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キーマッピングなどに大きな変革!「BlueStacks 4」ベータ版ファーストインプレッション

8月13日配信

 BlueStacksは8月13日、「BlueStacks 4」ベータ版の配信を開始した。先日ご紹介したBlueStack SystemsのCEO、Rosen Sharma氏へのインタビューでは、配信前に「BlueStakcs 4」やそのベータ版の細かな仕様や変更点などについて聞いてきたが、まさに今回の「BlueStacks 4」ベータ版ではその内容の一部がお披露目された。

 今回はベータ版ということで「BlueStacks 3N」と比べると、アプリの互換性の向上、つまりはこれまで「BlueStacks」で動作させることができなかったタイトルが動くようになったり、パフォーマンスの向上が図られてはいるものの、「BlueStacks 4」で実装が予定されている機能すべてが盛り込まれているわけではない。

 また、機能によってはまだ最適化が行なわれていないというベータ版ならではの環境にあるが、UIやキーマッピングなど目に見える大きな変化はすでにこのバージョンで確認ができる。早速実際に使ってみたので、この手触りをお届けしよう。

「BlueStacks 3N」の起動時の画面。最上部のタブを見ればわかるように、このアプリセンターが「ホーム」として起動する

 起動してまず気づくのが、グラフィックスエンジンが起動する過程で表示されている背景となっている画面が従来とは違う、ということ。“おすすめ”やランキングが表示された「アプリセンター」という名称の画面ではなく、ユーザーがインストールしたアプリのアイコンが並ぶ、従来でいう「マイアプリ」画面になっているのだ。

「BlueStacks 4」を起動中。「ホーム」として「インストールアプリ」を表示している。「アプリセンター」はこのあと自動で開かれるようになった

 今まで、つまり「BlueStacks 3N」までは、「ホーム」という名称の画面のなかに「マイアプリ」、「アプリセンター」、「お問い合わせ」という3つのタブが並び、そのなかで切り替えるようになっていた。しかし、「BlueStacks 4」以降では、「マイアプリ」がすなわち「ホーム」画面へと変更され、「アプリセンター」はそこからアプリのひとつとして“オンデマンド”で呼び出される形に変更されたわけだ。それぞれの名称はまだ変更される可能性があるということだが、ともあれ場合によっては不要な「『アプリセンター』を閉じる」という選択肢が生まれたのは喜ばしい変更だ。

「アプリセンター」のタブにマウスカーソルを合わせると、閉じるための[x]ボタンが現われる。個人的には閉じて終了した場合、次回からは自動では開かなくなる、あるいはオプションで開かない状態を固定できるとうれしい
「アプリセンター」のタブを閉じたあと再び「アプリセンター」を開くときは、このアイコンをクリックする。「アプリセンター」という名のシステムアプリがあると思えばわかりやすい

大きく変更になったキーマッピング設定

 多くのユーザーにとって「BlueStacks」はAndroidの「ゲームを遊ぶためのプラットフォーム」であると思う。筆者にとっても同様だ。スマートフォンやタブレットではなく、PCでAndroidアプリを動かすメリットは「大画面で楽しめる」、「キーボードとマウスが使いやすい」というマンマシンインターフェイスの部分に他ならない。

 さらに言えば、「BlueStacks」の場合、Android端末にただキーボードを接続するよりも快適な環境を実現できる。なぜならタップやスワイプといった画面へ触れて行なう操作に対してキーボードショートカットを割り振ることができるからだ。

 現状の「BlueStacks 3N」ではキーマッピングの設定は、設定画面を開き、タップなどの操作をしたい場所をクリックしてそこにキーを割り当てる、という操作が基本。また、タップ以外の操作は、画面上部に並んだアイコンから各機能を選んでその操作の対象となる場所を画面上で指定する。

 タップ操作の指定に限って言えば直感的でわかりやすいが、それ以上の凝ったことを指定しようとすると、ドキュメントやヘルプが用意されていないために、正直かなりわかりにくい。「BlueStacks 4」ではこの部分のインターフェイスが大きく変更され、直感的にわかりやすいものになった。

 今回の「BlueStacks 4」ベータ版では、キーマッピングの機能を呼び出すと、「上位ゲームコントロール」というウィンドウが開き、そこから機能を選んで画面上の任意の位置へとドラッグして操作を指定する。各機能のメニューが大型化されて見やすくなり、さらにカンタンな説明が脇に添えられているためとてもわかりやすい。

「BlueStacks 3N」における「リネージュ2 レボリューション」でのキーマッピング設定画面。画面上のボタンなどの位置をマウスでクリックすると、キーを指定する小窓が作られる。頑張ればかなり凝った設定が可能なのだが、ドキュメントがないのでどんなことができるのかがわかりづらいのが難点だった
「BlueStacks 4」ではキーの設定時に「上位ゲームコントロール」というにウィンドウが開く。設定したい機能を選び、ここから画面上にドロップし、画面上にオブジェクトを配置。それを右クリックして開いたダイアログのなかで好きなキーを設定する

なんと機能別にキーマッピングが可能!ただしまだ課題も残る

 一方、「PUBG MOBILE」などの一部の対応アプリでは、まったく違う設定方法を用いることになる。

 これらの対応ゲームでは、ゲーム内でキー設定をするかのように、たとえば「しゃがむ」などゲーム内での機能が一覧で表示され、それらに対して好みのキーを設定していく。

 たとえば「PUBG MOBILE」ではデフォルトで移動に「WASD」キーが割り振られるなど、PC版の「PUBG」と同様の感覚で遊べるようなキーがあらかじめ設定されている。もちろん不満があれば、自分なりに自由に変更が可能だ。

「BlueStacks 4」で「PUBG MOBILE」を起動し、キーを設定しようとすると、割り当て可能な機能の一覧が表示される。機能名の訳語が一部おかしいが、それを除けばとてもわかりやすい

 まるでアプリ内であらかじめ用意された機能であるかのような感覚でキーマッピングが指定できるのはとてもラクだが、課題も残る。というのも、「設定項目に用意されていない機能にはキーを指定できない」のだ。

 「PUBG MOBILE」ではロビーにいるときとフィールドにいるときでは画面構成がまったく違う。つまり「BlueStacks 3N」までの方式ではフィールドに出て、画面上のボタン位置にしっかり合わせてキーを設定する必要があった。一方で、例えばメールボックスを開いたりといったロビー画面での行動にも自由にキーを設定できるという利点もあった。

「BlueStacks 3N」における「PUBG MOBILE」でのキーマッピング設定画面。ロビーにいる状態ではキー設定の小窓が何の機能に割り当てたものだかわかりづらいが、反面ロビー画面の機能にもキーを割り当てられる自由度は大きな利点でもあった

 現状では、キーを設定できるのは、フィールドに入ってからの動作、機能だけに限られる。さらに言えば、ライフルなど主武器と拳銃の3つの銃を持ったときに、拳銃を選ぶキーを設定することができない。

 先日のインタビューのときには今回の新方式と従来方式はひとつのアプリ内で併存しているものと思い込んでいたが、どうやらベータ版ではアプリごとにどちらか一方の方式しか採れないようだ。便利になった反面、自由度は下がってしまったのが少々残念。正式版では従来の設定形式も使えるようにするか、ベータ版のスタイルでより細かい設定ができるようになることを期待したい。

正式版でのブラッシュアップに期待

 「BlueStacks 4」のテーマは「軽く、速く」とのこと。確かにグラフィックエンジンの初期化にかかる時間は短くなっているし、「アプリセンター」を仕様リソース削減のために閉じることもできるようになっている。キーマッピング機能の変更などを見ても、今回の改変は確かに「ターニングポイント」になるほどの大きなものだ。さらに互換性も向上しているとのことで、最新のアプリへの対応や、これまで動かなかったタイトルが動くように改善が続けられている。

 また、ベータ版ではユーザーからのフィードバックを募集しており、これらの声はできる限り正式版の「BlueStacks 4」に反映していく方針だとのこと。「BlueStacks」は不具合への対応や機能の改善が尋常ではなく速いので、正式版がどのような形になるのか、今から楽しみだ。

ちなみにこれが「BlueStacks 4」ベータ版のグラフィックエンジン設定画面。全バージョンとほとんど変わらないが、筆者の環境ではOpenGLの上位に設定しておけばとりあえず問題なさそうだ