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ゾンビもの×脱出シューターの相性が良い! 「NAKWON: LAST PARADISE」アルファテストレポート

ネクソン新作、PvPvEのゾンビサバイバルゲーム

【NAKWON: LAST PARADISE:グローバルアルファテスト】
3月12日~3月16日 開催

 ゾンビが蔓延るソウルの街。武器はスコップ1本。体力は減り、インベントリは持ち帰りたいアイテムでいっぱい。そこで出会う他の生存者。その姿は敵か味方か……。緊張感が高まる。

 ネクソンの新作「NAKWON: LAST PARADISE」は、そんな「ゾンビ映画の中に放り込まれたような体験」を、PvPvEのマルチプレイで実現しようとするゾンビサバイバルゲームだ。

 ゲームのサイクルは明確で、まず拠点にてシェルターの管理や装備のクラフト、NPCとの交流やクエストの受注などを行なって準備を整える。メインとなるのは感染者がうごめく街へ潜入する脱出パートで、道中で食料や物資を調達しながら脱出をめざす。制限時間内に脱出地点にたどり着ければ遠征成功、失敗すれば持ち出した物資や獲得した物資をすべて失う。いわゆる「脱出型サバイバル」のループが基本構造だ。

 システムはPvPvEで、街にはゾンビだけでなく、物資を求める他のプレーヤーも徘徊している。協力するか、奪うか、無視するか。その判断がつねに求められるため、緊張感が持続する。

 本稿では、このアルファテストで筆者が体験した序盤のプレイインプレッションをお届けする。

【Closed Alpha Test Final Trailer l NAKWON: LAST PARADISE】

スコップとバットで殴り合う、貧弱さがリアルなゾンビパニック

 本作は脱出シューターのなかでも銃が極端に希少な世界設定のため、序盤の戦闘は近接武器が中心。スコップやバットを握りしめてゾンビやプレーヤー同士で殴り合う。装備の貧弱さがかえって「ゾンビパニックもの」としてのリアリティを高める。

 とはいえ近接武器でも、装備していればゾンビの後ろに回り込めば一撃で倒すことができる。ゾンビ単体だとそこまで強くなく、たとえ気づかれても連続で殴れば意外あっさり倒せるが、複数のゾンビに囲まれると一気に状況が悪化する。1体なら何とかなるが、3体4体に囲まれると途端に絶望的になるという、ゾンビものの定番を踏まえたバランス感覚がしっかり再現されている。

複数体のゾンビに囲まれると生存はかなり厳しい

 また「ゾンビもの」らしい要素としてあるのが、"車の警報装置"だ。ゾンビ映画やゾンビゲームでは、大きな音にゾンビ達が反応するというシーンはお馴染みで、思わぬきっかけで爆音が鳴ってしまい、主人公達がピンチに陥るというのはよくあるシチュエーションだと思う。

 本作でも、ゾンビはプレーヤーの足音などに反応して襲ってくる。そこで役立つのが、空き瓶などの投擲アイテムを投げて、遠くの車の警報装置をオンにする、という行動だ。車から大きな音が鳴り、ゾンビの注意をそちらに引きつけて安全なルートを確保できる。対ゾンビのアクションとして「わかってるな」という感じで個人的にポイントが高かった。

車の警報装置に寄ってくるゾンビというシチュエーションを体験できる。遠くから作動させることも可能だ

空腹になるとアイテムが持てなくなる独自の食事システム

 基本的な内容は、拠点パートと脱出パートを繰り返して物資を集めながら、装備をクラフトしたり新スキルを獲得したりして自身のキャラクターを成長させるなど、一般的な脱出シューターのシステムが多く採用されている。そのなかでも興味深かったのが、空腹度とインベントリの連動だ。

 この世界では、生きていると満腹度が減少する。探索中も減るのだが、何より探索から帰還したタイミングでも大きく減少してしまう。そして、空腹状態になるとインベントリの容量が減り、持ち運べるアイテムが少なくなるのだ。「HPが減る」といった直接的なペナルティにするよりも、じわじわと行動を制限してくるような圧迫感があってユニークだと感じた。

 インベントリの容量はゲームの進行具合に直結するため何らかの形で食事を取らなければならないのだが、遠征中に拾える物資は腐った食べ物など、なかなかまともな食べ物にありつけない。できればシェルターに帰ってきて調理をしたいので、遠征中は素材収集に注力し、帰還後にまとめて調理するのが理想だ。だが、それを失敗し続けると空腹状態のまま耐えるしかなくなる。救済措置として週に1回の配給があるので、最悪の場合はそこまで耐え忍ぶ形になる。

 様々なゲームで食事に関するバフ・デバフはあるが、「暮らせないことはないがひもじさが辛い」という形でプレーヤーに食事を促すシステムは新鮮だった。アイテムを拾って帰ることが目的の大きなウェイトを占める本作と、インベントリにデバフを与えるという発想の相性が良いのだろう。

空腹になると持てるアイテムが少なくなる。シェルターで調理が可能なので、食材を持ち帰ってきて調理したいところだ

偶然出会い、共に走り、"フレンド"と呼ばれた10分間

 そして、本作はただのゾンビサバイバルアクションではなくPvPvEのため、ゾンビだけでなく他のプレーヤーとも敵対し得る。

 実際に筆者も、探索中に他のプレーヤー同士が殴り合っている場面を目撃したことがあるし、PvPを仕掛けたことがある1人だ。スコップやバットで殴り合うPvPというのは、なかなかに原始的で生々しい。

 一方で、すべてのプレーヤーが敵というわけでもない。荷物がいっぱいで回復アイテムが少なかった筆者が、3体ほどのゾンビに追われながら脱出口を目指していたときのことだ。間違えて車の警報装置を鳴らしてしまい、前からもゾンビに道を塞がれてしまった。その時聞こえてきたのが「レッツゴー! カモン! ラン!」というゲーム内ボイスチャットの声だった。

敵対する生存者を見つけることもあれば、共に生き残りに全力を尽くす仲間が見つかることもある

 その生存者たちと協力し数体のゾンビを倒し、障害物の隙間を縫ってゾンビが登れないパイプの上まで一緒に走り、少し落ち着いたところで筆者はその生存者たちから「ナイス」と声をかけてもらった。

 筆者はソロプレイなので彼らは完全に初対面の生存者である。“この街にはまだ人情がある”。そう感じた出来事だった。

 そこから脱出に向かう道も危険な道中で、ゾンビに襲われることも何度かあったが、お互いがカバーしながら進路を作っていった。「このメンバーならみんなで脱出できる」。そう思っていた。

 だが、筆者は操作ミスで、通り道にあるドアが目前で閉まってしまい完全にゾンビに囲まれてしまった。あえなく筆者はここでダウンしてしまい、ゾンビには袋たたきに。もちろん脱出は失敗したのだが、そのゲームオーバー画面が見える直前に「フレンド、フレンド! オーノー……」という声を聞いた。

 偶然出会い、共闘し、共に走り出し……そして筆者がダウンするところまで、10分も経っていない短い時間だ。それだけなのに“フレンド”と呼んでくれる他のプレーヤーがいた。ゾンビパニックエンタメの登場人物のひとりになったかのような体験だった。

協力して進んでいたのだが、筆者の目の前で扉が閉まってしまった。あえなくここで筆者はダウン

 今回体験できたのはアルファテストの、さらに序盤の一部に過ぎないが、製品版になれば遠距離武器や高度なスキルが解放され、戦闘の幅はさらに広がるはずだ。現時点では近接武器中心の泥臭い戦闘が主体だが、それがかえって「少しずつ力をつけていく」という物語体験に説得力を与えている。

 クローズドアルファテストの段階ながら、空腹度とインベントリの連動や、環境インタラクションを活かした要素、そしてPvPvEによるプレーヤー間の予測不能なドラマなど、本作ならではの個性は序盤からしっかり感じ取れた。ネクソンの新たな挑戦として、今後の開発の進展に期待したい。