【特別企画】

VR世界に「BEMANI」がやってきた! 「BEAT ARENA」プレビュー

「BEMANI」的操作でギターやドラムを演奏できる“バンドセッション”音ゲー

3月12日 発売予定

価格:2,990円(税込)

 コナミデジタルエンタテインメントの「BEMANI」シリーズといえば、アーケードを中心にシーンを盛り上げてきた“音ゲー”だ。

 クラブDJ風の演奏が楽しめる「beatmania」にはじまって、ダンス、ギター、ドラム、キーボードといった楽器などをテーマに、数多くのリズムゲームがリリースされてきた。

 そして今回、3月12日に発売される「BEAT ARENA」は、VRで「BEMANI」シリーズの楽曲がプレイできる。つまり、VRで楽しめる「BEMANI」というわけだ(厳密には本作は「BEMANI」シリーズではない)。対応プラットフォームはOculus Quest/Quest 2で、価格は2,990円(税込)

 本作のポイントは、VRでプレイする「BEMANI」がどうアレンジされているかだ。今回発売を前に本作をプレイできたので、その手触りをお伝えしていきたい。

【BEAT ARENA プロモーションビデオ】
VRで「BEMANI」楽曲がプレイできる!

楽器は4種類。操作を切り替えて「BEMANI」曲を演奏

 「BEAT ARENA」はギター、ベース、ドラム、キーボードの4種類の楽器を演奏するリズムゲーム。「BEMANI」シリーズ楽曲が多数収録されているほか、本作オリジナルの楽曲も含まれている。「BEMANI」シリーズらしい、ポップな歌唱曲が数々揃っている印象だ。

 演奏シーンでは、プレーヤーはコントローラーを使って楽器の演奏を行なう。画面奥から手前に流れ来るノーツに合わせて、タイミングよく操作するイメージだ。特に歩き回らないので、静止状態の範囲があればプレイできる。なおドラムのみ座っての操作が推奨されているので、椅子の用意もあるといい。

 演奏方法は楽器によって違っていて、「BEMANI」シリーズのギターを演奏する「GuitarFreaks」、ドラムを叩く「DrumMania」などを思い浮かべるとわかりやすい。

 ギターとベースは、左手のコントローラーでコードを押さえる。コードは親指(ボタン)、人差し指(トリガー)、中指(グリップ)の3種類で、ノーツと同じ色のコードを押さえながら右手で弦を弾く。ギターは腕を振って演奏し、ベースは人差し指と中指で弦を弾くイメージでトリガーを押して演奏する。

ギターとベースはほぼ一緒の操作だが、右手の使い方が違う

 またドラムは、コントローラーがスティックになる。目の前には「DrumMania」を彷彿とさせるドラムセットが置かれていて、各部位をスティックで叩いて演奏できる。叩くとコントローラーに振動が来るので、感触として「叩いている感じ」がするのが楽しい。足は使わないのでバスドラムはないが、実際の演奏に近い感覚がある。

 そしてキーボードは、そのままキーボードの鍵盤を押さえて弾いていく。「KEYBOARDMANIA」のように1音ずつではなく、5音ずつくらいの広い範囲でノーツが来るので、操作はある程度大雑把でもOK。どちらかというと和音を押さえるようなイメージで片手ずつ「ジャーン、ジャーン」と手を乗せていけばいい。

ドラムはスティックを叩くイメージ。なおドラムのみ座る体勢推奨。プレイする際は立った状態に加えて椅子も用意しておくと便利
キーボードは鍵盤を押さえていく。大体を押さえれば演奏は可能

 なので、これはもうそのままの意味で「VRでやる『BEMANI』」という体験だ。特にギターやドラムはアーケードでプレイする感覚ととても似ていて、あの豪勢な筐体やコントローラーセットがなくても気軽に演奏できる点で楽しい。VRの音ゲーでは「Beat Saber」の切りながら音を刻む感覚が新鮮だったが、「BEAT ARENA」は原点回帰しているところに魅力がある。

 チュートリアルから始まるキャンペーンモードでは、あらかじめ用意された楽曲を順番にプレイしていく。クリアすれば新たなセッションがプレイできる。同じ曲でも違う楽器が指定されることもあり、また曲の印象が変わって聞こえたりする。その点で、繰り返しも楽しいプレイ感だ。なお、フリープレイでは最初からすべての楽曲が演奏可能となっている。

キャンペーンモードでは、プレイするほどに新たなセッションがプレイできる。流れはスタンダードな音ゲーと同じ

他キャラクターとのセッションで“演奏気分”が上がる

 本作の特徴として、テーマのひとつに“バンド演奏”がある。ひとつの楽曲をひとりでプレイするのではなく、プレーヤーはあくまで演者のひとりとなって、演奏のセッションをプレイしていくイメージだ。

 本作はソロプレイ用だが、演奏を開始すると左右に2人のキャラクター(CPU、またはフレンドのプレイデータ)が登場する。それぞれ自分とは違う楽器を持っていて、そのまま演奏する様子も見ることができる。2人とそれぞれ目を合わせて手を振るなどのジェスチャーをすることが演奏スタートの合図になっているなど、「バンドとしてのプレイ」が本作での狙いとなっている。

演奏後、相手にポジティブな評価をあげる機能がある

 演奏中は、ノーツに合わせて操作することの他に、アピールを送り合える。左右のスティックで音符やハートといった感情の球体を出して、それをタッチすると空中に放つことができる。

 本作ではプレーヤーオリジナルのアバターを作れる機能があるほか、演奏データを保存して再生する「リプレイモード」では、「ライブカメラモード」として第三者視点で演奏を振り替えれる。さらにフレンドのプレイデータがあれば、そのデータを使用して擬似的なセッションが可能。多重録音するようにうまく演奏し、それをさらに「リプレイモード」で見れば、本当のライブセッションのような一体感が出せるだろう。

右上に浮かんでいるのがアピール。演奏に余裕がないとやっている暇がない
最初のプレイ時などで、自分のアバターを設定できる

 プレイしていて楽しいのは、この“他のキャラクターと目線を合わせる感覚”だ。ノーツのなかには他のキャラクターがこちらにグッと寄ってきて演奏するものがあるのだが、こちらもそちらを見ながら演奏すると、単なる音ゲーを超えたライブらしさを感じられる。気を取られすぎるとノーツを見逃すので成績的にはダメージだが、気分は上がる。ノーツを追うだけではなく、演奏する楽しさを体感できるのが「BEAT ARENA」らしいところだ。

 「BEMANI」シリーズファンならVR版「BEMANI」として本作を楽しめるだろうし、そうでなくてもバーチャルに楽器を演奏することそのもの、つまり「BEMANI」シリーズが長年培ってきた味わいを感じられるだろう。セッションの機能がどれほど広がりを見せるかは、発売以降に判明してくると思う。演奏中の細かい動きやカメラアングルなどにとことんこだわれそうなので、こちらも注目だ。

演奏しながら目線を合わせることがこんなに楽しいなんて!