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「地球防衛軍5」×「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」クリエイタークロスインタビュー

「STR」荒牧監督、「EDF5」岡島プロデューサー両者の「夢がかなった」コラボ

2月14日 実施

 ――火星、バグる。そして地球もバグる!2月10日に公開された映画「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット(STR)」と、2017年12月に発売されたプレイステーション 4用3Dアクションシューティング「地球防衛軍5(EDF5)」とのコラボが実現した。2月16日にはコラボPVも公開され、2月14日には「コラボ企画第2弾」として「STR」の荒牧伸志監督と「EDF5」の岡島信幸プロデューサーの両クリエイターによるクロスインタビューが実施された。

 実は荒牧氏、「地球防衛軍」シリーズは「SIMPLE2000シリーズ」時代からプレイし続けており、最新作の「EDF5」もクリアしてなおプレイを続けているという。岡島氏も「STR」を大いにリスペクトしており、今回のインタビューはお互いの夢が叶ったようなひとときだったといえる。インタビューの途中では出来たてホヤホヤのコラボPV試写や、荒牧監督によるゲームプレイも行なわれた。

クリエイターでもありファンでもあるふたりの想いを語る

――コラボの話を受けて、率直な感想をお願いします。

荒牧氏:純粋に「夢が叶った」と思っています。夢が叶ってうれしいなと。「スターシップ・トゥルーパーズ」は僕らが作った作品ですけど、どちらかというと「地球防衛軍」の最初からのファンなので。ゲームとしてずっと楽しんでいたので、岡島プロデューサーと会えるのが嬉しくてしょうがないというのが今の心境です。

岡島氏:私も「スターシップ・トゥルーパーズ」第1作から劇場に観に行っていますし、最高だと思って観ていました。あくまで個人的な感想ですが「スターシップ・トゥルーパーズ2」で落胆もしまして、「もう終わったな」と……そう思っていたらまさかの「スターシップ・トゥルーパーズ3」でシビれて。風刺は「3」が1番効いていますよね。もちろん荒牧監督が手掛けられた「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」もBlu-rayを発売日に買って、という生粋のファンです。

 「地球防衛軍」も虫型の敵がたくさん出てきますので、「スターシップ・トゥルーパーズ」と似通う部分があります。ここだけの話「地球防衛軍4」の時、PVをいくつか作って紹介していたんですけども、発売日直前のPVで「クリエイティブどうしよう……」となってしまったことがあります。すでにアレもコレもやってアイデアに困ってしまい、「よし、『スターシップ・トゥルーパーズ』のオマージュ路線にしよう」と。有名なセリフの「もっと知りたいですか?」も口調は一緒でセリフを置き換えたりとかしていました。なのでこの話が来たときは本家本元とコラボさせていただき、どちらかというと恐縮ですというのが正直な気持ちです。


【地球防衛軍5×スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット コラボPV 火星から出動要請!?】

――コラボPVでは色々なオマージュが垣間見られましたね。コラボ第1弾として制作されたPVですが、今回のPVを観た感想をお願いします。

荒牧氏:違和感がなくてスゴいなと。ハマっている感じが楽しかったです。

――たくさんの敵が押し寄せるというのも、両作品に通じるテイストですよね。

荒牧氏:「(コラボ)するべくしてした」っていう感じが今になっては強くて、感動しました。

岡島氏:僕は今回のPVの中身の方にも関わらせて頂いているのですが、「地球防衛軍」でやってきたバカバカしいPVのフォーマットそのままでいいよと言っていただいたので、ここぞとばかりにいじくらせて頂きました。それを快く受け入れてくださったことに感謝しかないです。

――荒牧監督は「地球防衛軍」シリーズを結構プレイされているとお聞きしましたが。

荒牧氏:結構どころじゃないです。「SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍」から全部やってると思います。DLCすべてはさすがにやっていないのですが、「EDF5」が出る前にも「EDF4.1」を必死にやっていたという。本当に楽しませて頂いてます。

――今回「EDF5」もプレイされているようですが……。

荒牧氏:やってます。コンプリートしたのはNORMALだけで、昨日もやっていたのですがHARDを40%くらいですね。レンジャーしかまだやっていなくて、娘がペリ子(ペイルウィング、「ウィングダイバー」の前身的な兵科)なので。

――ご家族でプレイされていると。

荒牧氏:もちろんです。家族でやらなきゃダメですよ。

岡島氏:結構な時間を使って頂いてますね……。そんなにお暇じゃないはずなのでは。

荒牧氏:僕が使ってるのはレンジャーだけなので、トータルでいうとまだまだ全然言えたような数字じゃないです。基本的にはレンジャーしかやらないです。

――では、そんな荒牧監督に「EDF5」をプレイしていただきましょう。

荒牧氏:僕は時間かけてHP(アーマー)上げてなんとかクリアするタイプなんですけど。

――今回特別にすべてオープン状態ののデータを用意しましたので、こちらでお願いします。

 そして始まった荒牧監督のプレイ。プレイしたステージはミッション54「黒幕」だ。すべての武器が開放されたデータを使用したが、兵科は「レンジャー」、武器は「T2ストーク」と「MLRA-30」を選択。新たに武器を手に入れるのがゲームでの楽しみということで、あまり進んだ武器は遠慮したいという。補助装備は「軽量リキッドアーマーE2」を選択した。

 「みっともないことになる」と謙遜していた荒牧監督、プレイ直後は少々おぼつかない動きであったが、どうやらキー配置が違っただけで、いざキー配置を直したとたんに本領を発揮。最初のミスで大量に襲い掛かってきた「侵略性外来生物α(通称「黒アリ」)」たちを難なく撃破、次いでやってきた「マザーモンスター」の攻撃も華麗に避けつつ撃破していた。

――岡島さんに「STR」を鑑賞した感想をお願いします。

岡島氏:今回のコラボの関係で事前にDVDをお借りして、吹き替え版を拝見しました。本当は自分で買ってBlu-rayで観るか劇場で観たいというのが本音です。感想として今回1番よかったのはやっぱり「スターシップ・トゥルーパーズ」らしさというのをちゃんと損なわず、ファンが観たい部分を絶対に裏切らない形で新しいことをされている部分だと感じました。「インベイジョン」でも新しいことにチャレンジされていましたよね。

荒牧氏:「インベイジョン」はポール・バーホーベン氏の流れをある程度汲んでくれと言いつつも、スタッフ的に完全に新しいので、原作とのバランスをとりながら作りました。今作はエド・ニューマイヤー氏(シリーズ1~3作の脚本を担当、3では監督も務めた)に来ていただいたので、正統な続編にしようという意識がありました。

岡島氏:「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」ではバグとの激しい戦闘があり、ジョニー・リコが若者をコーチングしながら「死ぬまで戦え」というお約束もあったりですが、「上層部と下層部の温度差」という、現場の兵士と将軍クラスのコントラストもちゃんと描かれていて、要素として不屈の名作である初代「スターシップ・トゥルーパーズ」と同じような風刺のバランスにすごく好感が持てました。安心しておすすめできる最新作です。

荒牧氏:20周年記念というのもあって、原点回帰しようというのがありました。

岡島氏:「インベイジョン」も面白かったんですが、地上戦がなかったんですよね。地上戦があるといいなと思っていたら、今度は火星が舞台で地上戦があって。とてもよかったです。

荒牧氏:まずファンの方に喜んで頂かないとなという気持ちで作ってます。

岡島氏:バグのCGも過去最高だったと思います。今作が1番よくて、次は「インベイジョン」かなと。初代は年代的にも古いので。

荒牧氏:バグの表現は、初代は時代を考えてもすごかったと思ってます。「3」はそうでもなかったかもしれない。

――岡島さん、「STR」を事前に観ることについて本当に悔しがっていましたよね。「仕事なら仕方ない……!」と。

荒牧氏:もし「EDF5」の方が後に出ていたら「こんな状態でやらなきゃいけないのか……」みたいな感じになっていたかもしれませんね。

岡島氏:吹き替え版のキャスティングも、前作は黒田崇矢さんがリコを務めて。黒田さんといえば「EX MACHINA」にも出演されていたのでその流れかなと思ったんですが、今回は小山力也さんで。これがかなりハマっていて、黒田さんバージョンもいいんですが小山さんバージョンも本当に良かったです。

――岡島さん、「EDF5」が隊員30万人(総販売数30万本)を突破したということですが、「EDF」の現状やDLC情報などをお願いします。

荒牧氏:僕も知りたいです。

岡島氏:「EDF5」は皆さんのご協力もありまして現在出荷本数、オンライン実売本数あわせて32万本を記録しています。荒牧監督もありがとうございます。――今回DLCも豊富に用意していまして、近日追加ミッションを配信いたします。発売時期などの細かな情報は後日公開しますが、PVもあったように新しい敵だけでなく新たな武器も用意していますので、乞うご期待です。そう遠くない未来に情報を公開できるはずですのでよろしくお願いします。

――荒牧監督、「STR」の見どころなどをお願いします。

荒牧氏:先ほど岡島さんの方からひととおり言っていただいたので追加して言うことはほぼないのですが、今回20周年ということでもう1度原点に立ち返って「大量のバグと戦う」というのをしっかり描こうというのと、世界観にある社会構成の矛盾というのも描けると面白いね、と言いながら開発したストーリーなので、その両面を楽しめると思います。

 作中の政治的な部分も当時の状況を考えながらストーリーを考えていたんですが、現代と被ってきている部分もあるのでその点も楽しめるかと思います。リコが率いる部隊の戦いとか、それをさらに取り巻く社会情勢とか。シンプルながらも楽しめる内容になっていますので、何らかの形で観て頂けると嬉しいです。

岡島氏:絶対に観ないまま死んだらいけない作品。この手の作品が好きなら観なきゃ損すると思います。あとシリーズファンとして注目なのは、1作目で死んだはずの「ディジー」が何故か出てくるってなってるんですよ。なんで!?なんで出るの、おかしいじゃん、と。観ると納得。

荒牧氏:あんまり言うとネタバレになるのですが、深く考えると気持ち悪い状況もあったりするんですよ。その辺も含めてツイストの効いた内容になっているので、そこも楽しんで頂けると嬉しいなという。

【以下、メディアによる質問】
――お二方は動画配信サービスを利用されますか?

岡島氏:します。

荒牧氏:止まらない状態でずっと観たりとかもありますね。

――配信時は映像を一時停止できるなどの利点がありますが、「STR」の見どころや、注目してみてほしい所があればお願いします。

荒牧氏:止めないでください。粗探ししないで……。でも、さっき話したところですかね。ディジーに関する部分を。一瞬ディジーのセリフが変になって、「えっどういうこと?」みたいな部分が実はあるんですよ。そこを色々と掘り下げて頂けると、「あっ」と楽しめるポイントがあると思います。

岡島氏:僕が逆に質問したいんですけど、セル版はいつ出るんでしょうか。

荒牧氏:パッケージはいつも通りのスケジュールであれば、劇場公開から数ヶ月後じゃないでしょうか。

岡島氏:「スターシップ・トゥルーパーズ」が大好きなので、配信で買ったとしても絶対パッケージが欲しいです。もしフィギュアがついてくるとかあるなら、それを買っちゃいます。最近すぐに配信されるので、パッケージ版を買っても1回くらいしか観てないとか、パッケージ買ったのに配信ばっかり観てパッケージ開けないとか。案外ありがちですね。でも「インベイジョン」をパッケージで持っていたおかげで先ほど荒牧監督にサイン頂けましたし、やっぱりパッケージですよ。

荒牧氏:最近は僕もゲームは全部ダウンロードで買ってます。「EDF5」もダウンロードで買ってて、今回パッケージがなくてサインもらえばよかったと思って「しまった」と思ったんですよね。

――荒牧監督に伺いたいのですが、監督が「EDF」を最初に知ったきっかけは何でしょうか。

荒牧氏:これも語ろうと思ったんですが、娘が2人いまして、家族中でゲーム好きなんですよ。妻がおすすめしてくれたのが「SIMPLE2000シリーズ」の時の「EDF」だったんです。それに乗せられてやってみたらめちゃくちゃ面白くて、それからですね。「EDF3」はそれのためにXbox 360を買いました。

――今回のコラボのきっかけというか、どちらが声をかけたというのはありますか。

岡島氏:今回ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんに間を繋いで頂きました。「EDF5」の売れ行きが非常に好調なのもあって、「STR」とユーザー層が似通っているという点からコラボPRのお話を頂いた次第です。


PS Videoによる提案書の一部。誰もが一度は考えたことがあるはず……

荒牧氏:僕、その話をいただいたときに「えっ、その手があったんだ、なんで気がつかなかったんだろう」と自分を責めましたよ。自責の念しかなかったです。もっと早くやっておけばよかった、みたいな。

岡島氏:このコラボをやることは開発のサンドロットの方々も喜んでくれました。荒牧さん本当にありがとうございます。

荒牧氏:この場で話せるだけで幸せです。

――ありがとうございました。

 また、「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」が2月28日よりPlayStation Videoにてデジタル初となる期間限定独占先行配信を開始した。加えて「EDF5」のディスカウントセールやPlayStation Plus加入者向けテーマの亜皮膚など、「配信記念キャンペーン」を実施している。