【特別企画】

「LoL」部門の優勝はN高! ハイライトシーンで振り返る第5回目全国高校eスポーツ選手権「LoL」部門

【第5回全国高校eスポーツ選手権:LoL部門決勝大会】

2月11日 開催

 全国高校eスポーツ選手権も今回で第5回目を迎えた。日本国内に在住する高校生かつ、選手全員が“同じ高校”から参加しなくてはならない本大会は、いわばeスポーツ界の甲子園だ。

 本日2月11日には、PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」部門の決勝大会が開催。エントリー数103校157チームから、ルネサンス高等学校 新宿代々木キャンパス(東京)のチーム「強化5Q」、N高等学校(沖縄)のチーム「N1」、クラーク記念国際高等学校 CLARK NEXT Akihabara(東京)のチーム「Yuki飯食べ隊」、専門学校アートカレッジ神戸高等課程(兵庫)のチーム「ACK-A」が決勝大会へ進出し、優勝へ向けて戦った。

 甲子園といえば、強豪校の存在も観戦を面白くさせる要素のひとつだ。実はeスポーツの世界とあれど、強豪校は存在する。こと「LoL」部門でいえば、N高(沖縄)とクラーク記念国際 秋葉原(東京)、ルネサンス大阪(大阪)、岡山共生(岡山)、アートカレッジ神戸(兵庫)辺りは名が挙がる。

 特にN高とクラーク記念国際はバチバチのライバル関係で、もうひとつの高校生eスポーツ大会「STAGE:0」も含め、幾度となく決勝大会、決勝戦でぶつかっている。今大会でも両校ともに決勝大会へ進出しており、ここの戦いがどうなるかも注目だ。

 本稿では、そんな今大会をハイライトシーンとともに振り返っていく。

 なお、埋め込み動画が環境によりうまく再生できない場合がある。その場合は見たい動画からYouTubeへ移動して視聴してほしい。

【出演者】
MC:OooDaさん
実況:eyesさん
解説:Revolさん
アナリスト:しゃるるさん

すでにプロレベル? スーパープレイも飛び出したハイライトシーン集!

準決勝第1試合:ルネサンス高校 新宿代々木「強化5Q」×クラーク記念国際 秋葉原「Yuki飯食べ隊」

【ルネサンス高校 新宿代々木】
「強化5Q」左から、山田HAPPY選手、kudsburo35選手、Akshan master選手、へぼくん選手、sirayukirinngo選手、kurann選手
【クラーク記念国際 秋葉原】
「Yuki飯食べ隊」左から、kok309選手、Rei77選手、ibukinex選手、toriyaki選手、Galaxy1619選手

 準決勝第1試合となるのは、ルネサンス高校 vs クラーク記念国際。お互いに全メンバーが3年生で、これが最後の大会となるが、どちらかのチームがここで敗北となる。見ている側も苦しい試合だ。

 また、クラーク記念国際は前大会の優勝校ということもあり、クラークが2連覇へ向け決勝へ進むか、それともルネサンスが打ち崩すかにも注目が集まる。

 それでは、ハイライトシーンを見ていこう。

【BAN&PICK】
【ルネサンス高校のきれいなカウンターガンク】
クラーク記念国際のガンク(強襲)に対し、マオカイのウルトでカウンター。見事2キルを奪った
【取り返すクラーク! ミッドガンクから2キル獲得】
ミッドレーンでのガンクでキルを取るクラーク記念国際。その後、ルネサンス高校のカウンターガンクもいなし、計2キルを獲得した
【冷静な判断が光るクラーク記念国際】
トップレーンにプレッシャーをかけるクラーク記念国際。ルネサンス高校側も応戦するが、クラークは冷静に1度引く判断。エイトロックスのウルトの効果が切れたところで再度仕掛け、1キルをもぎとった
【譲れないドラゴンをかけた長い集団戦】
4ドラゴンへのリーチをかけたいルネサンス高校と、絶対にドラゴンを取らせたくないクラーク記念国際。先にドラゴンに手を出したクラーク記念国際だが、ルネサンス高校はジェイスとアフェリオスによるポークダメージでじわじわと追い込んでいった
【痛すぎる! アフェリオスのウルトで一気に攻勢に】
仕掛けたのはクラーク記念国際。しかし、それを押し返すように放ったkurann選手によるアフェリオスのウルトがジンとハイマーに突き刺さる。この集団戦がバロンに繋がった
【苦しいクラーク記念国際。ポークダメージで行くに行けない】
クラーク記念国際はインヒビターを守るため、戦いを仕掛ける。だが、またもやアフェリオスとジェイスのポークダメージで押し返される。クラーク記念国際も1キルを奪うも、2つのインヒビターを壊されてしまう
【ジェイスのポークが刺さる】
タワーを守ろうと試みるクラーク記念国際だが、ジェイスのE+Qによるポークダメージでゴリゴリと体力を削られていく。ルネサンス高校はこの有利を生かし、ゲームを終わらせる判断。そのままネクサスを破壊した

 試合は、ルネサンス高校 新宿代々木「強化5Q」の勝利となった。前大会優勝校、いわばディフェンディングチャンピオンであるクラーク記念国際を下した形となる。

 クラーク記念国際は試合を通して、Akshan master選手のジェイスによる遠距離攻撃に苦しめられた印象だ。クラーク記念国際はジェイスを倒すために戦いを仕掛けるが、ルネサンス高校側はマオカイやブラウムで守る動きを徹底していたことがひとつの勝因だろう。

 N高のライバルであるクラーク記念国際がここで敗退。今回はクラーク vs N高の直接対決とはならなかった。

試合後はクラーク記念国際toriyaki選手が涙するシーンも

準決勝第2試合:N高校「N1」×専門学校アートカレッジ神戸高等課程「ACK-A」

【N高】
「N1」左から、kentakki3選手、はくえん選手、穴金skywalker選手、rre選手、ショパン選手、Ham05選手
【アートカレッジ神戸】
「ACK-A」左から、5031選手、メーくん選手、Shoryu選手、zamurin選手、Tatsu選手、ぽむ猫選手

 準決勝第2試合は、優勝候補 N高 vs アートカレッジ神戸。N高はrre選手、はくえん 選手、kentakki3選手が3年生、アートカレッジ神戸はShoryu選手以外の選手が3年生となる。

 本試合は、アナリストとして参加したしゃるるさんに「過去大会も含め最強候補」と言わせたN高のミッドレーナーrre選手に注目が集まる。rre選手は「LoL」日本サーバーでチャレンジャー(最高ランク)の実力を持つ選手。高校生でというより、日本で最強クラスの実力を持った選手だ。

 とはいえ、「LoL」はチームゲーム。最高ランクの選手がいれば100%勝てるわけではない。アートカレッジ神戸のチーム力で、rre選手にどう対応していくのかが見どころだ。

 それではハイライトシーンを見ていこう。

【BAN&PICK】
【意表をついたアートカレッジ神戸】
ブッシュ(草むら)から意表をつき、メーくん選手のノーチラスがkentakki3選手のナミをキャッチ。N高相手に2キルを獲得した
【メーくん選手のフラッシュ読みフックが炸裂】
ヘラルドをめぐって始まった集団戦。rre選手のジェイスをメーくん選手が捕まえ、そのまま集団戦に勝利した。さらに、集団戦の最後にはフラッシュ読みフックで穴金skywalker選手のルシアンをキャッチするスーパープレイも
【またしてもメーくん選手が活躍】
N高 Ham05選手が見事なガンク決めるが、メーくん選手が味方のzamurin選手を守り抜く。その後カウンターガンクで2キル同士の交換となった
【一瞬のスキを突き、真っ先にキャリーを狙うrre選手】
ドラゴン前での集団戦。圧倒的に優勢のアートカレッジ神戸に対して勝機がないかと思えたが、キャリー(ダメージを出す役)であるzamurin選手が孤立した瞬間にrre選手が襲いかかる
【罠を張るN高】
孤立している穴金skywalker選手を狙うアートカレッジ神戸。しかしそこにはHam05選手とkentakki3選手が潜んでいた。そこにrre選手もすぐさまテレポートで応戦して集団戦に勝利。負けていたN高だがゴールド差が逆転した
【突如始まる集団戦】
視界外から突然現れたN高。そのまま集団戦の火蓋が切られるが、rre選手をフォーカスする判断をしたアートカレッジ神戸が優勢に。N高もzamurin選手を落とすことに成功するが時すでに遅し。3対1交換でアートカレッジ神戸が集団戦に勝利した
【メーくん選手がまた救う】
アートカレッジ神戸 Shoryu選手が落とされ絶体絶命のピンチ。インヒビターは守りきれないかと思われたが、Tatsu選手とぽむ猫選手の仕掛け、メーくん選手が穴金skywalker選手をキャッチ。人数不利の状態から押し返すことに成功した
【rre選手を狙うも倒されるzamurin選手】
前に出すぎたrre選手を狙って集団戦を開始。rre選手を倒そうと攻撃するが、道連れと言わんばかりにzamurin選手をキル。キャリーを失ったアートカレッジ神戸は集団戦に負け、N高はドラゴンソウルとミッドのインヒビターを獲得した
【一撃で5割! ジェイスのポークが痛い】
rre選手のジェイスによるE+Qで大ダメージを受けるzamurin選手。そのzamurin選手にHam05選手が無理やり突っ込みキルを獲得。またしてもキャリーを失ったアートカレッジ神戸は集団戦に負け、そのままネクサスを壊されてしまった

 結果は、N高「N1」の勝利。序盤に優勢を築いたアートカレッジ神戸がそのまま勝利するかと思われたが、集団戦がはじまると、N高の立ち回りの上手さがアートカレッジ神戸を上回った形だ。第1試合と同様に、終盤はジェイスのポークダメージも目立った。ポークダメージでキャリー枠であるzamurin選手の動きを抑制できたことが、N高の勝ちにつながった。

決勝戦:ルネサンス高校 新宿代々木「強化5Q」×N高校「N1」

 決勝戦はルネサンス高校 vs N高。ここからはBO3、つまり2本先取の戦いになる。当たり前ではあるが、2本先取ルールでは、1試合目で負けた場合でも、その反省を生かして2試合目へと挑むことができる。また2試合目以降は、1試合目で見た相手チームの戦略やクセを対策して戦うことも重要になる。ただただ2本先取になるだけではなく、そういった戦略を組み立てる能力も必要になってくるのだ。

【BAN&PICK】
【rre選手対策の1キル】
rre選手のクセを研究していたのか、rre選手がワードを置くタイミングでルネサンス高校が襲いかかる。そのまま最序盤で1キルを奪った
【やり返すrre選手。ソロキルを獲得】
さすがはチャレンジャーといったところか。最序盤で1キル取られたものの、Akshan master選手をソロキルを獲得
【ボットレーンでの2vs2】
kurann選手によるゼリのウルトから開戦されたボットレーンでの2vs2。Ham05選手のウーコンが助けによるも、ゼリの勢い止まらず穴金skywalker選手が倒される。そのままダブルキルかと思われたが、kentakki3選手のナイスセーブでそれは阻止する
【トップレーンでの3人ガンク】
N高側がトップレーンでのヘラルド召喚を狙ってプレッシャーをかける。トップレーナーsirayukirinngo選手のキルには成功するものの、ヘラルドを持っていたHam05選手が倒され召喚できなくなってしまった
【絶対に負けられないドラゴン戦】
ドラゴンソウルの獲得を防ぐために仕掛けるしかないルネサンス高校。装備はN高が有利で勝ち目の薄い集団戦だが、kurann選手のゼリがダメージを出し切り見事勝利。逆転も見える4キルを獲得した
【rre選手の大胆なベイト】
N高はオブジェクトをコツコツと獲得。捕まらないように立ち回っていたルネサンス高校だが、rre選手の大胆すぎるベイトにつられて1キル倒されたことをキッカケに一気に崩されてしまう。そのままゲームエンドとなった

 1試合目はN高がジワジワと追い詰めて勝利した。アートカレッジ神戸でもみせた、試合中盤の立ち回りの上手さが目立った。ルネサンス高校は耐えに耐えていたが、アクションを起こすスキがN高に見つからず、そのまま負けてしまった。

 続く第2試合。N高側はヴァルス・アッシュのボットレーン。ルネサンス高校はボットレーンでは勝てないとタム・ケンチをサポートにピックした。

 2試合目では、1試合目でやや消極的になってしまっていたルネサンス高校が強気に出る場面も多かった。試合後のインタビューでへぼくん選手は、負けてしまうと終わってしまうので、強気に行こうという話し合いをしていたことを語った。何もせぬまま負けてしまうのではなく、チームの、そして自らの力を信じてチャレンジしてみようということだろう。

【BAN&PICK】
【ヴァルス・アッシュをダブルキル!】
ヴァルス・アッシュのボットレーンに対してダブルキルを獲得。kurann選手を倒すために前へ出たkentakki3選手と穴金skywalker選手をkudsburo35選手が叩く
【絶体絶命から1キル獲得】
N高のボットガンクに対して、kudsburo35選手がkurann選手を守る。kurann選手は体力ギリギリで逃げ切り、逆にkudsburo35選手が1キル獲得する形に
【キレイに凌ぐも……】
ヴァルス、アッシュのウルトを上手く凌いだルネサンス高校ボットレーン。だがrre選手シンドラが2人同時にスタンを決め、Ham05選手ウーコンのウルトを使われては、さすがに逃げ切れなかった
【rre選手のスーパープレイ! Q+Eで3人同時にスタン】
タワー近くのにらみ合いrre選手によるスーパープレイが炸裂。シンドラのQ+W+Eのコンボで射程ギリギリの3人を同時にスタン! このままゲームエンドかとも思えたが、インヒビターの獲得で終わった
【最後の集団戦】
トップレーンではrre選手とAkshan master選手の1vs1、ミッドレーンでは集団戦が開戦。kentakki3選手の援護もありつつ、rre選手はAkshan master選手をキル。ミッドでの集団戦もN高が勝利した

 集団戦に勝利したN高は、そのままネクサスを破壊。これが今試合、今大会「LoL」部門の最後の集団戦となった。

優勝はN高「N1」チーム!! 昨年の雪辱を果たし3度目の優勝に

 優勝したN高は、これで王座奪還。1年生のときから本大会に参加しているrre選手は壇上で、前大会で優勝を逃したこと思い出しながら「先輩たちにも経験させてあげたかった、申し訳ない気持ちで一杯です」と語った。

涙ながらに語るrre選手

 また、rre選手。大会後のインタビューで、これまで先輩から「がんばって」と声をかけられていたのが嬉しくもあったがプレッシャーにもなっていた。後輩には、自分たちが楽しめるように、勝ちに意識しすぎず、自分たちのしたいことをやってほしいと、2年生の穴金skywalker選手、Ham05選手、ショパン選手に語ってくれた。

 第5回全国高校eスポーツ選手権「LoL」部門はこれで終わりとなるが、明日2月12日12時30分からは「ロケットリーグ」部門の決勝大会が開催される。

 「ロケットリーグ」部門には、84校113チームが参加。「LoL」部門と同じく勝ち上がった4チームによる準決勝・決勝戦が行なわれる。こちらの大会も盛り上がること間違いなし。どういう戦いが見られるか、今から楽しみだ。

チーム「N1」! 優勝おめでとうございます