【特別企画】
「真・女神転生V」先行プレイレポート! シリーズお馴染み「プレスターンバトル」に新要素が追加
2021年9月30日 10:00
- 【真・女神転生V】
- 11月11日 発売予定
- 価格:
- 通常版 9,878円(税込)
- 初回限定版 16,280円(税込)
- DL版 9,878円(税込)
アトラスは、「真・女神転生」シリーズ最新作となる「真・女神転生V」を11月11日に発売する。
「真・女神転生V」は、「真・女神転生」シリーズの「真・女神転生IV FINAL」よりおよそ5年ぶりの新作となる。対応機種もニンテンドー3DSからNintendo Switchへと変化し、新たな装いでの出発と言えるだろう。今作でもシリーズが持つダークな世界観とアナーキーなシナリオ、独特なバトルシステムは健在で、加えてハイクオリティの映像演出やより機能的かつスタイリッシュになったUIなど、プレーヤーとして嬉しい進化も果たしている。
今回はそんな「真・女神転生V」のゲーム序盤を先行プレイできたので、1人の「メガテン」ファンとしてプレイレビューをしていきたいと思う。
神々と悪魔・そして人間の善悪が入り乱れる終末的なダークRPG……それが「真・女神転生」!
まず本作のシリーズタイトルである「真・女神転生」シリーズについて軽く紹介しよう。「真・女神転生」シリーズはその特徴として、神々や悪魔が跋扈する世界で人間の善性や悪性を問われるような、ダークでシリアスかつ他作品にはない独特の恐ろしさが味わえるストーリーが魅力的なRPG作品だ。ナンバリングごとに設定の違いはあれど、主人公は時に悪魔や神々と対立しながら、自身に協力してくれる「仲魔」を駆使して荒廃した世界を歩み、プレーヤーが世界を揺るがす様々な決断をしていくというのが大きな共通点となっている。
本作では、突如異世界「ダアト」に迷い込んでしまった主人公が、一面砂漠の荒廃した世界で様々な悪魔や神々と相対していくことになるのだが、この荒廃した世界の謎や、主人公が「アオガミ」と合一した姿である「ナホビノ」の謎など、シリーズ“らしい”キナ臭さを序盤段階からでも感じ取れる。果たしてどのように過酷な道を歩むことになるのか非常に楽しみだ。
バトルシステムは、「真・女神転生III」より採用されているコマンド制の「プレスターンバトル」となっている。「プレスターンバトル」では、敵味方共通して「プレスターンアイコン」と呼ばれるアイコンの数だけ行動でき、敵の弱点を突いたり、攻撃をクリティカルヒットさせると行動回数を増やすことができる。ま た、行動の手番を次の味方に回して行動権の消費を抑えることもできるなど、非常に拡張性の高いシステムとなっている。このシステムを上手く活用すれば一方的に敵を攻撃して倒すことも可能なのだが、逆に敵に弱点を突かれると一瞬でパーティーが壊滅するなんてこともある。今作でもそんな戦略性の高さと緊張感に溢れたバトルを楽しめる。
そして本シリーズを最も象徴するのが、敵、すなわち悪魔とバトル中に対話する「悪魔会話」である。一癖も二癖もある性格をした数々の悪魔と交渉してアイテムを獲得したり、上手く会話を進められれば共に戦う「仲魔」になってくれたりなど様々な恩恵がある一方で、時には機嫌を損なわせて手痛い仕打ちを食らったり、ご機嫌を取り続けていると過大な代償を要求をされてしまうなど一筋縄では行かない仕様となっている。それぞれキャラクター毎に当然性格や考え方も違うので、ただイエスマンになればいいという訳ではなく、時に強気に、時に下手にと工夫を凝らして交渉を楽しめるというのが本シリーズの魅力の1つだ。
「仲魔」を入手したら忘れてはいけないのがシリーズ恒例の「悪魔合体」。「仲魔」同士を合体させて、より強大な「仲魔」を生み出すことで、パーティーを強化していくのが「真・女神転生」シリーズのキモだ。2体の悪魔を合体させる2身合体や、2から4体の悪魔を合体させて強力な悪魔を作り出す特殊合体など、合体方法も既存シリーズ同様豊富に用意されている。また、合体時にはスキルを継承させて自由にカスタマイズすることができ、悪魔を強化することでより強力な悪魔を生み出すことができたりと非常に自由度の高いパーティーを作ることが可能となっている。
世界観やシステムはそのままに、時代に合わせた本作ならではの進化が随所に垣間見える!
しっかりとシリーズらしさを残しつつも、各所のクオリティを上昇させているのが本作「真・女神転生V」の凄い所だ。まず何と言ってもハイクオリティのグラフィックスで描かれる世界観やムービーの数々だ。対応機種がNintendo Switchへと変化し、既存シリーズ作品とは一線を画する映像美となっており、本シリーズ作品ではその変化を特に強く感じられる。というのも、これは筆者の主観だが、本シリーズに登場する悪魔や神々の特徴としてその姿が「恐ろしくも美しい」や「醜くもカッコいい」といったカッコよさや美しさのベクトルが少しダークな方向に向いているキャラクターが多いのだ(もちろん純粋に可愛い・カッコいいみたいなのもいる)。そんなビジュアルのキャラクターたちが進化した映像で登場するので、迫力が段違いなのである。一部キャラクターは近年の同会社の別作品にも登場していたりもするが、この薄暗く殺伐とした世界観で描かれる悪魔や神々の姿は本作でしか味わえない要素と言えるだろう。
各種UIも様々な進化を遂げているが、特に目を惹くのは戦闘時のUIの進化だ。バトル画面の映し方や行動を決めるコマンド、攻撃モーションの描写などがスタイリッシュな進化を遂げている。ナンバリング作品で味方側のキャラクターがバトル中画面に映し出されるのは「真・女神転生III」以来だが、グラフィックスの進化も相まって、攻撃モーションを見ているだけでも十分楽しめるほど見せ方が工夫されている。
「プレスターンバトル」も既存のシステムを踏襲しながら新たな進化を遂げている。数多の新スキルが追加されたのはもちろんながら、そこに加えて本作ならではの特殊スキル「マガツヒスキル」が追加されたことが大きな追加要素だ。
「マガツヒスキル」はバトル中の行動によって溜まる「マガツヒゲージ」がMAXになった際に使用できる特殊なスキルだ。このスキルは主人公も「仲魔」も使用することができる。また「仲魔」は種族ごとに異なるマガツヒスキルを持つ。攻撃のみならず、補助や回復など各種様々な能力を秘めているので、「仲魔」をたくさん集めてより効果的な「マガツヒスキル」を状況に合わせて使用することが戦いのキーとなるだろう。ただ、この「マガツヒ」を利用したシステムは「プレスターンバトル」と同様に敵も活用してくる。敵悪魔もバトル中にこの「マガツヒ」を集めて次ターンに強力な攻撃を仕掛けてくることがあるので注意が必要だ。
キャラクターの育成面でも、既存シリーズにはない本作ならではのシステムが採用されている。主人公はレベルアップ以外の方法として、各悪魔の能力を秘めた「写せ身」と呼ばれるアイテムを合体させることで、その悪魔のスキルを継承したり、防御相性をその悪魔のものに変化させたりすることができる。さらに、この「写せ身」は「仲魔」にも合体させることができるが、その場合はスキルの継承のみ可能だ。
物語の状況に合わせて常に主人公と「仲魔」を最適な状態に変化させることが重要になってくる。
さらに、主人公は通常のスキル等とは異なる「神意(かむい)」を「邪教の世界」で習得することできる。「神意」は悪魔とのバトルが有利になるモノだけではなく、「ダアト」の探索や「悪魔会話」を有利にするモノからスキル適正や成長を補強するモノまで数多く存在。ゲーム全体でみた主人公の強化を行なうことができるのだ。
この「神意」は「ダアト」内で探索などをこなすことで入手できる「御厳(みいつ)」を消費することで習得できる。ゲームの快適度や成長の手助けになる要素を多く担っているので、どの「神意」を習得するかは重要かつ、プレーヤーの性格が出る部分だと言えるだろう。
広大な異世界「ダアト」を駆け巡り、禁忌の存在「ナホビノ」となった主人公は何を目指すのか……!
今回、本当に物語の序盤を少ししかプレイできなかったため、ストーリー的な部分はまだまだ不明瞭だが。しかし、序盤から物語の引きの強さ、様々なシステムの進化、何よりも映像や表現が変わっても失われない「真・女神転生」らしさも強く感じることができた。登場する悪魔も皆いい感じに胡散臭く、油断ならない雰囲気がしっかりと出ていたり、相変わらずボロボロな状態になっている東京だったり、そして人間側もしっかり「悪魔召喚プログラム」を所持していたりなど、もう序盤から取り上げ切れないほどワクワクできるポイントが満載である。
筆者は上記の「アマノザコ」がクエストナビとなった所で時間切れとなってしまった。本当にここからというタイミングで切り上げなければならなかったので非常に惜しい気持ちになったが、続きは発売日までとっておきたいと思う。
今回プレイしてみて感じたのは、既存のファンなら確実に楽しめるのはもちろんながら、全体的なUIや見せ方もスタイリッシュにブラッシュアップされているので、「真・女神転生」シリーズをまだプレイしたことのないプレーヤーも苦手意識なく楽しめる出来になっているということだ。是非この一筋縄では行かないダークな世界を味わってみてほしい。発売まではまだもう少し時期があるが、今から非常に楽しみなタイトルである。
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※画面写真は開発中のものです。