レビュー

「エースコンバット8」は仲間と戦場を駆け抜ける正統続編! 復活した僚機指示で空戦が盛り上がる

【ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE】
10月2日 発売予定
価格:
9,790円(通常版)
11,990円(デラックス版)
15,730円(コレクターズBOX)
39,600円(ACE of ACES BOX)

 約7年8か月ぶりとなるフライトシューティングシリーズ最新作「ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE(エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ)」がいよいよ10月2日に発売される。デラックス版購入者向けのアーリーアクセス開始は9月29日なので、すでに期待が高まっている人も多いだろう。

 本作では、過去作でも脚本を手掛けた片渕須直氏が続投。旧式空母「エンデュランス」に救出された名もなき兵士が、伝説のエース「シーヴの翼」の名を受け継ぎ、仲間とともに戦火へ身を投じていく物語が、過去作とは異なる一人称視点のストーリー演出で描かれる。

【ACE COMBAT 8 The Art of Aircraft トレーラー】

 対応プラットフォームはプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Steam。早期購入特典には「ACECOMBAT ZERO THE BELKAN WAR(エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー)」の移植版が付属する。

【エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー】
「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」は初回特典の移植版

 本稿では、実際のゲームプレイを通して感じた本作の魅力や、シリーズ最新作ならではの進化した要素についてレビューをお届けしていく。

 キャンペーンモードで描かれる英雄譚や、復活した僚機指示システムによる仲間との共闘、機体のカスタマイズ要素などをじっくりと体験できたほか、限られた時間の中ではあったが、最大100人が集まれるオンラインロビーにも足を運んでいる。

名もなき兵士は、やがて“英雄”へと至る。従来作とは異なるアプローチで描かれる英雄譚!

 最初にお伝えしておくと、本作でも過去作から続く「ストレンジリアル」の世界観を引き継いでいる。ただし、ナンバリングだからといって物語そのものが地続きに繋がっているわけではない。「エースコンバット」シリーズでは各作品で異なる地域と異なる時代の戦いを中心に描いている。言ってしまえば、本作のストーリーは本作単体で完結するものであり、内容も過去作をプレイしていないシリーズ初心者が十分楽しめるものになっている。

 それゆえ、本作がナンバリングの「8」作目にあたろうと、「気にはなるが敷居の高さを感じて遊ぶまでにはいたらない」というのはもったいないと断言できる。それだけ本作の「キャンペーンモード」には個人的な期待値を超えるほどの魅力があった。

 もちろんシリーズプレーヤーなら、ストレンジリアルの世界情勢、あるいは国の栄華と衰退を推し量ることもできるだろう。シリーズ最新作が紡ぐ“新たな歴史”を考察的な観点から読み解き、その世界に浸る正統続編だからこその楽しみ方もアリだと思う。

 本作の「キャンペーンモード」は、前作と比較しておよそ1.5倍のミッション数にボリュームアップしている。また、複数の登場人物で群像劇を描いた過去作から物語の見せ方も大きく変化した。一貫して一人称視点のシネマティックなストーリーパートが続き、伝説のエースパイロットの名を引き継いだ主人公の成長と、戦火に身を投じていく日々が描かれていく。どのような雰囲気かは、9月24日に公式YouTubeで公開されたプロローグ映像をチェックしていただくのが一番わかりやすいだろう。

【ACE COMBAT 8 プロローグ映像】

 プレーヤーは、中央ユージア連合(Federation of Central Usea、以下FCU)に属する空母「エンデュランス」に救出された一人の兵士だ。救命ボートで海を漂っているところを敗走中のエンデュランスによって回収される。だが、エンデュランスは深刻な人手不足に陥っており、主人公もそんな老艦の運用を補う人員として、救助されて早々に部隊へと編入される。

 プレーヤーが編入された先は、エースパイロットのジャン・コープ中佐のナビゲーター役。早速偵察任務に同行することになるも敵のエース部隊「シャドウズ」と遭遇してしまう。コープ中佐は振り切ろうとするが、手練れとされる機体番号「22」の追撃からは逃れられず、搭乗機は攻撃を受けて海へと撃墜されてしまう。

 悲劇的にも生き残ったのは、補佐にまわっていた主人公だった。半ば強引にコープ中佐の異名「シーヴの翼」を受け継ぐが、“撃墜王”という輝かしい名声は、FCUの士気を維持するために誇張されたプロパガンダでしかなかったことを知る。前任者の異名と意思を受け継ぎ、FCUを勝利に導く一人の英雄として、主人公はエンデュランスの「ジョーカー隊」をまとめあげていくことになるのだ。

【ジョーカー隊のメンバー】
エリントン・バクスター
ウィリアム・コスター
ターシャ・セヴェルスカヤ

 シナリオの流れは名もなき兵士が英雄に至るまでの過程をありありと描く英雄譚。一人称視点だからこそのリアリティ、そして「エースコンバット」らしい国家間の対立といった物語の重厚さはあるが、シナリオの都合に寄せた“お約束の展開”も局所的には見られる。これがポジティブに作用する部分もある。どん底から始まった主人公たちの戦いは厳しい状況が続くため、むしろ、お約束の展開によって物語の描写が一層際立つのだ。

 さらに、こうした一人称視点のストーリーパートがあるからこそ、エンデュランスや戦闘機のスケール感、プレーヤーが体験しているのは戦争であることをまざまざと実感させられる。過去作で見られたナレーションベースの進行や群像劇は、語り手が心情を詩的に吐露する味わい深さこそあったが、本作は戦場の緊迫感を見せるなど、より具体的な方向性にアプローチされているように感じた。

 だからといって、言葉の端々から心情を読み解く奥深さが損なわれたわけでもない。シチュエーションをひも解くと、いささかオカルト的な見せ方ではあるものの、ストーリーパートとミッション中に挟まれるコープ中佐の独白がその役割を担っている。

 本作は、主人公の視点とコープ中佐の語りで双方向的に物語を描写する構造であり、見せ方のアイデアは奇抜ながらも面白く巧みだ。従来の「ストーリーパートにおける語り口」と「ミッション中の無線通信による主人公周りの描写」の2つを阻む壁を取っ払った、と表現しても間違いではない。語りと主人公側の視点が有機的に結びついたことで、初めて触れるプレーヤーも高純度に「エースコンバット」のストーリーを楽しめる内容になったと思える。

コープの語り口に過去作の味わい深さを感じる
一人称視点だからこそ見えてくるストレンジリアルの世界
ストーリーパートではカメラを自由に動かせるタイミングもある

復活した「僚機指示システム」。ジョーカー隊の仲間たちとともに挑む空戦!

 加えて紹介したいのは、「エースコンバット」シリーズが持つフライトシューティングの魅力はそのままだということ。操作性もそこまで大きな変化はない。ただ、グラフィック部分は前作から明確に進化を遂げている。大空の透き通った空気感に、飛び込みたくなる雲の表現。そして赤々とした夕焼けも美しい。機体のディテールも磨き上げられているのが分かる。現世代機向けの「エースコンバット」に恥じないグラフィックの表現だ。キャンペーンモードで同一機体を出撃させ続けると、機体が汚れていく仕掛けも面白い。

 操作の体感としては、おおむね変わっていないものの、機体の挙動が前作に比べて重量感のあるものになったと思う。特に「ハイGターン」を使用すると、旋回時の切り返しにおいてこの辺りの感触が顕著だ。とはいえ、機体ごとにそれぞれ特徴があって能力パラメータの差も出てくる。機体は4種類のタイプによって分けられているし、強化パーツを組み合わせればこうした機体制御のレスポンスも大きく変化する。そのため、ゲームをプレイするうえで特に問題ではないだろう。

 機体のタイプについても簡単に紹介しておきたい。汎用性の高い「マルチロール」、空中戦向けの「戦闘機」、対地向けの「攻撃機」、そして支援・妨害に強い「電子戦機」の4種が登場する。ミッション前のブリーフィング内容に合わせて、機体を選択したいところだが、キャンペーンモードの難易度次第では、そこまでタイプを考慮せずともサクサクミッションをクリアできる。逆に高難易度にもなると、機体のタイプをしっかり選び抜いたほうが作戦の成功率は上がるはずだ。

現行機向けのタイトルだけあってグラフィックの良さは折り紙つき
「ハイGターン」の感触は前作に慣れていると少し重ため
使い込むと機体に汚れが目立つように。清掃もできるが汚したほうが愛着が湧く

 また、キャンペーンモードでは、ジョーカー隊の仲間3名に指示を出しながらの戦闘になる。これは本作の早期購入特典および、プレオーダー特典に収録される移植版「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」でも登場していた「僚機指示システム」と同様だ。方向キー(※ゲームパッド使用時)の入力先で、前方攻撃・分散攻撃・特殊兵装使用許可・援護と、4つの指示が出せる。

 たとえば、ロックしている敵機を集中的に狙いたい場合は「前方攻撃」が有効だ。敵機の数が多く、対処が厳しいと感じたら「分散攻撃」で各機を散開させて個別撃破を狙う。敵エースパイロットとの戦いでは、取り巻きの妨害対策に「援護」を使用すると、こちらを狙う敵を優先してくれる。味方の武器火力に頼りたいなら「特殊兵装使用許可」を出すと、率先して特殊兵装を使用する。

 ジョーカー隊の仲間は、筆者が対処しきれない敵機を涼しい顔で撃破するくらい優秀だ。山岳地帯に設置されたSAMなど、微妙に狙いづらい地上目標も丁寧にミサイル1発で破壊してくれる。機関砲の扱いに関しては筆者より上手かった。しかも、ただ強いだけではない。ときにはチャフ&フレアでプレーヤーへ飛んでくるミサイルを妨害したり、攻撃しやすい場所に誘い込んでくれる場合もある。アシスト力に長けていたので、僚機指示の恩恵を感じる場面がたくさんある。

味方のカバーがかなり上手い
エース級の敵機もしっかり撃破する

 すでに紹介した通り、本作のミッション数は前作以上となっている。その中には「敵の警戒網を搔い潜る」「地上の味方部隊を支援する」「味方機を護衛する」「陸上戦艦を撃破する」など、多彩なシチュエーションが登場する。物語が大きく動くミッションについては、クリアまでにそれなりの時間を要するケースがあって残弾管理も重要だ。特に長期戦が見込まれる一部のミッションは、戦闘中に着陸することで補給できる場合もある。

 しかしながら、戦闘中の補給はハードルが高いと言わざるを得ない。まず、こうしたミッションの敗北条件は「特定の味方が撃破される」といった外的要因が絡みやすい。これが難しいところで、着陸慣れしているプレーヤーと、そうではないプレーヤーとで明確に差が出てしまう。

 モタモタしていると防衛対象が撃破されてしまうので、スムーズに着陸できないなら補給を諦めるほかない。加えて補給は所定の位置で行なう必要があり、マップの広大さが補給の難易度をさらに上げている状態だ。その割には補給前提の物量で敵が登場するミッションもあることから、“いやらしい”と感じた。

 ただし、こうした補給可能なミッションの数は決して多いわけではなく、それこそ僚機指示を上手く活用して味方に撃破してもらうなど、弾薬をセーブする戦い方である程度はカバーできる。プレーヤーが選んだミッション難易度によっては、機関砲の残弾数が有限化するものの、ドッグファイトの立ち回りを工夫して、積極的に機関砲を活用するのもポイントだろう。強化パーツで弾薬の携行数を増やすことも可能だ。工夫ひとつでクリアできたときの達成感は格別なので、試行錯誤するのも楽しい。

警戒網を避けながら脱出を目指す
ロケットの打ち上げを阻止する
お馴染みのトンネル潜りもある
ミッション中の補給は中々難しい

 キャンペーンモードを進めていると、地表の敵や海原を陣取る艦隊、あるいは航空戦力を掃討するミッションなど、いささか単調気味に感じる人がいるかもしれない。ミッションの達成条件だけを切り取り、ただクリアを目指しているだけなら、それは確かにそうだろう。肝は「エースコンバット」シリーズならではの敵・味方のリアクションにあると思う。

 プレーヤー扮する“無名の猛者”が戦果を積み上げると、徐々に敵が劣勢に立たされていく。ミッションの進捗と並行して、やがてひっくり返った戦況を悔しがる敵軍の様子ほど、気持ちの良いものはない。敵から侮られていた「シーヴの翼」に対する評価が少しずつ変容していき、味方や敵の無線通信がざわめく……。単純なミッションひとつを取っても、無線から聞こえてくる耳心地のよいリアクションが、快感をもたらしてくれる。ぜひ、本作でもこうしたシリーズの魅力に浸ってもらいたい。

特殊兵装の2種類同時携行が可能に! 自由度を増した機体カスタマイズが空戦をさらに奥深くする

 機体、特殊兵装、強化パーツのアンロック方法は、前作と同様「AIRCRAFT TREE」を経由する形式となる。キャンペーンモードでミッションをクリアすると専用通貨を獲得できるので、それを用いてツリーを解放していく。特殊兵装に関しては、機体毎に使える特殊兵装が異なり各機体に3種用意されている。解放自体は任意だが、機体の解放と同時に標準的な特殊兵装も一つ自動的に解放されるため、残り2つは必要に応じて通貨を投じればいい。

 プレーヤー側の心理としては「新しい機体を早く解放したい」気持ちでいっぱいだ。だが、要求される通貨の量も多く、ツリー形式である以上、すぐには解放できない。そこにもどかしさがある一方で、機体解放までに獲得していく強化パーツの恩恵が大きいというのはやはり嬉しい。目当ての機体を入手するため、ツリーを成長させる方向性が固定化されてしまう部分は否めないのだが、有用な強化パーツを他のルート上に配置することで、うまく分散させている。また、強化パーツの装備枠が部位ごとに分けられたことで、機体のカスタマイズ性も向上した。装備上限は設けられているが、手持ちの強化パーツが増えるほどカスタマイズの自由度が増えていくのだ。

 ただ、ジョーカー隊はプレーヤーを入れて4機編成のチームだ。キャンペーンモードが進んでいき、同型機体で出撃したくなれば、「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」のように、同じ機体を4機揃える必要がある。一応、同型機は2機目から解放費用がだいぶ割安になるが、やはり4機揃えるのはそれなりの出費。同一の強化パーツや特殊兵装まで買い込む必要もないが、物語が佳境に入るとシナリオ展開に合わせて同型機を揃えたくなるので、通貨の使いどころには悩まされるかもしれない。

「AIRCRAFT TREE」
強化パーツは「BODY」、「ARMS」、「MISC」の3項目毎に装着できる
僚機の編成も可能。困ったときは自動編成機能を使うとミッションに合わせて最適化してくれる

 既にAIRCRAFT TREEで特殊兵装を解放する任意性について触れたが、本作からはそんな特殊兵装が2種類同時携行できるようになったこともかなり大きい。特殊兵装は、複数の敵をマルチロックできるものから、地表に広範囲の爆撃を行うものなど、機体毎に利用できる兵装の違いはあれど、通常のミサイルだけで対応しきれない状況に強い。

 高誘導な空対空ミサイルはエースパイロット相手に重宝する反面、それを携行すると今度は空対地ミサイルが装備できなくなってしまう。そうした場合に2種類の特殊兵装を装備してしまえば、この悩みを一度に解決できるわけだ。キャンペーンモードは前半に地上戦力の掃討、後半にシャドウズなどエースパイロットとの戦いが待ち受ける2段構成のミッションが少なくない。ブリーフィングだけでこれを見越すのは難しいのだが、それでも空対空ミサイルと空対地ミサイルを積んでおけば、さまざまな状況に対応できよう。デメリットとしては、2種類同時携行すると、その分持ち込める特殊兵装の弾数が減ってしまうことくらい。

 敵地上部隊が出現しないミッションは空対空ミサイルだけに絞れるので、もっと気軽に装備を選択できる。たとえば、最大6機の目標をロックオン可能な「6AAM」と、誘導性能に優れる「QAAM」を持ち出せば、前哨戦を快適に進めつつ敵エース登場の本戦を有利に立ち回れる。前哨戦を通常のミサイルだけで乗り切る自信があるなら、苦手な局面に強い兵装だけを選択すれば弾に余力が生まれる。攻略用途のカスタマイズ自由度は前作以上に幅広いものとなった。

巨大兵器の類には特殊兵装が有効
厄介な陸上戦艦にも備えたい

仲間とともに大空へ!最大8人の協力・対戦が楽しめるオンラインモードも遊べる

 キャンペーンモードも確かに大きな魅力だが、最大100人が集まれる大規模なオンラインロビーを導入した「ACE COMBAT ONLINE」モードも本作の大きな特徴だ。空軍基地を模したロビー空間の中で、プレーヤーたちが自分のアバターを操作して他のプレーヤーとチャットやエモートを使った交流を楽しめる。協力・対戦ミッションのマッチングをはじめ、稼いだ通貨を使ったアバターや機体のカスタマイズなどが行なえるほか、ナムコのクラシックゲームをその場で遊べるアーケード台まで設置されていた。遊べるタイトルは「PAC-MAN」、「GALAGA」、「RALLY-X」、「DRAGON SPIRIT」でいずれの4タイトルも無料プレイ可能だ。

 マルチプレイ系のミッションでは、4人チーム2組の最大8人でプレーヤー同士でスコアを競い合いながら協力するPvE「Co-Op Assault」、陸・海・空のNPC部隊が敵として登場しつつも、プレーヤー側は4対4のチーム分けで対戦を繰り広げるPvPvE「Co-Op Warfare」を収録。そして、時限式で突発的に発生する特殊ミッション「Scramble」と「Emergency Sortie」が登場する。「Scramble」では、4人チームで協力して強敵のNPC部隊を叩き、「Emergency Sortie」ではキャンペーンモードに登場した大型兵器などを8人チームで攻略できる。

アバターのキャラクタークリエイトから始まる
製品版でもオンラインロビーらしくチャットしたりエモートで交流できる。発売後が楽しみだ
懐かしのクラシックゲームを遊べる

 なお、残念ながら「ACE COMBAT ONLINE」モードに関しては、事前に体験できる時間が限られていたため、本稿執筆にあたってはごく一部しか体験できていない。そのうえで手触りだけをお伝えすると、マルチプレイミッションでは、NPC相手ならキャンペーンモードの感覚でサクサクと倒していける。だが、最初は使用可能機体が限られていることもあって、それなりに苦戦を強いられる。初期機体ではキャンペーンのように思うように戦えず、多数の敵から同時に弾幕を張られてしまうと攻撃の回避が難しいと感じた。NPC相手でも数回は撃墜されてしまっている。

 オンラインロビーに関しては、最大100人が集まるには十分とはいえ、そこまで広いわけではない。ただ、先行試遊の段階でも多くのプレーヤーが思い思いに過ごしていたのが印象的だった。見知らぬ誰かと交流し、お互いの波長さえ合えば、共にミッションへ出かけるのも悪くない。各種機能を担当するNPCが、まるで出店のように施設を構えており、ロビー全体も明るく賑やかな雰囲気に仕上がっている。

初期機体なので性能は控えめな印象。キャンペーンで甘い汁を啜っていたからこそ、余計に手ごわい
NPCに話しかけて主要機能にアクセスする
ミッションで通貨を集めて機体強化

約7年8か月ぶりのナンバリング最新作は“正統進化”に着地

 前作「7」の発売からおよそ7年8か月の時を経て、ついに発売となる「エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ」。キャンペーンモードに登場する魅力的なキャラクターたちや物語におけるカタルシス、そしてボリューム感を含めて、“正統続編”に相応しい内容に仕上がっていると感じた。本作は、間違いなく満足度の高いパワーアップを遂げている。

 ゲームハードの世代交代によって映像表現にも磨きがかかり、コックピット視点からのゲームプレイもより没入感を増した。筆者としては、そもそもキャンペーンモードが一人称視点で進行する性質上、物語体験の観点からも、コックピット視点が非常に自然なものになったと思えてならない。確保されている視野角を思えば、ミッション攻略に向いているのは機体後方からのカメラ視点だが、不思議とエースパイロット「シーヴの翼」であることを意識して、ついついコックピット視点のゲームプレイを続けてしまう。

 筆者のようにあえてコックピット視点を選びたくなる現象は、シナリオの演出的に一つの成功ではないかと思う。無論、人によってはキャンペーンモード中に想定外の3D酔いが発生するかもしれないという潜在的な課題は残るが、こうした挑戦的な試みそのものが評価されるべきだし、シリーズ全体にとっても目新しさにはなるはずだ。

 なお、キャンペーンモード全体を通して、巨大兵器やシャドウズなどのエースパイロットとの戦いも手ごたえがある。もしシリーズ未経験なら、最初は虚勢を張らずに難易度を抑えてプレイしてもいいかもしれない。遊び方についてとやかく言うのは野暮というものだが、初回は挫折感を味わうことなく、エースパイロットとしての気持ちよさを知った方が純粋に楽しいかもしれない。

 僚機とともに戦場を駆け抜ける楽しさ、状況に応じて機体や兵装を使い分ける戦術、そして一人の英雄として大空を飛ぶ高揚感。シリーズが培ってきた魅力を損なうことなく、新しい「エースコンバット」に昇華されている。長く待ち望んでいたファンの期待に応えてくれるタイトルだ。シリーズ経験者はもちろん、これまで「エースコンバット」に触れる機会がなかった人にも、ぜひこの大空を体験してもらいたい。

敵エースに囲まれたり……
普通に攻撃するだけではダメージが通りづらい大型兵器も
ミッションクリア後には心地よい疲労感が残る