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「GOD WARS 日本神話大戦」を一足先に体験してみた
前作以上にパワーアップした骨太のタクティクスRPGをプレイしてみた。いやー歯ごたえあります!
2018年6月5日 06:00
やり込み要素満載の新シナリオ「黄泉の迷宮」を追加
6月14日に角川ゲームスから発売される予定のプレイステーション 4/PlayStation Vita/Nintendo Switch用タクティクスRPG「GOD WARS 日本神話大戦」(以下、日本神話大戦)。これは昨年6月22日に発売された「GOD WARS ~時をこえて~」(以下、時をこえて)の流れを受けて発売される作品だ。
前作のレビューは、「『GOD WARS ~時をこえて~』日本神話の昔話の登場人物が新たなストーリーを描くタクティクスRPG。カグヤが、キンタロウが、クマが瑞穂国の安寧をもたらす」に掲載されているのでご覧頂きたいが、「日本神話大戦」では追加シナリオとして昨年7月に配信された「日向の未来」、「新たなる敵」に加えて、新シナリオ「黄泉の迷宮」、そして新キャラクター「オリヒメ」が加わっている。
この他にも、カグヤのライバルとして登場した日向の王子「モモタロウ」と、その忠実なお供である「イヌ」、「サル」、「キジ」がプレイアブルキャラクターとして使えるようになる。それだけでなくプレイアビリティの改善も行なわれており、バトルスピードの高速化、キャラクターやスキルのレベル上限開放、出撃人数の増加といった調整が加わっている。上記も含めて、公表されている改善項目は以下の通りだ。
【「GOD WARS 日本神話大戦」における改善項目】
・バトルスピードの高速化
・ヘルプ機能の実装
・バトル最大出撃人数の増加
・レベル上限、スキル上限の開放
・2周目要素の実装
・モモタロウ、イヌ、サル、キジのプレイアブル化
・新エピソード実装
・マルチエンディングシステム実装
・新規楽曲の追加
・新エンディングテーマ採用
・新キャラクター「オリヒメ」&エピソード追加
これだけ並べるとずいぶんと手が入っているなあという感があるが、別のゲームになってしまっているわけではなく、あくまでも前作「GOD WARS」の世界をより楽しむための改善、追加項目なので、ファンとしてはうれしいところだ。
ただ前作を持っていて、「日向の未来」と「新たなる敵」を購入して遊んでしまった人にとっては、「うーん、これって買い?」と思うのはしょうがないところかもしれない。しかしですね! 「黄泉の迷宮」はぜひとも遊んでほしいのですよ! これがまたなんとも言えないのですよ! ファンならば絶対に遊んでほしいのですよ!
じゃあ、「本作と同時に配信されるDLC『黄泉の迷宮』を買えばいいじゃん?」と思っているあなた。いやいやいやいや、オリヒメさんはかなり強いキャラなんですよ。DLCではオリヒメさんは登場してくれません。とことんまで遊んでみたいなら、オリヒメさんを使ってみたくないですか?
と、だんだんと購入意欲が高まってきたところで、まずは「黄泉の迷宮」をプレイした内容についてお届けしていこう。
ただし、ただしだ。まずはここで公開されている「やりこみロードマップ」を見てほしい。
はい。「黄泉の迷宮」については、もちろん本編である「時をこえて」をクリアしてから望まなければいけない。加えて、「黄泉の迷宮」で想定されているのはレベル70以上。職業についても初期のものではなく、なるべくなら上級職を解放し、スキルもそれなりのものをつけないと勝つことができないという想定だ。表の「想定累計プレイ時間」を見てみると、「時をこえて」だけでも120時間……。
正直に言います。レビューの話をいただいてから頑張った、頑張ったんですが、まだクリアにたどり着くことができなかったのだ(涙)。加えてレベル70以上、上級職までを解放するとなると、かなりの時間がかかることが予想される。そ・こ・で。角川ゲームスさんにお願いをし、特別な開発環境でプレイさせてもらって、今回の紹介記事を作ることにした。申し訳ない! このため、これから掲載する画面は「あくまで開発中のものです」。実際にプレイしたときの画面と異なる可能性もある。ここのところを申し訳ないがご了承いただきたい。
やり応え十分の「黄泉の迷宮」
「時をこえて」をクリアすると、まずは「諏訪」へ向かうことになる。そこではイワナガ、サクヤ、カグヤの3姉妹の物語がスタートする。日向へ嫁ぐことになったサクヤ。それに際して、母であるツクヨミから託されたこの世界の理(ことわり)について語り出すイワナガ。そして、母にもう1度会うため、「黄泉の迷宮」へと出発することを決める。
そのためにはまず出雲に出向き、オオクニヌシに面会する。黄泉の迷宮への道を開くことを決めるオオクニヌシだが、そこに出向くにはカグヤの力だけでは足らない。モモタロウの道案内が必要だと説くオオクニヌシ。そこでモモタロウも加わって旅立つことになる。ここでマップに「黄泉比良坂」が登場する。ここから「黄泉の迷宮」へと進むことができる。
さていよいよ「黄泉の迷宮」である。黄泉比良坂にたどり着くと、レベルキャップが199までとなり、一部スキルの上限についても開放されることになる。なお画面を見るとわかるように、「推奨Lv70」としっかりと書かれている。今回はプレイに苦労することが目的ではなく、あくまでもどのような内容なのかを確認するのが目的なので、スキルについてはすべて解放されている状態、レア武器についても入手している状態で、レベルについては90という設定でのプレイとなった。ここまで育てるのは、正直かなりの時間が必要だ。
「黄泉の迷宮」に用意されているのは40ステージ。これらすべてが上級者用に用意されているものなので、敵を倒していくのもかなり苦労する。実際のところ、上記のようなキャラクターを用意してもらったにもかかわらず、かなり難儀した。
まずは第1層「迷宮への入り口」から行ってみよう。
ここで若干ストーリーを追っていこう。「黄泉の迷宮」には、カグヤ一行の背景ストーリーが描かれているのも特徴の1つとなっている。どうやらイワナガはイザナミに誘われて、「黄泉の迷宮」に来たことがあるのだという。そこでモモタロウと出会うことに。果たしてその後どのような展開になったのか?
そのあたりは今後語られることになるとして、なにより戦闘シーンである。どうだこの、道が細いマップは! キャラクターは8人選ぶことができるのだが、その先にはすぐ段差と1本道の坂があり、広場があったのちに段差。そしてその先にも1本道の坂。うーん。キャラクターが詰まって進みにくいかもしれない。それに、これでもかと目の前に構えている敵はなんだ? あとあの赤いの何??
……「時をこえて」では“力押し”で面をクリアすることもできたが、「黄泉の迷宮」ではかなりの戦略プレイが必要だ。本職業は上級職に設定。副職業もしっかりと選んだ上に、常時スキルについても考えて設定していかないとうまく勝つことができない。パーティーメンバーについてもしっかりと選んでいくことが必要だ。今回筆者がチョイスしたのは、本編でも使ってきたカグヤ、キンタロウ、カツラギ、アオメ、ハナサカ、イナバに加えて、新メンバーのモモタロウとオリヒメを加えることにした。
最初にターンが回ってきたのはイナバ。まずはここで目の前にいる黄泉ノ兵を攻撃する。「えっ! HP 870??」これには「火炎撃」のスキルで対抗することにしたが、129しかダメージを与えられない模様。固いじゃん!
力押しでは勝てないことが何となくわかってきたので、敵のステータスを下げて、被ダメージを増加させることにする。オリヒメの順番がやってきたので、スキル「厄災の儀」をさっきの黄泉ノ兵へ。敵単体の全属性を30下げ、基礎能力を30%、3ターン下げるという効果を持つ。確率80%なら大丈夫でしょう。しかーし、結果は“ミス”……。何それ!
しかし次はキンタロウ、そしてカツラギにターンが回ってくる。えーいとにかく力押しで攻撃だ! とばかりに黄泉ノ兵に集中砲火。なんとかHPを削ることができた。そのあともイナバに攻撃させたり、ハナサカによるスキル攻撃を加え、最後はキンタロウの通常攻撃でフィニッシュ。やっと1体撃破かよ!
とにかく1体1体の敵がかなり強いのである。赤いの(梅妖甘)もHPが811もある。で、地形が地形なので移動にももたつき、どうしても自キャラが周りに集中してしまうことになる。そうすると「流星の天術」なんていう範囲攻撃を仕掛けてくる。なんてこったい。
1体1体のキャラクターをそれぞれ倒すのが、いかに大変だということがわかっていただけただろうか。敵キャラにカーソルを合わせて□ボタン(Yボタン)を押し、敵がどの属性に耐性があるのかを調べながら、なるべくダメージを与えるのが大きいスキルを選んで攻撃していくことが重要となるのだ。また大事なのが範囲攻撃。敵キャラをなるべく集める方向にして、少しでも複数の敵のHPを削っていくことが大事だ。
あと重要なのがステータス変化。先ほどの「厄災の儀」もそうだが、そのほかにも毒や混乱系の攻撃をすることで、なるべく敵に状態異常を与えて戦うことが重要だ。結構効果があるのが毒。重ねがけをすると「猛毒」となるので、敵のHPを自然に削ってくれる。これがかなり大事だ。状態異常。頭に入れておいて戦うと良いだろう。
こうしてチクチクチクチクと敵を倒していくこと約1時間とちょっと。HP 3,300を持つ大ボス「黄泉ノ大蜘蛛」を倒すことができた。そのあと残敵も掃討して勝利へ。なお戦いが終わったあとは、「並」、「良」、「優」の判定がなされる。これはターン数と与ダメージによって決まるとのこと。クリア条件には関係ないが、やりこみ要素のひとつとして考えればよいだろう。なおダンジョンは何回でもプレイできるので、レベル上げをしつつ、下の階層に挑んでいくとよい。
終わったあとは放心状態。しかしあっという間の1時間だった。とにかく考えた、考えた。こいつとこいつをこう進めて、こいつにこの攻撃をしたら次はこいつでたたいて、んでもって次はこいつにステータスを下げさせて、などなど。第1階層でこれなんだから、このあとはどうなるんだろう。ということで第2階層のさわりだけはお見せしておきます。果たしてこのマップ、あなたはどう攻略しますか?
そして「黄泉の迷宮」をクリアしたあとは「深遠」が待っている。どのスキルレベルも最高位が要求される最上級者向けのステージ。キャラクターレベルは199。果たしてここまでたどり着くには、どれくらいの時間が必要なのだろうか。
甲斐で待っていてくれるオリヒメ
さてここからは新キャラ「オリヒメ」についてご紹介していこう。オリヒメは特に本編をクリアしていなくても、「日本神話大戦」のディスクを入れてゲームを立ち上げ、「時をこえて」のセーブデータを読み込ませれば甲斐で会うことができる。オリヒメに会うと、ミニクエストである「オリヒメの願い」が解放される。これは各やしろで受けられるミニクエストに追加されるもの。4つ以上のオリヒメの願いをクリアすると、プレイアブルキャラとしてオリヒメが追加されるのだ。オリヒメはモモタロウなどと異なり、本編のストーリーでも使える。
とにかく骨太な、骨太なタクティクスRPG
「時をこえて」をプレイしたときも思ったのだが、とにかく要求されるやりこみ度が半端ないゲームだということ。「時をこえて」は力押しで行けるとはいうものの、それでも途中でレベル上げをしないとボスなんて勝てなかったし、結構大変だった。それ以上に攻略スキルを要求される「黄泉の迷宮」。
各層のプレイにはかなりの時間がかかるというものの、それが終わったあとの達成感はなんとも言えないものだ。タクティクスRPGが好きな人であれば、ぜひともプレイしてほしいし、前作を持っているならもう1度「日本神話大戦」を購入して、新たにプレイを開始してほしい。また前作をプレイしていないのであれば、とにかく長い時間じっくりと遊べるゲームであることは間違いないと断言する。なお、それでも難しいという人はメニュー画面からいつでも難易度を変更できる。また、発売から1カ月間無料で配信されるDLC「真・三種の神器」を使えばさらに攻略は楽になるだろう。なじみのある日本神話の世界で、あなたも敵と戦ってみませんか?
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