【特別企画】

軽いし速いぞ「BlueStacks 5」! PCで「ブルアカ」と「テラクラ」と「Among Us」を遊ぶ

スマホ用アドベンチャーからMMO、アクションまでまるっと快適に!

4月21日 配信開始

価格:無料

 Bluestack Systemsが4月21日に配信を開始したPC用Androidアプリプレーヤー「BlueStacks 5 ベータ版(以下、「BlueStacks 5」)」。前バージョンにあたる「BlueStacks 4」の正式配信より実に2年半ぶりのバージョンアップ版がいよいよお目見えとなった。

 「BlueStacks」はGoogle Playストアを介してアプリをダウンロードすることで、PC上でAndroid版アプリを遊べるプラットフォームだ。今回のナンバリングが「4」から「5」に上がったメジャーアップデートのポイントは「高速化」であり、基本的な動作の軽量化をはじめ、新たに「エコモード」や「メモリ解放」機能が追加され、過去のバージョンと比較してより快適なゲームプレイが可能となった。

 「BlueStacks」は新作アプリへの対応や細かなシステム調整などマイナーアップデートの早さに定評があり、今回の「BlueStacks 5」には”ベータ版”という冠がついてはいるものの、まずはローンチしてユーザーからのフィードバックを得てブラッシュアップを重ね、正式版が配信されるものと思われる。

 ただ、ベータ版とはいえ「BlueStacks 4」と比較すると、「BlueStacks 5」は細かいながら体感できるレベルで進化しているのがわかる。一方「BlueStacks」そのものが持つ利便性はそのままで、「PC上でスマホアプリを遊びたいユーザー」にとっては有力な選択肢であることに変わりはない。本稿では早速「BlueStacks 5」を用いて「ブルーアーカイブ」、「テラクラシック」、そして「Among Us」を遊んでみたので、その手触りを紹介する。なお、今回の検証環境としてはCPUにIntel Core i5-9400、GPUにGeForce 1660 SUPER、メモリ16GBを搭載したミドルクラスのゲーミングPCを使用している。

【BlueStacks 5 ベータ版のご紹介】

バッテリーを気にせず大画面でスマホアプリを遊ぶ!「BlueStacks 5」では快適さがさらにUP

 「BlueStacks」はゲームをPC上で遊べるのみならず、スクリーンショットの撮影や画面サイズの変更、FPS設定や画面の縦横回転、アプリの複数起動&切り替え、マルチンインスタンス機能(「BlueStacks」自体を複数起動し、端末を複数用意して複数アカウントを操作している状態を再現できるもの)など、およそゲームプラットフォームとして求められる機能を網羅した多機能Androidアプリプレーヤーだ。

「BlueStacks 5」ベータ版のデフォルト画面。「BlueStacks 4」と比べるとUIが細くなり、スタイリッシュな印象になった

 しかし、そもそもPC上でアプリを遊べると一体何がイイのか。

 通常スマートフォンでゲームを遊ぶ時に最も大きなメリットになるのは、出先だろうと布団の中だろうと「いつでもどこでも遊べること」だと思う。加えて指やタッチペンによる直感的な操作が行なえることや、本体さえあれば特別な周辺機器などはいらず、簡単にゲームを遊ぶことができるというのは意外にも素敵なポイントだ。しかし、外出先ではバッテリー消費が気になったり、突然の電話でプレイが中断されてイライラしたり、メールやチャットツールの通知が邪魔になったり、端末画面の高解像度化が進んでいるとはいえ、タブレットも含めて物理的には手のひらサイズの画面で遊ぶという制約もかかる。

 一方で「BlueStacks」は特に据え置きのデスクトップPCと極めて相性が良く、本体やモニター、周辺機器などの基本的な機材が必要になるのと引き換えに、常時供給の電源によりバッテリーを気にせず、モニターを用いた大画面でゲームとブラウジングや動画鑑賞などとのマルチタスクが可能で、さらにタイトルによってはより有利にプレイができる「キーボード+マウス」での操作が可能となる。また、PCのストレージはスマートフォンやタブレットと比較して段違いに大きいため、とりあえず気になるタイトルを「BlueStacks」に放り込んでいっても容量不足で苦しむことはほぼ無い。もちろんPC用エミュレーター故にノートPCなどで使うことも可能で、出先でも軽くプレイしつつ、電源のある環境ではじっくりプレイ、ということもできる。

 余談ではあるが筆者は現在完全テレワーク環境にあり、日々の仕事と趣味の関係上一日のほとんどをミドルクラスのゲーミングPCと2画面マルチモニターの前で過ごしている。そんな環境ではスマホ端末に持ち替えることなくPCでスマホゲームがプレイできてしまうというのは非常に快適で、まさに攻略ページを横で見ながら動画を見つつゲームをしたり、日中もPCで仕事をしているフリをして(今は誰も見ていないのでフリをする必要もないのだが)ゲームをしたり、「電源+音量下(Android)」のような少々手間な操作もなくボタン1つでスクリーンショットを連写したり、贅沢にも複数タイトルを並べて同時にプレイしたり、と極めて便利に「BlueStacks」を使い倒している。元々「BlueStacks 3」がローンチされたあたりからのユーザーで愛着がある、ということもあるが、現在に至っても実用性からして手放せないアプリであるのは変わらない。

Webページを参照しつつ原稿を書きつつ「ブルーアーカイブ」が遊べるのはPCならでは

 そこに来て今回の「BlueStacks 5」はさらに”高速化”が図られている。元々「BlueStacks」はそれ自体が使用するCPUのコア数やメモリなどの設定の幅が広く、「どれくらいのレベルでゲームを遊びたいか」をある程度自分で決められるよう各種設定が用意されていた。ただ、「BlueStacks 4」の前期バージョンくらいまでは起動も20秒ほどかかってお世辞にも速いとは言えなかったり、マルチインスタンスを使うと、ある意味当然ながら一気に負荷が増してPCの動作自体が重くなってしまっていたりと相応のリソースは要求するようなアプリケーションだった。

 「BlueStacks 5」ではBluestack Systemsのリリースによれば通常時のメモリ使用率が最大50%、「エコモード」ではCPUの使用率が最大90%と大幅な使用のリソース削減が行なわれているという。実際に「ブルーアーカイブ」のタイトル画面を流しつつ「BlueStacks 5」と「BlueStacks 4」のリソース使用状況を見比べてみたところ、手元の環境ではCPUの状況はほぼ同等、メモリは平時3.4GBから「BlueStacks 5」は4.8GB=1.4GB、「BlueStacks 4」は5.7GB=2.3GBを使用していた。つまりほぼ7割程度のメモリ使用率で済んでいる。ゲームの起動中は多少上下していたが、メモリ使用率は確かに軽減されていることが確認できた。

「BlueStacks 5」でもCPUからメモリの使用量、DPIや解像度など細かな設定が可能。モニターやゲームが対応していれば、60FPS以上の高フレームレートでのプレイも可能となる
同環境で測定した「BlueStacks 5(画像上)」と「BlueStacks 4(画像下)」のリソース使用状況。CPU使用率は多少上下しつつ概ね同程度で、メモリ使用量は「BlueStacks 5」のほうが明らかに少ない

 また、「エコモード」は「BlueStacks 5」で追加された新機能で、アプリ右側のUIから操作することで起動中のゲームの「動作FPS」と「サウンドのON/OFF」を切り替えてくれるというものだ。デフォルトでは「5FPS動作&サウンド無し」にしてくれるので、使用リソースはガクンと減る。例えばMMORPGで自動狩り中など、起動はさせておきたいが画面を見ている必要がないとき、あるいは他に動画編集などマシンパワーを必要とする作業をするときなど、エコモードのボタンをポチッと押して最小化してしまえば他の作業にすぐリソースを割り当てられる。個人的にもこの機能の実装まではリソースを開けるため、他に重たい作業をする際は渋々「BlueStacks」を終了していたりしたので、よほど逼迫しない限り「BlueStacks」を起動しっぱなしにできるという意味で非常に嬉しい機能である。

エコモードはワンクリックで動作FPSを制限して消費リソースを軽減してくれる機能。ゲームの起動はしているが画面を見ていなくても良い時、他の重たい作業をしたいときなどに重宝する。なお、FPSの値とサウンドのON/OFFは自身で選択できる

 加えて同じく新機能となる「メモリ解放機能」は、起動し続けている際に発生しがちな余計なメモリ使用分を即座に開放してくれるというもの。こちらもなんか重くなってきたな、という時に使用すると動作が少し軽くなったりするので、長期間のゲームプレイに適した「BlueStacks」の強みをさらに後押しするツールだと言えるだろう。また、「BlueStacks 5」の起動速度は約10秒程度で、こちらも従来に比べると体感で半分ほど。正確には「BlueStacks 4」末期のアップデートで突然速くなったのだが、それがきちんと引き継がれているような形だ。起動の速さはアプリを立ち上げるモチベーションに直結するという意味で、こちらも有り難い。

メモリ解放機能は長時間のプレイ時に輝く機能といえる
起動速度もかつてのバージョンから圧倒的に速くなっている