくくりも、体験版の大きな魅力だ。発売を楽しみにしている人も多いと思うが、第1章を遊ぶだけでも、期待を裏切らない作品であることが実感できるだろう。少しでも気になったならば、ぜひ遊んでみてほしい。

第2章以降、どんな冒険が待っているのか今から楽しみだ