【特別企画】

「メタルギア ライジング リベンジェンス」日本発売10周年。「メタルギア」魂を感じつつ、スタイリッシュな剣戟アクションが光る!

【メタルギア ライジング リベンジェンス】

2013年2月21日 日本発売

 コナミデジタルエンタテインメントより、2013年2月21日に日本発売された「メタルギア ライジング リベンジェンス」(以下、「MGR」)が本日発売10周年を迎えた。

 本作は「メタルギア」シリーズのアクションゲームで、開発は小島プロダクションとプラチナゲームズが担当。「NieR:Automata」で華麗なアクションを作成した田浦貴久氏が、デザイナーとして参加している。「メタルギアソリッド」シリーズの外伝作にあたり、同シリーズのメインキャラクターのひとりである雷電が主役となった。時系列的には「MGS4」の数年後にあたり、シリーズらしさを受け継ぎつつも「ソリッド」ではない「メタルギア」として登場した。

 現在でも人気の高いシリーズで、特に海外人気が非常に強い作品である「MGR」。本稿では、10周年を記念して本作を振り返っていく。

【METAL GEAR RISING REVENGEANCE SPECIAL EDITION (jp)】

斬奪のカッコいいモーションに痺れた乙女心

 このゲームの最大の面白さといえば、高周波ブレードによるスピーディな剣戟アクションだ。

 基本的には直感的な操作でスタイリッシュなアクションが繰り出せる本作。個人的に非常に評価したいのは、攻撃ボタンと防御ボタンが同じな点だ。というのも、筆者はとにかくガードが苦手である。攻撃しながら敵の攻撃にあわせて咄嗟にガードボタンを押せと言われても難しい(そんな愚鈍なプレーヤーは筆者だけかもしれないが……)のだが、本作は攻撃も、シノギと呼ばれる防御も同じボタンで完結する。最高のひと言である。

 一方で、このシノギ、発動タイミングは割とシビアだった。シノギはいわゆるパリィに相当するので、ジャストガードに近いタイミングでなければ発動しない。雑魚戦でも気を抜くとフルボッコにされるし、ボス戦では死に覚えが前提のような難易度で、とにかくどこで凌ぐかを完全に体に覚え込まさせるといった内容に近い。

 しかしアクションゲーム好きならば、これを聞いて、とあるタイトルを思い出すのではないだろうか。そう、フロムソフトウェアの「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」である。実際ゲーム性としてはかなり似ており、「SEKIRO」での弾きが、シノギである。

 だが、実際には「SEKIRO」よりさらにヒリつくような剣戟アクションとなっており、敵によっては「シノギ返し」をしてくる。その「シノギ返し」をさらに「シノギ返し」し……、そんなシノギ合戦も本作の特徴だろう。

タイミングよくシノギを行なうと、自動的にカウンター攻撃となる「シノギカウンター」という技も(画像は公式のプレイムービーより)

 また、敵に表示される四角いターゲットを狙って切断する、斬撃モードも忘れてはならない。敵だけではなく、車や岩、木、柱といった様々なオブジェクトを切断可能で、特に切断する際の角度によって様々な角度から物体をバラバラにできることには感動したものだ。さらに、敵は切断箇所に応じて非常に多様な反応を示し、切断したから即死とは限らないあたりにも、本作のこだわりが感じられた(なお生身の人間は斬れないので、悪しからず)。

 さらには斬撃モード時に敵の体に表示される特定の部位を斬ったあと、内部パーツを奪う「斬奪」に成功すると、雷電の体力とエネルギーの回復が可能だった。この斬奪のモーションが非常にかっこよく、敵の体から捩り取った内部パーツを雷電が握りつぶすモーションには、大層乙女心(?)が痺れたものである。筆者としては、この斬奪のモーションのために「MGR」はあったのだと思っているほどだ。それくらい、斬奪時の雷電はただひたすらに格好良かった。

好きな角度で物体を切断できる斬撃
敵を一刀両断することもでき……
「斬奪」で回復することも(画像はトレーラー映像よりより)

サムエルとの死闘には燃えた

 とはいえ、本作の魅力は斬奪だけではない。□ボタンによる弱攻撃と△ボタンによる強攻撃をうまく組み合わせた多彩なコンボで、雷電は派手なアクションを繰り広げる。特に好んで使っていたのは、ニンジャラン時のスライディングからの振り下ろし。これは多用していた人も多いのではないだろうか。

 だが使い勝手の良さに限った話でもなく、雷電のアクションはどれを取ってもスタイリッシュ。弱連撃だけでも楽しめるようになっているし、空中弱連撃、空中強連撃など、多彩な組み合わせが存在した。なんとなく□ボタンと△ボタンを組み合わせてみるだけでも、「こんなアクションが……!?」という新たなコンボを発見できるのが、ゲームとしての楽しさに繋がっていたように感じられる。

【『MGR』(体験版)/テクニカルプレイムービー「市街地戦」編】
本作の体験版を使用した公式のテクニカルプレイムービー。スタイリッシュなアクションを確認できる

 前述のシノギこそ少々ストイックな面はあったものの、全体としてはボタンを連打しているだけでも雷電が次々とスマートなアクションを披露してくれるところは、アクションに定評のあるプラチナゲームズ製らしさが感じられた。

 また、章のボスはいずれも一癖も二癖もある強さを誇るのだが、勝つと手に入れられる武器は雷電のアクションをさらにスタイリッシュにしてくれるものばかり。ボスの強さに何度もくじけることすら全ては次の雷電のカッコよさに繋がるのだと思えば、挫折感よりもやる気が満ちてきたものだ。

 個人的に印象的だったのは、紅の高周波ブレードを装備したボス、サムエル。雷電と同様にハイスピードなアクションを繰り出してくるサムエルにはシノギ重視の戦い方が求められ、最初はその動きに翻弄されて手も足も出なかった。だが、見切るタイミングさえ覚えれば、面白いように凌げるようになっていく。そんな自分に「上達した……」という充足感を得られやすいボスだったこともあるが、サムエル戦の戦場だった夕焼けのフィールドもとても印象に残っている。

 沈む寸前の夕陽、霞む視界の中での死闘。そこに流れる「The Only Thing I Know For Real」がバトルを一層盛り上げてくれた。正直に言うと、未だにサムエルがラスボスでも良かったのではないかと感じているほど、サムエルとの戦いは燃えた。ただサムエルは本当に自身の上達度次第で難易度が露骨に変わってしまうボスで、うまく見切れるようになってくるとせっかくのボーカル曲が割と一瞬で終わってしまうのは少々残念であった。

サムエル・ホドリゲス。後にサムエルをプレイできるDLCも配信された

 サムエル戦に限らず、本作のBGMはバトルの遷移で曲が移り変わる。バトル冒頭はボーカルが入っていないのだが、雷電が優位になっていくとボーカルが入ってくるという、面白い作りになっていた。このバトル曲がいずれも熱く、スタイリッシュさをより強く演出するのにひと役もふた役も買ってくれていたように感じる。サウンドトラックだけ聞いても非常にカッコいいので、ぜひ1枚のオリジナルアルバムとして聞いてみてほしい。

ステルス要素や無線ネタなど、「メタルギア」らしいところも

 敵に気づかれないように頭上や背後から忍び寄っての“ニンジャキル”もあり、成功すると一撃で敵を倒せてしまうような要素や、ダンボールを被ってのステルス移動、そして「メタルギア」らしい無線ネタも満載。

シリーズお馴染みのダンボール
背後や頭上から気づかれないように忍び寄り、敵を倒すニンジャキル(画像は公式のプレイムービーより)

 無線の大半は物語を補足するものが多いのだが、特に印象的なのは雷電が「子供はいいぞ、ケヴィン……」と我が子可愛さっぷりを発揮するところや、スネークについて語りつつ「(スネークに会えている自分を)羨ましいか?(フッ)」と迫ったりするところで、雷電の声音も茶目っ気たっぷり。サイボーグ化したことから受ける近寄りがたさは見た目やバトル時だけで、メインストーリー上でも「フフッ」と思わず笑ってしまうようなシーンが色々あるところも「MGR」の魅力のひとつだろう。だが、印象的な無線セリフはもうひとつだけ紹介しておきたい。

 個人的に記憶に残っているのは、ドクトルことヴィルヘルムが「人間は恐怖を飼い慣らしたいという願望があるのだろう」というセリフを口にするところだ。恐怖を克服するのではなく、安全な場所から恐怖や死を疑似体験したいという欲求だとドクトルは語る。この話は結局雷電に「心理学の講義ならまたにしてくれ」と言われて割と早々に打ち切られてしまうのだが、非常に深い話で「なるほどな」と自然と頷かされてしまう。それもあってか、今でも強く心の底に刻まれている無線会話のひとつである。

これまたシリーズお馴染みの無線。本作でも搭載されている

 10年経った今、現行機では遊べない「MGR」。そろそろリマスターの話なども出てほしいところだ。個人的には今でも大好きなゲームの1本で、雷電の可動フィギュアまで買ってしまったほどである。

 ストーリーやサブ要素も奥が深く、難易度こそ決して低いとは言えないものの奥深いバトル、物語を盛り上げるBGM、そして繰り返すがとにかく雷電のカッコよさが際立つ。海外だけでなく、日本でもまだまだ盛り上がってほしい作品である。

 10年という節目にぜひ新しい報せが出てくれれば嬉しいものだ。