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圧倒的なハチャメチャさ! 「ジャストコーズ4」ファーストインプレッション
とことんまで工夫できるグラップリングに、自由度の高いミッション、そして大爆発
2018年11月16日 18:00
スクウェア・エニックスが12月5日に発売する「ジャストコーズ4」はハチャメチャなオープンワールドアクションだ。前作は敵基地が花火工場のように大大爆発をする派手さで話題を集めたが、今作はさらに、パワーアップ、竜巻や雷などの自然災害も加わって、「破壊と混乱の究極系」のような、ド派手なゲームとなっている。
ワイヤーを撃ちだし瞬時に移動できるグラップリングフックをウィングスーツやパラシュートと組み合わせて使えば、いつでも空中を自在に飛行することができ、さらには敵のヘリや戦車を瞬時に奪え、主人公・リコを大暴れさせることができる。
そして今作ではグラップリングフックの機能が大幅に拡張、オブジェクト同士を引き寄せる「リトラクター」に加え、物を浮かせることができる「エアリフター」、物に推進力を与える「ブースター」といった機能をつけ、プレーヤーの創意工夫でさらなる大破壊が楽しめるようになった。
今回、発売前の「ジャストコーズ4」を数時間たっぷり触ることができた。グラップリングフック機能の他、各種ミッション、本作ならではのゲーム性に触れることができたので、レポートしていきたい。
浮かせる、飛ばす、引っ張る! 思う存分実験が楽しめるグラップリングフック
今作のリコが冒険する舞台は南米の大国「ソリス」。この地は近年頻発する竜巻、雷、砂嵐、吹雪などの災害が人々を苦しめていた。ソリスでは「ブラックハンド」という私設軍隊が国民に圧政を敷き、レジスタンス「カオスアーミー」が立ち上がっている。リコは父の死の秘密を握るブラックハンドと敵対、この国に革命の炎を燃え上がらせていく。
「ジャストコーズ4」は広大な地域ソリスを舞台にリコが暴れ回るオープンワールドアクション。本作は「ジャストコーズ3」での高い自由度、何でも壊せる爽快なゲーム性をベースに、よりバラエティ豊かに、派手に、そして楽しくプレイできるようにデザインされている。敵に支配されている地域を解放していくという基本的なゲームプレイは同じものの、今作では解放目的が地域ごとに異なっているため、マンネリにならず、さらにプレーヤーの自由度を広げる方向になっている。
今回、まずしっかり体験したのは「グラップリングフックの面白さ」である。グラップリングフックには、物と物をワイヤーで繋ぎ、ワイヤーを収縮させることで2つの物をぶつける「リトラクター」という機能がある。「ジャストコーズ4」ではこのリトラクターに加え、風船のようにふくらむバルーンで物を浮かせる「エアリフター」、グラップリングフックをつけたところからジェットが噴き出し加速させる「ブースター」という機能が追加された。
これを使うことで例えば車を浮き上がらせ、その後車の後ろのブースターで加速させるといったことができるようになる。まず筆者はこの機能を使って、車やバイクを浮かせ、ブースターを点火して遊んでみた。ベンチや、屋台なども浮かせられる。これらはしっかりとした物理演算での挙動となるため、例えばエアリフターのつける位置がおかしいと、車が傾いて浮き上がったりする。ブースターは後ろにつけて急加速すると噴射の方向がうまくいかず、ネズミ花火のようにくるくると回ってしまうことも多い。
どうすればうまく飛ばせるか、そもそも飛ばした物を何に使うか? グラップリングフックは「MOD」により、エアリフターの最大高度を設定したり、リトラクターで引っ張りきった後に強力な衝撃波を発生させたり、ブースターの噴射方向を水平方向に限定するなど、非常に細かい制御ができる。「グラップリングフックをつけたら即時に発動する」、「十字キーの上を押すと発動する」、「十字キーの上を押している間だけ発動する」といった条件付けも可能だ。
さらに「ロードアウト」というMODのセットを3つまで記憶する機能がある。リトラクター専用のセット、エアリフターやブースターを複合したセット、戦闘用の即時発動を重視したセットなど、役割を割り振り、十字ボタンの左右で機能を切り替えれる。車にエアリフターをつけ、機能を切り替えてブースターをつけて準備完了。十字ボタン上でエアリフターを発動、長押しでブースターに点火といった操作ができる。
今回はウィンドキャノンの破壊ミッションの際に使い方のコツを聞いたが、実はブースターが戦闘にかなり役立つという。ガスタンクや、砲台、大きな建物にブースターをつけて点火させると銃器より簡単に破壊できる場合もある。もちろんこれまでのようにリトラクターで物と物をぶつけるのも有効だが、こちらは単体で物を動かすことができるため、単純な破壊には有効だと感じた。
また広大な地域を移動するのに有効なのは「高さ無制限のエアリフター」であると感じた。長距離の移動は戦闘機などを補給物資から呼び出して移動するのが有効だが、リコのウィングスーツでの移動が手っ取り早い。しかしウィングスーツは徐々に高度が下がってしまい、地上すれすれを飛ぶことが多い。しかし瞬時に高空まで持ちあげることができ
るように調整したエアリフターを使えば、手頃な物に乗り、空高く打ち上げて高度を稼ぐことで好きなだけウィングスーツで滑空できる。
他にもリトラクターではワイヤーが縮みきったときに、ワイヤーを繋いだままにするか、ワイヤーが自動で切れるように設定するか、衝撃波が発生するように設定するかで大きく異なる。ワイヤーが切れるようにすればカタパルトのように物を加速させて発射できるようになる。
衝撃波が出るようにすると、例えばバイクに乗ってそこでワイヤーを縮め、縮み切った際に衝撃波の反発力で高くジャンプできたりもする。ブースターは後述する乗り物のミッションや、加速に使える。プレーヤーの
創意工夫でどこまでも広がっていく要素なのだ。
自由度が高く、目的が明確になったミッション
基本的なゲーム要素も紹介しよう。「ジャストコーズ4」ではブラックハンドが地域を支配している。解放するために必要なミッション(ストライクミッション)をクリアした後、カオスアーミーを進軍させればその地域を開放できる。前作では街や軍事拠点を1つ1つ破壊しなくてはならなかったが、「ジャストコーズ4」ではストライクミッションに成功すればその地域を解放できる。
ストライクミッションはただ施設を破壊するだけでなく、捉えられている人間を解放する、敵地にある設計図を盗むなどドラマ性が盛り込まれている。筆者が今回挑戦したミッションでは基地に点在する装置のブレーカーを引き上げ、その後カオスアーミーのハッカーを護衛していくつかのポイントでハッキングを行なうというものだった。ストライクミッションには様々なパターンがあるし、破壊しまくればカオスポイントが増えるとのことだ。
カオスポイントが増えるとゲーム内で様々な恩恵があるらしい。ミッションでは様々な目的が提示されるが、「まずは大破壊」というのが本作のセオリーである。今回はまだ筆者が装備を把握し切れていなかったのと、新システムに慣れていなかったので目的のクリアのみに力を入れてしまったが、「ジャストコーズ4」の戦闘は独特で非常に楽しい。ブースターを使って大型車両を転がすこともできるし、エアリフターで兵士を空に浮かすこともできる。リトラクターで飛んでいるヘリコプターをビルに思い切りぶつけてしまうことも可能だ。
今回はまだ筆者が装備を把握し切れていなかったのと、新システムに慣れていなかったので目的のクリアのみに力を入れてしまったが、「ジャストコーズ4」の戦闘は独特で非常に楽しい。ブースターを使って大型車両を転がすこともできるし、エアリフターで弊誌を空に浮かすこともできる。巨大な砲台はグラップリングフックで固めてしまうことも可能だ。
シリーズ初めての人は本シリーズの戦い方にちょっと戸惑うかもしれない。リコはグラップリングフックで長距離を一瞬で移動し、パラシュートで空に舞い上がれる。そこから敵をフックで引っ張ったり、物を爆発させたりと、他のゲーム以上に立体的かつトリッキーな動きで敵を翻弄できるのだ。特に今作では、グラップリングフックの特性を活かしたよりハチャメチャな戦いができそうだ。
さらにカオスアーミーに補給物資を要請することで、戦車やヘリはもちろん、戦闘機や戦闘艇などをどこでも呼び出せるようになった。これらを活用して強力な先制攻撃を食らわせ、そこから地上での戦いに移行していくこともできる。他のゲーム以上にユニークな戦いが楽しめる「ジャストコーズ4」の戦いはぜひ体験して欲しい。筆者もぜひ新しいシステムを使いこなしてみたい。
今作ではさらにユニークなミッションがある。1つは「ガーランド」という映画監督のミッション。彼女はド派手なアクション映画監督で、「船がぶつかるシーンが撮りたいから、ブラックハンドの船をぶっ壊して!」などめちゃくちゃな要求をしてくる。彼女の要望に応え見事な撮影(破壊でもある)を実現すると、グラップリングフックのブースターのMODがアンロックされていくのだ。
もう1つが「ハヴィ」という考古学者のミッション。彼はソリスに眠ったままの遺跡があり、これらを調査している。リコに協力を頼むのだが、巨大な玉状の像の頭をグラップリングフックで操り、遺跡の鍵である台座に乗せるという一風変わったミッションなのだ。インディ・ジョーンズの映画の巨石トラップのように転がってくる頭を、ブースターやリトラクターを活用して動かしていく。ダイナミックでハチャメチャな、本作ならではの超巨大パズルである。こちらではリトラクターのMODがアンロックされていく。
もちろんエアリフターのMODをアンロックするミッションもあり、他にも様々なミッションやサブミッションがあり、クリアすることで武器や乗り物がアンロックされる。前作にもあった、ウィングスーツでポイントを通過する「ウィングスーツスタント」、乗り物で様々な条件をクリアする「カースタント」などは、全てのスタントがマップからそのまま挑戦できる。特にウィングスーツのスタントは地形にそのままリングが表示されており、シームレスに挑戦できるようになっている。空を移動中にふらりと立ち寄り挑戦することも可能だと
感じた。
カースタントは決められた乗り物で条件を満たす必要がある。「●●に乗ってこのリングをくぐれ」、「ヘリで時速200km以上でビルの間をすり抜けろ」など。なお補給物資に指定の乗り物が無い場合でも、大体は近くに指定のビークルが停車されているので安心してほしい。また解法も多くあり、例えばグラップリングフックで乗り物にブースターをつけておくことで本来の速度以上の急加速ができる。この方法を使うとクリアしやすいスタントも結構あると感じた。
目の前に迫ってくる竜巻に思わずビビる! 自然の猛威を再現する迫力
ブラックハンドはウィンドキャノン(それも列車砲のようにデカイ)で大竜巻の進路を変え施設を守っている。リコはこのウィンドキャノンを破壊し、大竜巻の進路をブラックハンドの施設へ変更させるためミッションに挑む。竜巻は本作に顕著な「物理エンジンの面白さ」の最大の見せ場とも言えるだろう。近づく物は容赦なく巻き込まれていく。リコもパラシュートで近寄れば巻き込まれてしまう。ウィングスーツでも影響を受けるが、うまく滑空すれば影響圏から抜け出ることはできるので、竜巻を利用して高度を稼ぎ、ウィングスーツで移動する、という戦法も可能だ。
何もかも巻き込み、そして破壊していく竜巻の姿は非常に恐ろしい。しかしエンターテイメント性を重視してか、リコは巻き込まれてもダメージを負うことはないように見えた。この竜巻によって生じる渦の物理演算、そして圧倒的な敵施設への破壊力をどう活用するか、というところがゲーム的な面白さだ。巨大な竜巻に向かう。
その大迫力は実際にコントローラを握っていると凄まじいものがあり、何もかも巻き込み、そして破壊していく竜巻の姿は非常に恐ろしい。しかしエンターテイメント性を重視してか、リコは巻き込まれてもダメージを負うことはないように見えた。この竜巻によって生じる渦の物理演算、そして圧倒的な敵施設への破壊力をどう活用するか、というところがゲーム的な面白さだ。
そしてやはり視覚的な恐ろしさがある。圧倒的な力の渦が迫ってくるのは本能的な恐怖を生む。この竜巻とゲーム内で直面するのは「ジャストコーズ4」のクライマックスの1つと言えるだろう。実際のプレイで思う存分この竜巻と格闘したいと強く感じた。
今回のプレイでは他に砂嵐も見ることができた。砂嵐は視界が全く利かなくなる。これは敵も同様のようで、目的地だけはわかるので砂嵐の中ミッションを進める、というプレイもすることができた。砂嵐は急に晴れたり、ど真ん中に巻き込まれることもある。視界がその時々で変わっていく戦いは新鮮だった。またソリス中央付近には雪山があるが、ここは近づくと高空から凄まじい攻撃が降ってくる。衛星兵器だろうか? このエリアは物語の核を握っていそうで容易には近づけない。荒々しい自然の猛威にブラックハンドはどう関係しているのか、どんなゲーム性が体験できるか、興味深いところだ。
数時間たっぷり体験できたが、やはり頭からひたすらやりこみたい。1つ1つルールを覚え、気ままにミッションを進め、たっぷり楽しみたいと強く思った。今作ではさらに巨大な戦艦や旅客機も操縦できる。様々な乗り物を使って思いっきりハチャメチャなプレイも楽しめそうである。
そしてなによりグラップリングフックである。物を浮かしたり、飛ばしたり、ミッションやゲーム進行とは関係なく、ただただ遊んでしまいそうである。物理エンジンの実験のように、ひたすらギミックの組み合わせや、ユニークな実験をしてみたくなる。正直、本編が終わった後も、「大破壊ツール」として様々な遊びでやりこむプレーヤーは多いだろう。とても楽しいゲームが誕生したという実感を持った。本作がシリーズ初挑戦というユーザーにもオススメだ。
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