【特別企画】
格ゲーマーの秘密基地「立川Bridge」を直撃取材! 「スト6」など多彩な格ゲータイトルの対戦会が開かれ、多くの格ゲーマーが集まるゲームバー
対戦で盛り上がれて絶品料理も食べられる!
2025年10月10日 12:00
- 【立川Bridge】
- 住所:東京都立川市曙町2-25-4
- 営業時間:17時~25時(状況により変わる場合があります)
- 通常営業料金:1時間500円(3時間以上は何時間でも1,500円)
- 対戦会イベント料金:1,500円
2023年に「ストリートファイター6(以下、スト6)」が発売されて以来、大きな盛り上がりを見せている格闘ゲームシーン。これまで格闘ゲームをプレイしてきた人だけでなく、格闘ゲームを全く触れてこなかった新規プレーヤーや、格ゲーブーム全盛期からの復帰勢など、様々なユーザーを巻き込んでかつてないほどの活気を見せており、オンラインだけではなく、オフラインでの大会や対戦会なども全国各地で開催され大いに盛り上がっているのだ。
オフライン対戦会が気にはなっているけど、参加するのはちょっと気後れしてしまう――という人も少なくはないと思う。対戦会はそんなに堅苦しい場ではないのだが、参加したことがない人からすれば、“対戦会がどういった雰囲気なのか”、“ソロで参加している人はいるのか”、“どれぐらいのレベルのプレーヤーが集まっているのか”などの情報がないと一歩踏み出しにくいハズだ。
そこで今回弊誌では、「スト6」でもっとも大規模に活動しているオフライン大会・対戦会コミュニティ「Fighters Crossover」の会場の1つである、ゲームバーの「立川Bridge」を取材させていただいた。対戦会の様子や会場の雰囲気を紹介しつつ、立川Bridgeがどういったお店なのか、マスターからお話を伺ったのでお届けしていきたい。
オフライン対戦会に興味がある人はぜひ最後まで読んでいただき、“これなら自分も参加できそう”と思っていただけたら幸いだ。
格闘ゲームの様々なタイトルでプレーヤー同士が対戦&交流を楽しめる場
立川Bridgeでは通常営業のほかに、週のほとんどで様々な格ゲーの対戦会が行われており、毎日多くの格闘ゲームプレーヤーが集まり、格闘ゲーム全盛期だったかつてのゲームセンターのような賑わいを見せている。
「スト6」や「鉄拳8」といったメジャータイトルはもちろん、「バーチャファイター5」や「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」、「ドラゴンボール ファイターズ」といった今ではオフライン対戦の機会があまりないタイトルのイベントも行われており、そういった点もこのお店の魅力だ。
なお、本店では、PCを貸し出し、来店者が自分のSteamアカウントでログインして各自の所有タイトルをプレイする方式となっている。
対戦環境としては、PCの対戦台が5台設置されており、空いている席があれば自由に座って対戦できる。明確なルールはないが、人が多い場合などは、2本先取(3回勝負)の対戦で負けた方が席を立ち、勝った方は座り続けられるというスタイルが基本だ。
さらに特筆すべきはモニターの数だ。本来、こういったオフラインの対戦会や大会では1つのモニターを2人で見て対戦する形式が多い。しかし、ここではモニターが1人1台ずつ用意されているので、普段プレイしている感覚と大きく違わない環境で対戦することができるのも嬉しいポイント。
対戦会では、希望者が参加できる店内大会も開催される。参加人数によって1on1や、ランダム2on2、ランダム3on3といった様々な形式で行われ、純粋に猛者と対戦できるという楽しみはもちろんあるが、大会がほかの参加者と交流するきっかけになるのも粋な計らいだ。
立川Bridgeでは貸し出し用のデバイスが数多く用意されているのもポイント。アーケードスティックはもちろん、パッドやレバーレスコントローラーなども完備しており、使用するデバイスにそこまでこだわりがなければ、重い荷物を持たずに手ぶらでフラっと参加可能だ。
Fighters Crossoverの対戦会が行われている会場はeスポーツ施設などが多いが、立川Bridgeはゲームバーということもありバーカウンターが用意されている。対戦するだけでなく、インターネットで配信されている大会や店内の対戦を観戦しながら、ゆったりとくつろげる空間になっている。
お酒のほかに、カレーやラーメン、パスタなど、しっかり食べられるフードメニューも充実している。メニューはすべて店内でイチから調理されており、中でも一番の看板メニューが炒飯だ。ゲームは特にプレイせず、炒飯だけを食べに来店するファンもいるそうだ。
立川Bridgeを始めたきっかけは、友達同士で盛り上がったパーティーゲーム
ここからは、このお店を切り盛りするマスターに、立川Bridgeの立ち上げから現在のお店の様子、さらにお店とは別で多摩地区を中心に格闘ゲームを盛り上げるコミュニティ、「タマファイティングコミュニティ」の活動についてお話を伺った。
――まずはじめに、このお店はいつ頃から営業を始められたのですか?
マスター:2018年の4月頃ですね。なので丸7年経っていますね。
――2018年というとどんなタイトルが盛り上がっていたんですか?
マスター:ちょうど発売された年だったので、その頃は「ドラゴンボール ファイターズ」と「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」でした。あとは「ストリートファイターV」がファイナルシーズンだったのですが、勢いがありましたね。
――こういったゲームバーというお店を立ち上げたきっかけは何だったんですか?
マスター:立川はもともとゲームセンターがたくさんあって、「ゲームオスロー」というゲームセンターが3つ、当時は「クラブセガ」だったり「アドアーズ」や「モナコ」だったり、とにかくたくさんあったんですよ。しかし、どんどんなくなり、遊ぶ場所も減っていきまして、そのタイミングで“何かしよう!”と思いました。
――ゲームセンターがなくなって遊びの場を作ろうと思ったということは、マスター自身が元々格闘ゲームが好きだったんですか?
マスター:それもあるんですけど、そもそもお店を始める前の段階で、自分の配信しているコミュニティでパーティーゲームのオフ会をやりました。友達の親がやっている中華料理屋の宴会場で、NINTENDO 64の「マリオパーティ」などをプレイしていたんです。それがすごい楽しかったんですよね。
ただ、友達が中華料理屋の息子で、たまたま会場として使える場所があったからこそ、このオフ会が実現できたんです。普通は、そう簡単に使える場所なんてありません。だからこそ、誰もがそういうことをできる“場所”があったらいいなと思ったのがきっかけです。
――そういったきっかけがあったんですね。でも、思い立ってもそんなに簡単に始められるものではないですよね。
マスター:そうなんですよ。やりたい! とは思っていましたが、人生を左右することなので、進めていくうちにマトモな大人が止めてくれるだろうと考えていました。融資の審査などを進めるうちに、いろいろな大人に相談したのですが、誰も止めてくれなかったんですよね(笑)。それで融資も通ってしまい、じゃあやろうと手探りの状態で始めたという感じです。
――衝動を止めてくれる人がいなかったと。お店を始めたばかりのときはどんな感じでしたか?
マスター:そうですね、最初は友達が来るとか、そういうのばかりでした。それこそ3日、4日誰も来ないみたいなのは全然ありましたよ。
――やっぱり最初は大変ですよね。軌道に乗り始めたというか、お店が認知され始めたというのは、どういったタイミングだったのですか?
マスター:「ドラゴンボール ファイターズ」が盛り上がってきたくらいからですかね。リリースから1年経った2019年の春から夏あたりには、「ドラゴンボール ファイターズ」のコミュニティに認知されていきました。「ストリートファイターV」もシーズン4あたりからどんどんプレーヤーが増えていき、各タイトルのコミュニティが出来上がってきたタイミングです。
――今現在、対戦会が行われているタイトルはどんなラインナップですか?
マスター:「スト6」と「鉄拳8」と「UNDER NIGHT IN-BIRTH II」と「バーチャファイター5」とかですね。
――そのタイトルの中でどれが盛り上がっていますか?
マスター:「スト6」は圧倒的です。他のタイトルですと、意外に思われるのが「バーチャファイター5」なんですよ。元を辿るとゲームセンターの話に戻るのですが、立川にたくさんあったゲームセンターで「バーチャファイター」をプレイしていた人たちは、今40~50歳なんですよ。そういったプレーヤーが、月に1度、同窓会として来てくれます。
13時から18時にうちで対戦会をして、そのあとに飲みに行ってるんですよ。「うちで何で飲まないんだ」というのはさておき(笑)。18時半に、「どこどこ予約するね」みたいな感じで対戦会中に決めて、それで飲みに行って解散する、というのを毎月やっています。
――「スト6」はオフライン対戦の場って結構ありますけど、たしかに「バーチャファイター」はそこまで多くはないですもんね。
マスター:「スト6」はもちろん、「UNDER NIGHT IN-BIRTH II」も東京にはまだまだあるんですけど、「バーチャファイター」はそうですね。「バーチャファイター」は集まる理由をなかなか作りにくいみたいです。うちはたまたま立川で遊んでたからっていう理由で集まってくれているみたいで、ここで10年ぶりに会うとか。
――同窓会的な集まりの場になっているのはいいですね。
マスター:そうですね。そういった場になれてよかったなと思っています。
――対戦会に選ばれているタイトルの傾向はやっぱり新しい作品が中心なんですか?
マスター:新しいラインナップが多いですけど、基本的にはお客さんから「やりたいです」とか、「バーチャファイター」とかは月1で集まるので続けてほしいって言われてやっています。そういった声があったからというのはありますね。
「スト6」は「ストリートファイターV」からのコミュニティが残っていましたし、新規プレーヤーも入ってきているので続けています。「UNDER NIGHT IN-BIRTH II」はここ以外でも多いので、うちは定期で決まった曜日、月の最後の土曜日にやっています。そういった形で定期的になった、というのはありますね。 新規タイトルは主催の方に立ってもらって、1回、2回やってみて反応を見る、という形でやっています。
――今だとやはり「スト6」が強いタイトルだと思うんですけど、Fighters Crossoverの会場になったのはどういった経緯があったのでしょうか?
マスター:「スト6」が出た年の9月頃にはオフの大会を企画していたんですよ、タマファイティングコミュニティで。でもそれをやるにあたって、大会で使うアカウントだったり許諾のことだったり、格闘ゲームで対戦する以外の足りない部分のノウハウがなかったんですよ。
それでEVO 2024のときくらいに、人づてでFighters Crossoverのお話をいただきました。「今、運営のかげっちさんが秋葉原にいるから」と言われて、そのときはハイボールを飲みながら「EVO」を見ていたんですけど、すぐに電車で向かって、かげっちさんとお話して開催会場に入れていただいたという経緯になります。
――Fighters Crossoverからお話が来た、という感じだったんですね。
マスター:Fighters Crossoverからお誘いが来たというよりは、かげっちさんと僕の共通の知り合いがいるんですけど、「これから長くやっていくにあたってノウハウが必要になると思うから興味があるなら聞いてみれば?」という感じでつないでくれました。世間話の一環で流れてきた感じです。
何時間居ても1,500円という破格の通常営業スタイル
――立川Bridgeの営業形態について伺えますか。
マスター:タイトルを指定した対戦会と、通常営業があります。基本的にそこまで差はないのですが、対戦会の日は、その時間に来たら入場料を払って参加できるという仕組みです。
それと通常営業ですね。対戦会は、言うならば「スト6やる人~!」と手を上げて集まっているのが対戦会です。その手が上がっていない状態が通常営業のイメージで、店に共通のタイトルをプレイできる人がいれば対戦できる、という感じです。
――なるほど。がっつり対戦がしたいなら、対戦会の方がいいということですね。
マスター:通常営業で来るお客さんの中には、回線などの理由で家でランクマッチができないとか、家族の事情でとか。そういった理由で、1人でランクマッチをしに来る方も結構いますよ。
――お店でランクマッチですか! 自分のアカウントを使ってオンライン対戦もできるんですね。
マスター:うちは有線の回線が通っているので、Steamは基本的に自分のアカウントでログインしていただいて、それで「スト6」だったり「鉄拳8」だったりをやってる人いますね。
――そういうお店の利用の仕方もありなんですね。
マスター:ランクマをしていて、区切りがついたタイミングで後から来た他のお客さんと対戦に、なんて流れになることもあります。通常営業は「スト6」のバトルハブみたいに気楽な使い方をする人が多いですね。
――通常営業時はどれだけ居ても一定以上は追加の料金がかからない、というシステムも驚きですね。
マスター:深夜営業はまた別なので24時までですが、通常営業は1時間500円、3時間以上は何時間いても1,500円で打ち止めになるように、今年から変更しました。
――利用者としてはすごく良心的ですが、ドリンクバーが完備していてそれはお店的には大変そうですね。
マスター:攻めましたよ(笑)。2人で8時間1,500円とかもありますからね。でもそこはしょうがないかなと。その分ハードルが下がり、遊びに来やすくなればいいな、というのが狙いです。
――通常営業や対戦会以外にも、貸し切りや深夜営業もやっているのだとか。
マスター:そうですね。貸し切りというと、例えば30,000円の部屋を借りて、10人で1人3,000円で割る、みたいなのをイメージされるかと思いますが、10人以下の人数で貸し切りを言われたときにオススメしているのが、13時から18時の5時間で1人1,500円の貸し切りです。うちはマックスでも入って20人くらいですが、11人以上で1人1,200円でドリンクバーが付きます。一応貸し切りは8人以上ということにはなっています。
――なるほど。貸し切りとかは結構入っていたりするんですか?
マスター:うちでよくやるのは格ゲーが主ですけど、よく使ってくれるタイトルがあって、それが「ウルトラファイトだ!キャン太2」というフリーゲームです。制作者が多摩地区在住で、その方が借りてくれています。その制作者の周りの人たちとゲームをやるのですが、やはり狭いコミュニティなので、名古屋から来てくれる人もいました。9月末にも貸し切りの予約が入っているんですが、アメリカ最強の「キャン太2」プレーヤーが来るみたいです。
――恥ずかしながら初めて聞いたタイトルですが、そんなにグローバルな作品なんですね。
マスター:アメリカでとても人気です。無料なので、海外だと70万ダウンロードとかされているみたいです。ハチャメチャなゲームなのでぜひやってほしいですね。
貸し切りの話に戻りますが、友達連れで10人くらいで競馬のダービーに行き、その後にここで反省会をする、という利用もありました。呑んだり「スト6」をやったり、オフ会というよりはカラオケに行くみたいな感覚で来られる方もいますね。
――貸し切りというと少し仰々しい感じですが、かなりラフに利用されている感じなんですね。
マスター:もう全然ラフでいいんですよ。基本的には他の予約と被らなければ何時でも。変な話、朝からでも全然いいですし。
マスター:深夜営業は金曜日と土曜日の深夜です。お客様がいればそのまま始発が来るまでの4時半とか5時ぐらいまでは延長できますよ、というシステムです。深夜営業自体は5月ぐらいから始めたのですが、それほど多いという感じではないですね。さっき言った「キャン太2」の作者は、人がいるところで作業がしたいとかで、僕とコーヒーを飲んでしゃべりながら作業しているとかはありました。
――対戦やゲームが目的のお客さんだけじゃないんですね。
マスター:ご飯を食べに来たりとか、お酒を飲みに来ただけとかは全然ありますよ。あと、うちの店にはスクリーンとプロジェクターがあるので、それで鑑賞会をしたいというのもよくあります。鑑賞会は貸し切ってもらうしかないですが。
格闘ゲームの大きい大会に友達が出るから、それをみんなで応援する。といった感じで何をしてもいいよというシステムになっています。相撲とか球技じゃなければ(笑)。
――ゲームバーでありながら、ゲームをしなくてもいいというのは自由でいいですね。
マスター:全然自由にやってもらって大丈夫です。ゲームをしない人もいます。実は遊びに来る人の90%以上はお酒を飲まないんですよ。むしろお酒を飲めない人向けの店なんですよね。ドリンクバーがあるのもそうなんですけど。だからお酒を飲めない、というのは気にしないでどんどん遊びに来てください。
対戦会に初めて遊びに来るなら1人がおすすめな理由とは
――お店に来られる方は、1人で来られる人とグループで来られる人、どちらが多いですか?
マスター:通常営業は2人で来られる方が多いです。対戦会は1人の方が多いです。少し話がそれますが、1人で来るのをおすすめしています。2人で来ると、一緒に来た友達とずっと対戦しちゃいがちなんですよね。なので、うちに限らず対戦会に行くなら1人をオススメしています。でも、なかなか人見知りの人も多いし、いきなり1人は難しいから友達と行こう、というのはあると思うんですけどね。
――完全に先入観なのですが、こういったオフライン対戦の場ってコミュニティが固まっていて入りづらいんじゃないか? みたいな印象が人によってはあるかもしれませんね。
マスター:うちは全然そういったのはなくて、ほとんどが1人で来てくれています。あとうちはタバコも吸えるので、タバコを吸う人はそこからコミュニケーションが生まれたりもありますね。
――1人でも気軽に入れるという空間なのは良いですね。
マスター:1人で来るのは最初は勇気がいるかもしれないですけど、うちの場合はみんな同じようなスタートラインで入ってきている人が特に多いので、気にしないで来てもらいたいです。
――どのくらいの腕前のお客さんが多い印象でしょうか?
マスター:どこの対戦会でもそうだと思うんですけど、家から出てオフでやろうと思う時点で、ある程度は強いんですよね。ただ、初心者の人に来てもらうのはとてもありがたいですし、「レベルが高そうだから行かない」というのはもったいないと思います。オフライン対戦はオンライン対戦ほど負けが気になるものではないので。
以前、翔選手が優勝した「カプコンカップ11」を見た次の日に「スト6」を始めたという人が1人で来てくれました。その方が4カ月後くらいに「今日はMASTERになったから報告しに来ました」と話に来てくれたこともありました。だから本当にプレイしたことがないけど初めて対戦会に来るという方もいます。一緒にプレイしていろいろ教わったりもできるので。
――教えてもらえるとか、そういうところがオフライン対戦会の良さですよね。
マスター:「スト6」というか、格闘ゲームプレーヤーは、教えたい人が多いんです。なので気になることは聞いても良いし、どちらかというと売り手市場なんですよね。だから、初心者の人は対戦会に行ったほうがいいです。教えたい人の方が圧倒的に多いので、チヤホヤされます(笑)。
――有名プレーヤーも来られたりするんですか?
マスター:「スト6」の対戦会の日にササモ選手は定期的に来てくれますね。彼はうちの炒飯客なので(笑)。来られるときはSNSで発信してから来てくれるので、それを見てもらえれば会いに来れると思います。
――ササモ選手の対戦会での様子はどんな感じでしょうか?
マスター:試合はほぼ勝っていますが、キリの良い所で切り上げてカウンターで談笑したりしていますね。初めての人にもフランクに話しかけるし、他の人に炒飯をオススメしているのを何度も聞いていますよ(笑)。
――そうなんですね。このお店は最初からご飯を提供していたのですか?
マスター:最初は簡単なカレーと蕎麦だけありました。ただ、残ったものは自分で食べるので、だんだんカレーに飽きてきて、それであれこれ作るうちにメニューが増えてしまいました。
最初は自分が食べたいから作るじゃないですか、すると食べているのを見た人が自分も食べたいと言い始めてメニュー化するシステムになっています。もう増やしすぎましたね。
――結構な種類がありますけど、いきなり注文が入って対応できるものなんですか?
マスター:物があればできます。カレーのような作り置き系はすぐには無理なので、今週はカレー作りますとSNSで告知しています。他にも、例えばお客さんから「来週遊び行くときにカレー食べたいです」とリクエストがあればそのときにも作ります。カレーは作り置きできて楽だなと思って始めたのに、連日同じものを食べるのに耐えられなくなり、今では逆にカレーありますよと言うと限定感が出てすぐ売り切れますね。
――最近ではラーメンまで増えて、まだまだ増える可能性はありそうですか?
マスター:いやー、これ以上増えないように料理系の動画は見ないようにしています(笑)。
――実際、対戦会でご飯が食べられるというのは、かなりいいですよね。
マスター:対戦会に行って、そこでご飯を済ませられるのが楽なのはありますよね。 初めて来る人は食べてから遊びに来られることもあるのですが、対戦の順番待ちなどで食べられると楽だなと、うちで食べるようになります。場所を移動せずに食べられるのは合理的だと考える人が増えてきたのと、あとは「なんだかうまいぞ」と、うちのしっかりした味付けの料理に魅了される人がちょこちょこいます。
――「スト6」をきっかけに格闘ゲーム界隈全体が以前より盛り上がっていますが“この先こうしたい”というような展望はありますか?
マスター:うち的には10人~20人がちょうどいいキャパなので、それぐらいの規模で集まれるタイトルを増やしたいです。さっきの「キャン太」もなのですが、今よりももっとそういう人たちの広い受け皿になれればというのが目標です。
10人、20人でゲーミングスペースを借りても、箱に対して人数が少ないと持て余すことがあります。なので、そういう小さいコミュニティや大学のゲームサークルとか、そういうところがうちを使ってくれて、そういう人たちを増やしていきたい、というのが展望ですかね。基本何でもできるので、お店のXなどにDMでご連絡いただければ。
多摩地区で開催されるEVOを目指して活動する「タマファイティングコミュニティ」
――マスターと、かつおのタタキさんの2人で「タマファイティングコミュニティ」というコミュニティで活動をされているそうですが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?
かつおのタタキさん:簡単に言うと格闘ゲームのイベントをやっている団体みたいな感じです。名前の通り多摩地区を中心に格闘ゲームを盛り上げていけたらと。
――どういったきっかけで活動を始められたんですか?
マスター:活動は2023年頃から始めました。最初は僕が「ストリートファイターV」の3on3の大会をやったんですよ。会議室を借りて70~80人くらいの規模で。それを見てかつおのタタキさんも「自分もやってみたい」となって、人手不足もありましたし、同じ多摩地区で盛り上げようと「スト6」や「GUILTY GEAR -STRIVE-」の大会を一緒にやったのが「タマファイ」の始まりです。
かつおのタタキさん:最初は立川Bridgeがやっていることに僕が乗っかった形です。僕は府中出身なんですけど、そこも昔はゲームセンターがたくさんあって全部なくなっちゃいました。そこで遊んでいたゲーセン仲間も遊ぶ場所がないと。僕も居酒屋をやっていて、そこで集まることはあるんですけど、基本的に営業終わりになっちゃうんですよ。地下に倉庫を借りていたのですが、そこを持て余していたので改装して、僕の私物を全部置いてみんなでゲームができる空間を作りました。身内で使う秘密基地みたいな。
そういうところで自分たちは遊んでいましたが、共通の知り合いがいて、立川で格闘ゲームのイベントをやっている人がいるぞと教えてくれました。それで「スト6」の発売が決定した瞬間にコレは絶対流行ると思い、一緒にやろうと声をかけたら快諾してくれました。
マスター:タマファイの主な活動は大会の準備です。公共のホールだったり施設を借りたり、大会で使う機材を買ったり、そういった遊ぶまでの準備をやっています。
――多摩地区でそういった大会を開催していると。どれくらいの方が参加されていますか?
かつおのタタキさん:「スト6」は本当にすごいですね。
マスター:今年の6月の「TOKYO TAMA CLASH」という大会では「スト6」、「餓狼伝説 City of the Wolves」、「GUILTY GEAR STRIVE」、「UNDER NIGHT IN-BIRTH II」の4タイトルで開催しましたが、「スト6」はキャンセル待ちの状態で140名も参加してくれて満員でしたね。他のタイトルも40人ほど参加者がいて、合計で250人くらい来ていただきました。こういった大きな大会を年1回やっています。これからは毎年6月にやっていこうと考えています。
かつおのタタキさん:多摩地区でやる「EVO」みたいな感じですね。「小さなEVO」というのが我々の原点なので。
――それだけの規模の大会ですと、いろいろな面で大変そうですね
マスター:なかなか大変は大変ですよね。好きじゃなきゃできないです(笑)。僕も大会の前々日くらいから店を閉めて準備に当たっています。
――年1回行われる大きな大会以外には何か行われているのですか?
マスター:他は季節に1回くらいオフラインイベントをやっています。タマファイティングコミュニティとしては、9月に府中でアニメ格闘ゲームイベント「アニメタマクラッシュ2025」を開催しました。
それは「機動戦隊アイアンサーガ」と「Capcom vs. SNK 2」、「ドラゴンボール ファイターズ」、「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」、「SAMURAI SPIRITS」、「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」の6タイトルで開催します。その中の「SAMURAI SPIRITS」は「SNK World Championship 2025」の公式大会になっているので、参加者が多かったです。
――SNK公式大会になっているのはすごいですね。タイトルを見ると今流行りのタイトルという感じではないですが、これはどういった選定なんでしょうか?
マスター:関西でやっている対戦ゲームイベント「KGP」のように、年1回でもいいからメジャーじゃないタイトルも大会があった方がいいよねという話になりました。開催してみて皆さんの反応がよければまたやりたいです。
かつおのタタキさん:自分は純粋にこういうタイトルの大会が見たかったからです。「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」も見たいし「ドラゴンボール ファイターズ」も見たい。ゲームは古いけどまだプレイしている人がたくさんいるから、オフラインで見たいんですよ。
マスター:そうですね。見たいし、そういうプレイを見てもらいたいんですよね。「スト6」から格ゲーに入った人に、身の毛がよだつようなゲームがあるぞっていうのを(笑)。なので、そのつど見たいタイトルを選んでいる感じです。
かつおのタタキさん:大きな大会となる「TOKYO TAMA CLASH」は「EVO」のメインタイトルを、「アニメタマクラッシュ2025」は「EVO」のサイドトーナメントをイメージしてもらえれば、わかりやすいかもしれません。
――なるほど。タマファイティングコミュニティのイベントの情報はどこでキャッチしたらいいでしょうか?
マスター:基本的にはタマファイティングコミュニティ公式Xですね。そこを見てもらえれば大体わかります。一応YouTubeもやっていまして、そっちでは大会の様子やラジオ動画を上げています。ラジオでは大会の告知もしていますのでチェックしていただければと思います。
□「タマファイティングコミュニティ」の公式Xアカウント
――大会にはどういった人に参加してもらいたいですか?
マスター:来てくれるなら誰でも嬉しいです。参加のハードルはかなり低いので、オフラインの大会に初めて参加するという場合は、うちの大会がちょうどいいと思います。迷ってたらまずうちに来てもらいたいですね。
かつおのタタキさん:EVO JAPANにいきなり出場するのは結構キツいと思うんですよ。なので、「一旦タマクラに行って練習しておこう」みたいな(笑)。次の目標にしてくれたら嬉しいですね。「スト6」だったら「MASTERになれたから今度オフ大会に行ってみよう」と思ったときの参加するきっかけになれればなと。
マスター:私たちがオフラインにこだわっているのは、オフラインでのつながりを作ってほしいし、それを活かしてほしいからです。友達と参加して楽しかったな、とか思ってもらえれば嬉しいですね。
――タマファイティングコミュニティの今後の展望を伺えますか。
かつおのタタキさん:大会というよりは「イベント」を意識していて、ゲームや音楽などを複合させたフェスみたいなのができたらと思っています。プレーヤーはもちろんですが、観客も楽しいイベントをやれるのが理想です。
それプラス、今は格ゲーの大会やイベントスタッフはボランティアが多いと思います。そういうのもできるだけなくせるようにしたいとは思っていますね。そうするとお金の話になってしまうので、そういうのも相まってプレイしないお客さんも楽しめるイベントをやりたいなと考えています。
マスター:多摩地区でこれだけ大会をやってくれるなら「多摩地区に住みたい」と思ってもらえるのが一番の目標ですね。
――そう思う人たちが1人でも多く出てくるよう、今後の活動に期待しています! いろいろなお話ありがとうございました。
































































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