【特別企画】

【スト6】異色の負け上がりトーナメント「消毒杯 Powered by NURO 光」の初代王者はおぼ! 最弱の「汚名」をかけた大絶叫の壮絶バトルが勃発

【消毒杯 Powered by NURO 光】

1月16日 開催

会場:REJECT HUB

 REJECTは1月16日、負け上がり方式という異色のトーナメントマッチ「消毒杯 Powered by NURO 光」を同社の施設「REJECT HUB」にて開催した。選手たちは全員会場に集合するオフライン形式だが「NURO 光」の回線アピールの側面もあるため、現地の2台のPCはそれぞれがオンライン接続され、試合自体はオンラインで行なわれた。なお、NURO 光は2023年4月よりREJECTとチームスポンサーシップ契約を締結しており、これまでにも「騒音カップ powered by NURO 光」などの配信イベントが行なわれている。

 「消毒杯」は、REJECTの格闘ゲーム部門総合プロデューサーであり、格闘ゲーマーでもあるこく兄氏が考案したイベント。1999年に稼働開始した「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」が流行していた時代の、ゲームセンターでの仲間同士の「遊び」が発端となっている。こく兄氏は「当時の格闘ゲーマーは誰に聞いても俺が最強だというヤツしかいなかったので、最強なのはわかったから1番弱いヤツを探そうぜ、という事で1番弱いヤツを決める大会を行なう事にした」としている。

 「消毒杯」はその後も同氏の配信などで不定期に開催されていたが、2017年の開催を最後に行なわれなくなっていた。しかし、視聴者などからの復活を望む声が多かった事から、このたび「ストリートファイター6」でリブートする形で実現する運びとなった。

 当時のタイトルは「汚物消毒杯」で、ネーミングの元ネタは漫画「北斗の拳」に登場する敵役のセリフ「汚物は消毒だ~!!」より。今回「汚物」がなくなり「消毒杯」になった点については「令和の時代、コンプライアンスなども厳しくなった時代に合わせて」とこく兄氏は語っている。

 ルールはシンプルで、1試合のみで勝敗を決する1先(BO1)の「負け抜け」トーナメント。ステージセレクトはランダム、キャラクター選択は事前告知不要の自由となっている。負け抜けということで、従来のトーナメントでは勝利した選手がトーナメントを上がっていくが、この大会では負けた選手が上がっていく点が非常にユニークだ。そして全ての試合で「負けた」選手が優勝という不名誉な冠を授かる事となる。

 今回は現地にて取材を行なったので、その時の様子などについて簡単にレポートしていく。なお、現地での写真に加えて、試合中の模様など、一部画像には配信のスクリーンショットを使用している。

 なお、会場の様子は全てライブ配信されており、アーカイブも公開されているので、いつでも視聴が可能だ。気になる人は是非動画でも確認してみてほしい。

【消毒杯 Powered by NURO 光】
REJECT入口には立て看板のVTuberやストリーマーたちがお出迎え
配信開始直後の現場の様子。人気ストリーマーたちがずらっとソファでリラックス
ルールはシンプルで、1先で負けた選手が上がっていく方式

「優勝」候補は石井プロ?

 今回会場となったのはREJECT社内の施設「REJECT HUB」だ。ブース内はコンテンツ制作に活用できるスタジオスペースや、ゲーム配信が行なえるストリーミングスペース、交流の場として活用できるラウンジスペースが用意されている。スペース内の配信機材や撮影機材などは基本的にソニー製品で統一されており「クリエイターのニーズを満たす映像制作環境とハイクオリティなストリーミング体験を提供する」としている。

 今回のように同社が展開する配信イベントや、同社所属の格闘ゲーマーたちによる企画「格ゲー研究所」などは全てここで行なわれているほか、他の配信事業者向けなどにも提供しており、シンガーソングライターのオーイシマサヨシ氏とストリーマーの加藤純一氏による配信番組「オーイシ×加藤のピザラジオ」(現在は無期限休止)の配信などもここで行なわれていたという。

 今回の「消毒杯 Powered by NURO 光」で言えば、MCたちが座っている席のエリアはスタジオスペースで、選手たちがくつろいでいるエリアがラウンジスペースだ。ラウンジスペース奥にはバーカウンターも設置されている。

入口から入るとすぐの場所がスタジオスペース。当日のMC席もここが使われていた。壁面にはREJECT HUBを訪れたプロゲーマーたちのサインが数多く寄せられている
今回使用されなかったストリーミングスペースにはゲーム配信が行なえる環境が構築されている
ストリーマーたちがくつろいでいるのがラウンジスペース。奥にはバーカウンターも

 配信開始前には、REJECT所属の格闘ゲーム部門総合プロデューサー、こく兄氏とREJECT所属のストリーマーでもあり、格闘ゲーマーのハイタニ氏の2人に話を聞くことができた。

 現在NURO 光の回線を自宅の配信などでも使用している2人だが、通信環境について聞かれると、使用していてトラブルが発生した事はほとんどないという。格闘ゲームなどで重要となる応答速度を表す「Ping値」についても常に1桁台で対戦などでは常に快適だと語る。

 これまでのオンライン回線でのトラブルについて聞かれると、こく兄氏は「通信環境が酷くて引っ越しを考えた事があったが、現在は安定して通信できているので、あの頃から比べたら現在は本当に快適だ」とする。ハイタニ氏についてはフレッツ光を併用しているが「フレッツはトラブルが発生した時のサポート対応がとてもよいので使っているが、NURO 光についてはまだトラブルでサポートを利用したことがないので、サポート対応がどうなのかが分からない」と素直に語った。

 通信環境の重要性についてこく兄氏は「配信をやっている途中で回線が切れてしまうと、視聴者側の熱も冷めてしまうし、プレイしているこちらの熱も冷めてしまうので、途切れずに安定して通信できる事が1番大事」と熱弁。ハイタニ氏も「格闘ゲームのオンライン対戦では、通信状態が悪いとそもそも対戦すらしてもらえない。知り合いの中には通信環境が悪くて対戦できずに苦労した人もいたので、安定した通信環境は重要ですね」とした。

 今回の「消毒杯」復活についてこく兄氏は「当時の汚物消毒杯は仲のいいプレーヤー同士が集まっていたので成立したんですけど、今回は出演してくれるストリーマーの人たちがみんなノリもよく、仲の良い人たちばかりなので今回も盛り上がると思います」と語った。

 なお、8人の出場選手の中で“優勝”候補について聞かれるとこく兄氏は「石井プロが1番弱いんで、間違いなく優勝候補です! ただ、消毒杯の場合、1度負けてしまうと心がキュンとなってしまい、メンタルがやられてしまうので、石井プロに負けると本当にヤバイと思いますよ」と笑顔で語る。

 ハイタニ氏は「消毒杯」の見所について「ガヤが盛り上がるイメージがあるので、ストリーマーの人たちがどんな事を言うのかが楽しみです」とした。

今回の消毒杯の提供はNURO 光となっている

 「ストリートファイター6」はリリースから1年半が経過して、なお盛り上がりを見せており、格闘ゲームとしては異例の盛り上がりと言える。こうした盛り上がりをけん引してきた2人に改めて感想を求めると、こく兄氏は「色んなところで語っていますが、いい時代になったなと思います。出る前は本当にいいゲームだからみんなに勧めようとやっていたんですけど、ここまで反響があるとは思っていませんでした」とした。

 ハイタニ氏は「自分は今後もっと盛り上がりそうだなという感覚です。1年目、2年目までは出る前から準備していた人たちが盛り上げていて、実際にすごい盛り上がったのを受けて、じゃあ今度は自分たちでやってみようという人や企業なども増えてきていて、例えば今年ならZETA DIVISIONがチームを結成する発表をしたり、配信者で言えばヒカキンさんが始めたりなど、新しく始める人が増えるような動きも出ているので、さらに盛り上がりそうだなという楽しみがありますね」とした。

 盛り上がった要因について尋ねるとこく兄氏は「やっぱりストリーマーの人たちが遊んでくれた事。あとは格闘プロゲーマーたちがそれに対して手厚くフォローしてくれたので、みんなが遊び続けてくれた事などが大きいと思いますね」とコメントした。

 ハイタニ氏はこく兄氏と同じ要因に加えて「モダンモードが1番大きな要因だったと思います。これまでと異なるシンプルな操作のモダンモードを入れた上で、さらに従来と同じ操作のクラシックモードも用意して、その両立をちゃんとしたからこそ、こんなに爆発的に流行ったのかと思います」と分析した。

 裏方としてこうしたイベントなどを支えるモチベーションについて聞かれると、こく兄氏は「格闘ゲームって対戦相手がすごく少ない時代があったんですよ。なので当時はどうやって対戦相手を増やすか、というミッションがあったんですが、それが根っこになっているので、今でも対戦相手を増やしたいという思いがモチベーションになっているんだと思います」とした。

 ハイタニ氏は「格闘ゲームって、今回の消毒杯やチーム戦、10先の文化など、色んな遊び方を自分たちで見つけていくというのがいっぱいあって、そういう遊び方を色んな人に知ってもらいたいという思いがありますね。また、こういう遊び方をきっかけにもっと若いプレーヤーや子供たちにもどんどん遊んでもらいたいという思いがありますね」と語った。

 最後に今後の歩み方について聞かれると、こく兄氏は「今後もREJECT所属の格闘ゲーム部門プロデューサーとして、その名に恥じぬように精進して参ります」と笑顔で語ってから「色んな事に火をつけて、去年以上のことをやっていきたいなと思っています」とした。

 ハイタニ氏は「こく兄はちょっと泥臭いというとアレなんですけど、ゲームセンターの昔の文化そのままのイベントなどをいつもやってくれているので、自分はどっちかとクリーンな感じの立ち位置ですみ分けていくというか、REJECT内で今後も色んな企画ができると思うので、一緒に頑張っていけたらと思います」とした。

 ここでこく兄氏が「ハイタニがREJECTの“光”で……」と呟くとハイタニ氏は「こく兄は“闇”ですね」と言って取材陣を笑わせた。

インタビューに応じてくれた消毒杯主催のこく兄氏とMCを務めるハイタニ氏
試合の対戦台を使用して実際にゲームをプレイしてくれた2人
ハイタニ氏はこれまでも含めて消毒杯出場経験はないという。理由としてはゲームセンター時代は関西在住でアクセスが難しかったことに加えて「何の得もない大会なので普通に出たくないですけど」と笑ってみせた

罵声と怒号と爆笑の試合が連発! 笑撃の結末は?

 「消毒杯」のMCにはハイタニ氏、ゲスト解説にはストリーマーのなるお氏が出演。試合に参加するのは「ストリートファイター6」が得意なストリーマーたち(以下敬称略)で、ありけん、おぼ、しんじさん、Zerost、ドンピシャ、布団ちゃん、こく兄、石井プロの8人だ。トーナメントについては、現地にてくじが引かれる事となったが、くじを引く順はREJECTがXの投稿にて3日前に行なった優勝予想アンケートの集計結果が元となっている。

 ここで石井プロについて補足しておくと、石井プロは格闘ゲーマー向けアパレルブランド「+1F」ディレクターのほか、格闘ゲームコミュニティにおいて、動画撮影/編集の制作など、裏方として活躍する格闘ゲーマーだ。プロゲーマーたちとの交流も深く、先日行なわれたeスポーツアワードでは、ウメハラ選手のスーツ選びや功労賞の映像を担当したとしている。

 アンケートにて最も票を集めたのはおぼ、次に石井プロだったが、この2人がまさかのいきなり初戦対決! その次がzerost、布団ちゃん、こく兄、しんじさん、ドンピシャ、ありけんと続く。

 トーナメント前の意気込みについては、ストリーマーたちが弱気な姿勢を見せたり、強気に他のストリーマーたちを挑発するなど、プロレスライクな掛け合いが展開する。この辺りは是非アーカイブでその様子を確認してみてほしいが、とにかく全員が面白すぎて、人気ストリーマーたちの巧みな話術が再確認できることだろう。

最弱候補筆頭の1人として名前が上がり不服を訴える石井プロ
そんな石井プロのトークを聞きながら何か思う事がありそうな表情を浮かべる布団ちゃん。この後のトークも爆笑だった
試合前の意気込みを楽しげに語るしんじさん
くじ引きで決まったトーナメント表

 トーナメント表が決定し、いよいよ試合開始! 今回の試合は2台のPCが設置されており、選手自体はオフラインで向かい合って対戦を行なうが、ゲーム自体はオンライン対戦という不思議な環境での対戦となった。

 1回戦はありけんのダルシムとしんじさんのザンギエフの1戦。2人とも高MRを保持する強豪な上に、負けられない試合という緊張感、さらにはキャラクター相性もあってか、ここはMRで勝るしんじさんがまさかの敗退で準決勝への進出を決める事になってしまった。

 続く2回戦はZerostのケンとこく兄のケンというケンミラーマッチ。緊張感がさらに重くなる環境の中、こく兄が落ち着いた攻めを見せることで、Zerostが敗退して準決勝進出を決めた。

 注目の3回戦、おぼのエドモンド本田と石井プロのマノン対決だったが、緊張感からかおぼのエドモンド本田の動きがかなりぎこちない。一方で石井プロのマノンはコマンド投げが要所で決まりまくり、ここはまさかのおぼが敗退して準決勝進出を決めることとなった。

 4回戦は布団ちゃんのジュリとドンピシャのガイルの一戦。ここはコンボなど落ち着いたプレイが目立った布団ちゃんに対して、緊張感からか動きがぎこちなかったドンピシャのガイルが敗れ、準決勝進出となった。

こく兄とZerostの初戦の様子。表情から負けられないという緊張感が伝わってくる
おぼとの初戦にて下馬評を覆して見事勝利! 満面の笑みでインタビューに応じた
初戦で勝利して思わず喜びのの舞を披露する布団ちゃん

 初戦を終えた段階でトーナメントからは勝利して「脱落」した4人は晴れやかな表情を見せる一方で、トーナメントに残る事になってしまった4人は明らかにテンションがダウン。勝者たちもいたわりの言葉ではなく、罵倒や罵声でトーナメントに残った4人を“激励”する。

 準決勝1戦目はしんじさんのザンギエフとZerostのケンの一戦だが、ここは落ち着いた立ち回りを見せたしんじさんがZerostのケンを抑えて、Zerostが2連敗となり、いよいよ「消毒杯」の決勝にコマを進めてしまう事となった。

 準決勝2戦目はおぼのエドモンド本田とドンピシャのガイルの一戦。両者これまで以上の緊張感で試合に臨んだが、負けたくないという熱い思いがついに実ってドンピシャが勝利。その勝利にこれまで見せた事のないリアクションで会場を盛り上げたが、ここで負けてしまったおぼは残念ながら決勝進出となった。

 選手たちの準備時間以外には特にインターバルなどは挟まずテンポよく試合は進んでいき、いよいよ迎えた決勝戦。ここで負けた方が「最弱」という不名誉な栄冠が与えられる。一方で試合内容については、トーナメントが進むごとによくなってきているのも面白い。

勝利した4人の表情は晴れやかだ
見事に準決勝に進出した4人はどことなく落ち着かないテンションだ
布団ちゃんの影響もあってか、準決勝では勝った選手が謎の舞を披露するようになっていった

 そんな崖っぷちで迎えた決勝戦、Zerostのケンとおぼのエドモンド本田の一戦がスタートした。1ラウンドはおぼが勢いのある攻めで先制。2ラウンドは勝負を決めようとしたおぼのインパクトに対してZerostがこれを返す激熱の展開! ここからZerostの動きがよくなり、2ラウンドはZerostの勝利となった。そして迎えた最終ラウンド、さらなる緊張感が2人を襲い、普段なら発生しなさそうなミスを互いに連発するも、優勢に試合を進めるZerostに対して、おぼのエドモンド本田によるSA3「千秋楽」が決まって大ダメージ! だがZerostのケンの動きは冷静で、最後はおぼの誤操作を見逃さずにコンボからのケンのSA3「神龍烈破」でリーサル! 見事にZerostが勝利してトーナメントを離れた。こうして優勝はおぼとなった。

 勝利したZerostはあまりの嬉しさに他の参加ストリーマーだけでなく、スタッフやMC、さらには我々取材陣にまでハイタッチを求めてくるほどで、いきなりの襲撃に筆者は大いに狼狽した。

 試合の見所としては、やはり勝敗を決した後の選手たちの表情だ。負けて苦笑いを浮かべたり、勝利して大はしゃぎする様子など、普段の試合で勝敗が決した時の様子とはあまりにも差があり、見ている側も楽しく眺めていられる。

決勝進出を決めた2人の様子は最早試合どころではなさそうに見えるレベルの衰弱っぷりだ
試合を変えたのは2ラウンド目、おぼが放ったインパクトをZerostが見事に返したところ。ここからZerost有利の展開が増えていった印象だ
見事に決勝で勝利してはしゃっぎまわるZerostと、椅子から崩れ落ちるおぼ

 終了後のコメントでは、ストリーマーたちが口々に消毒杯を大絶賛する。この辺りについても是非アーカイブで確認してみてほしいが、7人のストリーマーたちが皆、晴れやかな表情で消毒杯についての魅力を語ってくれるその様子をイベント開始時の表情と比べると、まるで憑き物が落ちたかのように変化しており、正に雲泥の差の表情差分が確認できる。

 ところが最後の1人、優勝したおぼは「私が最弱です」と寂しげにコメントした後、「明日は我が身よ?」と他のメンバーたちに最弱という負の栄冠を授かった事のメンタルへの負荷の重さを語るとともに警鐘を鳴らす。「こんな気持ちになったのは配信やっててはじめてだわ!」と憤るとともに、主催者のこく兄に「またやってくださいよ! 次も出ますんで。俺を越えなきゃ最弱王なんて名乗らせない!」とカッコよさげなセリフを語るが、状況を考えると非常にカッコ悪く、情緒が安定しない様子が傍から見ているととても面白い。

見事に「消毒杯」の栄冠を勝ち(負け?)取ったおぼはステキなヅラと最弱王のタスキでインタビューに応じた
余談だが、試合中におぼの足の向きが不思議だということで話題になっていたので確認してみたが、確かに普通だと曲がらなさそうな角度まで足が展開していた
最後は1人を除いてみんな笑顔で記念撮影を行なってイベントは締めくくられた

誰でも気軽に見て楽しめるイベントとして今後の展開にも期待

 以上、「消毒杯 Powered by NURO 光」の現地での様子をレポートした。負けた選手が残るという仕組みは非常にユニークな一方で、弱い人が残ることになるので試合としてはどんどんレベルが落ちていくのかと思いきや、そこはストリーマー界隈でも実力派のメンバーを揃えた事もあり、試合内容自体はどの試合も楽しめるレベルの内容だったのが印象的だった。

 また、1勝した選手はそこで試合が終了となり、忌まわしきトーナメントから抜け出せるというシンプルなルールが「消毒杯」の魅力ではあるのだが、折角勝利した選手の試合が継続して見られないのが物足りないのも事実だろう。これは筆者のアイディアではないのだが、勝った側も誰が最強なのかを決める両端のトーナメントにして、1つのトーナメントから最強と最弱を決めるというのも面白そうだと感じた。

 今回は8人のストリーマーたちを集めての開催となったが、いずれも人気ストリーマーだけあって、恐らく「スト6」にあまり詳しくない人が見ていても十分に笑える内容の大会に仕上がっていたように感じた。今後さらに人数が増えてくるとさらに盛り上がるユニークなイベントとして定着しそうなので、新たな展開についても期待したいところだ。

 なお、補足しておくとこうしたイベントはお互いが知った仲間だからこそ成立する物だ。そのため、こうしてストリーマーたちの掛け合いを見ていると、本当に互いを理解し合い、交流がしっかりできているのだと再認識できる。

 今回の「消毒杯」についてはそのアイディアもユニークだが、出演者たちが互いに罵倒し合い、攻め合うこうした過激なイベントが開催できた事自体が驚きだ。これについてはインタビューの中でこく兄氏が「こういう無茶な企画を持ち込んでも、是非やろうと言ってくれるNURO 光さんの懐は深いですよ」と語っていたのが印象的だった。確かに過去の「騒音カップ」を含めてNURO 光が提供するイベントは、従来の大会とは異なる魅力のある物が多い。今後もNURO 光提供のイベントにも要注目と言えるだろう。

消毒杯は試合自体も見所たくさんだが、プレーヤーたちの表情が特に注目ポイントだ
配信では見せた事のないストリーマーたちの新たな個性が発掘された場でもある
配信では試合時のダウンロード速度やPing値などが提示されていたが、どの試合も安定した通信環境が維持できているのが確認できた