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台湾Gamtropy Studioのスマホ用シミュレーション「デザートピア」

常に変動する自然環境に対応しながら多彩な動植物を育てる島づくり

2月22日

 台湾の独立系ゲームチームGamtropy Studioが開発した、Android/iOS用シミュレーション「Desertopia(デザートピア)」は、2017年11月16日から配信が開始され、クリスマスの更新に合わせて日本語のサポートもスタートしている。基本料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。

 本作は、砂漠の中で新しい生命を育成していくシミュレーションゲーム。プレーヤーは無人島を開拓していくとともに、島に生物を復活させる。ある生物が繁栄すると、別の種が衰退する。建設できる施設も永遠に存在し続けることはできず、すべてのものが時間によって減少と増加を繰り返す。その中でランダムに発生する出来事がチャンスと危険をもたらし、島の運命を左右する。可愛らしい画面とは裏腹に、現実世界を反映した重い内容をも含んでいる。

【「デザートピア」トレーラー】

タップだけで遊べる気軽な育成要素

 プレーヤーは画面の雨雲や太陽をタップすることで、各エリアに合わせた自然環境を創り出し、様々な生物が生存できる土地を育成していく。一定時間が過ぎると、それぞれの土地に適した野生動物が現れ、島が豊かになっていき、特定条件を満たせばクジラといった巨大な生物や、ドラゴン、ネッシーといった伝説の生物を育てることも可能だ。これら登場した動物たちは、図鑑に登録できる。

 一般的なシミュレーションゲームとは違い、この島では環境は時間と共に衰退していく。水不足によって植物が枯れると、砂漠化して生物が絶滅してしまう可能性もある。プレーヤーは自己の努力によって生物を復活させる必要があり、お互いに影響し合う生態系の中で、資源の配分と選択を慎重に行なわなくてはならない。

砂漠だった島の自然環境を改善すると、動物や植物たちが現われる
各土地で雨と日光を調節し、それぞれ異なる地形を創り出す
新種の動物を発見!
現れた塔物たちは図鑑に登録できる
集めた動物の数などはデータとしてみることもできる

リゾート地や団体ツアー、外来種など、人為的な影響が表れる

 時間の経過とともに、プレーヤーはゲーム中で様々な人為的な特殊事情に遭遇することになる。人為的な出来事は、必ず利益と破壊をもたらす。例えば、クルーズ船は観光による利益と同時に汚染をもたらし、汚染により島の資源は消耗してしまう。そのため島の動植物の衰退が加速し、外来種は原生の動植物を圧迫し、絶滅させてしまう。

 財団が土地を購入してリゾート地を建設すると、特殊生物の生息地を破壊してしまい、種によっては復活することができなくなる。資源が限られる状況の中で、プレーヤーの選択が島の発展に影響を与えていく。収入が減ると島の発展は遅くなり、状況によっては砂漠化が始まってしまうので、環境と利益とをうまく共存させるバランスが重要となる。

人類と環境はお互いに利益を得て共存できるだろうか?
外来生物の侵入によって、原生生物の生息地が破壊され、絶命させてしまう

放置していると、予想外の結末が……

 本作は、一見放置系のゲームのように見えるが、実は育成の途中にはいくつかの結末が用意されている。島が人為的な影響を多く受けると、汚染が悪化し、それによって島の経営がどんどん難しくなり、まさかの結末を迎えることも――。シミュレーションゲームでは、ある程度ゲームが進むとどんどん得られる収穫(建設)が増えていき、それが逆に緊張感を失わせる原因となる。本作では、プレーヤーの選択の結果を用意することで、シミュレーションゲーム特有のインフレを抑制している。可愛らしいパステルカラーの画面からは想像できないような、重厚でシリアスな内容も含まれており、そのキャップも本作の魅力となっている。

島を育てた先には、中間結末ともいえる数種類の結果が待ち受けている