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話題の8万レバーレス「GlimPearl」を体験してきた! コンセプトは“勝てることだけを追求したデバイス”

【GlimPearl】
12月上旬 発売予定
価格:78,980円 (税込)

 「ストリートファイター6」のブームをきっかけに、さまざまなメーカーから個性的な格闘ゲーム用のデバイスがリリースされている昨今。その中でも、先日発表されたBraveridgeが展開するゲーミングブランド「Wizard Room(ウィザードルーム)」の新作レバーレスコントローラー「GlimPearl(グリムパール)」が、“8万円の高級レバーレス”とネット上で話題を集めていた。

 そんな注目の的である「GlimPearl」が「東京ゲームショウ2025」のBrook Gamingブースにて展示されているとのことで早速試遊をしてきた。みんなが気になっている「GlimPearl」の使用感をレポートしていこう。

Brook Gamingブースの様子。Wizard Roomとスポンサー契約を締結したさはら選手が目印

見た目も性能も高品質! 勝つためだけに作られた高級レバーレス

 まずは製品のビジュアルから見ていこう。まず気になったのは、天板には「NAGORI」と呼ばれる新プラスチック素材が使用されているという点だ。

 パッと見た感じでは“冷たくて固そう”という印象を受けたが実際に触ってみると全くの真逆。陶器のようなスベスベな質感と、ほんのりと柔らかさもあって手の置き心地がとても良い。

 全体的に角張っていない丸みを帯びたフォルムになっていることで、長時間使っていても手首の部分などが疲れない設計になっている。

「NAGORI」を使った触り心地の良さは、間違いなく他のレバーレスにはない個性である

 そして、高級感を演出している大理石調のデザインだが、メーカーの方曰く特殊な製法を使っているため模様には個体差が出るようで、“全く同じデザインのものがこの世に2つと存在しない”という特別感も売りのポイントだそうだ。

2台を並べてみると確かに模様が異なる

 サイズは縦212mmの横310mm。そして高さが54mmという、コンパクトサイズでありながらしっかりとした厚みを感じられた。重さは約1Kg程度とのことで、大理石の雰囲気を醸し出していた分、持ったときの軽さに驚かされた。

 軽くコンパクトでありながら、裏面には一面しっかりと滑り止めが貼られているので、プレイしていて本体が動いてしまうということは無さそうだ。ちなみに初期の段階では、滑り止めは本体の左右に部分的に貼られていたそうだが、さはら選手の強い要望により一面に貼られる形になったそうだ。

成人男性の手がしっかり収まるサイズ感
本体を斜めにして膝置きするという独特なフォームのさはら選手が提案し、全面滑り止めが採用された

 ボタンは24mmで、ジャンプボタンのみ30mmのものが使用されている。24mmがメインのため、全体のボタンが中央に寄っており、手を大きく広げなくても端のボタンまで手を添えられる設計だ。

 この「GlimPearl」は、0.3mmのアクチュエーションポイントと0.5mmの総ストロークを誇る格闘ゲーム用ボタンの「OneFRAME」を採用しており、レバーレスコントローラーで標準搭載しているものは他には無いとのことだ。

 今回OneFRAMEのボタンを初めて触ってみたのだが、ストロークがかなり短く、軽く触っただけで素早い入力が可能であった。「ストリートファイター6」ではドライブパリィやドライブインパクトなど、瞬時に押さなければいけない場面が多いので、かなりの活躍が期待できそうだ。

ちょこっと触れただけでボタンが反応する低ストロークなOneFRAME。ストロークが短いながら打鍵感もしっかりある

 本体左上には、押したボタンが確認できる有機ELディスプレイと、誤操作で余計なボタンを押してしまうのを防ぐための大会用のボタンロック機能のスライドスイッチが備わっている。大会でPSボタンなどを押して試合を中断させてしまうと負けになってしまう可能性があるので、オフラインでの対戦ではロック機能は重宝する。

 オフ対戦に向いている点はもう1つあり、それは対応ハードが多いこと。PS4とPS5、SwitchとSwitch 2、そしてPCで使用できる。これだけ対応していればほとんどのオフラインの対戦で困ることはないだろう。

スライドスイッチですぐにロックのオンオフを切り替えられる

 カスタマイズ性もあり、天板は簡単に開く設計でボタンの配線に素早くアクセスできる。自分好みのボタンに交換もできるので、一部分だけOneFRAMEにするといったプレーヤーごとのカスタムが楽しめる。

カスタム例。自分にあったボタンで自分だけの「GlimPearl」にできる

 メーカーの方に「GlimPearl」のコンセプトを伺うと、“他のメーカーがまだやっていない物を作る”、“勝てることだけを追求したデバイスを作る”という2点のコンセプトから本デバイスが生まれたそうだ。その結果コスト的には高くなってしまったが、その分、性能面やメーカーサポートに力を入れているとのこと。

 さはら選手がSFLで早くも導入しているこの「GlimPearl」。気になった人は、9月28日まで開催している「東京ゲームショウ2025」のBrook Gamingブースで触ってみよう。