【特別企画】

背面ボタンだけじゃない! ソフト・ハードの両方から多彩なカスタマイズを可能にした「DualSense Edge」先行体験レポート

【DualSense Edge ワイヤレスコントローラー】

1月26日 発売予定

価格:29,980円

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、プレイステーション 5用コントローラー「DualSense Edge ワイヤレスコントローラー」を1月26日に発売する。価格は29,980円。

【DualSense Edge ワイヤレスコントローラー 機能紹介映像 | PS5】

 本製品はプレイステーション 5向けに発売される最新型のコントローラーだ。PS5には本体とセットでDualSense ワイヤレスコントローラーと呼ばれるスタイリッシュなコントローラーが同梱されているが、DualSense Edgeはそちらをベースにスティックの交換や背面ボタンの追加など、ユーザーにとって「あったら便利だろうな」と思う機能を搭載した製品になっている。物理的なボタンの追加だけでなく、本製品オリジナルのプロファイル機能など、ソフトウェアと組み合わせた便利さも兼ね備えており、1度は手にとってほしいコントローラーになっている。

 今回はそんなDualSense Edgeを発売前に体験することができたので本製品のポイントを紹介していく。正直、筆者は本製品についてあまり注目していなかったが、実際に手にとって初めて知ったこと・気づいたことが多数あり、それらについても言及していく。

背面ボタンなどこだわりを感じる外観をチェック

 最初に本製品の概要を改めて紹介していく。DualSense Edgeは、従来のDualSenseとほぼ同じサイズながら、取り外し可能な背面ボタン、高さの異なるスティックキャップ、専用のケースなどがセットになった製品である。

 まずは本体から見ていこう。基本的な形状はPS5本体に同梱されたDualSenseと同じで、正面から見るとタッチパッドと左右のボタンの色が黒になっている。また、中央に位置するPSボタン周りのフロントカバーは光沢感のあるデザインに変更されている。違いとしてはスティックの手前側にファンクションボタンというDualSense Edge専用のボタンが備え付けられている。

 お次は背面。背面も白をベースにしつつ、DualSenseと比較すると黒多めのカラーリングになっているが、注目したいのはやはり背面ボタンを取り付けるための左右の穴とトリガーを押し込める深さ調節用のつまみだ。こちらの穴にはコントローラー本体とセットになっている背面ボタンを取り付ける事ができ、○ボタンや×ボタン、方向キーなど各種ボタンを割り振ることが可能になる。つまみは3段階の調整ができ、一番上ではトリガーを完全に引ききることができるが、つまみを下げることでトリガーを深さが浅くなるといった感じで、一番下の段階までつまみを下げるとトリガーがかなり浅くなる。

 また、DualSense最大の特徴でもあるハプティックフィードバックとアダプティブトリガーに関しては基本的には同じであるようだ。

なお、ここのつまみが一番上の時以外はアダプティブトリガーが無効になるとのこと。FPSなど精密かつ素早い入力が必要な際にはこのつまみを下げてみるのもいいだろう
また、背面の中央下には正面のフロントカバーを開けるためのつまみが存在する。ここもゲームプレイ中に誤って開いてしまうことがないよう設計しているという。こちらのつまみは小さいため爪楊枝などでスライドさせるのが良いと感じた
グリップ部分だけでなくタッチパッドにもプレイステーションのシェイプスロゴ(○×△□)がデザインされている。光の当たり方によって見える感じがオシャレ!

 本体以外には高さが異なるスティックキャップ各2種(ハイドームとロードドーム)と、背面ボタン各2種(ハーフドームとレバー)、加えてUSBケーブルとセットで使うコネクターカバー。これら全てを収納できる携帯用ケースがセットになっている。

なお、DualSenseと同様にDualSense EdgeもPCに対応する
【DualSense EdgeとDualSenseの比較】

DualSense Edgeオリジナルの各種機能やパーツを紹介

 まず、本製品の目玉である背面ボタンについて紹介していく。背面ボタンは形状の異なる2種類が用意されており、半円型ものとレバー型の形状が同梱されている。好きなものを選んでつけることができるほか、右または左だけなど片方のみを使用することもできたり、左右で異なる形状のボタンを取り付けることも可能。自分にあったカスタマイズができる。

 個人的なオススメはレバー型の背面ボタンだ。特にこちらのボタンが押しやすく筆者に合っていると感じた。アクションゲームなどでは移動とカメラを操作する際に、左右の親指でスティックを操作する必要がある。そのため、ジャンプやしゃがみなどをするための○ボタンや×ボタンなどから指を離す必要があった。そんなときに対応するボタンを背面ボタンへと割り振っておくことで、親指でスティックを動かしつつ、ジャンプやしゃがみを無理なく入力できるというのが最大の強みだ。

半円型(ハーフドーム背面ボタン)
レバー型(レバー背面ボタン)
レバー背面ボタンは正規の装着法ではないがこのように付けることも可能
左右それぞれで異なる背面ボタンをつけることもできる

 実際にボタンを付けて使ってみると、主に中指または薬指で操作することを考え作られた形状であると感じた。そのため、下方向(握り込む感じ)の入力となり、スティックや正面側のボタンを操作する親指の動きを妨げることなく入力が可能となる。筆者は本製品に触るまでてっきり左右それぞれで上と下に入力ができ、そのため4ボタンを背面ボタンに振り分けることができるのかと思っていた。仮に、もし背面ボタンに上方向の入力があったとしても、やや押しにくかったのではないかと思われる。

 カスタマイズ可能なパーツとしてはスティックも用意されている。スティックは標準サイズに対し、高さが高いハイドームスティックと低めのロードドームスティックの計3種から好きなものを選んで使用できる。このあたりは遊ぶゲームによって好みが分かれるかなといった印象で、FPSであれば細かなエイムが要求されるため右スティックだけをハイドームスティックに変更するなど、背面ボタンと同様に多彩なチョイスができる。標準スティックは中央部分がくぼんでいるが、ハイドーム・ロードドームスティックに関してはくぼんでおらず、キノコのような形状となっている。

 使い慣れているという点もあってか個人的にはオーソドックスな標準スティックがベストだった。筆者は学生時代に「レインボーシックス シージ」にのめり込んでいた時期があり、その際にはDUALSHOCK 4をずっと使っていた。PS4のDUALSHOCK 4がPS5のDualSenseになってもスティックは似た形状になっており、くぼんだスティックが使いやすいと感じた。

スティックは3種類

 お次は左右のスティックの手前側にあるファンクションボタンについて紹介する。DualSenseと比較した際にぱっと見で1番の違いとも言えるのがこちらのボタン。何をするボタンなのかというと長押しでプロファイル(キーバインド)を変更するためのボタンとなっている。ファンクションボタンを長押しすると画面の下にUIが表示される。ここで自身が登録した各種プロファイルに変更できる。

ファンクションボタンは左右のスティックの下に備え付けられている

 背面ボタンには前述したように左右で1つずつの計2ボタンを割り振る事ができる。プレイするゲームによっては他のボタンを背面ボタンに割り振っておきたいということもあるだろう。そんなときに活躍するのがファンクションボタンで、長押ししてプロファイルを即座に切り替え、異なるボタンを背面ボタンに割り振る事ができる。

 背面ボタンを持つDualSense Edgeだからこそあると便利なボタンで、スティックの下に配置されたボタンであるため、通常ゲームを遊んでいる際にはじゃまにならず、意識したときだけ押せるようになっている。加えて、ヘッドフォンの音量調節や、ボイスチャット利用している際にゲーム音およびチャット音声のボリュームを即座に変更することも可能になっている。

 プロファイルもかなりの数を登録しておくことが可能で、ファンクションボタン長押しによる切り替えは既定のプロファイルを含む4パターンへと即座に切り替えができる。

最初はデザイン性を考慮して片方ではなく2つ付けているのかなと思っていた。しかし、ファンクションボタン長押しによる切り替えはプロファイルの変更が○ボタンや×ボタンなどの右手側、音量調節が左手側の方向キーで、ファンクションボタンも基本的には親指で押すことになるため、非常に合理的な設計になっていた
プロファイルはFPSやレースなどジャンルごとに名前をつけて設定しておくことも

 DualSense Edgeの個人的な推しポイントでもあるスティックモジュールの交換についても言及する。本製品の発売に合わせて、交換用のスティックモジュールの単品も販売される。価格は2,680円。こちらはDualSense Edge専用のパーツで、左右のスティックをまるごと交換できる仕組みだ。

 スティックを傾けていないにも関わらず、入力が勝手に有効になりカーソルなどが動いてしまう現象をドリフト現象と呼ぶ。そんな現象が発生したときに本製品はスティックだけを交換できる仕組みになっている。大切にコントローラーを使っていてもスティックのドリフトが発生してしまうことがあるほか、長年使っていて片方のスティックだけが故障した際にも単品の交換用モジュールを購入し、自宅ですぐに交換できるなどエコなアイテムにもなっている。

本体から取り外したスティックモジュール。故障した時などのために単品販売も行なわれる

 本体中央のフロントカバーを開けることができるのだが、ここがめちゃくちゃかっこいい。左右に備え付けられたレバーを引き上げるとロックが解除。スティックモジュールを取り外して新たなスティックへと交換できる。ここが基板むき出しのでざいんであってもそれはそれでカッコいいが、そうではなく内部に至るまでしっかりと作り込まれており、左右のレバーはマットな質感の金属製など筆者の厨二心をくすぐる設計になっていた。さながら、車のボンネットを開けてメンテナンスしているかのような雰囲気を感じられるぞ!

フロントカバーを取り外し、外したい側のレバーを上げるとすぐに外せる。ドライバーなどの必要はない。本体ごと修理したり交換するのではなく、スティックだけ取り替え可能な設計だ
本体ケースの中央にはロゴが書かれた穴が空いているが、ここにはスティックモジュールがピッタリとフィットする設計になっていることをスタッフの方に教えてもらった。イカす!
専用のコネクターカバーは付属のUSBケーブルとセットで使えるアイテム。コントローラーに差し込んだ後ロックできる。コントローラーを充電しながらプレイしている際に勢い余って引っ張りケーブルが抜けてしまうのを防いでくれる
こちらは本体ケース。白をベースに中央にプレイステーションのロゴ入り
背面は上部がややくぼんでいるが、持ち運ぶ際に掴みやすい設計になっているとのこと
また、ケースの側面にはマジックテープでくっつけられた蓋もある。ここはUSBケーブルを通す穴になっており、ケースに入れたまま本体の充電が可能だ。もちろん、コネクターカバーを使った充電もできるほか、本体が穴から飛び出してしまう心配はない
ちなみに、DualSenseもほぼ同じサイズであるため、ケースに収納可能

 最後に紹介したいのはPS5本体で設定できる項目について。DualSense EdgeはPS5本体に接続するとPS5における設定の周辺機器内に本製品専用の設定画面が現われる。ここでは前述したファンクションボタンを使ったプロファイルの設定をはじめ様々な項目の調整ができる。

 中でも注目なのがスティック感度とデッドゾーンをPS5本体の設定画面から調節できる点だ。スティックの感度はなだらかに反応強度が変化する「標準」や、少し傾けただけで反応する「クイック」など6パターンが最初から用意されているほか、より自分にあった設定を使いたいという場合にはより細かく設定を作ることも可能だ。また、左右のトリガーのデットゾーンも調整が可能。こちらも左右それぞれで異なる設定ができる。

 サードパーティ製のコントローラーはPCにて設定を済ました上で、各ゲーム機本体に接続し使うなど、少しの手間がかかることが多い。対して本製品はSIEが手掛ける純正品であるという大きな強みを活かし、PS5本体の設定から細かな調整ができる。お気に入りのタイトルがある際には、ゲーム画面と設定画面を行き来し、ベストなカスタマイズが設定できるというのも本製品の魅力となっている。

 なお、これらの設定もプロファイルごとに登録が可能。FPS用のプロファイルではデットゾーンを細かく設定するといったように、より細かな調整ができる。

ファンクションボタンを使った即座の切り替えは全部で4つとなるが、そのほかのプロファイルも設定しておけばこちらの画面から切り替えることが可能
デットゾーンとはボタンを押しても反応しない範囲のこと
最初から6パターンが用意されている

ガチゲーマーだけでなくPS5ユーザーには1度体験してほしいコントローラー

 DualSense Edgeは背面ボタンの取り付けやスティックの変更など、物理的にカスタマイズできる本製品だが、PS5本体でプロファイルの変更やデッドゾーンの調整がすぐにできるなど、ソフトウェアの面でもカスタマイズ性が高いと断言できる。

 DualSenseと比較してサイズをほぼ変えずに様々な機能を搭載するというのは凄いことで、本製品を手掛けた製作者の方々の並々ならぬ努力が感じられる。プレイステーションというブランドのオシャレさを大切にしつつ、かゆいところに手が届く機能を多数搭載するなど、ゲームをプレイするユーザーの目線に立って考えられた製品であると実感できた。

 ゲームのタイトルによっては背面ボタンを使うことに慣れてしまうと背面ボタンなしではプレイできない体になってしまうかもしれない。やや、値が張る製品とはなっているものの、1度は実際に触って使い心地を試してみてほしい製品となっている。

トリガーにもシェイプスロゴが!こだわりを感じるデザインだ