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「龍が如く ONLINE」先行体験レポート

圧倒的ボリュームで濃密な仲間との物語が描かれるシリーズ最新作

2018年 サービス開始予定

価格:基本プレイ無料アイテム課金制

CEROレーティング:D(17歳以上対象)

 セガゲームスが11月21日に配信開始を予定しているAndroid/iOS/Windows PC用ドラマティック抗争RPG「龍が如く ONLINE」。「龍が如く」シリーズの血をひく最新作となる。

 東日本最大の極道組織「東城会」が長きに渡り支配していた東洋一の大歓楽街、東京・神室町。ところが、警察と近江連合の共謀によりその支配は終焉を迎える。警察と近江連合により徹底管理された神室町はかつての熱を失っていた。そんな中、かつての街を取り戻すべくひとりの男・春日一番(かすが いちばん)が立ち上がる。

 このほど「龍が如く ONLINE」を一足早くプレイすることができたので、プレイレポートをお届けする。

【「龍が如く ONLINE」プロモーション映像】

新プロジェクト第1弾は、シリーズ初のスマートフォンで遊べる「龍が如く」

 「『新・龍が如く』プロジェクト」の第1弾として登場した「龍が如く ONLINE」は、「龍が如く」シリーズ初のスマートフォン向けゲームだ。「龍が如く6 命の詩。」にて、それまで主人公だった桐生一馬の物語が完結したことを受け、今作での主人公は今ひとつ頼りなく見える春日一番へとバトンタッチしている。

 組の若頭の代わりに罪を背負い、刑務所で合計17年の服役を終え、ようやくシャバへと出てきた春日一番。今回の体験プレイは、そこから始まる二章からとなった。物静かで一匹狼の印象が強い桐生一馬と違い、春日一番は何かにつけてセリフも多く、良く喋る。まさにチンピラ風情といった感じだが、組事務所のあった神室町へ戻ってきたところで、早くもトラブルに巻き込まれバトルが始まる。

最初のうちはちょっとうるさいくらいに感じるのだが、徐々に愛着が湧いてくるから不思議な主人公、春日一番

 戦闘シーンでは、集めたカードで構築したデッキを使い敵と戦っていく。カードにはそれぞれ“心”、“技”、“体”、“陽”、“陰”どれかの属性がついており、強弱関係が設定されている。これを踏まえてバトルすれば、ある程度のレベル差があっても倒すことが可能だ。

 なお、バトルは基本オートで進み、バトルスキルもゲージが溜まったところで自動的に使用してくれる。本シリーズのプレーヤーは年齢層が高めだと思われるので、このようなオート戦闘はありがたいのではないかと思う。もちろん手動での操作も可能で、その場合はバトルスキル発動が可能なキャラクター上で、下から上にフリックすると効果が発揮される。

バトルは基本オートで進むので、ストーリーに集中できるのが嬉しい。スキルも自動で使用してくれるが、プレーヤーが操作することも可能。なお、レベルアップはメニューのキャラクター強化から行なう。必要な資金と素材があれば、バンバン上げられるのがユニーク

 さらに、画面左端に表示されたヒートゲージが溜まっていくと、ヒートアクションという必殺技が使えるようになる。各キャラクターの右下に書かれた数字分ヒートゲージを消費するので、ターン数がかかる強敵戦などでは発揮する機会が増えるのだが、これはバトルスキルと違い自動では使われない。プレーヤーが任意のタイミングでタップする必要があるので、強敵を相手にする時はオートだからといってボーッと見ていると、痛い目に遭う(自分は見事に痛い目に遭った)。このヒートアクションを発動させると、円が画面外から右下の“極”と書かれた部分へ向けて徐々に小さくなっていく。放置していても良いが、青い円とぴったり重なるタイミングでタップすると、効果がより強力になる仕組みだ。

ここでは目押しの腕が問われるが、判定自体はそこまでシビアではないので、難しく考えず肩の力を抜いてタップしよう

 ストーリーモードではバトルシーンが頻繁に発生するが、オートで実行されることにくわえ戦闘速度も倍にすることができる点や、戦闘もシナリオの一部として楽しめるため、くどいと思うことはまったくなかった。もっとも、主人公がチンピラなのだから争いに巻き込まれるのは当然であり、これでバトルが少なかったら拍子抜けしてしまうかもしれないが……。

プレイしてわかる、ボリュームの多さとゲームとしての本気度

 プレイしていて如実に感じたのが、登場人物の多さだ。後から確認してみたところ、現状でも70キャラ以上が用意されている。以前の主人公だった桐生一馬は、主に1人で相手に立ち向かっていったのに対し、本作は春日一番とその仲間たちという立ち位置で物語が展開していく。常にパーティ形式で戦っていくのも、そのためだ。公式HPにも「チンピラ風情から、志を同じくする仲間たちと力を合わせ、巨大勢力に立ち向かう」とあるように、多数登場するキャラクターたちも単なるモブではないことが、ここからもわかる。

ちなみに、キャラクターはガチャで排出される。その演出もユニークで、1度タップしてキャラクターが現われる場合もあれば、タップするたびに違う色になるものも。虹色の所からは、SSRのキャラクターが出現する。キャラクターごとにつけられたキャッチコピーも、本作の見所だ

 そんな仲間たちと共に戦う要素の1つとして用意されているのが、ドンパチと呼ばれるバトル。これは複数vs複数で行なわれる、いわば団体での戦いだ。襲撃部隊が相手にアタックし、迎撃部隊が敵の攻撃に対応することで進んでいく。当初は数人と数人程度の戦いだが、ゲームが進行すれば数十人対数十人になることもあるのだ。

二章から導入されるドンパチでは、多数対多数の戦いが展開される。強力な大勢の仲間を集めて、数だけでなく戦力でも優位に立って戦いたい

 仲間たちは味方として戦うだけではなく、彼らそれぞれにバックグラウンドとなる物語が用意されていることにも驚かされた。新たに登場したキャラクターであればその背景が、過去作で出演した人物ならば、以前のタイトルでは語られなかった隠れたストーリーが綴られるなど、多数登場するキャラクターたちの存在感が薄っぺらくならないようになっているのだ。

 そのためか、本作のシナリオ量は多いと言われている従来の「龍が如く」シリーズを更に上回る分量となっているという。それが読めるのが、キャラクターストーリーと呼ばれるモードだ。特に、これまでの作品をプレイしてきた人であれば、“あの人物はこうだったのか!”と膝を打つこと間違いなし。過去作を1本でも遊んだことがあるプレーヤーならば、キャラクターストーリーを読むためにも「龍が如く ONLINE」はマストプレイだと言えるかもしれない。

限られた時間の中でも、ストーリーが設定されたキャラクターたちがこれだけ登場している。シリーズの主人公を務めた秋山 駿や真島吾朗、過去作品に参戦した伊達 真や柏木 修などの裏側も、本作なら知ることができる

 本作のあとにコンシューマ版がリリースされる予定になっているためか、もしかすると「龍が如く ONLINE」を“前座”のように考えている人もいるかもしれないが、ここまで解説したことからもわかるようにそのような立ち位置ではまったくなく、相当に気合の入った作品として成立しているのだ。

 なお、ソーシャルゲームとしては珍しく、ストーリーに終わりがあると制作側が公言している。そのため、最後の展開がどのようになるのかが気になるところだが、過去に登場した、そして未来にリリースされるシリーズ作品の両方とうまく絡んでくることだけは間違いなさそうだ。

お約束も用意されているが、ハマりすぎには注意!?

 「龍が如く」シリーズに欠かせない要素の1つと言えば、やはりキャバクラだろう。そのDNAは、もちろん本作にも受け継がれている。しかも、会話のパターンも相当数が収録されているだけでなく、ただのキャッチボールには留まらない奥深さもあるとのこと。

 会話を重ねていくと選択肢が表示されるので、そこで適切なものを選べば相手の好感度がアップしていき、親密な関係になれば彼女の私服姿を眺めながらの店外デートもできるようになる。回数を重ねれば相手の好みなどがわかるので、足繁く通えば正解選びで悩むことはなくなるだろう。しかし、それはツラいという人のために、店内での注文やプレゼントなどで仲を深めやすくするという方法も用意されている。このあたりは、さすが“わかっている”感があると感心させられた。しかも、通うことで得られる遊ポイントも自分たちの勢力拡大のために使用できるため、無駄になる部分がまったくないというのも優れ物だ。

 決められた時間がくると会話は終了となるが、嬢から延長を求められることも。その要求に応じるか、はたまたストーリーに戻るかは、プレーヤー次第だ。

会話を重ねていくと、選択肢が出現する。相手の気持ちに当てはまるものを選ぶと、好感度がアップ
高いメニューを注文すれば、3択を2択にすることもできてしまう

コンシューマ版の“前座”ではなく、その前にたっぷり楽しめるタイトル

 実際にプレイして感じたのは、そのボリュームの多さ。テキストの分量を考えると、本編よりも多いかもしれないと思ったほど。それにもかかわらず、今時らしく無料でダウンロードしプレイできるのだから、こんなお得なことはないだろう。

 これまでの「龍が如く」シリーズをプレイしてきたファンはもちろんのこと、今まで気になっていたもののコンシューマーゲーム機を購入することに敷居を感じて手が出せなかった人も、本作ならばすぐに手を出せるだろう。「龍が如く ONLINE」で、本シリーズの面白さと濃密さに触れたなら、ぜひ既発売のタイトルも遊んで欲しい。

二章の最後では、ストーリーが予想しなかった方向へと展開していく。11月21日から配信が開始されているので、早速プレイしよう