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「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」を体験!
「戦場の絆」をベースにゲーム性がしっかりあるチーム戦+臨場感あるパイロット体験が楽しめる!
2017年11月8日 12:00
バンダイナムコエンターテインメントより、新宿のVR体験施設「VR ZONE SHINJUKU」にて11月10日よりテスト設置される「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」。こちらのメディア体験会が開催されたので、実際のプレイの感触をお伝えしていこう。
VR空間に広がる宇宙! モビルスーツ操縦体験!「戦場の絆」をベースにゲーム性もしっかりある対戦アクション
「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」は、アミューズメント施設用アクションゲーム「機動戦士ガンダム 戦場の絆」をベースとしたアクティビティだ。
専用の筐体シートに座り、頭にはバーチャルリアリティシステムのHTC Viveを被ってプレイすることで、まるでモビルスーツに乗っているような臨場感あるVR体験が楽しめるのが大きなポイントとなる。
筐体シートには、左右の手で持つ2本の操縦桿と、2個のフットペダルを搭載。前進/後退や左右移動、さらに旋回や上昇/下降といった操作は操縦桿で行なう。操縦桿には人差し指で引くトリガーボタンと親指で押すボタンがそれぞれにあり、射撃、格闘、サブ射撃、ロックオンが割り当てられている。照準の操作は顔の向きで、加速と急加速はフットペダルで行なう。
会場にはこの筐体シートが8台設置されていた。連邦軍とジオン軍にわかれて4対4のチーム戦で戦う。また、プレイの模様やリプレイを表示するモニター、そしてプレイ前に作戦などを話し合うモニター内蔵のテーブルも設置されている。
プレイの流れとしては、「連邦軍、ジオン軍のどちらで戦うかを決定」、プレイの順番が来たら、「操作や作戦、プレイのコツについて、スタッフの方に作戦テーブル前で教わる」、そして筐体シートでHTC Viveを装着してプレイ開始……というものになる。
本作はアーケードタイトル「戦場の絆」の名前を冠してはいるが、ルールやゲーム性を大きく変えた“また異なるもの”になっているのがポイント。あくまで“VRプロトタイプ版”ということもあり、これからより独自な面白さを模索していく方向でもあるという。
まずルールだが、連邦軍側は自動で進んで行く戦艦を守りきるのが目標で、ジオン軍側はその戦艦を撃沈するのが目標だ。「戦場の絆」にあった機体コストのようなものはなく、あくまで戦艦が勝敗のポイントになる。
連邦軍側は、ガンダムが1機、ガンキャノンが3機という4機の編成になる。当然ながらガンダムはガンキャノンより諸々の性能が高く、4人の参加者の中でも腕に自信のある人が乗るリーダー機だ。
一方ジオン軍側は、シャア専用ザクが1機、旧ザクが3機という編成になる。連邦軍側と同様に、シャア専用ザクは性能の高いリーダー機だ。
本作はこの両軍のエースであるガンダムとシャア専用ザクが大きな鍵になる。と言うのも、シャア専用ザクは「対鑑ライフル」を装備しており、連邦軍の護衛する戦艦に大ダメージを与えられる。
ただし、シャア専用ザクが対鑑ライフルを撃つには3秒のチャージが必要で、距離もそれなりに戦艦に近づかなければならない。それを阻止するのがガンダムで、強力な威力のビームライフルを10発撃てるので、それをシャア専用ザクにうまく当てていくのがポイントだ。
連邦側のガンキャノンやジオン側の旧ザクに乗っているプレーヤーは、互いのエースが数的有利な状況で戦えるよう、または数的不利にならないよう、サポートしていくというプレイになる。
なお、撃墜すればマップの端からのリスタートとなるので、特に相手チームのエース機を落として時間を稼ぐのがポイント。ただし、連邦軍の護衛対象である戦艦は時間とともにジオン軍側へと進んで行くので、前半は連邦軍側が戦艦までの距離が近く、後半はジオン軍側が近いというバランスになる。
ここからは実際のプレイ模様についてお伝えしよう。
まずは作戦テーブルでのブリーフィング。テーブルのモニターはタッチパネルになっていて、操縦するモビルスーツを決めたら自分の名前を入力していく。これがそのままゲーム中やリプレイにも表示されるようになっている。その後は、モビルスーツのアイコンを指で動かしつつ、具体的な動きを話し合っていく。
ブリーフィングを終えたらいよいよ搭乗だ。シートに座ってHTC Viveを着け、メンバーが全員揃ったらいよいよゲーム内へとダイブしていく。映像が変わると、そこはMSのコックピット内。2本のレバーとフットペダルが実際の手と足で触っているものと動きがシンクロするようになっていて、コックピットにいるという気分を高めてくれる。
正面と左右の3面モニターから見える光景は戦艦内のMSデッキ。ここから発進して作戦開始となるのだが、発進のときにはガタガタとシート全体が振動し、そこからデブリだらけの宇宙空間を縫うようにように飛んでいく。その迫力だけでもテンションの高まりとデブリに激突しそうな危なっかしさとで声が出るぐらいのものになっている。
無事に発進して周囲を見回すと、そこは眼下に大きな地球の見える大気圏間近な宇宙空間。無数の艦隊から放たれているビームの光がそこらで輝く艦隊線のまっただ中であり、残骸もそこら中に漂っていて視界を遮る。
そんななか、連邦軍の護衛対象である戦艦が進んでいき、ジオン軍側はそれを阻止するという、細長いエリアが戦いの舞台になる。
フットペダルを踏んで加速してくと、正面に敵機を確認!ヘッドセットでのボイスチャットが可能なので、特に相手チームのエース機がどのあたりにいるのか、例えば「シャアザクが戦艦の右側にいるぞ!」といったように知らせつつ戦うのがポイントだ。
本作のマップが「宇宙空間」であり、上昇や下降が可能。そのため、敵機と正面から向かい合うのではなく、上や下……特に下が死角になるので、そこから攻撃をできるように位置取りを狙うのが重要だ。
上昇下降のある宇宙空間ではあるが、視界が常に並行に保たれるのが本作の特徴。360度に自機の向きがぐるんぐるん変わると制御が難しいし、何より酔ってしまいかねない。そこで、視界は常に並行に固定して上昇と下降のみにしているというわけだ。ただしそのため、足下になる自機の下は死角になる。
筆者の最初のプレイは、連邦軍側でガンキャノンに搭乗したのだが、最初のプレイは敵味方をしっかり視認し、動きを理解していくので精一杯。画面写真からも伝わると思うが、グラフィックスは美しく、オブジェクトの数も多くて、ビーム砲の光が瞬くド派手な戦場。それだけに多くの人が最初は敵の動きをとらえるのに苦労するだろう。おそらくは「戦場の絆」経験者の人でも、このVRプロトタイプ版には違いが多くあるので同様に最初はバタバタとしたプレイになるのではないだろうか。
そんななかでも、飛び回る互いのMSとノズルの光、ロックオン状態から顔の向きを動かしつつ撃つ射撃の感覚、撃墜できたときの嬉しい手応えと、逆に撃墜されたときのシートの大きな振動は刺激的。ガンキャノンに乗っていた側からすると、シャア専用ザクとガンダムの速さは眼を見張るものがある。
次第に慣れてくると、ロックオンした敵にどの武器を使うか、はたまた接近して格闘攻撃を仕掛けるかなど、実践的なプレイの面白さが味わえるようになっていく。前述のように上昇、下降で高さを変えて攻撃したり、チームのエース機を狙っている敵の背中を狙ったりと、数的有利を作るための目まぐるしいポジション取り争いが展開されていく。
ゲーム慣れ、VR慣れしている人なら、2戦目からはだいぶ慣れてくるのではないだろうか。筆者は2戦目ではジオン軍側になってシャア専用ザクに搭乗したのだが、突っ込まずに僚機の後ろからゆっくりと敵艦に近づくことをボイスで伝え、チームプレイを重視してみた。一歩引いたところから適度に距離を保ってみると、より互いのMSの動きが見えてくる。
そんななか、こちらに向かって飛び出してきたのがガンダムだ。ガンダムとシャア専用ザクは当然ながら他のプレーヤーに狙われ、追いかけ回される宿命にある。それだけに、ガンダムとシャア専用ザクのプレーヤーがどんな動きをするかで、全体の展開も変わってくる。
例えば、ガンダムが一直線に向かってくるのを見た筆者は急加速で後退したのだが、そうすると、ガンダムやガンキャノンは、加速してそれをまっすぐに追いかけてくる。そうなれば他の味方機は旋回して、ガンダムら敵機の背中をとりやすくなる。敵機が撃墜されてリスタートしている間に、シャア専用ザクの対艦ライフルで敵艦を撃つというわけだ。
1試合は(連邦の護衛艦が沈められなければ)最長で約5分になるのだが、終盤になればなるほどジオン軍のリスタート位置と、ターゲットの連邦艦の距離が狭まっていく。
ゲーム時間が残りわずかにもなると、シャア専用ザクはリスタート位置からでも対艦ライフルを当てられそうなほどに近い距離になるので、このあたりのバランスをシビアに突くと、もう少し調整の必要はあるのかもと思えた。
ただ、それを前提に考えると、連邦軍側は戦艦の位置に縛られずにできる限りジオン軍のリスタートポイント側まで敵機を押していくプレイが求められるし、より執拗にシャア専用ザクを狙い続けるプレイが求められるとも思える。そのあたりの“理解度が進んだプレイ”だとどのようになるのかは、まだ未知数だ。
ざっくり言うと、とにかくシャア専用ザクがいかに自由に動けるか、または封じ込められるかにかかっていて、VR体験とともに味わうだけにゲーム性は比較的シンプルという印象。この日にプレイした限りでは、やはり敵機を追う側になる連邦軍は苦労する。
モビルスーツの操縦体験としてはかなりクオリティが高いものになっていて、まさにここだけの体験と言える。一方で対戦ゲームとしてのゲーム性を見ると、現時点ではもう一歩のバランス調整や奥行き作りが欲しいところかもしれない。
とは言え、本作はあくまでプロトタイプ版であり、開発チームでは、プレイした人からの厳しい意見も遠慮なく伝えて欲しいということだった。そうした意見を取り入れて、将来の正式版をより楽しめるものにしていきたいと考えているとのことだ。
コックピットさながらの可動式筐体を組み合わせたVR体験でありつつも、「機動戦士ガンダム 戦場の絆」をベースにしたゲーム性のしっかりあるゲームになっている「戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」。2017年11月10日から、2018年1月9日までの期間限定の試験運用なので、体験してみたいという人は、ぜひお早めに足を運んで頂きたい。
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