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プラモデル、RCカーで全く異なるアプローチ、タミヤ「GR スープラ」

トヨタのと密接な関係で生まれる最新モデルをどう表現するか?

今秋発売予定

 「トヨタ GR スープラ」は市販に先がけて2018年からモータースポーツ向けプロモーションが行なわれている。タミヤは「トヨタ GR スープラ」をプラモデルやRCカーなど様々な仕様で立体化を行なう。今回のホビーショーの目玉の1つだ。新製品としての紹介はもちろんだが、今回、改めてプラモデルとRCカーのアプローチの違いを聞くことができたので、こちらを取り上げていきたい。

 プラモデルは“実車を縮小したような”感触を求められる商品である。作り手は組み立てることで、「トヨタ GR スープラ」のエンジンの位置や足回り、室内の豪華な内装、スポーティーなボディのラインなどを実感することができる。手にすることでまるで実車そのものを手にしているかのような充実感がポイントだ。

 最新の人気車種を再現したこの商品は特に初心者向けに設計されている。特徴的なシルバーと黒のフレームが組み合わさったホイールは、1パーツだと塗装は困難だが、黒と銀の2パーツ構成にすることで塗装しなくても組み上げることができるし、スプレーで塗装するときも他のパーツに干渉する心配がない。

 ボディに関しても、塗装がしやすい白だけでなく、成型色で赤や黄色などのボディを検討し、アンケートを取っているという。塗装をせずにそれなりに組み上がる、そういう方向性も考えているとのことだ。もちろん展示してある作例は非常に美しく、カッコイイ。上級者は美しく、初心者は手軽に作れるプラモデル、という方向性を考えたモデルだ。

プラモデルは実車を前にしたような精密な表現がセールスポイント
塗り分けを考えたランナー構成
成型色でボディカラーを表現する試みも

 一方、RCでは基本的にボディはポリカーボネート製の1枚のパーツだ。プラモデルのように繊細な表現ができず、その代わり空力的にもなめらかに、そして耐久性を持たせてある。激しくボディがぶつかっても簡単には壊れないようになっている。

 RCカーはシャーシ部分が共通なため、実車と車幅や全長などの割合がわずかに違ってしまう。また1枚のポリカーボネート板で作られる成型上、実車の魅力である“下に向かってきゅっとすぼまったメリハリのあるライン”が表現しきれない。またディテール表現もどうしても甘くなる。

 しかしRCカーは“走っている姿”こそが最大の魅力である。このため走っている姿が実写に見えるか、実車の走りの魅力がどこにあるか、といった視点でのボディラインのアレンジも行なっているという。

 タミヤはトヨタとの関係で密接な商品展開が可能となり、精密なデータを取材することが可能になった。しかし実際の商品とする上では、そのデータをタダ再現するのではなく、商品特性を最大限に活かし、使うユーザーがどこを求めるかを考えた立体化を行なう。今回改めて模型メーカーであるタミヤのもの作りの一端に触れることができたと感じた。

走っている姿にフォーカスするRCカーのボディ
1枚のポリカーボネートの板でメインパーツは構成されている