「NINTENDO WORLD 2011」レポート、その2
「スーパーストリートファイターIV」、「バイオハザード」のステージイベントレポート
こちらが1月9日14時15分頃の本日の混雑状況。みな、このパネルを見て、会場を回っているようだった。ちなみに、この情報はWEB上でも公開されている |
任天堂株式会社は、1月8日から10日までの3日間、幕張メッセの展示ホール9において、2月26日の発売を予定している新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の体験会「NINTENDO WORLD 2011」を開催している。2日目となる1月9日も多くの人が詰めかけ、各試遊台に列を作っていた。
各日、会場に設置されたステージにおいて開発各社の制作者によるプレゼンテーションが行なわれている。9日はお笑い芸人のロバートによる「ニンテンドー3DS」のプレゼンテーションに始まり、任天堂ゲームミュージックライブ、そしてカプコンの「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」、「バイオハザード」シリーズのプレゼンテーションが行なわれ、USTREAMで映像の配信が行なわれている。本稿ではカプコンのプレゼンテーションについてお伝えする。
なお、幕張メッセでの体験会は10日が最終日となるが、1月16日から各地で順次開催される次世代ワールドホビーフェアや、静岡「御殿場プレミアム・アウトレット」、大阪「りんくうプレミアム・アウトレット」でも1月14日から4月3日まで体験コーナーが設置される。ニンテンドー3DSは体験してみないとそのおもしろさはわからないので、ぜひ1度体験することをお勧めしたい。
■ スーパーストリートファイターIV 3D EDITION
プレゼンテーションを行なった小野義徳プロデューサー |
「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」のプレゼンテーションには、プロデューサーの小野義徳氏が登場。いつもながらの笑いを誘う“小野節”を織り交ぜながらのプレゼンテーションに会場は盛り上がった。ステージは「ストリートファイター」シリーズの歴史を振り返るところからスタート。スーパーファミコン版の「スーパーストリートファイターII」をプレイした事のある来場者がかなりおり、シリーズ最新作に従来のファンが期待を寄せていることの表われのようだった。
小野プロデューサーは同シリーズについて「将棋やオセロと同じ対戦ツールとしての礎を築いた」と語り、人と対戦することが楽しいという点を強調。今回のプレゼンテーションも、3D立体視よりもむしろ通信機能をふんだんに使った格闘ツールとしての側面をアピールした。
今作では実に35体のキャラクターが登場する。小野プロデューサーは「当時プレイしていて今はお父さんになった方は35体も覚えられないと思うかもしれないが、リュウや春麗など1作目に登場した8体は全て入っている」と、昔遊んだ人に再度プレイして欲しいとアピール。一方で、アレンジコスチュームが用意されており、最新のバージョンであることも紹介に織り込んでいった。
通信対戦に関しては大きく4つに分類。Wi-Fiでインターネットに接続することで世界中のプレーヤーと家にいながら対戦できる「インターネット対戦」をはじめ、ローカルで対戦が楽しめる「ローカル通信対戦」、そして他のプレーヤーが対戦しているのを見ることができる「チャンネルLIVE!」、そして「すれちがい通信」を使った対戦となっている。
ここで行なわれたデモンストレーションで、まずは乱入対戦が行なわれた。片方のプレーヤーがプレイ中に、もう片方のプレーヤーがゲームをスタート。ここで、自動的にマッチングが行なわれ、対戦がスタートした。ここまでプレーヤーが意識することはなく、実にスムーズに繋がるさまが披露された。小野氏は「待つことや対戦相手を探しに行く必要はない」と語った。
さらにデモンストレーションでは「チャンネルLIVE!」のデモに移行した。先ほどの対戦の模様を他の2人が接続することでそれぞれの視点で観戦することができる。タイムラグもほぼなく2人のプレーヤーのプレイ状況が4分割されたステージ上の画面に映し出された。
さらに面白いところは、「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」では、3Dでステージが表現された3D Viewと、これまでと同じ2D Viewの2つのモードが存在する。プレーヤーはどちらを選択してもよく、もちろんそれぞれが異なったViewモードを選択していても対戦は可能。さらに「チャンネルLIVE!」で見ている側も自由に変更することができる。観戦できる人数は6人まで。
小野氏は「ニンテンドー3DSは隣からのぞき込んでみると言ったことができないので、何とか(誰もが見られるよう)克服したかった」と語っており、カプコンと任天堂が協力して今回の技術開発を行なったのだという。
すれちがい通信は、ゲームで獲得したフィギュアをデッキに登録しておくとすれちがい通信で自動的に人のフィギュアとの対戦が行なわれる。フィギュアにはそれぞれデータが登録されており、その数値によって雌雄が決するようだ。今回のステージでは特別に「ゴールド春麗」のフィギュアのパスワードが公開された。ゲームが発売された時にこのコードを入力すると、すぐに使用することができる。
また、ダウンロードプレイに対応しているため、1本ソフトがあれば他の人にソフトを配信して対戦が楽しめる。さらに、親機が無くてもプレイすることができるという。つまり、ソフトを配信したプレーヤーが帰っても、ダウンロードした側が2人いれば対戦を続けることができるというわけだ。じつに太っ腹な仕様だが、これも対戦格闘ツールとして多くの人に楽しさに気付いて欲しいという、制作側の思いだろう。
ちなみに、体験会の初日に大きな反響があったという、タッチパネルによる技の登録だが、これを使用しないことをルールとして対戦することもできるという。この機能は下画面にパネルが用意されており、難しい技などをここに登録するとワンタッチで誰でもすぐに技を出すことができるという機能。この点に関してはネットなどで「残念だ」といった意見が流れたと小野氏は言いながらも前述の通り、「もちろん使わないで対戦もできる」と強調してみせた。
「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」は本体と同時発売で、価格は4,800円となっている。
■ 「バイオハザード」シリーズ
「バイオハザード」のプロデューサーを務める川田将央氏(左)と濱貴之氏(右)によるプレゼンテーションが行なわれた |
ステージイベントのタイトルは「『バイオハザード』シリーズ」とされており、タイトルは伏せられていたが、ふたを開けると「バイオハザード リベレーションズ」と「バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D」の2タイトルのプレゼンテーションとなった。両タイトルともに、実機によるプレイデモで、実際のゲームの感触を伝える内容となった。
プレゼンテーションを行なったのは、プロデューサーを務める川田将央氏と濱貴之氏。
ステージでは「バイオハザード リベレーションズ」と「バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D」のプレゼンテーションが行なわれた。それぞれ実機によるプレイデモを中心に据えた内容となった |
まずはプレイアブルバージョンが出展されている「バイオハザード リベレーションズ」。「バイオハザード」の“完全新作”と位置づけられて制作されている。濱プロデューサーによれば「ホラーテイストを大切にしている。奥行きのある恐怖を表現したい」と言い、閉められたドアの前にできた血だまりや、薄暗い船室、不気味な雰囲気のグラフィックスがスクリーンに映し出された。
さらに濱プロデューサーは「リベレーションズ」の言葉の意味について「なじみのない言葉だと思います」と前置きし「“新たなる事実”といった意味があります」と語り、クリスやジルと言ったシリーズなじみのキャラクターが登場することを明かしながら「なじみのキャラクターが“新たなる事実”とどう絡むのか。期待して欲しい」とコメント。ちなみにおなじみのキャラクターだけでなく新しいキャラクターも登場するという。
デモプレイでは、不気味な船の廊下を進んで行くところからスタート。コレまでにない要素として、銃を構えながら歩を進めることができるため、「何かあるのでは?」と不安なときは、このシステムを使って進んでいくといいかもしれない。このあと血だまりのできた船室の中に入ると、奥の部屋から不気味なうめき声が聞こえてくる。果たして、そこにはモンスターが! 戦闘になるが、すぐにとりつかれ、じたばたしているうちに、残念ながらデモの時間が終了となった。このバージョンは、出展されているものと同じ内容で、モンスターもきちんと倒せると言うことで、明日来場される方は挑戦していただきたい。
舞台となるのはこのゴーストシップだけではなく、墜落現場など、気になるグラフィックスも公開された。「MT FRAMEWORK Mobile」を採用したことで据え置き機にもも迫るグラフィックスを実現。船内のリアルな電灯が揺れ影が揺れたり、船室の窓から見える薄暗い海など、雰囲気抜群だ。こういったところも注目点だろう。
プレゼンテーションの後半で紹介されたのが「バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D」だ。川田プロデューサーによれば、こちらは「リベレーションズ」と全く逆で爽快感を重視し、アクションゲームらしさを前面に押し出した作りとなっているという。より早くより多くの敵を倒していくことが目的であるためで、川田プロデューサーは「(やり込み要素の1つといった)ミニゲーム的なところからスタートしたが、据え置き機用と比べても作り込んでいる」とゲームとしての完成度を高めるよう制作を進めていると説明。
登場キャラクターも多彩で、「バイオハザード4」や「バイオハザード5」と言ったタイトルからも登場する。広大なステージで縦横無尽に繰り広げられる戦いは、3D立体視とも相性がいいのだという。「リベレーションズ」と同じく「MT FRAMEWORK Mobile」を使用して作られており、グラフィックスも美しい仕上がりが期待できそうだ。
イベントでは“世界初”という実機によるデモが披露された。「バイオハザード5」の舞台となった村をステージとして採用しており、まず最初に高台に上りステージを見下ろした。かなり広いステージで、ライフルのスコープをズームして見れば遠くの敵も撃ち抜くことができる。やはり多彩なアクションに主眼が置かれているだけあり、ゲームはスピーディな展開。たとえばアクションの演出1つとっても、窓を突き破って外に飛び出したり、敵がドアの外にいるのを吹っ飛ばしたり爽快なアクションが用意されている。また、敵に捕まれたときもこれまでと違ったアクションで抜け出すようなっていたり、敵を挑発する動作が設定されているなど、アクションを彩る様々な演出が作り込まれているようだ。
ライフルは強力な武器だがスコープを覗いている間に敵に攻撃されたり、それぞれの武器にリスクがあるなど、バランスも考慮されているようだ。キャラクターにもそれぞれ特徴付けがなされており、クラウザーは弓が使え矢が無限に提供されるが、扱いづらいなど、キャラクターの選択だけでも色々と考えさせられそうだ。また、グレネード電撃弾で敵をひるませ体術と組み合わせることいでコンボ扱いで高得点を狙えるといったゲーム的な要素は注目だろう。
発売日と価格については明言は避けたが、本体の発売から「そう遠くない時期」にリリースしたいと語っていた。
(2011年 1月 9日)