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果たして日本発売はあるのか!? 「Gears of War」最新作「Gears 5」レポート

「OW」風ウルトシステムや、「ターミネーター」コラボなどユニークな施策続々!

9月10日発売予定

 「『Gears』も変わったな」というのがE3 2019での「Gears 5」の最初の印象だ。

【Gears 5 - E3 2019 - Kait, Broken】

【Gears POP! - E3 2019 - Kitten Around with RAAM】

 最新トレーラーに使われているBGMはヒップホップ、Funko Pop! スタイルの可愛いキャラクター達が戦場を駆け回るポップ&キュートなモバイルゲーム「Gears POP!」も今夏に登場し、「ターミネーター」とのコラボも発表された。さらに今回初公開された新マルチプレイモード「Escape」は、「オーバーウォッチ」(Blizzard Entertainment)を彷彿とさせるアルティメットを最大の特徴とした3人によるタイムアタック型のコンテンツに仕上がっているなど、“ゴア・ガチムチ・チェンソー”というハードコア路線で売ってきた「Gears」は、シリーズ5作目、Coalitionが担当してから2作目で、明らかな方向転換、新たなファン層へのアピールを始めている。

【「ターミネーター」コラボ】

 それが良いことなのか悪いことなのかは正直よく分からない。シリーズのファンとしては、「ちょっと違うんじゃないか」と言いたくなるが、その価値観はやや保守的に過ぎていて、ヒップホップ調の軽いノリで3人で共闘する感じは、むしろ今の時代にあってる気もする。いずれにしても「Gears 5」はAAAタイトルとしては異例とも言える、大胆なリデザインが計られている。昨年のタイトル発表の時点ではわざわざタイトルを縮めた理由がよくわからなかったが、タイトルと共にシリーズの位置づけも変えようとしているわけだ。

【「Gears 5」イメージ】
ケイト ディアスがゲームの主人公となり、明らかにゲームの押し出し方が変化している

 今回プレイできた新コンテンツ「Escape」のプレイフィールは、「Gears of War」伝統の、もっといえばCoalitionが手がけた前作「Gears of War 4」そのままだ。使ったときの心地よさがシリーズ大ヒットの原動力となった、吸い付くようなカバーリングアクション、前屈姿勢から画面を揺らしながらのダッシュアクション、打てば響く前転、側転アクション、そしてゲーム史上最強の近接攻撃チェンソーなどなど、「これだよこれ」というシリーズ伝統の手応えはそのままだ。

【Gears 5 - E3 2019 - Escape Announce】

 ただ、前作「Gears of War 4」で、敵のラッシュに対して、防衛施設を建てて備えるゲームプレイ、あれの攻撃版といった感じで、今回は各キャラクターに1人ずつ「アルティメットアビリティ(ウルト)」が設定され、敵のカウンターや、ボス戦でウルトを使っていくスタイル。これは明らかに過去のシリーズにはなかった新種のものだ。

【「Gears 5」体験コーナー】
常に数時間待ちの行列でXbox Game Studiosタイトルの中では一番人気だった「Gears 5」

 ウルトの新設に合わせて3人は明確にロールが設定され、Lahniはアサルト、Macはタンク、Keeganはサポートだ。Lahniのウルト「ELECTROBLADE」は、トレーラーでもアピールされていたように、彼女が持つナイフに、電磁力を宿し、攻撃をヒットさせることで敵にショック&スタン効果をもたらす。Macの「Barrier」は、まさに「オーバーウォッチ」のラインハルトのウルト「シールド」を彷彿とさせるもので、前面にエナジーシールドを張り巡らせる。そしてKeeganの「Resupply」は、自身のリロードを高速化すると共に、周囲の味方の銃弾を自動で補充してくれるという便利なウルトだ。

 「Gears of War」シリーズは、常にプランBはなく、難局を気合いで乗り切るところに“ガチムチオヤジゲー”としての美学があったように思うが、「Gears 5」は主人公が女性になったことにより、Sci-Fiアクションへの転換を図っているように感じられた。「オーバーウォッチ」に迎合しすぎではないかという批判は避けられないように思うが、個人的には「Gears」シリーズの撃っても撃っても死なない堅すぎる敵共にウンザリしてきたところがあるため、こうした形での改良は歓迎したい。

 最後に、日本の場合、気になるのは「『Gears 5』が発売されるかどうか」だ。すでに昨年の時点で「Gears 5」の公式サイトが存在するから発売は決まっていると考えるのは甘い。前作「Gears of War 4」は発売前のCEROの審査を通過せず発売中止となり、海外でのリリースから半年以上が経過してからCEROから承認が下りて発売することができたという苦い経緯がある。

 「Gears of War 4」が一転して発売可能となったのは、CERO自体のレギュレーションの変化もあるようだが、そのレギュレーションはアメリカの銃撃事件や、日本での殺傷事件等を受けて、いきなり厳しくなるという性質を持っており、許可が下りるまでまったく余談を許さない。「Gears」ファンにとっては受難の時代は続くが、辛抱強く発売決定を待ちたいところだ。