【特別企画】
「信長の野望 出陣」正式リリース記念! 九州・四国の名城を訪問して「出陣」を遊んでみた
2023年9月12日 00:00
本丸の建築物がすべて現存する高知城。古の姿を保つ歴史ある名城!
さて、最後に訪れたのは南海の名城と謳われる四国・高知城。関ヶ原の功で土佐(ここで言う「土佐」は現在の土佐市ではなく、高知県の旧称)の領主となった山内一豊によって築かれた。享保12年(1727年)の大火によって一度は焼失したものの、その2年後の享保14年(1729年)から深尾帯刀が普請奉行(おもに城の建築・修理を担当する役職)を担当して再建を開始。約25年の工事を経て、現在の姿となった。
実は、日本にある城のほとんどが、資料をもとにして昭和以降に築城された復元天守である。もしくは他の城を参考にして建てた復興天守や、存在をはっきり確認できていない状態で建てた模擬天守だ。
しかし、高知城は江戸時代の姿を保った数少ない現存天守。しかも、本丸内の建築物がすべて揃った状態で残っている。これは、日本でも唯一高知城だけが持つ特徴だ。
先に訪れた2城は出発当日に散策していたが、筆者の自宅から高知までは5時間から6時間は掛かる。そこで、いったん高知市内に移動し、翌日に登城することにした。
明けて翌日。短時間で朝食をすませてから、高知城へ向けて出発する。宿から高知城へ向かう路面電車もあるが、やはりゲームを進めるためにも徒歩がいい。
10分ほど歩いていたら、早くも高知城が見えてきた。さっそく橋を渡って入城すると、はつほがいつものように名城が近いことを知らせてくれる。城をタップして高知城を名城図鑑に登録しよう。
高知城登録の報酬は長宗我部元親。三好や毛利といった強豪がひしめく四国の地を統一し、「土佐の出来」と呼ばれ名将だ。SSRゆえに能力値も高く、統率・知略・政治は80台後半、武勇にいたっては90を超えている。
さっそく部隊を再編制して、城の近くにあった拠点へ出陣。敵勢力との戦力差は互角だが、武将の質が勝敗を分けたか? こちらの部隊は誰ひとり壊滅することなく、敵を制圧することに成功した。
高知城の玄関とも言える追手門をくぐり城内へ入ると、きれいに整備された庭園が迎えてくれる。とくに印象深かったのは、城内のあちこちに生えていた松の木々。じつによく手入れが行きわたっており、それだけでも絵になるほどである。信長や家康が盆栽を趣味の1つにしていたというのもうなづけるというものだ。
石の階段をいくつか上って三ノ丸の広場に着いたところでゲームを確認。いったん委任モードを解除したのち、近くにいる商人や農民を助け、野盗を退治して自軍の強化を図る。また、新たに強者が登録されていたので、これらも倒して経験値をかせぐ。
ちなみに、城のように何層にも分かれた構造の場所では目標に近づくのが難しい場合がある。目標のほうへ向かって直線的に移動しても道が途切れていたり、そもそも物理的に移動できなかったりするからだ。
そんなときは、配下の武将を派遣するのがオススメ。派遣を使えば、プレイヤーから離れた位置にいる商人・農民・野盗・早馬などをタップできる。派遣武将が対象がいる場所まで移動するまでに1~2分ほど掛かるものの、タップと同じ効果を得られるうえに、経験値まで手に入るのだ。デメリットはないので、つねに武将を派遣している状態を保っておきたい。
その後、詰門から廊下橋を渡って本丸内の天守閣前広場に到着。ここには本丸を囲む長屋状の櫓である東多聞や西多聞、調度器具を保管した納戸蔵といった貴重な建築物が並んでいる。そして広場の先には、堂々たる天守閣がそびえていた。
いよいよ天守閣へ向かう。高知城の天守閣は先の2城とは異なり、床はコンクリート作りではなく昔ながらの畳敷きや板張りになっている。そのため、入り口付近には鍵付きの下駄箱が設置されていた。こちらに履き物を収納してから天守閣へ登城するわけだ。
上の階には高知城ゆかりの戦国武将の絵画や、日本各地の城の写真が展示されていた。ゲーム画面に目をやると武将が遠征から帰還していたため、次なる遠征先へ出発させる。登録された拠点の攻略は、あとまわしにしても問題ない。さらに遠くにいる商人や農民のもとへも武将を派遣してから上へ進む。この先は、いよいよ周囲を一望できる最上階だ。
ちなみに現存天守閣である高知城の天守閣は、当然ながら階段も江戸時代のまま。そんなに長い階段ではないため、高さ自体はさほどでもないのだが、極端な急勾配になっている。高所恐怖症気味の筆者は手すりをしっかり掴んで慎重に上り下りしていた(苦笑)。
さて、ついにやってきた最上階。先の2城と同じく素晴らしい展望だ。東西南北どの方向を見ても抜群の眺めが広がっている。
ここは筆者にとって非常に思い入れの深い場所。というのも、敬愛する漫画家・北条司先生の「ファミリー・コンポ」と言う作品に、この最上階での1シーンが登場したからだ。「風が気持ちいい。さっきの暑さが嘘みたい。こりゃ昔の人が殿様になりたがったわけだ」というヒロイン(?)のセリフが今でも妙に印象に残っている。
1階まで降りると東多聞や廊下門、西多聞へ続く渡り廊下を見つけたので、天守閣を出る前に立ち寄ってみる。東多聞には、長宗我部元親に関する資料や等身大の足軽像が展示されていた。
その先の廊下門は山内一豊に関する資料と模型のほか、当時の庶民の暮らしが説明されている。とくに捕鯨の様子を再現したジオラマには、恐ろしいほどの迫力を感じた。
最奥の西多聞は、高知出身の偉人が着ていたとされる衣服が展示されている。山内容堂が使用していた陣羽織と、複製品ながら坂本龍馬の紋付を見ることができた。
こうして天守閣と展示室の見物を終えて外に出ると、はつほからの注進があった。またもやSSR武将が近くにいるようだ。周囲を見渡してみると、今度は長宗我部国親を発見した。
長宗我部国親は父・兼序の代に没落した長宗我部家の復興に力を尽くした人物。長宗我部元親の実父でもあり、自身一代で土佐(高知県)のほぼ全域を平定した。そんな名将の友好度を獲得すべく、さっそく配下武将を派遣する。
天守閣をあとにして、最後に城内のまだ歩いていなかった場所を散策する。きれいに積み上げられた石垣を見ても、松の木陰になっている涼しげな道を見ても、また先ほどまで登城していた天守閣を振り返って見ても、500年近く前の戦国の世の風情を感じざる。実際に城や史跡を訪れ、こういった風を肌で感じるのも本作の醍醐味の1つであると言えよう。
城や史跡を訪れれば楽しさ倍増! 戦国武将を身近に感じよう!
さて、「出陣」の正式リリースを記念して名城訪問レポートをお届けしたが、いかがだっただろうか? クローズドβテストの時点ですでに「城を訪れて遊んだら楽しいだろうな」とは思っていたが、実際にやってみると想像以上に楽しかった。
こういったプレイができるのも、手軽なスマホアプリだからこそ。自宅周辺の無理のない範囲で遊んでももちろん楽しいのだが、戦国ゆかりの地を訪れて遊べば、ふだんは遠い存在である城や史跡をじつに身近に感じることができる。そして、その感覚は本作をさらに楽しく充足したものにしてくれるに違いないのだ。
本作には、極めて多くの名城や名所が網羅されている図鑑という機能がある。図鑑を見れば、読者諸氏の自宅周辺にある存在を知らなかった名所や、知ってはいたが戦国ゆかりのものだと思っていなかった名所もきっと見つかるはずだ。
本作をより楽しむためにも、まずはそういった自宅近隣の名所を訪れてみてはいかがだろうか? 本作の新たなる魅力に気づき、ゲームがさらに楽しくなることと思う。
そして旅行や出張などで遠方へ出かけた際には、ぜひともその地ならではの名城を訪れてみてほしい。その名城でしか得られない称号や、その名城と縁の深い戦国武将を手に入れたときはRPGのアイテムコンプリートやモンスター図鑑全登録にも似た感動がある。そして何より城内を巡りながら領民を助け野盗を退治し、あるいは合戦をくり広げた時間は、かけがえのない旅の思い出になってくれるだろう。
さあ、まずは県内の城や史跡へ――。スマホを携えて、いざ「出陣」だ!
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