レビュー
3COINS MEN「骨伝導オープンイヤー」レビュー。“ながら聴き”からゲームまで楽しめる骨伝導イヤホン
2025年3月17日 00:00
- 【3COINS MEN:骨伝導イヤホン】
- 3月24日 発売予定
- 価格 ハイブリッド骨伝導オープンイヤー:9,900円
- 3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー:10,450円
日常生活に便利な生活雑貨を多く取りそろえる「3COINS」。近年ではNintendo Switchに対応した「クリアゲームコントローラー」やデバイスの掃除に便利な「ガジェットクリーニングセット」など、ゲーマーやガジェット好きが「おっ!」と反応するようなアイテムも多数取りそろえている。
そんな3COINSが新たに発売するのが2種類の「骨伝導イヤホン」だ。どちらもメンズ向けのアイテムを展開している「3COINS MEN」の商品なのだが、この2つの商品は“ただの骨伝導イヤホンではない”男心をくすぐるガジェットとなっている。
最近では“ながら聴き”が浸透したことで骨伝導イヤホンも一般的な存在になってきたが、3COINSの骨伝導イヤホンは他と何が違うのか。本稿では、3COINS MENから新たに登場する2種類の「骨伝導イヤホン」のレビューをお届けしていく。
“ながら聴き”に最適な骨伝導イヤホン。耳を塞がずに音楽が聴ける!
そもそも「“骨伝導イヤホン”って何?」という方に向けて簡単に紹介しよう。一般的にイヤホンといえば、耳の入り口に引っ掛ける「インナーイヤー型」やイヤーチップで耳の穴に密着させる「カナル型」の2種類が主流で、どちらも耳の穴(外耳道)を塞いでイヤホンからの音を聞いている。
一方の「骨伝導型」は骨を通じて内耳に直接音を届けるため、耳の穴を塞ぐことなく音を聞くことができる。これによって周囲の音を聞きながら音楽を聴くことができるため、何か他の作業をしながら音楽を聴く“ながら聴き”に最適な構造なのだ。
昨今のワイヤレスイヤホンに搭載されている“ノイズキャンセリング”とは真逆の方向性の骨伝導イヤホン。だがノイズキャンセリングがあると、ランニング中に後ろから迫る自転車のベルの音に気付かなかったり、電車に乗った時にアナウンスを聞き逃して降りる駅を過ぎてしまうといったことも考えられる。周囲の音を聴くことができる骨伝導イヤホンなら、こういったハプニングを避けることができるのだ。
最近では“ながら聴き”に最適なイヤホンとして人気の骨伝導イヤホン。今回はメンズ向けのアイテムを展開する「3COINS MEN」から2種類の骨伝導イヤホンが登場するのだが、どちらも約1万円となっており、数百円から高くても数千円が一般的な3COINSでは高額なアイテムとなっている。
だが、どちらも“普通の骨伝導イヤホン”ではなく、男心をくすぐるガジェット要素を詰め込んだアイテムに仕上がっている。ここからは一つずつ紹介していこう。
デュアルドライバーで高音質化! 「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」をチェック
まずは「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」をチェックしていこう。こちらは「3COINS MEN」のアイテムを取り扱う全国27店舗にて3月24日より販売予定で、価格は9,900円となっている。
商品名に“ハイブリッド”とあるように、こちらは骨伝導スピーカーと高音域補助スピーカーを同時に使用する“デュアルドライバー”搭載のワイヤレスイヤホンだ。デュアルドライバー採用の骨伝導イヤホンは市場でも珍しく、フラッグシップモデルとして1万円台後半からラインナップされる中、3COINSの本商品はなんと1万円を切ってきた。
主なスペックとしては骨伝導スピーカーのドライバーサイズが直径16mm、高音域補助スピーカーのドライバーサイズが直径9.2mmで、Bluetoothのバージョンは5.3となっている。コーデックは「SBC/AAC」に対応しており、iPhoneやAndroidスマートフォン、PCなど幅広いデバイスとペアリングできる。だが、高音質かつ低遅延なコーデックである「aptX」や「LDAC」などには対応していない。
バッテリー持続時間は骨伝導モードで約22時間30分、ハイブリッドモードで約16時間と非常に長い。充電は専用のマグネット端子で行なうため、マグネット端子~USB-Aの充電ケーブルが付属している。1日~2日程度であれば問題ないが、4~5日間以上泊まる場合は充電の為に専用ケーブルを持ち歩く必要があるため、欲を言えばUSB Type-Cでの充電に対応してほしかったところだ。
- ドライバーサイズ:Φ16mm(骨伝導スピーカー)/Φ9.2mm(補助スピーカー)
- インピーダンス:8Ω±15%(骨伝導スピーカー)/16Ω±15%(補助スピーカー)
- ヘッドホン出力:最大0.9W(骨伝導スピーカー)/最大20mW(補助スピーカー)
- マイク:全指向性
- Bluetooth規格:Ver.5.3、Class2
- Bluetoothプロファイル:HFP/A2DP/AVRCP
- 対応コーデック:SBC/AAC
- 内蔵バッテリー:リチウムポリマー電池 250mAh
- 連続再生時間:16時間(ハイブリッドモード)/22時間30分(骨伝導モード)
- サイズ:W110×D130×H44mm、約38g
3COINS「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」のスペック
本体には電源ボタン、音量+ボタン、音量ーボタン、モード切替ボタンが備えられており、短押しや長押しを駆使して再生・一時停止や曲送り・曲戻しにも対応している。スマートフォンを取り出すことなく音楽アプリを操作できるため、スポーツ中のながら聴きには打ってつけだ。
フックを耳に引っ掛ける形で装着し、骨伝導スピーカーがこめかみあたりに当たるようにすれば、高音域補助スピーカーが耳の穴手前あたりにくる。耳の穴を塞がないため、カナル型イヤホンをつけたときのような“自分の声がこもって聴こえる”感覚は一切ない。
ペアリングは簡単で、初回は起動すれば自動的にペアリングモードとなり、ペアリングしたい端末から「MENGH-01」を選択すれば完了だ。以降は起動すればペアリングした端末と自動的に接続され、装着していれば「Power On」や「Connected」といったガイダンスも流れるため、直感的に使用できる。
ゲームと同じくらい音楽を生きがいとしている筆者は、これまで様々なワイヤレスイヤホンや有線イヤホンを購入してきたが、骨伝導イヤホンを使用するのは今回が初めて。筆者が比較的音質を重視するタイプかつインドア派であまり“ながら聴き”を必要としなかったこともあり、骨伝導イヤホンは気になる存在ではあったが購入するには至らなかった。
実際に装着してみたところ、耳に引っ掛けていることもあり、約38gという重さはあまり感じず、かなり快適な着け心地だ。筆者は眼鏡ユーザーのためテンプルとの干渉を心配していたが、大きく干渉することもなく、しっかりとこめかみの部分に骨伝導スピーカーがフィットしていた。各ボタンは耳の後ろあたりにあるが、3ボタンとシンプルな構成なので、指先の感覚だけで操作できる。
まずは音楽を聴いてみたのだが、最初はいい意味で“不思議な感覚”に陥った。筆者に「イヤホン=耳を塞ぐ」という固定観念があることや周囲の音がそのまま聞こえることもあり、音がどこから鳴っているのかよくわからないのだ。耳を塞いでいないという点では、スピーカーで音楽を聴いているようなのだが、間近に音が聴こえるので「すごく鮮明な脳内再生で音楽が流れている」ように感じた。
今回はiPad Pro(M4)を使用してApple Musicの音源を聴いたのだが、カナル型のような“ドライバーからの音を直接聴くイヤホン”とは異なり、骨を介して音を聴いているためか低音域はそこそこという印象。だが中音域、そして補助スピーカーによる高音域によってボーカルがよく聴こえる。筆者は当初、骨伝導イヤホンに「こもった音が聴こえるのでは」という先入観を持っていたが、そんなことはなく十分に音楽を楽しむことができた。
だが聴く音楽のジャンルによっては、高音域補助スピーカーが効きすぎて“シャカシャカした音”になる。そこで本製品では骨伝導スピーカーと高音域補助スピーカーを使用する「ハイブリッドモード」と骨伝導スピーカーのみを使用する「骨伝導モード」をモードボタンで切り替えることができるのだ。筆者的に男性ボーカルの曲やEDM系の音楽は「骨伝導モード」、女性ボーカルの曲は「ハイブリッドモード」で聴くのがオススメだ。
音漏れについては、骨伝導だからといって無いわけはではなく、音量にもよるが周りにシャカシャカした音が若干聴こえる。骨伝導モードでは比較的抑えられるのだが、説明書にもあるようにハイブリッドモードでは音漏れしやすくなり、静かな環境だと何を聴いているのか、漏れている音をよく聴けばわかる。ランニング中や雑音の多い場所では気にならないが、図書館などの公共施設での使用は避けたい。
続いてゲームでの使用時についても紹介……したいところなのだが、その前に「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」をチェックしよう。
場所・用途に応じて骨伝導・カナル型・空気伝導型に変身! 「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」をチェック
次に「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」をチェックしていこう。本製品も「3COINS MEN」のアイテムを取り扱う全国27店舗にて3月24日より販売予定で、価格は10,450円となっている。
こちらは「3in1」とあるように骨伝導型のみならず、耳に差し込むカナル型、耳を塞がず軽快な装着感が楽しめる空気伝導型の3つのユニットが付属しており、場所や用途、好みに応じて切り替えられるのが特徴だ。このようなイヤホンは大手メーカーではほとんどなく、3COINSらしい“痒い所に手が届く”ガジェットといえるだろう。
ドライバーのスペックについてはユニットによって異なるためスペック表を参照いただきたいが、Bluetooth周りの仕様については「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」とほぼ同一。Bluetoothバージョンは5.3、対応コーデック「SBC/AAC」の2つのみとなっている。
バッテリー持続時間については骨伝導モードとカナル型イヤホンモードで14時間30分、空気伝導モードで17時間と十分な時間使うことができる。充電は専用のマグネット端子で行ない、マグネット端子~USB-Aの充電ケーブルが付属している。なお、このケーブルは「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」と同じもので、双方で互換が効くことを筆者の方で確認している。
電源ボタンや音量+ボタン、音量-ボタンの操作、ペアリング方法やガイダンスなども「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」とほぼ同じ。両製品ともに購入するユーザーはあまりいないと思うが、操作方法はシンプルなため、混乱することは少ないだろう。
- ドライバーサイズ:Φ16mm(骨伝導型/空気伝導型)/Φ10mm(カナル型)
- マイク:全指向性
- Bluetooth規格:Ver.5.3、Class2
- Bluetoothプロファイル:HFP/A2DP/AVRCP
- 対応コーデック:SBC/AAC
- 内蔵バッテリー:リチウムポリマー電池 250mAh
- 連続再生時間:14時間30分(骨伝導モード/カナル型イヤホンモード)/17時間(空気伝導モード)
- サイズ:W110×D134×H47mm、35g(骨伝導型取り付け時)/W110×D130×H55mm、33g(カナル型取り付け時)/W110×D130×H48mm、32.5g(空気伝導型取り付け時)
3COINS「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」のスペック
ユニットの交換は簡単で、外す際は本体とユニット部を丁寧に持ち、少しだけ力を入れて真っすぐ引き抜く。一方取り付ける際、骨伝導型のユニットに左右は無いが、カナル型と空気伝導型のユニットには左右があるため、左右の向きを確認しながら接続すればユニットの交換は完了だ。
ユニットを交換したあとは電源ボタンを2回短押しすることで、それぞれのユニットに応じた「骨伝導モード(Bone Conduction Mode)」、「カナル型イヤホンモード(Earbuds Mode)」、「空気伝導モード(Air Conduction Mode)」へ変更する。モードを変更しなくても音は出るのだが、それぞれのユニットにあった再生周波数帯域と音量に最適化される。
まずは「骨伝導モード」で使用してみた。基本的な使い勝手は「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」と同じだが、高音域補助スピーカーが無い分、装着感はよりスマートになっている。音の傾向も同じでボーカルが前に出てくる中音域寄りだが、少しだけ「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」のほうが音のクリアさに欠ける印象だ。
また「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」の骨伝導ユニットには高音域補助スピーカーはないので、音に変化をつけることはできない。一方で骨伝導ユニット装着時は、防塵防水性能がIP68(ハイブリッド骨伝導オープンイヤーはIPX4)となり、日常生活のなかで雨しぶきがかかっても気兼ねなく使えるのが特徴だ。
次に「空気伝導モード」だが、こちらも耳の穴を塞がないため周囲の音がよく聴こえるほか、骨伝導モードほどこめかみに密着しないので圧迫感はこちらのほうが少ない。音の傾向だが骨伝導モードと比較して低音域が増え、中音域もよく出ているが、高音域が少なく音のクリアさに欠けるため少し曇って聴こえる。
一方で骨伝導イヤホンは、鳴らしている音の帯域によって骨や耳に響く感覚があるのだが、空気伝導型だとそういった心配は無用。どちらもながら聴きに最適なため、その日の用途や体調でユニットを切り替えよう。
最後に「カナル型イヤホンモード」は、説明書にもある通り“最も音質のいい”ユニットだ。耳の穴を塞ぐカナル型イヤホンらしい装着感で、慣れ親しんだいつもの感覚という印象だ。ノイズキャンセリングはないが、3サイズあるイヤーピースからフィットするものを選べば、ある程度周囲の音が聞こえなくなる。
音は3ユニットの中で一番クリアで、低音域と高音域がよく聴こえる“ドンシャリ”傾向だが、ボーカルも埋もれることなくしっかり音楽を楽しめる。1万円でいい音が楽しめる有線/無線イヤホンはほかにもあるが、本製品はなんといっても3in1。ながら聴きの時は骨伝導or空気伝導、音楽に集中したい時はカナル型といった風にユニットを変えられるのが唯一無二の特徴だ。
ゲームモード搭載! 「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」で真価を発揮
さて、ここからは「3COINS MEN」の骨伝導イヤホンをゲーム用途で使っていく。といっても、基本はBluetooth接続のワイヤレスイヤホンのため「遅延があってあまりゲームには向かないんじゃ……?」と思われる方も多いはずだ。
だが、今回の「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」および「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」には、なんとゲームや動画での音声ズレを低減する「ゲームモード」が搭載されている。3COINSの骨伝導イヤホンにゲームモード搭載というなんともマニアックな話だが、実際に使ったところ思った以上に効果が得られた。
ゲームモードへの切り替え方法は共通で、どちらも電源ボタンを4回短押しすると、通常の「ミュージックモード」と低遅延な「ゲームモード」に切り替えられる。なおゲームモード時のデメリットとして、電力消費量が増えることによってバッテリー持ちが悪くなったり、障害物や電波状況によって通信が途切れやすくなることが挙げられている。
今回は音楽再生時と同様に「iPad Pro(M4)」でアクションゲームをプレイしてみた。まずミュージックモード時にゲームをプレイしてみたのだが、こちらは明らかに遅延を体感した。メニュー操作時の選択音でわかるほどの遅延があり、戦闘シーンでは敵が攻撃する時の音やスキルの発動音がズレ、プレイしにくかった。
そこで「ゲームモード」に切り替えると大幅に遅延が減少し、メニュー操作時の選択音ではほぼ判別できず、バトル時のアクションで遅延を少し感じるレベル。RPGやアクションゲームであれば気にせずプレイできるだろう。やはり音ゲーやオンラインでの対戦を備えるゲームには向かないが、これはBluetooth接続のワイヤレスイヤホン全般に言えることだ。
なお、Bluetoothオーディオに対応していれば様々な端末とペアリングできる。今回はNintendo Switchとペアリングし、問題なくゲーム音声を聴くことができた。
ゲームモードが真価を発揮するのは「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」のカナル型イヤホンモードだ。BGM感覚で音楽を聴く“ながら聴き”はできるが、ゲームはプレイに集中するため“ながらプレイ”ができない。また音が重要なゲームも多いので、ゲーマーではなるべく多くの音を聴き分けられるヘッドホンやカナル型イヤホンが主流だ。
「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」であれば、スポーツ中のながら聴きに最適な骨伝導型、圧迫感の少ない空気伝導型、そして音に集中できるカナル型を切り替えられ、ゲームモードも搭載している。スポーツやゲームなど様々な用途を一つでこなすことができる万能なイヤホンだ。
純粋な骨伝導イヤホンなら「ハイブリッド」、スポーツからゲームまで使いたい人は「3in1」がオススメ!
ここまで「3COINS MEN」の骨伝導イヤホン2種を紹介してきた。それぞれのターゲットとして、純粋に骨伝導イヤホンとして使いたい人は「ハイブリッド骨伝導オープンイヤー」がオススメ。骨伝導スピーカーおよび高音域補助スピーカーを搭載しているため、音質のいい“ながら聴き”を楽しむことができる。また、ハイブリッドモードと骨伝導モードによる音の変化も楽しい。
一方で「3in1 カナル型骨伝導オープンイヤー」は一つのイヤホンで様々な用途をこなしたい人に最適だ。3つのドライバーから1つを選べるユニット構造によって、ながら聴きしたいスポーツから一人で集中したいゲームまで楽しむことができる。
いずれも約1万円と3COINSの中では高価なアイテムではあるが、それぞれ性能や特徴を考えると3COINSらしいリーズナブルな価格のガジェットに仕上がっている。「3COINS MEN」のアイテムを取り扱う店舗は全国でも限られているが、オンラインショップでも購入可能となる予定なので、気になる方はぜひ店舗やオンラインショップを訪れてみてほしい。
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