ニュース

エムツー、秋葉原にて「エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭」を開催

「エスプレイド」「アレスタ」の移植決定を大々的に発表

11月18日 開催

会場:秋葉原・廣瀬無線ビル5階

 エムツーは11月18日、秋葉原の廣瀬ビル5階にて「エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭」を開催した。

 この日は新作「ケツイ Deathtiny ~絆地獄たち~」のOPムービー世界初公開、DEATHTINYモード公開、「ケツイ ~絆地獄たち~」アーケード版全国一位プレーヤーによるスーパープレイ披露のほか、タイトートークショー「オレとダライアス」、「SEGA AGES」トークショー、そして「エムツーショットトリガーズからの重大発表!!」という、トークを中心としたイベントが行なわれた。本記事では、「エムツーショットトリガーズからの重大発表!!」をメインに、当日行なわれたトークショーについてお伝えしよう。

本日の主人公、堀井直樹氏

重大発表の気になる中身は、「アレスタ」そして「エスプレイド」の移植決定アナウンス

 重大発表のコーナーには、有限会社エムツー代表取締役の堀井直樹氏と、司会進行として同じく有限会社エムツーの久保田和樹氏が登壇。最初にスライドが表示されると、そこには“重大発表(1)”と、気になる数字が付いていた。どうやら重大発表は2つ以上あるとのことで、その1つ目として公表されたのが「Project M2A」として発表された「アレスタ」の新作だった。

右が司会進行を務めた久保田氏で、左が堀井氏

 堀井氏によれば「『アレスタ』の新作を、夏前あたりから作り始めました。その前にも色々と顛末がありましたが無事に触れる状況になりまして、このタイミングで広報から『エムツーは大きなイベントは滅多に開催しないので、売る気があるならここ(エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭)に間に合わせてください!』とハッパをかけられ、3週間程度でPVを作り、本日のアナウンスに至りました」と裏話を公開した。

公開されたPVと、その後に表示された“堀井直樹 アレスタへの思いを語る!”

 スライドが切り替わり、「祝!アレスタ30周年!! トークショー 堀井直樹 アレスタへの思いを語る!」と表示されると、満を持して堀井氏が「『ザナック』や『アレスタ』が大好きなんです。実は、良いお値段で『アレスタ』シリーズの権利を譲っていただいたのですが、10年間くらい寝かせてしまった。現在は無事にまとまりまして、今遊んで面白いものができているので期待してほしいです。ただし、ベタ移植はしたくないのと、旧作も出せると良いな……と考えています。来年の夏には可能な限り“より詳細”で“もしかしたら手に取れるような状況に”持っていきたいと思っています。我々は、この会場の2階(ゲームセンターHirose Entertainment Yard)で、筐体にて遊ぶことを可能にできる立場なので、そういう方向にも持っていきたいと思っています」と、今後も含めたアナウンスをしてくれた。

 ここで「新作! Project M2Aに迫る!」と題し、新たにスペシャルゲストとして本企画の縁結び人である並木学氏、元コンパイル・アレスタシリーズのコンポーザ・竹内啓史氏、有限会社エムツー・ディレクターの冬野灰馬氏が登壇した。

登壇者の名前が書かれた紙を先に貼り付けておくと内容がバレるということを危惧し、わざわざゲストが登壇してから紙を準備する念の入れようだった。ゲストは左から冬野氏、並木氏、竹内氏

 まずは冬野氏が「今回はディレクターとして『M2A』という企画を立ち上げ、頑張っています」と先陣を切ると、続いて並木氏は『アレスタ』に関しては、今回は仲人のような役割を担いました」と説明。すると「突如『アレスタ』があるならなんかやれ、作曲者はいる…というような連絡が並木さんから来ました」と堀井氏が割り込み、これに対して並木氏が「今、堀井さんがおっしゃった通りの言葉遣いで伝えました(笑)」と、当時のやりとりをステージでも再現。

 続いて登壇した竹内氏は「このたび、『アレスタ』のサウンドを担当させていただくことになりました」と挨拶後、さらに「以前、スーパーファミコンで『スーパーアレスタ』や、ゲームギアで『GGアレスタ』などのサウンドを担当しましたが、30周年のタイミングで再び『アレスタ』に相まみえることになったことには運命を感じます」と話し、会場のテンションを盛りあげていた。

ここで表示された「同時多発的に燃え上がるアレスタ復活の機運!!」というスライドには、どのようにして今回の流れになったかが事細かに書かれていた。堀井氏によると「バトルガレッガ」の時と同じく、花見での話がきっかけだったとのこと

 ここからは、司会が冬野氏にバトンタッチ。企画スタートのきっかけについて「並木さんと竹内さんが出会って盛り上がったという話と、まったく別に僕が『アレスタ』の企画を思いつき堀井さんに持ちかけたという話があります」と解説。続けて、並木氏と竹内氏方面の話を並木氏が「元々シューティングゲームがすごく好きで、17、8歳の頃にMSX2をアルバイトで稼いだお金で購入し『アレスタ2』などを遊んだりしていたんですが、そんな作品の音楽に携わっていた竹内さんから急に僕のツイッターにメッセージが来まして、もの凄く驚きました」と述べると、それを引き継いで竹内氏は「相互フォローでしたが、接点はありませんでした。しかし、このときは連絡しないとダメな気がしました」と述べ、深い理由なく連絡したことを明らかにした。

 「竹内さんと一緒にお酒を飲んで話が盛り上がったから、堀井さんに『アレスタ』はやらないとダメだよ!」と並木氏は告げたそうで、「同じようなタイミングで並木さんたちの動向をまったく知らずに企画書を書き、通らなかったら辞めてやる! という勢いで堀井さんの所に持っていくと、実は並木さんからも『アレスタ』という話が来ていたと聞かされた」と、冬野氏もコメント。その後、並木氏、竹内氏、堀井氏、冬野氏、そして元コンパイルの松岡氏で1度会い、「M2A」でやりましょうという話で盛り上がったそうだ。ところが、エムツーは引き受けている案件が多いため、プログラマーがいないという状況に。しばらく企画を動かせないため、ムービーなどを製作し企画のイメージを固め、プログラマーが見つかった時にすぐ見せられるようにしようと冬野氏は思っていたのだが、6月にプログラマーが見つかってしまい、急遽試作できることに。それで完成したのが、上映されたPVに映っていたゲーム映像なのだそうだ。

登壇者の方々は、このように流れてくるコメントを見ながらトークを交えていた

 次のスライドが表示され、そこに書かれた「アレスタとM2Aの今後の展開は?!」という質問を受けて冬野氏が「僕のイメージでは『アレスタ』は、コンパイルさんの看板商品であり、『ザナック』から『アレスタ』にタイトルが変わったのが1番のインパクトが大きかったと思っています。個人的には『武者アレスタ』であったり、『GGアレスタ』になったりと、クリエータごとに個性がドンドン出たタイトルという印象が強いかなと。そういう看板をお借りして、今回はまったく新しい『アレスタ』をお届けできればなと思っています。しかも、楽曲は『アレスタ』シリーズを手がけた方がついていますし、もしかしたら並木さんも書いてくれるかもしれないし!」と今後の展開を語ると、それを期待する会場からのたくさんの声に、思わず「!?」という表情をする並木氏。ダメ押しで堀井氏が「聞きたいですよね!」と会場に問うと、大きな拍手が巻き起こった。

 より詳しい今後の話として、堀井氏の口から「冬野があげてきた絵コンテが、非常に面白いです。シューティングゲームで自機が最後のボスまで辿り着くと、世界を平和にしたり滅ぼしたりと色々なエンディングがあります。それについて本作は、どういう経緯でそうなったのかがきちんとネタにできているので、遊んだプレイヤーはビックリするかと思います。プログラマの方も、実は『バトルガレッガ』時にテスターでいらしてたシューターの人なので、間違いないメンバーでお届けします」と、非常に期待を持たせるコメントが語られた。

スライドを見ながら堀井氏は「『アレスタ』の新作が出るとしか告げてないので、もしかしたらエレメカかもしれないですよ?」とジョークを飛ばす場面も
実は並木氏は、昨年の1月いっぱいでエムツーを退職し、今はできたてほやほやの開発会社、グリッドというところに在籍しているそうだ。開発メンバーも大々的に募集中とのことで、我こそはゲーム会社で働いてみたいという人の応募を待っているとメッセージを発信していた

 ここまでは「アレスタ」についての話題だったが、いよいよ“重大発表(2)”ということで、久保田氏が「我々が『ケツイ』の次に何をやるのか、お知らせしていませんよね? その真相を明らかにしたいと思います!」と発言。そこで流されたPVに映し出されたのは、1998年にケイブが開発しアトラスが販売したアーケードゲーム「エスプレイド」の映像だった! つまり、エムツーショットトリガーズ第5弾タイトルとして、「エスプレイド」の移植が決定したという報告だった。

PVが再生されると、会場内からはこの日1番の拍手が巻き起こり、さらに生中継されていたニコ生の映像には大量のコメントが投稿され、一時画面が見えなくなるほどだった。しかし、動画の最後に「機種・発売日:未定」と表示されると、一転して笑いも

 このタイミングで堀井氏は「アンケートを採る前から凄かったのが、『エスプレイド』と『プロギアの嵐』でした。これらについては、なんとかせんとまずい……と思っていたのですが、『エスプレイド』は無事にOKが出たのでリリースできます。移植度については、全国1位のプレーヤーが厳しくチェックしているので、かなり良い線いってます」と、アンケート結果の裏話と、移植についての自信のほどを覗かせた。

 ここで、「エスプレイド」には外せない人物としてステージに招かれたのが、「エスプレイド」のチーフプログラマでケイブの取締役副社長(COO)、池田恒基氏。続けて、「『エスプレイド』といえばもう1人いらっしゃいますよね?」という久保田氏のコメントにあわせてスライドに映し出されたのが、「エスプレイド」のデザイナーなどを務めた井上淳哉氏のサイン入りコメントだった。

井上淳哉氏のスライドが表示されると「井上先生に、お力を貸してくださいと頭を下げに行きます」と、堀井氏からコメントが。その堀井氏の左に登壇したのが池田氏

 ステージでは登壇した池田氏が「最低でも完全移植ですよね?」と突っ込みを入れると、「そこはごまかさずいこうと思います」と堀井氏が力強く答え、会場から喝采を浴びる場面も。「エスプレイド」のチェックに関しては、池田氏が「私だけでなく、井上淳哉にも投げたほうが良いと思います」とコメントし、堀井氏も「もちろんです」と回答。すると池田氏が「アーケードでも、ゲーム性を取るのか演出を取るのか、というせめぎ合いがあり揉めました」と、今だから話せるネタを披露してくれた。

 最後には堀井氏が「これだけ人が集まって楽しんでいただけているなら、もう1回イベントをやりたいと思います。やれる時にやりますので、よろしくお願いします」とコメントし、大きなサプライズが発表されたイベントは終了となった。

奥成氏が登壇し、堀井氏と多彩な話題で盛り上がった「SEGA AGES」トークショー

 「SEGA AGES」トークショーでは、セガゲームスの奥成洋輔氏が堀井氏と共に登壇し、さまざまな話題に花を咲かせた。

 まずは奥成氏がジャブとして「先に言いますが、今日は何も新情報はありません」と発言すると、会場は爆笑。身のある話として「『サンダーフォースAC』は、どこまでできているのです?」と奥成氏が堀井氏に振れば、「『サンダーフォースAC』も、『サンダーフォースIV』と同じくらいのことをやりたいと思っているので、時間がかかるとは聞きました。ところが、どれくらいかかるのかを尋ねると黙ってしまうんです」と返答。奥成氏が「あとはエムツーさんが、スケジュール内にどのくらい頑張ってくれるか」とさらに突っ込むと、「何が変わったかというと、今まで以上にスケジュールをきっちり守ろうという機運が生まれて、そうすると人が死ぬ」と、まるで漫才のようにさらりと返していた。

 司会を務めた久保田氏が「バーチャルコンソールの時は数を出せていたので、結局は追加要素で時間がかかるんですよね」と語ったことには、それに頷きながら「結局はそれです。追加要素のネタを思いつくじゃないですか、その後に、それどのくらいかかるんだろとなるじゃないですか。でも、やるよね。その結果お待たせしてしまうけれど、出す直前までは“あいつらどれだけ時間かかってるんだ”と言われ、でも出した後に“面白い!”と言われてゲージが回復する、いつもそんな感じです」というように、製品開発時の気持ちを素直に述べていた。

 次に話題に上ったのは、会場で稼働していた「ファンタジーゾーンII」。当初は、クレジット音はファイナル版の時には入っていなかったそうだが、後のものには収録されている。堀井氏が「ファイナル後の差し替えとして、入れたはずのモードが選べないバグとか、入れたはずのキャラクターが出てこないとかを全部バグにして追加しようという話が良く出るんです。ところが、プラットフォーマーの皆さんからは“もうバレていますから”と怒られてしまう。それ、1度目じゃないでしょ!」というエピソードを披露すると、これを受けて奥成氏は「きっちりバグ採りしたバージョンにすると、開発ペースが厳しくなるということですか。ところで、『ゲイングランド』はいつ出るんです?」と、鋭い攻撃を仕掛けた(笑)。

 さらに「『ゲイングランド』は当時の企画書などを見ると、ジャンルがアクションシューティングなんです。だから、今日のシューティング祭りに持ってきても良かった」とすると、「僕が『サンダーフォースIV』を挙げた理由は、いかにもシューティングゲームしているのと、実は出ているのを知らない人がいるからなんです」と、コメントする堀井氏。「『ケツイ』に関しても、出ることを知らない人がまだまだいるので、こういったイベントでじゃんじゃん露出させます」と付け加えた。

 話題が変わり、奥成氏が「『アレスタ』を出して欲しいです。元々コンパイルさんのゲームで、コンパイルさんがなくなって現在誰が権利を持っているのかというと、堀井さん。権利を取得して10年が経過しましたが、『ファンタジーゾーンII』発売で『SEGA AGES 2500』シリーズが事実上完結した後、次は『アレスタコレクション』をやりましょうと堀井さんが提案してきたことがありました。これ良いですねと反応したものの、『SEGA AGES 2500』シリーズは終わったということで、エムツーさんで出そうという話に」と述べると、堀井氏は「『バトルガレッガ』もパッケージのリスクが高いと思いましたが、エムツーショットトリガーズも、無事に4本目を迎えることができました。ディスクも発売され、イベントもやらないとダメと言われ、こうして開催しています」とコメント。

 続けて「『アレスタ』に関しては版権を持ったまま製品を出せないことに対しての引け目があるので、常にプロジェクトを走らせ上手くいったものが世に出るという感じになると思います。ツイッターで『アレスタ』どうなってるの? と聞かれたら答えます。(流れてきた“墓まで持っていくつもりか”とのコメントに対して)墓まで持っていくつもりないからな!」と、会場を笑いの渦に巻き込み、この話題は終了となった。

 司会の久保田氏が遂に挙げたのが、「スペースハリアーII」リメイクの可能性。これについては堀井氏が「社内で『スペースハリアーII』をどうするかという機運があります。ただ単に、あの絵を滑らかにするだけでは飽き足らないので、あのよくわからない世界観に背骨を通し、なるほどこういうことであの絵面が次々と出てくるのかという説得力を持たせたいんです。そのパズルは相当難しく、これができれば奥成さんなどに“ちょっとやりませんか? アーケード基板に入るようになりましたよ”などと言い出すと思います。やはり、ムービング筐体で遊びたいですよね」と、現状の気持ちを告白。

 これに奥成氏は「羽田と、本社ロビーに『スペースハリアー』の筐体が飾ってあり、お客さんだけが遊べるんです。堀井さんが自前で『スペースハリアーII』にROMを交換したボードを持ってきたら、筐体を貸してもらいましょう」と、かなりノリノリで答えていたのが印象的だった。ところが「10年単位で待っていてもらえれば」と堀井氏は返し「『スペースハリアーII』のどこを長所として伸ばすか、各人ともに考えている長所が違うんですよね。とはいえ、いずれはセガさんに持っていき“ダメ”と言われたり“詳しく聞こうか”となると思うんです。そのときにはやりたいです」と、一筋縄ではないことも語った。

 「スペースハリアーII」の話題が一段落すると、このコーナーのお題が「SEGA AGES」とシューティングということで、久保田氏が「『ペンゴ』はシューティングですかね?」と素朴な疑問を投げかけた。これに堀井氏が「ショットはしてるね……ジャンプアクションも弾を撃っていればシューティング」と答え、それに重ねるように久保田氏は「そうすると、ゴルフゲームもショットしてるのでシューティング?」と追い打ちをかけると、会場からは笑い声が。さらに流れを引きずり奥成氏が「『尾崎直道のスーパーマスターズ』は、海外版にだけ『ファンタジーゾーン』のスクロールしない、1画面モードが入っていますね」とネタを披露し、続けた堀井氏は「海外のゲーム雑誌の裏技コーナーにその情報が掲載されていたので、日本版で延々試してみたけれど実現できない。パターで100打叩くとゲームオーバーになり、その瞬間に『ファンタジーゾーン』に移るらしいですが、ずっと自分のやり方が悪いと思っていたら弊社広報から海外版でしかできないと言われ、心の中でズコーとなりました」と、自らの苦労体験を公表した。

 こうして、「SEGA AGES」シリーズに留まらない話で盛り上がったトークショーは時間を迎え、予告通りにオチなしというオチで幕を閉じた。

「オレとダライアス」トークショーでは、エムツーが「ダライアス」シリーズを手がけることになった経緯も披露

 「エムツーショットトリガーズ 弩感謝祭」最初のトークショーだったのは、タイトーの外山雄一氏を招いての「オレとダライアス」。ここでは、1953年から「ダライアス誕生期」、「エムツー誕生期」、「ダライアス大戦期」、「ダライアス戦後期」、「エムツー勃興期」、「現代期」とわけ、年表形式で“タイトー/ダライアス周辺の出来事”、“ゲーム業界の出来事”、“エムツー周辺の出来事”に分けて紹介していった。

 登壇した外山氏は着てきたTシャツについて、「『インベーダー』を見て、プログラミングの道を志そうとしたため」と解説後、スライドに映し出されるタイトーの歴史に関しての説明をくわえていった。1983年に登場した「エレベーターアクション」に関して、「これは後でまた出てきますので覚えておいてください」と告げると、続いて「1986年のショーで『ダライアス』が発表され、シリーズの歴史がスタートします。ただし、稼働は87年です」と、権利表記に書かれた西暦との違いを説明。これを聞いていた堀井氏は「86年のAMショーでは、『ダライアス』と『源平討魔伝』が向かい合って展示されていたんですよ。オレその日学校に行かずAMショーに行きました」と、今更ながらの暴露話を披露し、会場の笑いを誘っていた。

「スペースインベーダー」Tシャツ姿で登壇した外山氏。年表は、1953年からスタート

 スライドは次へと移り、1991年エムツー創業という話題が登場する。なぜエムツーが誕生したのかというと「周りの人が会社を創る感じのブームになっていましたが、我々は作ったゲームをリリースするために会社を興したという感じです。このときは資本金が10万円でも創業できましたが、その後は資本金300万が必要となるので、その前にと。そして、メガドライブ用の「ガントレット」をリリースしました。「ガントレット」を作るためにエムツーができた、と行っても過言ではないです」と、堀井氏が説明を入れた。

 この頃は「ダライアス」シリーズ作品が多数登場しており、Nintendo Switch向けに発売される「ダライアス コズミックコレクション」収録作品も、この時代に数多く作られている。アーケード作品は、1989年発表の「ダライアスII」以後しばらくリリースされていないが、これは外山氏によると「アーケード版『ダライアス』の衝撃を家庭用に移植して、いろいろとビジネスをしていたから」とのことだそうだ。

 次のスライドでは年代が1994年以降に移り、「ダライアス」シリーズが数多くリリースされていたことが解説。エムツーは、1994年にゲームギア用の「ガンスターヒーローズ」を製作していたが、年内に終わらずウィークリーマンションにて缶詰状態で作業していたとの裏話も語られた。

1995年の部分を見て「バーチャルボーイで『ダライアス外伝』が出ているように見えた」と発言した堀井氏。もちろん会場からは大きな笑い声が

 21世紀が見えてきた1999年からの年表では、あまり「ダライアス」シリーズに関するニュースは多くなかったと外山氏。トピックとして、秋葉原Heyが2001年にオープンしていることを挙げていた。この頃のエムツーは、2001年から2003年くらいまで「デ・ジ・キャラット でじこミュニケーション」シリーズを手がけていたとのことで、堀井氏いわく「本当に出来が良いので遊んで欲しい」と、今更ながらに熱く語った。

 2007年から2012年のスライドは“エムツー勃興期”と名付けられ、エムツーが有名になってきた頃として紹介。それまでは“知る人ぞ知る”会社だったのが、2008年の「ファンタジーゾーンII」発売時に堀井氏が「どうしても遊んでもらいたいので、顔出しでインタビューに応じた」というのも、転機の一つとなったそうだ。ただし、顔出しすると秋葉原で薄い本を買いづらくなるという弊害もあるとか? 外山氏は、この時代に堀井氏、そしてセガの奥成氏と始めて出会ったとのこと。

 そして辿り着いた現代期、年表を見た堀井氏は「〆切の恐怖が思い出せるタイトルがたくさんあってイヤだ」とコメント。2018年には「ARCADE1UP」を販売しているが、なぜ本日のイベントに持ち込んだのかと言えば、エムツー創業に関係する「ガントレット」が収録されているからと、外山氏が語ってくれた。さらに、2014年の場所に書かれた「エレベーターアクション(NESiCA×Live)」「ラスタンサーガ(NESiCA×Live)」にて、タイトーとエムツーとの契約が始まっていたことも改めて説明。そんな2社のタッグ作品最新作が、2019年2月28日に発売となる「ダライアス コズミックコレクション」となる。

ここからは、タイトーのツイッターアカウントで呼びかけた質問に答える“ダライアス質問箱”のコーナーがスタート。携帯モードに関しては、YouTubeのNintendo Switch版アプリで見ると雰囲気がわかるとのこと。堀井氏は、「老眼が入っている自分だと『ダライアス』は、テーブルモードは無理だけれど携帯モードならギリギリ。『ダライアスII』は問題なし」とわかりやすく答えてくれた
もちろん関わっているとのこと。メンバーが毎日のようにチェックしているので、サウンド面は自信をもってお届けできると外山氏は頼もしく断言した。詳細は、11月23日放送の「月刊ZUNTATA NIGHT」にて語られるそうだ
「Gダライアス」の完全移植版に関しては、これを行なうと来年発売も危うくなると堀井氏。「ダライアス コズミックコレクション」のコンセプトが2D「ダライアス」シリーズを集めるということだったので、3Dである「Gダライアス」はいったん保留としたと外山氏

 質問コーナーが終了後、「ダライアス コズミックコレクション」の紹介が改めて行なわれた。2019年2月28日発売予定で、現在予約受付中だ。最後に堀井氏が「時間さえもらえれば、『ダライアス外伝』の2画面版も作れます!」と発言し、周りから「そういうこと言わないの!」とたしなめられる一場面を見せつつ、「オレとダライアス」トークショーは終了となった。