【特別企画】
バンダイナムコの次世代アクション「SCARLET NEXUS」、オンラインキーノートで分かった「異質」であることの魅力
2020年8月28日 22:00
- 発売時期:未定
- 価格:未定
バンダイナムコエンターテインメントは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox One/Xbox Series X/PC(Steam)用新作ブレインパンク・アクションRPG「SCARLET NEXUS(スカーレットネクサス)」の最新情報をオンラインで発表するオンラインキーノートを開催した。
本作は、「CODE VEIN」のプロデューサー飯塚啓太氏、「テイルズ オブ」シリーズのディレクターなどを務めた穴吹健児氏、「ゴッドイーター」や「アイドルマスター」など様々なタイトルに参加しているアートディレクターの落合功多氏ら社内スタッフによる完全新規のタイトル。
今回のオンラインキーノートでは、gamescomで公開された新作トレーラーの発表や、飯塚氏ら3名へのインタビュー、そして序盤チュートリアルミッションのゲームプレイデモで「SCARLET NEXUS」がどんなゲームなのかを、テーマ、世界観、キャラクターや敵の造形、ゲームシステムなど様々な角度から紹介している。
オンラインキーノートの内容は、今後公式ホームページで順次公開される予定だ。このレポートでは、「SCARLET NEXUS」がどんなゲームなのか、プレイデモの画像を中心にゲームの内容を紹介したい。
「SCARLET NEXUS」の世界観
「SCARLET NEXUS」の舞台となるのは、“ニューヒムカ”と呼ばれる国の都市。日本の90年代風の街並みを持っており、東京タワーを思わせるカラーリングの構造物や、カタカナのレトロな看板などが、近未来的なホログラフの標識と共存してサイバーパンク的な景観を作っている。
この世界では、脳を発達させる特殊な物質が発見されたことによって、全てを脳でコントロールするようなテクノロジーが発展している。住民はサイネットという巨大ネットワークに常時接続された形で生活しており、そういった世界観を本作では「ブレインパンク」と表現している。
またこの世界は、古来より「怪異」という正体不明のモンスターに襲撃され続けている。怪異は生物と非生物が融合した不気味な姿をしており、知能はなくただ人間の脳を狙って人々に襲い掛かってくる。
この怪異と戦っているのが、怪異討伐軍と呼ばれる組織。主人公ユイト・スメラギが、新入隊員として怪異討伐軍に入隊するところからストーリーが始まる。
テーマは「絆」、だがその意味は言葉通りではないかも?
「赤」を意味するScarletと、「つながり」を意味する「Nexus」という単語を組み合わせたタイトルの通り、本作では赤い線でつながれるという表現がタイトルロゴやキーアート、ゲーム内でも多く使われている。ただ、この絆という言葉は、必ずしも仲間との絆のような連帯感だけを表現しているわけではない。
サイネットという巨大ネットワークで全ての人間が強制的に繋がっている社会の中で、「孤独」とはどういう状態で、どういう意味を持つのかという、ある意味逆説的な疑問が、ゲームの中で語られていく。
本作の主人公ユイト・スメラギが所属する怪異討伐軍は、全員がSASケーブルというケーブルを介して、脳を繋げたネットワークにつながっている。ゲーム内では、このネットワークを通じてテレパシーのように思考だけで会話をしたり、パーティメンバーの超脳力を借りるといったバトルシステムにも深く関わっている。
異質さを強調してデザインされた「怪異」
怪異は、この世界では空から降ってくる自然災害のような存在。その姿は、花束にヒールを履いた足がくっついていたり、動物の顔に機械のパーツが融合していたりと、有機物と無機物が合わさった不気味な姿をしている。何かがおかしい、何か違和感があるという「異質さ」は本作の重要なキーワードであり、怪異のデザインはその異質さを象徴するものとなっている。
デザインをしているのは、音楽ジャケットや本の装丁などで独自の世界を表現しているイラストレーターの山代政一氏。彼の世界観がゲームの目指すものと一致していることに気付いた落合氏が提案し、最初に上がってきたデザインを見て即採用が決まったそうだ。
そんな怪異だが、ゲームの舞台となる時代にはいつどこに降ってくるかある程度予測ができるようになっており、人々は怪異が降ってくる世界でそれなりに普通の生活を送っている。
主人公ユイト・スメラギはニューヒムカの名家出身
主人公のユイト・スメラギは、スメラギ一族という名家の出身。スメラギ一族は2千年前にニューヒムカを作ったとされる人物の末裔で、ユイトも将来は政治家や官僚になることが期待されていた。しかし、幼いころに怪異に襲われた経験を持つユイトは、同じように人を守りたいと怪異討伐軍への入隊を志願する。
ユイトのデザインは、JRPG的な派手さやかっこよさがありつつも、なるべくベーシックに、現実にいてもおかしくないシンプルなものという方向でデザインされている。黒を基調にしたシンプルなデザインの中に、テーマにも通じる赤いラインが走り、特徴的なフードが付いている。
ユイトは最初は何も知らない人間として描かれている。だが、ストーリーの中で、表からは見えなかったことを知っていく中で、怒りや悲しみという強い感情を抱くようになっていく。そんな激しい感情を出している時とハッキリした対比が描けるように、普段は優し気な見た目をしている。
超脳力を使って怪異と戦う怪異討伐軍
主人公が入隊する怪異討伐軍では、隊員はそれぞれ異なる「超脳力」を持っている。ユイトは手を触れずに周囲のものを動かす「念力」、ユイトとともに入隊試験に挑む新入隊員たちも、ハナビ・イチジョウは「発火」、ナギ・カーマンは「空気操作」、フブキ・スプリングは「冷却」とそれぞれに異なる超脳力を持っている。
ユイトは武器として刀を持っており、刀を使った近接攻撃と、超脳力を使った遠隔からの攻撃を組み合わせて、単体を相手に戦うスタイルを得意としている。バトルフィールドには車やテーブル、ドラム缶や看板、コンテナなど様々なオブジェクトが落ちている。これらのオブジェクトのうち超脳力で動かせるものには、コントローラーのボタンを指定するアイコンが表示されるので、そのボタンで掴んで、敵に向かって投げつける。
超脳力を使うと念力ゲージが減少する。チュートリアルでは、1回の攻撃で半分以上が減っていた。このゲージは刀の攻撃で回復するので、レンジが短いが素早い攻撃が可能な刀での物理攻撃で念力ゲージを貯めつつ、敵の攻撃を回避してから遠隔から超脳力攻撃を加える。
ボタンを連打することで、刀を使ったコンボ攻撃が出る。また、超脳力を使ってオブジェクトが着弾するタイミングに合わせて、刀の攻撃ボタンを押すことで、敵に急接近して刀で追撃するコンボ攻撃となる。
逆に先に刀での攻撃を行ないつつ、掴んでいたオブジェクトで攻撃を行なうと、追撃のコンボ攻撃になり、ダメージが増す。ただし、念力ゲージの消費量も多くなるので、刀の攻撃でゲージを回復しつつコンボをつなげていくことで、連続でコンボを繰り出せるようになる。
先に刀で攻撃した後超脳力で追撃したり、超脳力でダメージを与えたところに刀で追撃を加えるとコンボが成立する。また念力で掴んだオブジェクトは、特殊オブジェクト攻撃に使うことができる。特殊オブジェクト攻撃は、一度的にオブジェクトを当てたあと、スティックを使った追加入力によって特殊オブジェクトによる追加攻撃を加えるもの。どんな追加攻撃になるかは、操るオブジェクトによって異なっている。例えば、自動販売機なら、一度目の攻撃でドアが外れるが、追撃では外れたドアと本体が両側から敵に追加のダメージを与える。
パーティメンバーの超脳力を使っての攻撃
バトルには同じ部隊のNPCキャラクターとパーティを組んで参加することもできる。その場合、NPCキャラクターは自律的に戦闘に参加してくれる。デモプレイでは、ハナビと2人でのパーティプレイを見ることができるが、さらに多くの人数でのパーティも組めそうだ。
ハナビは棍と発火を武器として使い、激しい連打攻撃と炎を使う。パーティを組んでいる時には、画面右下にあるSASボタンという4つのサークルが並んだボタンが表示される。ここにはカスタイマイズ画面から、相手から借りることができる脳力をセットすることができる。
プレイデモではハナビの脳力である「火」という文字が表示されていた。「火」アイコンの周囲にはゲージがあり、このゲージが満タンまで貯まると、相手の脳力を自分の攻撃に付加することができるようになる。
例えばハナビの脳力を借りると、ユイトの持つ刀に炎が宿るようになり、この状態で攻撃を続けると、敵は一定時間継続ダメージが入る「炎上」という状態になる。また、ドラム缶を使って特殊オブジェクト攻撃を入れることで攻撃で敵に油をかけることができる。この状態で炎を纏った攻撃を使えば、敵を炎上させやすくなる。
移動中などに聞こえてくる他のNPCの会話の中で、誰がどんな脳力を持っているかを知ることができる。アイコンには4つまで脳力をセットできるようになっているので、4つの脳力を状況に応じて使い分けつつ戦うことになりそうだ。
最後に待ち受ける巨大ボスとの戦い
バトルマップの最後には、巨大なボスが待ち受けている。チュートリアルマップのボスは、人工物の顔を持つ四つ足の怪異。ボスには弱点があり、その弱点を攻撃することでダウンさせることができる。ダウンさせておいて、コンボを叩き込めば一気に大ダメージを与えることができる。
ボスのステージはビル建設中の工事現場で、天井当たりに巨大なパイプがぶら下がっている。このステージは、念力を使って、このパイプをボスにぶつけるというギミックバトルになっている。ステージが始まる前にパーティメンバーがボイスでヒントをくれる。
ボスが腕を振り上げたタイミングに合わせて回避するジャスト回避で近接攻撃中でも、素早く距離をとって回避することができる。
ブレインマップでの多彩なキャラビルド
キャラクターの脳力は、ブレインマップというスキルツリーでカスタマイズすることができる。ツリーは「拡張」、「強化」、「補助」の3種類。「拡張」は、例えば武器と念力を組み合わせたコンボの回数が増える、「強化」は純粋な攻撃力の増強、「補助」はドロップアイテムを自動で取得するようになる機能などのサポート機能を増やしていくことができる。スキルツリーは途中でさらに数系統に枝分かれしており、それぞれのスキルツリーが絡み合っている技もある。ブレインマップのスキルをアンロックするためには、レベルアップ時に溜まっていくブレインポイント(BP)が必要になる。
キャラクターには最大3つのプラグインを装着して脳力を伸ばすことができる。また、SASボタンにセットする脳力にはレベルがあり、レベルによって使える脳力が異なっている。あらかじめ、SASボタンのカスタマイズ画面で使いたいレベルの脳力をセットしておくようだ。
次世代機では4K、PCでは4K60fpsでのプレイに対応
本作は多くのプラットフォームに対応しているが、PS4とXbox OneではフルHD30fpsでのプレイとなる。PS5とXbox SXではフルHD60fps、Steam版は推奨PCのスペックを満たしていれば4K60fpsまで対応する。
新しいものを作ろうという意気込みで集まったチームがアイデアを出し合い、ようやく形になった本作は、日本の90年代をベースにした世界観や、ゲーム開発への参加は初だという山代氏の起用を始め、野心的な試みの集大成でもある。
今回紹介できたのは、アクションRPGとしての面白さのごく一部でしかない。これからも公式サイトやツイッターを中心に、どんどん新情報が公開されていく予定だ。ぜひチェックしつつ、発売を楽しみに待って欲しい。
SCARLET NEXUS™ & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.