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“純国産ストラテジー”の真骨頂! 「クリスタル オブ リユニオン」インタビュー【後編】

「自分が作らなくては出てこない」国産ストラテジーの本気のこだわり

4月6日 サービス開始

利用料金:無料(アイテム課金制)

 制作のきっかけやタイトルの特徴を伺った前編に引き続き、gumiが配信するAndroid/iOS用超建国ストラテジックファンタジー「クリスタル オブ リユニオン」インタビューの後編をお送りする。

 今回はさらに本作にかけるこだわりを深掘りし、ORANGE CUBE代表取締役CEOの瀧澤法弘氏が「やりたかった」という「願い」システムのことから、gumiプロデューサーの結城基氏が「社内がザワつく」ほど込めた本作への思い入れまで、大いに語っていただいた。

新機軸のゲームシステム「願い」がもたらす面白さ

左から、ORANGE CUBE代表取締役CEO瀧澤法弘氏とgumiプロデューサー結城基氏
「願い」がキーワードとなって勢力争いが起こる
「願いの実現」はストーリー上でも示唆がある

――ストラテジーゲームの方ではどのようなこだわりを持っていたのでしょうか。

瀧澤氏: ストラテジーゲーム部分は、先ほど「アイディアがあった」と話しましたが、それが「願い」というシステムです。「叡智の塔」というものが世界の中心にあるのですが、「聖域戦」と呼ばれる戦いでこれを取り合った結果、勝者がゲーム内で願いを叶えられる、という仕組みを入れたいと強く思っていたのです。今までのゲームでは、だいたい大人数同士の戦いがあって、勝敗が決まったら勝者側に何かしらいいことがあって終わり、だったんですけど、今回はユーザーがゲーム内に介入できるといいますか。

 聖域戦を勝ち取った結果、願いというのが叶えられるようになっていて、例えば「ベオウルフの像を各地に建てたい」、「究極の魔王を出現させたい」、「全員にシールドを張って休戦状態にしたい」、「略奪がはかどるような暗黒の世界にしたい」、などといった願いを用意する予定です。願いを叶えてから一定期間はそのような状態に突入するわけですが、そういった願いがユーザー自信で選んで叶えられるというところが面白いと思っていて。

結城氏: イベントを作れる感じですよね。自分で。

瀧澤氏: そうです。ユーザーがイベントを起こせてしまう。願いの候補に何があるかは事前にわかるようになっていて、その内容によって聖域戦に参加するプレーヤーに派閥ができる。

結城氏: 現実世界に例えてわかりやすく言うと、政治家の立候補みたいな感じで。「俺マジがんばって魔王呼ぶから!」と。「俺に賛同する奴ついてきてくんない?」と言うと、「じゃあ俺それがいい」、「私もそれがいい」という勢力があったり、逆に「平和がいい」という人は違う勢力についていけばいい。同じ考えを共有する仲間を味方につけた人たちが最終的に戦って、たとえば平和派が勝ったとして、最後に願いを叶える段階で「じつは俺、略奪がしたかったんだ!」みたいな感じでリーダーが裏切ったりしちゃって(笑)。

 そういうプレーヤー自身が能動的に選択できるようにするためのシステムです。最後の場合は、「最低だアイツ!」ってなりますが(笑)、そういったコミュニケーションや人との関わりを楽しんでもらうために、より面白くなる形で演出していきたいですね。

瀧澤氏: 自分としては、ストラテジーゲームの醍醐味はユーザー同士がドラマを作ることが本筋だと思っています。個人的にも、夜中に戦争し合った相手と仲良くなって一緒の同盟になった思い出も持っていますし、このゲームのテストプレイでも、誰だかわからない相手と夜中の2時ぐらいに攻撃し合ってバリアとか張り合った結果、お疲れ様、みたいな(笑)。

 そのようなドラマが生まれてくるところが面白いと思っているので、それをより増幅する仕組みとして、ユーザーが願いを叶えられるのは面白いのかなと。これも、今までどのゲームでもやってないことだと思っているので、大きなチャレンジですね。

結城氏: そうですね、実際にどうなるのか……。

瀧澤氏: それこそ選挙みたいになって決着してしまうのか。「今回の4つの願いでは効率がいいのはこれだ」となって、みんな協力してこれを叶えようみたいになってしまうこともあるかもしれないし。

結城氏: ワールド全体が同じ目的に動いたりとか(笑)。

瀧澤氏: 一方でそういうのがつまらないと思うプレーヤーもいるはずなので、「いやいや我々は悪の組織なんで危ない願いを叶えるよ」というのが出てきたり。ちなみに、その願いも常に一定ではなくて、開催するたびにその願いのバリエーションを持たせることで変化をつけていこうと思っているので、ユーザーの体験としてはどんどん変化していくのかなと。

結城氏: 限定イベントなどを作れたらいいなーと思っていますね。多少ネタっぽいのも含めて「この2週間ではなんとこんなこともできる!」みたいな。もっと広げるとオフラインと連動したものなど、そういったところも想定できていったらいいなと。

瀧澤氏: 最初はワールド間の聖域戦しかないのですが、いずれワールドが増えていったらいろんなワールドで入り乱れて戦うような「ヴァルハラ戦」をやろうと考えています。もちろん、そこでの願いはより特別なものにしたいと思っていて、例えば特別な英雄が開放される願いがあるとか、古代さん(古代祐三氏。本作でコンポーザーを務めている)の新曲が追加されますとか。

結城氏: 「このキャラクターの声優さんを決める権利を獲得!」とかね(笑)。

瀧澤氏: そこまでの権限をユーザーに与えていいのか、と思われるような面白いこともできるんじゃないかと。そういったワールド対抗戦が数カ月に1回だったら、できるかもしれません。

――ご褒美が選択できるのは面白いですね。

瀧澤氏: 「なんでお前これ選ばなかったんだよ、俺これがよかったのに!」というのがあるので、そこもなかなか挑戦ではないかと。

結城氏: このゲームのかなりの特徴的な部分であり、世界観も「願いを叶えるために戦う物語」というところがあるのです。

――ただ、これが実装されて、実際にどう動いていくのかは未知数だと。

結城氏: そう、かなり未知数なので、僕らはかなりドキドキしています(笑)。「ゲームが崩壊したらどうしよう」と。

――こうしてお話を聞いていても想像がつかないですね。

瀧澤氏: 我々もです。なのでなおさら、ユーザーは新しい体験ができるのではないかと。

結城氏: 逆にもう、僕らがユーザーさんの楽しみ方を観察したり、コミュニケーションをとってより良いゲームをさらに良くしていく、みたいなスタイルになっていくのかなとは想像しています。

瀧澤氏: そうですね。この先「クリユニ」がどう進化していくのか、自分も興味深い。

結城氏: そう、楽しみ。なので、ぜひ手に取っていただきたいですね。

(安田俊亮/泊 裕一郎)