任天堂、「Nintendo Conference 2010」3DSタイトル試遊レポート
体験コーナーで内蔵ソフトからデモソフトまで一気にプレイ!
任天堂株式会社は、幕張メッセにおいて発表会「Nintendo Conference 2010」を開催し、新型携帯ゲーム機ニンテンドー3DS(以下:3DS)の発売日、価格などを発表した。カンファレンス終了後、体験会コーナーには3DS、ニンテンドーDS、Wiiの新作、計59タイトルが出展された。ここでは、限られた時間のなかでプレイできた3DSタイトルのインプレッションをお届けする。
●新・光神話 パルテナの鏡(任天堂)
6月のE3でも話題を呼んだアクションゲーム。操作系は、スライドパッドで主人公の移動。ターゲットカーソルで敵を狙ったり、すばやく方向転換するときはタッチパネルを使用。Lボタンが攻撃に割り当てられており、敵と間合いが離れているときは射撃、接近すると打撃に変化。ターゲットカーソルが大きく表示された瞬間にタイミングよくLボタンを押すとため射撃。スライドパッドをすばやく入力するとダッシュで、それにあわせてLボタンを押すとダッシュ攻撃、被弾する瞬間にダッシュ動作で回避と、それぞれ実に小気味よく動く。
体験版では、撃剣(近距離攻撃が得意)、射爪(同・中距離)、衛星(同・遠距離)といった3種類の装備が選択可能だった。製品版でどうなるかはわからないが、装備によって色々な戦い方が楽しめそうだ。スライドパッドをホールドしながらタッチペンでターゲットを狙う操作は、最初はやや慣れが必要。PC用FPSのエイミングよろしく直感的に狙いをつけられるため、行動に余裕がでてくると「ため射撃」、「爆弾などの攻撃アイテムを拾って投げつける」などのさまざまなアクションが俄然気持ちよくなる。前述のとおり主人公がキビキビ動くうえに、遠距離ではシューティングゲームばりの爽快感、接近戦ではLボタン連打でコンボと、メリハリの効いた“手触り”がたまらない。
距離によって攻撃がシームレスに変化する点、3DS最大の特徴でもある「立体視表示」と実に相性がいい。空中戦はいわずもがなだが、地上戦も敵が複数いるときはそれぞれの間合いを計ったりと、エキサイティングなバトルが堪能できる。閉場時間ギリギリまで行列が途切れないなど、会場の注目度は文字どおりナンバーワン。筆者も今から発売日が待ち遠しくて仕方がない“超鉄板”の1本。2011年発売予定。
(C)2010 Nintendo (C)2010 Sora Ltd.●nintendogs + cats(任天堂)
ペットの小犬または小猫とコミュニケーションをとって楽しむゲーム。体験版は小犬と小猫のセットが3組用意されており、そのうち1組を選んでコミュニケーションを楽しむといった趣向。
ゲームが始まると、下画面で遊びたいほうのペットのシルエットをタッチ。小犬はすぐ「ハッ! ハッ!」と喜色満面で寄ってくるが、子猫はそうではないところが妙にリアル。それでも頭や喉などをタッチペンで撫でてあげると「キラリン!」といったエフェクトと効果音が出現。コンパニオンの方に「それ、喜んでるんですよ」と教えていただく……が、調子にのってヘンなところをグリグリやってしまうとご機嫌を損ねてしまうこともあるとか。
本作は画像認識にも対応しているといい、3DS内側のカメラに顔を向けると、それを認識してさまざまな可愛らしいリアクションを見せてくれるという。試しに顔を近づけてみたところ「あっ! ご主人さまだ!」といわんばかりに子犬がまっしぐらで駆け寄ってくる。立体視は、こうした所作で絶大な効果を発揮する。DS「nintendogs」も十二分に可愛いグラフィックだったが、それがさらに高解像度でブラッシュアップされ、トドメに立体感あふれるコロコロとした……ああもう辛抱たまらん! といった具合。
「こんなこともできるんですよ!」と、コンパニオンさんが子犬や子猫にメガネや首輪などの装飾をつけてくれたところでお時間(3分)終了。思わず「えええ! もう終わりっスか!?」と、脊髄反射で情けない声を上げてしまう筆者。知り合いのライター氏が近くにいたため「あれ、あざといっすよねぇ(いい意味で使ってます、念のため)」、「うむ、実にあざとい。たまらぬわぇ」と、その凶悪な可愛さを確認しあう。アラフォーのおっさんふたりを、わずか3分間で“癒しの底なし沼”に沈める、この威力。発売のあかつきには、その可愛さにぜひ悶絶していただきたい。2011年春発売予定。
(C)2010 Nintendo●STEEL DIVER(任天堂)
潜水艦をモチーフにしたシューティングゲーム。ここではコンパニオンさんが「こちらのモードがオススメです」と教えてくれた潜望鏡モードをプレイしてみた。
本モードは、株式会社セガが1966年にアーケードで発表した「ペリスコープ」を想起させるもの。スコープ内を行き交う敵艦は、それぞれ速度や距離が異なるので、タイミングよく魚雷を発射して命中させていく。十字キー上下でズームイン・アウト、方位ゲージでおおまかな視界の移動、Bボタンで敵艦からの攻撃を回避する潜水。(ズームと潜水はタッチパネルでも操作可能)。こう書くとシンプルだが、実は3DSならではの“ひねり”が要所に加えられている。
本作は3Dジャイロセンサーに対応しており、本体を左右に動かすと、それを感知してスコープの視界が動く。これと立体視による奥行きが、体感ゲームさながらの臨場感をかもしだすことに成功しているのだ。このモードだけでも、筆者のようなおっさんゲーマーは“なんとなくエレメカっぽい感じ”にコロリとやられてしまうはず。忙しいゲームが多い昨今、じっくりプレイできる稀有なシューティングゲームだ。2011年春発売予定。
(C)2010 Nintendo●STARFOX64 3D(任天堂)
国内外にコアなファンを多数擁する人気シリーズの最新作。体験版は歩行型の大型メカを撃破するところまでプレイ可能だった。
スライドパッドでスティック操作。上下どちらで下降になるか、2タイプの操作系から選択可能。十字キー上で宙返り、下で反転などのマヌーバーも用意されている。フライトやレースなど、前後の動きがあるゲームは、立体視表示と実に相性がいい。本作も例外ではなく、敵はもちろん、あちこちに設置されているアイテムなども確認しやすく、とても快適にプレイできた。
味方が敵編隊に追い回されているシーンや、敵機が背後に回り込んでくる状況なども、2Dでは味わえない“実感”がたまらない。シリーズのファンは期待して待つべし。発売日未定。
(C)1997-2010 Nintendo● Pilotwings Resort(仮称/任天堂)
スーパーファミコン以降、すっかりおなじみになった定番シリーズ。体験版は、フライトとジェットパック2種類のゲームがプレイ可能。グラフィックスなどまだまだ改善の余地があるバージョンだったが、それでも立体視による奥行きが従来シリーズを超えるフライト感覚を味あわせてくれる。
街中にある風船を割るミニゲーム風のジェットパックは、立体視による距離感のつかみやすさが実にいい。2011年春発売予定。
(C)1998-2010 Nintendo● ウイニングイレブンシリーズ(KONAMI)
サッカーゲームの超定番が3DSに降臨。スタッフの方が「まだまだ開発途中なので……」ということもあり細かい部分への言及は避けるが、それでも立体視によるフィールドの“奥行き感”は、すでに素晴らしいものがある。2D表示でもそれなりに演出は可能だが、やはり立体視にはかなわない。体験版はカメラ視点の変更が限定されていたため確認できなかったが、このあたり「このカメラ視点だと、どういうプレイが1番栄えるか」など、発売後に色々と試してみたくなる。
スタンドやゴールネットをバックに選手がアップになるシーンでも、立体視の効果はバツグン。スポーツゲームと立体視も、相当に相性がいいといえそうだ。発売日未定。
(C)2010 Konami Digital Entertainment● リッジレーサー3D(バンダイナムコゲームス)
ドリフトによる爽快感に重点を置いたレースゲーム「リッジレーサー」が3DSに登場。立体視との相性の良さは、いまさら説明不要。3DS本体右上の3Dボリュームを上にあげると、上画面から車体などが“グイ”と飛び出してくる。
単なる相性の良さにあぐらをかくことなくライバルカーの頭上にドライバーグラフィックスのパネルを表示させるなど、細かい部分でも立体感を演出している点が好印象。2011年発売予定。
(C)2010 NAMCO BANDAI Games Inc.● HIDEO KOJIMA'S METAL GEAR SOLID SNAKE EATER 3D "The NAKED Sample"(KONAMI)
3Dデモ映像による出展。ジャングルの奥地へと侵入していくスネークの様子を、スライドパッドで色々な方向から観察。威嚇するヘビ、気配を察して移動するワニ、飛び回る蝶、渓谷にかけられた桟橋、飛び立つ攻撃ヘリなどなど……うっそうとしたジャングルを奥へ、奥へと足を進めていくシーンでは、立体視による演出が絶大な威力を発揮する。
“隠れる”という本作の根幹部分との立体視の融合は、シリーズをさらなる高みへと押し上げてくれるかもしれない。なお、製品版タイトルは「METAL GEAR SOLID SNAKE EATER」。上記タイトルは3Dデモ映像のもの。念のため。
(C)2010 Konami Digital Entertainment● ARゲーム(任天堂)
3DS本体に内蔵されている機能のひとつ。ARカードをカメラで読み込ませて遊ぶというもので、会場では簡単なシューティングゲームがプレイできた。角度は30度、距離は35cmくらいがベストといい、一見何の変哲もないARカードを3DS本体の内蔵カメラで認識させると、カード部分が標的やモンスターなど、さまざまに変化。それを全周から攻撃するといった具合だ。
すでにiPhoneなどでおなじみとなった技術だが“ゲームとして遊べる”というインタラクティブ性が加わると、その効果は段違い。ただ的に当てるだけのシンプルなシューティングゲームなのだが、これが予想外に面白い。もしかしたら、カートリッジで発売される専用タイトル以上の可能性を秘めているのかもしれない。
(C)2010 Nintendo
(2010年 9月 29日)