【特別企画】
全然ゆるくない!パワーアップして帰ってきたご当地キャラ限定「ストⅤ」大会レポート
sako選手、板橋ザンギエフ選手とご当地キャラクターのエキシビションマッチも開催
2021年5月18日 11:55
- 5月16日13時~16時 開催
最近、ご当地キャラクターが「ストリートファイターⅤ(以下、ストⅤ)」をプレイする機会が増えている。直近では、先月開催された「CAPCOM Pro Tour(以下、CPT)」に高知県須崎市の公式キャラクター・しんじょう君が参戦し、1回戦でDetonatioN Gaming所属のプロゲーマー・ナウマン選手を相手に善戦したことが話題になった。
しかし、ご当地キャラクター限定の大会はまだまだ珍しい。そんななか、昨年開催された「Intel Presents. SFV LOCAL CHARACTER GP JAPAN 2020」が成功裏に終わり、今年も第2回大会となる「Dynabook Presents. SFV LOCAL CHARACTER GP JAPAN 2021 supported by intel」の開催が決定。5月16日に行なわれた本大会では新規参戦のキャラクターも登場して、昨年とはまた違った盛り上がりを見せた。
前回大会から引き続き出場となったのは一生犬鳴!イヌナキン(大阪府泉佐野市)、こにゅうどうくん(三重県四日市市)、大崎ニセ番太郎(東京都品川区)だ。特に前回準優勝の大崎ニセ番太郎にはナウマン選手がトレーナーとして就任し、優勝候補筆頭となっている。さらに正体のわからなかったミスターXであるが、事前動画の時点できくちくん(熊本県菊池市)であることが判明。あの独特な声と熊本弁、モザイクのかけられた外見の特徴でバレバレなのだ。したがって、この4体が前回大会の経験者ということになる。
そして今大会から出場となったのがおとどちゃん(高知県高知市)、にゃんごすたー(青森県黒石市)、甲賀流忍者!ぽんぽこ(滋賀県甲賀市)、ぱらちゃん(Dynabook・パラオ ロックアイランド)の4体。異色なのは、やはりぱらちゃんだろう。今大会のプレゼンツに名を連ねるDynabookのキャラクターだ。しかも今回、Team AZ Laplace所属のプロゲーマー・キチパ選手がぱらちゃんのトレーナーに就任した。大会前にキチパ選手にインタビューも行なっているので、詳細を知りたい方はぜひ読んでみてほしい。
そして今大会も格闘ゲーム実況の第一人者・アール氏が実況を担当し、大会を大いに盛り上げた。さらにゲストには、第一線で活躍するベテランプロ格闘ゲーマーの代表格ともいえるDetonatioN Gaming所属の板橋ザンギエフ選手と、FAV gaming所属のsako選手が登場。ご当地キャラクターたちのハイレベルな戦いに驚きながらも、プロらしい目線で試合を見守った。
第1試合 おとどちゃん(ポイズン)vs にゃんごすたー(ケン)
おとどちゃんは高知県にある桂浜水族館の公式マスコットキャラクター。独特なツイートが受けて人気を博し、フォロワーは20万人を超える。グラマラスすぎてコントローラーに手が届かないという触れ込みで、本番はどうするのか注目が集まっていた。一方、にゃんごすたーは青森県黒石市の非公認キャラクター。超絶ドラムテクニックで一躍有名になった。事前動画では「神龍拳が出ない」という悩みを吐露していたのが、気になるところである。
ところが突然、運営側によりにゃんごすたーの「不戦勝」が宣言された。おとどちゃんの住む高知県が大雨に見舞われ、回線不良で試合不可能となったのである。この時点ではおとどちゃんと中継すらつながらなかったが、大会最後になんとか話を聞くことに成功。気になる操作方法についてアール氏がたずねると、「おとどちゃんがレバー、マネージャーがボタン」操作で練習したとの返答が。次回、ぜひ披露していただきたいものである。
1回戦勝利の選手にはDynabookの使用感を聞く段取りになっているとのことで、なかば強引ににゃんごすたーのコメントを聞くことに。不戦勝でDynabookに触っていないにゃんごすたーだったが、「PCのたちあがりがはやい!!」とスケッチブックに書き込み、100点満点のコメントで視聴者をほっこりさせた。
第2試合 こにゅうどうくん(さくら)vs 大崎ニセ番太郎(さくら)
続いて登場したこにゅうどうくんは、三重県四日市市の公式キャラクター。「戦慄の復讐小僧」という二つ名のとおり、大崎ニセ番太郎へのリベンジを誓って修業をつんできたという。その大崎ニセ番太郎は本来Vtuberなのだが、今回も東京都品川区にある大崎駅西口商店会マスコットキャラクター・大崎一番太郎に化けた可愛い姿で登場。冒頭で触れたとおり、ナウマン選手がトレーナーについた。
今回大崎ニセ番太郎にギルの使用禁止が命じられ、奇しくもさくらの同キャラ対決となったこの試合。実力者として知られる2体の対決だけあって、序盤から激しい戦いが繰り広げられた。大崎ニセ番太郎も奮闘するが、やり込み度で上回っていると見られるこにゅうどうくんのコンボが炸裂。最後は必殺技「咲桜拳」が決まって2-0でこにゅうどうくんの勝利となった。
こにゅうどうくんは「修業の成果が発揮できた」と満足気な様子。Dynabookの使用感についても「軽くて持ち出しやすい」と、外修行をメインとするこにゅうどうくんらしい回答であった。一方、負けてしまった大崎ニセ番太郎は「こにゅうどうくんを舐めていました、ギルを使わせてもらえていたら……」と思わず本音をポロリ。
第3試合 甲賀流忍者!ぽんぽこ(ブランカ) vs ミスターX(ダン)
第3試合はVtuverの甲賀流忍者!ぽんぽこが登場。YouTubeのショートアニメ「オシャレになりたい!ピーナッツくん」から独立したたぬきのキャラクターだ。対するミスターXこときくちくんは、熊本県菊池市の非公認キャラクター。今回も得意の毒舌が炸裂していたが、その裏に「良い人感」が見え隠れする憎めないやつである。
喋るキャラクター同士ということで、煽りあいながらの試合となった。実況解説陣もきくちくんに対しては「田中」と名前いじりを続けるなか、ぽんぽこには「上側のボタンを連打するといい」などアドバイスをするカオスな展開に。きくちくんも空気を読んで攻撃せず1-1まで許したが、それでも最後はクリティカルアーツ「必勝無頼拳」で勝利をもぎ取った。
勝利したきくちくんはDynabookの使用感について、「動きが良くてスタイリッシュで軽くて最高」と大絶賛!やるときはきっちりやる男なのだ。一方、惜しくも負けてしまったぽんぽこだったが、板橋ザンギエフ選手から「電撃のキレが増してきていた」と褒められて喜んでいた。
第4試合 一生犬鳴!イヌナキン(ベガ) vs ぱらちゃん(ザンギエフ)
続いて、大阪府泉佐野市の公式キャラクター・イヌナキンが登場。前回大会ベスト4の実績を持つ実力者である。今回は「VトリガーⅠをすかされたときの対策として小パン暴れ(発生の速いしゃがみ弱パンチでの迎撃)を意識して修業した」と、準備も万端だ。そして、対戦相手となるのはDynabookのぱらちゃんである。数日前から行方不明で心配されていたが、無事試合に登場。逆に、探しに行ったトレーナーのキチパ選手が行方不明となってしまった。
探すにきまってんだろ!
— AZ Laplace lキチパ kichipa (@kichipa_)May 14, 2021
見つけたらキチパまで#ぱらちゃん発見pic.twitter.com/XnQ682I4Kv
道に迷った、、、pic.twitter.com/7f9lDycdy8
— AZ Laplace lキチパ kichipa (@kichipa_)May 16, 2021
序盤、静かな立ち上がりから徐々に互いに攻撃を重ねていく。イヌナキンの応援にかけつけたよしもとゲーミング所属のプロゲーマー・ジョビン選手も、ピンチのイヌナキンに途中でアドバイスを投げかける。しかしポーカーフェイスのぱらちゃんが、相手のミスも見逃さない落ち着いたプレイでストレート勝ちを決めた。
キチパ選手からの「あまり触らないでどっしり構えてやる」というアドバイスどおりできたことが勝利につながったというぱらちゃん。そしてDynabookの使用感は、「軽くて修業に出かけるときに使いやすい」とのこと。惜しくも敗れてしまったイヌナキンだったが、今回ばかりは相手が悪かった。また次回、頑張ってくれることだろう。
準決勝 第1試合 にゃんごすたー(ケン) vs こにゅうどうくん(さくら)
準決勝、最初の試合はこにゅうどうくん対にゃんごすたーの対戦だ。いきなり「昇龍拳」を出して先手を打つにゃんごすたー。出ないと悩んでいた「神龍拳」も出せるように練習してきた様子だったが、こにゅうどうくんが桁違いの上手さを発揮し、相手の技を上手くガード。実力の差を見せつけるストレート勝ちとなった。
見事勝利したこにゅうどうくんは、「下半身が安定してきた」と修業の成果を実感したようだ。対するにゃんごすたーは「にくきゅうがまだあったまってない」と猫ならではの可愛い反応を見せ、これにはsako選手も板橋ザンギエフ選手もメロメロに。試合には負けてしまったものの、新たなファンを獲得したようだ。
準決勝 第2試合 ミスターX(ダン) vs ぱらちゃん(ザンギエフ)
もうひとつの準決勝は、ミスターXこときくちくん対ぱらちゃんの対決だ。左側からの攻撃が良いと話すきくちくんに、実況解説陣が「ジャンプで逆側に行け」と助言。さらに「晃龍拳を出せ」とアドバイスをもらうも、「晃龍拳」が何だかわからないきくちくん。そうこうしている間に黙々と戦うぱらちゃんの大技が次々とヒットし、気づけばストレートの圧勝で終わった。
試合終了後、「相手が強くて危なかったけど頑張って勝てた」と相手を立てる優しいぱらちゃん。アール氏も「良かったよ」ときくちくんに慰めの言葉をかけたが、「全然良くない、一回ぐらい勝たせてくれよ」と猛反発。最後まで菊池節が止まなかった。
決勝戦 こにゅうどうくん(さくら) vs ぱらちゃん(ザンギエフ)
待望の決勝戦はこにゅうどうくん対ぱらちゃんのマッチアップに決定! 試合形式は、時間の都合で2試合先取に変更された。「とうとうここまで来た」と感慨深い様子のこにゅうどうくんだったが、決勝戦は「自信満々」。対するぱらちゃんは、キチパ選手に拾ってもらってからの期間を振り返った。なお、彼らのストーリーはキチパ選手のTwitterで確認することができる。
さくら対ザンギエフは、板橋ザンギエフ選手によると「互いに地上戦が上手い良いマッチアップ」とのこと。その言葉どおり、非常にレベルの高い接戦となった。最初のセットはぱらちゃんが取ったかと思えば、負けじと次のセットはこにゅうどうくんが取り返す。「倒しきるプランを持っているほうが勝っている」というのがsako選手による評価だ。そして最終的に勝利をもぎ取ったのは、着実に攻撃を重ねたこにゅうどうくんとなった。
見事優勝を果たしたこにゅうどうくん。「前回大会から苦しい修行を重ねて、成果が発揮できて良かった、最高です!」とコメントした。惜しくも負けてしまったぱらちゃんも「師匠には申し訳ないが、相手がめちゃくちゃ強かった」と悔しさをにじませつつ、こにゅうどうくんの実力を称えた。
プロゲーマー vs ご当地キャラクターのスペシャルエキシビションマッチ
ここで、せっかくプロゲーマーのおふたりが来ているということで、ご当地キャラクターとのエキシビションマッチが行なわれた。まずsako選手は、先ほど優勝したこにゅうどうくんを指名。最近練習しているという新キャラのローズで戦うことに。
ローズは対戦したことがないというこにゅうどうくん。1セット目からまるで芸術のようなコンボを決めてsako選手が勝利したが、2セット目は対応に慣れてきたこにゅうどうくんが勝利。フルセットで迎えた最終戦はもはや「CPT」と見まごうレベルの戦いだったが、さすがの勝負強さを見せたsako選手が勝利となった。
sako選手は「全然ゆるくなかった」と思わず苦笑い。しかしローズお披露目には満足している様子であった。対するこにゅうどうくんは、「ゾーンに入っている状態だったが、sako選手が強かった」と話しつつ、「やっぱりストリートファイターは楽しい」とのメッセージをニコニコ顔で伝えた。
続く第2試合は、板橋ザンギエフ選手がぱらちゃんを指名。たびたび「魔王を倒す」と発言してきたぱらちゃんだったが、「魔王=板橋ザンギエフ選手」であることを明言した。そしてお目見えしたのは、アビゲイルの同キャラ対決。奇しくも「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 グランドファイナル」で、師匠のキチパ選手が戦ったときと同じ状況だ。
そして、キチパ選手顔負けの奮闘ぶりを見せるぱらちゃん。なんと1セットを先取。しかし、板橋ザンギエフ選手もこのまま引き下がるわけにはいかない。猛攻撃でコンボを伸ばし、1-1へと持ち込んだ。慎重な立ち回りを見せた両選手だったが、最後は体力ゲージを半分以上残して板橋ザンギエフ選手が勝利した。
試合を終えた板橋ザンギエフ選手は、「プレッシャーがあった、たぶんsakoさんと同じような感じ」と感想を述べ、sako選手とともにご当地キャラクターのプレイが「全然ゆるくない」ということを再確認した。一方、魔王討伐がかなわず落ち込んでいたぱらちゃんだったが、「すごい強かったよ」というアール氏の励ましに素直に喜ぶ姿も。
プロ格闘ゲーマーがご当地キャラクターにあわや敗北か、というハイレベルな戦いとともに第2回大会は無事に幕を閉じた。今大会は特に格闘ゲームファンがご当地キャラクターの可愛さに魅了される姿と、ご当地キャラクターファンが試合に熱中する姿が目立っていた。それはご当地キャラクターたちの「ストⅤ」への本気度に、見る者が心を打たれたからではないだろうか。ご当地キャラクターたちのさらなる成長が楽しみなだけに、第3回大会の開催も期待せずにはいられない。
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