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「イドラ ファンタシースターサーガ」先行体験レポート
圧倒的ボリュームで濃密な仲間との物語が描かれるシリーズ最新作
2018年11月23日 07:00
セガゲームスが2018年の配信開始を予定しているAndroid/iOS用RPG「イドラ ファンタシースターサーガ」。このほど同作の先行体験会に参加する機会を得たので、レポートをお届けする。
「イドラ ファンタシースターサーガ」は、「ファンタシースター」シリーズの最新作だ。物語の舞台となるのはヴァンドールと呼ばれる戦乱の大地で、人々はイドラと呼ばれる謎の巨大怪物と戦いながら日々を送っていた。そんななか、太古の昔に封印された災神ダークファルスが復活の兆しを見せる……。プレーヤーは、主人公ユリィを初めとしたメンバーと共に、長い旅路へと赴くこととなる。
ダウンロード後にゲームを起動すると、俗に言う10連ガチャをいきなり引くことができる。今時のアプリであれば、いかにしてリセマラ(リセットマラソン)の手間を少しでも省くかというのも大事な要素の1つなので、この親切設計は正直嬉しい。ガチャでは、キャラクターだけでなく装備品も出現するので、こだわる人は納得がいくまで回すのが良いかもしれない。
それが終わると、船上で敵に襲われるシーンから物語が始まる。ここで、戦闘に関する一通りのチュートリアルが行なわれるので、しっかりとプレイしておきたい。特徴としては、すべてのキャラクターに属性がつけられており、それには得手不得手の関係づけがなされていること。さらに、属性の場所に書かれている数値・属性値が、スキル発動などに関わってくることが挙げられる。
戦闘は、画面右下にある“戦闘開始”をタップすると、各キャラクターが有利に戦える属性の相手へと自動で攻撃してくれる。このくらい賢いと放置していても心配しなくても良いのがありがたいが、もし集中的にダメージを与えたい場合は、対象キャラをタップしてから戦闘を始めればOKだ。
キャラクターがアタックすると属性値がアップしていくので、ある程度溜まったところでスキルを発動させて大ダメージを与えつつ、相手を殲滅していくというのが大まかな流れと言える。なお、スキルは連続して発動させることはできず、次に使えるようになるまで一定ターン待たなければならない。通常出現する敵であれば深く考えることはないが、ボスなどの強敵と戦う時は緻密な戦略を練るのがよいだろう。
最初の戦闘をクリアすると、突如としてくじら座のイドラ・ケートスが出現する。このときはアングルが引き気味になり、よりイドラの巨大さと各キャラクターの小ささが強調されるように表示されるのだ。こんな相手にチマチマと攻撃してもらちがあかないと思ったところで、必殺技とも言えるエレメンタルブラストを解説してくれる。その威力は強大で、発動させれば一撃でケートスを追い払ってくれるほど。エレメンタルブラストは、各キャラクターの属性値が一定以上になると属性アイコンがエレメンタルブラストアイコンに変わるので、使用可能になるタイミングがわかりやすいのが便利だ。また、使うと派手な演出が見られるので、かなり爽快感がある。
他にも、随所にイベントCGのカットインが入るのも特徴だろう。序章の最後には鉄仮面を被っていた少女・ステラの素顔がわかるイラストが、第1章スタート時はステラの母アンナマリーとユリィのCGが、それぞれ挿入され、ストーリーを盛りあげてくれる。イベントスチルがほとんど表示されないアプリも多い中、本作は演出部分にも力を入れているのがよくわかった。
この後、ストーリーモードでは半島を目的地へ向かって移動していくのだが、次に進むべき場所がポイントとして表示されるので、そこをタッチすれば選択できるクエストが一覧表示される。参加したいクエストと助っ人となるフレンドを選べば、クエストバトルがスタートする仕組みだ。これを繰り返して、物語は先へと展開していく。
ここまでプレイして気づいたのが、収録されたBGMの美しさだ。全体的に重厚で透明感を感じさせる楽曲は、プレイの邪魔をせず物語に惹き込ませるメロディを奏でてくれる。最近のスマートフォン向けタイトルはBGMの質が素晴らしいが、本作の楽曲はさらにその上をいくと感じたほど。サウンドトラックCDが発売されるならば、ぜひ欲しいと思った。
ロウとカオス、2つの陣営がもたらす面白さ
第1章が始まると、新たなパーティを編成するよう促されるのだが、ここで登場するのがロウとカオスという2つの陣営。各キャラはロウ・ニュートラル・カオスのどれかの陣営に属しており、ロウはロウとニュートラル、カオスはニュートラルとカオスそれぞれの陣営のキャラクターとしかパーティを組めない。つまり、ロウとカオスのキャラは、同じパーティに混在させることができないことになる。
これだけであれば単にパーティ数が増えるだけだが、本作では戦闘中にロウとカオスのパーティを入れ替える、リバースラッシュが実行できるのだ。しかも単に入れ替わるだけでなく、そのタイミングで相手に一斉攻撃も仕掛ける。このとき、控えに回ったパーティはHPが回復していくため、攻防どちらにも有効に働く。
リバースラッシュにはステップがあり、1ターンが経過するごとに段階がアップ、一斉攻撃の強さが上昇するだけでなく、ロウとカオスそれぞれのパーティごとに追加効果も得られるのだ。なお、カオスからロウへのリバースラッシュでは味方にダメージ軽減の支援効果を付与し、反対にロウからカオスへのリバースラッシュなら敵に防御力ダウンの妨害効果を付与する。
リバースラッシュは1ターンに1度しか使えないので、3ターン溜めてから発動させるか、それとも毎ターン使用してダメージを積み重ねるか、プレイスタイルに合わせた戦い方が楽しめるだろう。もちろん、ロウとカオスのパーティそれぞれに違う属性のキャラクターを配置しておけば、どんな相手にも対応できる柔軟性を持たせることも可能になるため、バトルをより有利に運べる。
さらに、キャラクターのレベルをMAXまであげると、ロウまたはカオスどちらかの陣営を選んでの運命分岐を行なうことができる。ロウのキャラクターは防御力が、カオスは攻撃力がそれぞれ高い。持ち味をそのまま活かしつつ相手陣営へと運命分岐することにより、短所を克服した強力なキャラクターとして育成していくことができるようになるのだ。これを利用すれば、レアリティの高くないキャラクターに愛着が湧いたとしても、育てれば強力な戦力になってくれるだろう。
敵だけではなく、自分たちも巨大化する!
シナリオを進めていくと、序章で戦ったケートスが再び襲ってくる。今度は厳しい戦いを強いられるのか……と思いきや、アンナマリーからステラと共にイドラに変身して戦いましょうと提案され、予想外の展開に思わず心の中で「なんだってー!」と叫んでしまったほど。
ここからは、ステラが変身したイドラ・アリエス対ケートスとの戦いになる。巨大なユニット同士のバトルでは、本体+2カ所の部位が攻撃できる場所として設定され、各部位を破壊することでその部分が持つ固有スキルが使えなくなり、より優位に戦闘を進めることが可能だ。また、一定以上のダメージを与えるとダウンして弱点のコアが露出するので、そこを攻撃すれば一気に大ダメージを喰らわすこともできる。通常のキャラクターと同じくエレメンタルブラストも発動させられるので、今回の戦闘に限っては苦戦せずに勝利をもぎ取ることができた。
ちなみに、メイン画面からイドラバトルを選ぶと、レイドボスとしてイドラが出現する。これを全国のプレーヤーと共に協力して倒すのが、本作のレイドバトルだ。ユニークなのは、レイドボスをCPUではなく、プレーヤーが成り代わって他のプレーヤーと戦うことができるという点。攻撃してくるプレーヤーを倒すほどに報酬も豪華になるので、従来のレイドバトルとは違った快感を味わえるかもしれない。
シリーズをプレイしている人なら気づく、ちょっとした仕掛も用意
第1章が終わると次回予告が表示され、続けて第2章へと突入することになるが、体験プレイはここまで。最後の次回予告は、そういえばどこかで見たことある……と思う人もいるかもしれない。ここは、本作を担当した田中俊太郎プロデューサーの色が出ているのかな? と思いながら楽しく堪能させてもらった。
ここまでプレイして少々気になったのは、「ファンタシースターサーガ」というタイトルではあるがファンタジー色が強く、あまり「ファンタシースター」シリーズの色が見られなかった点。これについて少々聞いてみたところ、プレイを続けると実は……という話らしいので、「ファンタシースター」シリーズファンでも何の心配もなく遊べそうだ。さらに、過去シリーズをプレイ済みの人であれば“オッ!?”と思うような要素も、随所に収録されているとのこと。
まだまだ謎の部分が多いが11月27日から配信開始となっているので、「ファンタシースター」シリーズにハマった人も、もちろんシリーズ初体験の人も、ぜひプレイしてみてほしい。
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