モデラーの有志が自分の好きなゲームをテーマに制作した立体作例を展示する第3回「16bitModels」が、4月14日にコトブキヤ秋葉原館5階のコトブキヤスペース・アキバにて開催された。
これまで弊誌でもレポートしている第1回のテーマが「2000年以前のゲーム」と第2回が「ファミリーコンピューター」に続き、3回目となる今回のテーマは「SEGA」。ゲーマーの誰もが1度は必ず通る道であるセガのゲームをモチーフとした23作品が勢揃いした。当日は偶然にも、会場のすぐ近くのベルサール秋葉原にて「セガフェス」が開催されていて、その足でこの展示会に見に来たという人も多かったようだ。
また今回はプロ・アマモデラー諸氏の他に、メーカー関係者や芸人、声優など、様々な方面からのモデラーが集結し、これまで以上にバラエティに富んだ内容となった。前回と同様に、制作者諸氏のメイキングやレポートは、Twitterの「#16bitmodels」のハッシュタグでつぶやかれているのでチェックしてみよう。
セガフェスの帰りにショッパーを下げて展示を楽しんでいる人も多かった BGVとして流されていたセガのゲームをプレイする人も メーカー関係の有志により、セガ関連のフィギュアやプラモデルも展示された 先日最新作が発売された人気シリーズの初代作品「戦場のヴァルキュリア」(2008年)より、第7小隊エーデルワイス号と水着でたたずむヒロイン、アリシアの姿を水辺のジオラマとともに制作。戦いの中の安らぎのひとときを描いている 「獣王記」(1988年)のインストラクションカードが貼られた真っ黒い箱が一つ。そこから伸びたボタンを押すと、中にいる主人公がクマの獣人へと変身する。ハーフミラーとライトを使ったギミックが楽しいカラクリ箱だ 「バーチャファイター」(1993年)のアキラとサラfigmaとアストロ筐体のプラモデルを使って、制作者が作品から受けたインパクトを表現している。大伴の攻略本「バーチャファイターマニアックス」の表紙に似せたディスプレイが懐かしい 「龍が如く0 誓いの場所」(2015年)の舞台となった、バブル経済に浮かれる1988年の神室町のゲームにも登場する風俗店をジオラマ化。若き日の桐生一馬が、野良犬と自分の姿を重ねている情景だ。看板やポスターの作り込みにも注目 人気を博したタイピングゲーム「ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド」(2000年)より、主人公ジェームスを制作。ゾンビが倒れるシリアスなシーンに、ドリームキャスト型バックパックとキーボードを装備したエージェントのギャップが面白い クオータービューの画面が印象的なメガドライブタイトル「ランドストーカー ~皇帝の財宝~」(1992年)の主人公ライルが、ブロック状の世界を冒険する。プレイ中に「落ちまくった」という作者の思い出が、不安定さあふれる足場に現れている 誰もが驚かされたセガの体感筐体の最高峰「ギャラクシーフォース」(1988年)の貴重なスーパーデラックス筐体を立体化。操縦桿やスロットル、周囲を囲うパイプなど、宇宙船のコクピットそのもので、今にもグルグルと回転しそうな雰囲気がある 「ファンタシースターオンライン2」(2012年)より、マグの進化デバイス「ベレイ」。誰もが「あのMSでは?」と思うデザインと名称は、永野護氏の手によるものだ。制作者いわく、実物大のサイズをイメージして作ったのだとか 「電脳戦機バーチャロン フォース」(2001年)及び「同 マーズ」(2003年)より、カラフルなバーチャロイド達が、アクリル製目玉マークの上に並ぶ。制作者のマスクド13氏は実はガイアノーツの社員で、自身がバーチャロンカラーで塗装した作例を出展した 「ラヴィ!!」のかけ声でおなじみ(!?)、ニンテンドーDSの「きみのためなら死ねる」(2004年)より、「ラストバトル」にワンカットだけ登場するロボットを立体化。足元にいるラブラビッツにも注目。モデラーとしても知られる声優のあさみほとりさんが制作 不朽の名作シューティング「ファンタジーゾーン」(1986年)のラウンド2に登場するボス「ボランダ」を観覧車に見立てた、アイデアが光る作品。モーターによるギミックで周囲のホイールが回転する。どこかの遊園地の1シーンのようだ メガドライブを代表するアクションゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(1991年)のソニックを、制作者オリジナルのドット絵に起こし、それをキューブ状のブロックとマグネットで制作。ドットの解像度を低くしたことで、可愛く仕上がっている アーケードゲームの「ペンゴ」(1982年)を作者独自の目線で捉え、ペンゴ武装のフレームアームズ・ガールと、氷に潜む正体不明の生物スノービーの対決を描いている。小説「狂気の山脈にて」や映画「遊星からの物体X」の南極の世界観がモチーフだそうだ 神様となって物語に介入する「ROOMMANIA#203」(2000年)の主人公、ネジタイヘイが住む205号室を、1/35スケールで制作。手のひらに載るぐらいのサイズながら、小物も一つ一つ作り込まれている。思わずボールを投げ込みたくなってしまう気分に 【アフターバーナー クライマックス/吉本プラモデル部 部長 佐藤哲夫】
「アフターバーナー クライマックス」(2006年)の空中戦のシーンを切り取り、箱の中に組み上げた情景モデル。制作者はガンプラW杯などで入賞もしている芸人パンクブーブーの佐藤哲夫さん。本人いわく、少し斜め下から見るのがベストなアングルなのだとか 【“Do Virtuaroids Dream of Electric Devil?”/フクイ(限定)】
対戦ロボットアクション「電脳戦機バーチャロン」(1995年)より、テムジンがステージクリアに時間がかかると出現するヤガランデと対峙するシーンをボックス内部に再現。キットのスケール差を広く取ってヤガランデの巨大感を演出している セガファンにも思い入れの強いテクノソフトの名作「サンダーフォースV」(1997年)より、ラスボス「ガーディアン」を巨大サイズで立体化。背景に自作の映像を映して、さっらに本体をターンテーブルで回転させることで、ラストシーンを再現している 【ドリームキャス子ちゃん/東海村原八 / 模型の王国】
「セガサターンマガジン」に連載されていた、サムシング吉松氏の「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!」のヒロイン、ドリームキャス子をフィギュア化。制作者は将来的に同作の主人公メガドラ兄さんのフィギュア化を夢見て、小さめサイズで立体化したそうだ セガサターン後期の主役とも呼べる、藤岡弘、さんが演じた「せがた三四郎」を、本人そっくりのフィギュアで表現。さらに後方には「せがた三四郎 真剣遊戯」(1998年)の最後のCMで見せた宇宙に飛んでいくシーンのジオラマが! 「スペースハリアー」(1985年)のハリアーと、「ファンタジーゾーン」(1986年)のオパオパを、フレームアームズ・ガールを素体に擬人化。2人ともかなりけしからんスタイルで、会場の男性ファンの注目を集めていた。ハリアーの武器は電飾されている 体感レースゲーム「アウトラン」(1986年)でプレイヤーが運転する赤いスーパーカーをを、1/16フェラーリテスタロッサスパイダーのキットをベースに制作。内装は大幅に改造され、パネルやライトの電飾が美しく輝く。題名は本作のエンディング曲より 新作制作も決まった「サクラ大戦2」(1998年)の真宮寺さくらとその愛機、光武・改。なんとこの機体、ボタンを押すとカメラアイが光って可動し、さらに一定時間歩行(足踏み)するギミックを内蔵。来場者を驚かせていた。薄暗い会場に背景の桜も映える 【16bitModels、「光武・改」の歩行ギミック動画】