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ゲーミング家具のバウヒュッテ、2020年はゲーミングチェアに原点回帰へ

最大の特徴は“座面がガッパリ取れること”。ゲーミングチェアは座面だけを買い換える時代へ

9月14日、15日開催

会場:幕張メッセ国際会議場

 ゲーミング家具メーカーとして、今年も東京ゲームショウへ出展を果たしたバウヒュッテ。斬新な機能を備えたゲーミングデスクや、ウェラブルアイテム「ダメ着」など、数々のヒット商品を飛ばす同社だが、もともとはオフィスチェアメーカーだということはあまり知られていない。そのバウヒュッテが、2020年初頭発売に向けて現在開発を進めているのが、新たなゲーミングチェアシリーズだという。東京ゲームショウでそのプロトタイプを出展していたのでさっそく取材してきた。

【バウヒュッテ&ROGブース】

 取材に対応してくれたのは昨年同様、バウヒュッテ商品企画部課長の川瀬隼利氏。川瀬氏は、自社製品も含めて、現行のゲーミングチェアに不満を抱えていたという。デザインが画一的で、eスポーツ大会会場で使ってはじめて映えるデザインばかり。基本機能も同じで、なぜか素材が車のシート風で、蒸れるし、堅いし、長期間使うと生地がボロボロに剥がれてくる。性能云々以前に、日本家屋で使いにくいものばかりだと感じていたという。

 そこで川瀬氏は、数年ぶりにゲーミングチェアをフルモデルチェンジするにあたり、一般的なゲーミングチェアのデザインを一端捨てて、機能性から考えていくことにしたという。

 今回用意したのは4モデル。共通点は、座面を厚くし、上位モデルにはポケットコイルを採用するなどして、ふかふかで座りやすくしたことと、その座面自体をガパッと取り外せるようにしたことだ。座面奥から手前にグッと力を入れるとマジックテープで固定された座面が外れ、丸ごと取り外せるようになっている。座面が取り外せるという、ゲーミングチェアとしては未だかつてない風景に驚かされたが、この驚きがバウヒュッテらしさだ。

【バウヒュッテのゲーミングチェアは座面が外れる!】
これはエントリーモデルとなる「ゲーミングメッシュチェア」
ガパリと座面が外せる!
背面にはマジックテープが取り付けられ、簡単に着脱ができる

 このギミックを採用した理由は、ゲーミングチェアは座面がもっともダメージを受け、ヘタレやすいが、これまでは取り替えがきかなかったために丸ごと買い換えるしかなかった。この機能上の欠陥を改善するためだという。

 バウヒュッテの新型ゲーミングチェアなら、座面を取り外してメンテナンスしたり、座面だけを買い換えたり、座面をより良いグレードのものにアップグレードしたりなど、座り心地の決めるもっとも重要なパーツの換装を可能にすることで、全体の製品寿命を飛躍的にのばすことができる。

 この座面換装に対応した新型ゲーミングチェアは4種類。オフィスにもマッチし、蒸れにくいメッシュを全面採用した「ゲーミングメッシュチェア」、従来のゲーミングチェアの生地をより蒸れにくいファブリックに変え、さらに座面を取り外せるようにしたゲーミングチェアのリニューアルモデル、全体をソファのような丈夫なファブリックを採用し、ウレタンとバネにより最高の座り心地を実現した「ゲーミングソファチェア」、そしてその上位モデルとしてシート全面にベルベット調の生地、脚は木製を採用し、まるで玉座のような雰囲気を醸し出した遊び心のある最高級モデル「ゲーミングチェア RPG」。

【新型ゲーミングチェアその1】
右が「ゲーミングメッシュチェア」、左がゲーミングチェアのリニューアルモデル
一番左が従来モデルで、素材が異なり、座面も取り外せない
カラバリは黒赤青緑を用意。実はダメ着と同じバリエーションだ

【新型ゲーミングチェアその2】
右が「ゲーミングソファチェア」、左が「ゲーミングチェア RPG」
やはりこの両モデルも座面をガッパリ取り外せる!
そしてこの圧倒的な分厚さ。ポケットコイルを採用し、ふっかふかである。まさに「そうそう、こういうのでいいんだよ」という感じである

 中でも「ゲーミングチェア RPG」は、まるで王様のようにゆったりリラックスして座りながらゲームが楽しめるように、4モデル中唯一支柱部分にイタリア製のメカニズムを取り入れ、背もたれのみならず、座面も角度調整が可能となっている。これにより、より自身の座り方にフィットした角度に調整することで極上の座り心地を実現することができる。

 座面をフラットな状態からあえて前に傾けることで前傾姿勢が取りやすくなる。もっとリラックスしたいという向きには、別売のゲーミングオットマン(足置き)を置いて、椅子の上であぐらをかきながらプレイしてもいいだろう。まさに至れり尽くせりだ。

「ゲーミングチェア RPG」はイタリア製のメカニズムを採用し、座面の角度を調節できる
イスでもゆったりあぐら派に最適なのが別売のゲーミングオットマン

 価格は、エントリーモデルの「ゲーミングメッシュチェア」が15,000円(税別)前後を予定し、ゲーミングチェアのリニューアルモデルが2万円台(税別)、「ゲーミングソファチェア」が35,000円前後(税別)、「ゲーミングチェア RPG」が40,000円前後(税別)を予定。

 なお、気になる座面単体の価格については現在検討中で、それぞれ数千円で提供したいと考えているという。このほか、材質をグレードアップされた座面も販売する予定のようで、ゲーミングチェアは座面を取り替える時代がひょっとしたら来るかもしれない。

 川瀬氏は、今後もゲーミングチェアの研究開発を続け、ゲーマーが快適だと感じられるようなゲーミングチェアを生み出していきたいという。ヒントを尋ねると“アームレスト革命”だという。ゲーミングチェアのアームレストは機能性が低いこともあり、ほとんど活用されていないが、可動域や高さや角度がカスタマイズ可能になれば、アームレストを通じてより快適にゲームを楽しむことができるという。発売は2021年を予定し、来年の東京ゲームショウに出展できるのではないかということだった。発表を楽しみに待ちたいところだ。