コーエーテクモゲームス、3DS/DS「FabStyle(ファブスタイル)」完成披露会開催

襟川恵子会長、構想10年制作3年。女性の生き方をゲーム化!


10月25日開催

【FabStyle】
11月24日 発売予定

価格:6,090円(3DS・通常版)
   10,290円(3DS・プレミアムBOX)
   5,040円(DS・通常版)
   9,240円(DS・プレミアムBOX)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)



襟川陽一代表取締役社長は同作を「トータルに女性の人生を支援する、面白くてためになるソフト」と表現

 株式会社コーエーテクモゲームスは、ニンテンドー3DS/ニンテンドーDS用タイトル「FabStyle(ファブスタイル)」を11月24日に発売する。価格は、3DS版が6,090円、DS版が5,040円。CEROレーティングはB(12歳以上対象)。このほど完成披露会が都内ホテルで開催された。

 「FabStyle」は、姉から引き継いだアパレルショップを経営しながら、恋やお洒落を楽しみ、そういった様々なことの中から女性としての魅力を学んでいく。コーエーテクモの襟川陽一代表取締役社長は冒頭の挨拶で「FabStyle」について「弊社の襟川恵子取締役名誉会長がゼネラルプロデューサーを務め、構想10年制作に3年をかけて女性の生き方をトータルに楽しむ、おそらく世界で初めてのタイトル」と切り出し「経営者としての経験を踏まえ、恋愛だけでなく経営やお洒落などトータルに、女性の人生を支援する面白くてためになるソフト」とアピールした。

 今回は襟川恵子氏が全面的に制作に携わっており、ゼネラルプロデューサーをはじめ、ゲームデザイン、CGディレクション、音声音響監督、ムービー監督、脚本・演出、キャラクターデザインまで手がけている。襟川恵子氏は会社の経営や様々な局面を迎えるにあたり、「女性の経営者として女性向けのゲームを作りたい。ものすごく楽しくてためになるゲームを作ろう」と思ったという。

 しかし、女性の人生を描くと言うことは、まさに“人生ゲーム”のようでゲームに入れ込む要素が多く、企画を出してもなかなか受け入れられなかったという。任天堂のニンテンドーDSの試作機を見たときに、画面の美しさなどそのポテンシャルの高さから、やっとこのゲームを作り上げることができると感じたというが、任天堂に企画を持って行ってもダメだったのだという。

 しかし、襟川恵子氏は持ち前の粘り強さで構想を固めていく中で制作を進めていった。襟川恵子氏は「女性は、お花屋さんをやりたいとか、服屋さんをやりたいと思った時、このゲームをプレイすることでその(経営的な)仕組みがわかれば良いなと思う。恋愛だけを楽しみたければ、そういった楽しみ方もある」と語り、プレーヤーがそれぞれ楽しめるようゲームが構成されていると説明。


制作を担当したチーム「ルビーパーティー」のメンバーがソフトの制作時に心がけた点をアピール
ビデオレターで任天堂の岩田聡代表取締役社長が「女性向けソフトは末永く売れる。支援していきたい」と挨拶

 発表会ではゲームの各要素を実機でプレイして見せた。まずはアバターとも言うべきプレーヤーキャラクターの顔、さらに下着の選択も行なうことになる。そしてお店を経営していくが、来店者の好みに合ったものを勧めるなど上手く販売に結びつけ成績を伸ばし、登場する男性のアドバイスなども取り入れていくことでお店のレベルがアップ。大きくなるにつれ内装にお金をかけ、仕入れる商品も高価なものを取り扱えるようになり、高級ブティックへと発展していく。

 経営の他に、女性としてもっと高みを目指すこともでき、アカデミーに通い勉強することができる。これらの要素は、もししたくなければしなくてもいいのだという。ちなみに、これまでの同社の女性向けタイトルとの違いやセールスポイントについて聞かれた襟川恵子氏は「このゲームでは、恋が同時進行で楽しめます。これはゲームですので(恋が同時進行しても良いのではないでしょうか)。恋愛がお好きな方なら楽しめると思います」と語った。

 制作の苦労話も披露。今回数多くの音楽が収録されているが、作詞作曲を襟川恵子氏が手がけている。この話題に「私は忙しくて、音楽担当者と打ち合わせの時間を取ることができず、自分で作った方が早い。1時間に1曲から1.5曲つくります」と振り返った。会社のスタジオに籠もって曲作りをすることもあったというが、なかなか難しく車の中などで作ることもあったという。また、ゲーム内に登場するボビーの声を担当するグレース・マーヤさんに歌ってもらうときは、スタジオに入るとマーヤさんから「4小節足らないんですけど」と言われ、「はーい、すぐ作りまーす」と対応したといった話題も披露した。

 ゲームのプレゼンテーションのラストには、これまで同社で数多くの女性向けタイトルを輩出してきた女性のみの制作チーム「ルビーパーティー」のメンバーが登場。リードプランナーの園部知子さんは「今まで盛り込めなかった要素を数多く入れました。リズミカルにプレイできるよう心がけました」ということで、テンポよく遊べるゲームになっているとアピール。コアプログラマーの馬上彩さんは「女性のメイクやファッションへのこだわりをストレートに楽しんでもらえるようにしました」とコメント。CGディレクターの猪瀬真由さんは「キャラクターの着せ替えを行なうとムービーにも反映されるので、様々なファッションを楽しんで欲しい」と語った。サウンドディレクターの吉田真利さんは「今まで(のゲーム音楽)とは違う、アシッドジャズやボサノバなどおしゃれな感じをアップさせている」と音楽の方向性を語った。


「FabStyle」について、このソフトに込めた想いから魅力やアピールポイントについて実機デモを交えてじっくりと紹介していった襟川会長。ゼネラルプロデューサーをはじめ、ゲームデザイン、CGディレクション、音声音響監督、ムービー監督、脚本・演出、キャラクターデザインまで手がけている
襟川恵子会長は音楽も担当していると言い、発表会に駆けつけたグレース・マーヤさんと握手を交わした。グレースさんは「ス・ファビュラス」を披露。同曲は「プレミアムBOX」に同梱されるサウンドトラックCDに収録されている

【登場人物】
浜井恵(プレーヤー)。本作の主人公。通称「メグ」。姉のショップを引き継ぎ、セレクトショップオーナーとなるイヴ・オディエ(CV:中村倫也)。天使のような美しさを持つ、魅惑的なモデル。通称「イヴ」。天才肌で実力派。人をからかうのが好きな悪戯好きな面も。国際的な俳優として活躍するのが夢ジョージ・ロジャーズ(CV:草尾毅)。若くして富と権力を手に入れた。非常に自信家なところがある。通称「ジョージ」。カリスマ性がある不遜な人物。元ミュージシャンとしても成功を収めた。楽器はオールマイティ
ディヴィット・フレミング(CV:緑川光)。知性と教養あふれるアカデミー講師。通称「フレミング先生」。主人公とレオも彼の教え子である。アカデミーの理事長がイギリス留学していた時の同期生。貴族出身で、マナーには厳しいリック・グルーバー(CV:小川輝晃)。世界をまたにかけて活躍する有名ルポライター。通称「リック」。人間が好きで、人が困っているのを見過ごせない。社会問題に向かう姿勢は熱いものがあるが、彼の活動を快く思っていない存在もあるようで……夏木礼央(CV:岡本寛志)。主人公と同じアカデミーに通う学生。通称「レオ」。ファッションデザイナー志望。クリエイティブな才能を秘め、斬新なアイディアで世界を驚かせようと夢見ている。明朗快活だが、やや粗野な一面も
森宮仁(CV:大東俊介)。主人公の幼なじみ。通称「ジン」。財閥の御曹司で、銀行で働いている。新米オーナーの主人公に対して、経営面からのアドバイスをしてくれる。私生活では、かなりセレブな趣味を持つ大谷良国(CV:?)。不動産系のファンド会社を経営している。通称「ヨシクニ」。ビジネスの能力は高く、有用な投資の話を提案してくれる。丁寧で温厚な男性堀明(CV:宮野真守)。主人公の健康を気づかってくれる医師。通称「アキラ」。人当たりがよく、多くの患者から愛されている。だが、繊細で、打たれ弱い面も
バー「バーバーバー」の男装ジャズミュージシャン・ボビー(CV:グレース・マーヤ)。独自の世界観漂うボーカルと超絶なピアノプレイで、観客を魅了する美容院マコ・サロンのオーナー・マコ(CV:ミッツ・マングローブ)。美容師コンテストでグランプリをとったらしく腕は確か

【スクリーンショット】
おしゃれは重要な要素。カラーコンタクトを入れることも可能。上画面では顔全体が表示され、雰囲気をつかむことができるクローゼット画面。上画面には、選択した服が大きく表示される。イベントに反映されるということで、それだけ服選びにも悩まされそうだヘアスタイルも自在に変更可。現実的には髪型を変えるにはかなり決断力が必要だが、ゲームでは手軽に変えることができる
アカデミー授業アカデミー書斎クリスマスらしい装飾などもショップ運営においては大切なようだ
イヴはフランス人ジンは主人公の幼なじみレオは主人公と同じアカデミーに通う学生
イベント画面。ドラマチックなイベントが多数用意されている服を着替えれば、イベント画面のプレーヤーキャラの服も反映される接客画面。お客さんの心をいかにつかむかが重要なポイント

 発表会の後半にはゲストとして、マコの声を担当したタレントのミッツ・マングローブさん、テレビCMに出演している女優の佐々木希さん、イヴ・オディエの声を担当し歌も披露している中村倫也さんが登場。それぞれ収録時の様子などを披露した。

 今回初めて声優に挑戦したミッツ・マングローブさんは「私は『ゲーム&ウォッチ』から時間が止まっている。ゲームに声が入るとか考えも及ばなかった」と言い、収録に当たっては「面白そう。やりまーす」と引き受けたが、戸惑ったという。

 収録は絵を見ながら台詞を言うというものではなかったため、ミッツさん曰く「現場にいた会長という強烈なお姉さまに、キャラクターの身長や設定などを聞きながら、演技の指導をしてもらって収録した」という。どういった状況での台詞かわからず、テンションがつかめなかったので収録は苦労したとミッツさんは打ち明けた。しかし制作陣からは「素でやっていいですよ」といわれ、吹っ切れたとか。ミッツさんは「(素でやったから)演技では無いかも……」と振り返った。

 “お姉系”のキャラクターを演じると言うことで、逆に難しく感じたそうだ。男のキャラクターや女の子を演じるのであれば振り切って演じることができるが、同じ“お姉系”ということで、「こう演じたら、あの人とかぶるなぁとか、こう演じたらこっちの人とかぶるなぁ」と演じるたびに他の人が頭をよぎり最終的には演じることができなくなったとか。結局前述の通り素で行くことになるわけだが、これに伴い、キャピキャピしたオカマっぽいキャラではなく、ミッツさんに合わせキャラクターの動きや雰囲気などすべてを取り替えることになったのだという。

 次に登場したのが、佐々木希さんと中村倫也さん。佐々木さんはテレビCMの収録について「1つ1つ丁寧に会長さんからご指導いただき表現しやすかったです。笑いの絶えない現場でした」とコメント。ゲームをプレイした感想については、「本当にお洒落でキラキラした感じが出ていて、襟川会長に教わりながら撮影の合間にはまってずっとやってました。あんまり気に入って『絶対に買う!』って言ったら、襟川会長から『あげますよ』って言ってもらえたので、楽しみにしています(笑)」とうれしそうに語った。佐々木さんはファッションモデルとしても活躍しファッションセンスが抜群なイメージだが、そんな彼女から見てもこのソフトは「バッチリ!」なのだとか。

 一方中村さんは「声を担当することになりキャラクターを見せてもらったとき、(イヴがフランス人で)あまりに自分と違っていて大丈夫かなと思いました」と語り会場の笑いを誘った。声だけで演じることはなかなかに難しかったと言うが、「大人っぽい雰囲気ながらも年相応の無邪気さをもち、両方がコロコロ変わるようなところを声だけで表現できたらと思いました」とイブのキャラクター性について触れた。ちなみにフランス語をしゃべるシーンもあるが、その点については「会長に手取り足取りご指導いただき収録した」と振り返った。

 さらにゲーム内では歌も披露しているが「レコーディング自体が初めてで、ブースに入るのも初めて。『この機械はどうやって操作するんですか?』と言うところからスタートしました。緊張しました」と戸惑いもあったという。中村さんは佐々木さんとは事務所が一緒と言うこともあって、カラオケに行くこともあるというが、佐々木さんは「中村さんは本当に歌が上手くて、聴き入っちゃうんですよ」と中村さんの歌をべた褒め。歌について中村さんは「1番と2番で想いが違っていて、それぞれ違った表現ができていればいいです」と聞き所をアピールした。

 最後に佐々木さんは「お洒落はもちろん、常識やいろいろなことを学べるゲームです。このゲームで楽しんで勉強してもらえればと思います」とコメントし締めくくった。


マコ役のミッツ・マングローブさん。演技については、なかなかに苦労があったようだ同作のテレビCMに出演している女優の佐々木希さんイヴの声を担当し、歌も披露している中村倫也さん

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(2011年 10月 25日)

[Reported by 船津稔]