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PvPエリアにチーターが跋扈。「FFXIV」、ついにPvPエリアからフリートライアルユーザーを締め出しへ

2月25日発表

 スクウェア・エニックスは、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」において、フロントラインなどのPvPコンテンツにおいて、「なりすまし」や「スパム」などの迷惑行為、ならびに「地形に潜り込む」などの不正行為が執拗に行なわれてることから、緊急的な暫定措置として、一時的にフリートライアルアカウントでのPvPコンテンツへの参加を制限することを発表した。

 「FFXIV」チームが“執拗”という極端な表現を使ってまで強い懸念を表明している今回の事件。今回の発表に先立ち、このところ「FFXIV」コミュニティから、MMORPGでは古来からある典型的な飛行チートの報告が相次いでいた。

フリートライアルでのPvPコンテンツの一時突入制限について

運営チームからの声明文

 ポイントなのはこれら不正行為の目的はRMT(リアルマネートレード)ではなく、運営チームやコミュニティを困らせたり、あるいは復讐することを目的とした“愉快犯”であるところだ。RMT目的の犯行なら、その“蛇口”を閉めれば、新たなイタチごっこの幕開けとはいえ、一時的に彼らを閉め出せる。ところがコミュニティの破壊を目的とした愉快犯の場合、MMORPGには現実世界のような治安維持組織が存在しないため、基本的に止めようがない。

 規約違反行為を理由にアカウントを停止することはできるが、フリートライアルアカウントなら、幾らでも“復活”が可能であり、愉快犯はここに目を付け、第三者を直接苦しめ愉悦に浸れるPvPエリアを主たる活動エリアに定め、徹底的に荒らし回っているようだ。

今回狙われたのはフリートライアル

 報告によれば、空中浮遊や壁抜けといったハック系のチート行為以外に、著名配信者やPvP界のトッププレーヤーへのなりすまし、どうでもいい発言を繰り返すスパム行為など、ありとあらゆる規約違反行為を繰り返しているようだ。

 「FFXIV」のフリートライアルは、世界的に見ても大盤振る舞いの施策であり、極端に言えば無料でずっと遊び続けられる。このフリートライアルを常設施策として続けているのは、吉田直樹氏率いる「FFXIV」開発/運営チームが、実装コンテンツとコンテンツアップデートに自信を持っているからだ。

 今回の事件は、こうした取り組みを逆手に取った卑劣な犯行であり、純粋にフリートライアルを楽しんでいるユーザーも巻き込んだ分だけ罪が重いと言えるが、その一方で巨大なMMORPGの性とも言える部分もあり、チート対策の部分で油断があったのかもしれない。今回の措置は、緊急的な暫定措置として、チート対策を施した上で、再びPvPエリアを開放する予定となっている。事態を見守りつつ、早期の問題解決を期待したいところだ。

吉田氏も激おこだろう。写真はファイナルファンタジーXIV 新情報発表会の時のもの