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【特別企画】「メガドライブメガトロン」開発者インタビュー
こだわりが詰まったメガドライブが大胆変形! その“密度”に注目!
(2014/8/13 00:00)
タカラトミーアーツが10月に発売を予定している「メガドライブメガトロン」。セガのゲームハード「メガドライブ」が、「トランスフォーマー」の「メガトロン」に変形するという驚きの作品は、発表された直後から大きな反響を呼んだ。
先日行なわれたワンダーフェスティバル2014夏では、「メガドライブメガトロン」の試作品が展示されただけでなく、ライバルとなる「コンボイ フューチャリング オリジナルプレイステーション」も試作品が出展された。会場にはたくさんのファンが訪れ、「メガドライブメガトロン」への関心はとても高かった。
このユニークなアイディアで生まれた作品をぜひ取り上げたい。今回、この「メガドライブメガトロン」はどのようにして生まれたのか、本作の担当者であるタカラトミーアーツの依田智雄氏にインタビューを行なった。
依田氏と、デザイナーの大久保氏の想いが生み出した「メガドライブメガトロン」
――まずお聞きしたいのは、「メガドライブメガトロン」という企画はどのような経緯でスタートしたのでしょうか?
依田氏: タカラトミーアーツのホビーブランド「NEXTA(ネクスタ)」を去年立ち上げたのですが、その前からホビーの事業化プロジェクトは動いていました。その際にまずはタカラトミーグループの強み弱みの分析を行ないました。タカラトミーグループとしてゼロからキャラクターホビーを再出発させるためには、たとえばどんなコンテンツ、ブランドが向いているだろうか? そこで考えたのが「ミクロマン」や「トランスフォーマー」ブランドの活用でした。
ちょうど「トランスフォーマー」は30周年を迎えるというところもあり、何かうまくホビーアイテムとして展開できないか、ということを考えました。僕は以前よりゲーム系のライセンス商品開発を担当させていただいていて、特にゲームハードのミニチュア化を手がけていまして、ホビー事業立ち上げの際にセガさんに軽くお話をした時に、「『メガドライブメガトロン』というのは面白いんじゃないか?」ということになったのがはじまりでした。
いろいろなゲームハードのトランスフォーマー化を検討しました。その中で丁度去年がメガドライブの誕生25周年だったので商品化を決めたのですが、残念ながらタカラトミーアーツのホビー事業が立ち上がったばかりだったため、2014年での商品化ということになりました。商品化の立ち上がりとしては、早かったほうだと思います。ただ、タカラトミーアーツとしては、本格的な「トランスフォーマー」アイテムは初めてになるので、ノウハウの蓄積がなく1からの立ち上げになるので難しかったですね。
――変形ということはもちろんですが、「トランスフォーマー」として要求されるクオリティというものもありそうですね。
依田氏: 本家「トランスフォーマー」ほどに玩具としての正しいアプローチを行なっているかといえば少し異なり、よりホビーユーザー向けの商品になっている部分があります。もちろんタカラトミーの開発チームからも「トランスフォーマー」としてのあるべき姿など、いろいろなアドバイスをいただきながら進めていました。
ちなみに「メガドライブメガトロン」の開発には、ホビーメーカー・千値練さんにご協力を頂いています。千値練さんにはホビー事業の立ち上げ以前から仕事以外でも仲良くさせていただいていまして、以前から何かご一緒させていただきたいと思っていたのですが、ようやく実現しました。今回千値練さんには設計・開発のコーディネイトをお願いしています。
また「メガドライブメガトロン」のデザインを担当されている、メカニカルデザイナーの大久保淳二(出雲重機)さんは平面のデザインだけではなく、ご自身でポリゴンでモデルを作り、変形のパターンまでしっかりとアイデアを練りこんでいただけるので、そのデザインを忠実に再現しながらも、どう立体物として成立させていくかを千値練さんとまとめさせていただきました。
――「メガドライブメガトロン」はやはりデザインが面白いですよね。メガドライブが、アニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」の「G1メガトロン(初代メガトロン)」を彷彿とさせるデザインになる。右手にちゃんと大型の武器を持っているシルエットになるところが楽しいですね。
依田氏: そこは大久保さんのこだわりでもありますね。大久保さんは様々なデザインを手がけていらっしゃるのですが、「トランスフォーマー」についてはご自身も昔からのファンらしく、お打ち合わせの時に「○○○○じゃなくて『トランスフォーマー』を描きたいと思ってました!」と仰ってました(笑)。大久保さんの中で「G1メガトロン」のシルエットイメージを踏襲してデザインされたのが、今回の「メガドライブメガトロン」になります。
――「メガドライブメガトロン」を発表した時の反響はどうだったでしょうか?
依田氏: かなり大きな反響を頂けた、と感じています。「ダジャレかよ!」と多数突っ込まれましたけど(笑)。セガさんもTwitterも含めて拡散していただきましたし、GAME Watchさんに掲載していただいた動画も好評でした。ありがとうございます。
――今回の試作品で面白かったのは、メガドライブのコントローラーがウィングのように背中にくっつく際、ちゃんとケーブルがつながったままになっているところでした。
依田氏: そこは千値練さんのアイデアです。現在のゲームハードと違い、昔のゲーム機は有線でコントローラーを接続しなければゲームをプレイできませんでした。だからこそケーブルは再現したかったんです。ただしそのまま脚の部分に取り付けるのでは芸がないので、肩に取り付けたウイング状のコントローラーから右腕のキャノンに接続できる様にしました。ケーブルは「○戦機○ルガイム」のようなアレンジでも面白いかな、と。