インタビュー

「ドールズフロントライン2:エクシリウム」開発インタビュー

2024年内リリースに向けて準備中。さらなる技術革新に挑戦した「ドルフロ」続編

【ドールズフロントライン2:エクシリウム】

2024年内 配信予定

 サンボーンはAndroid/iOS/PC向けに配信を予定している人形と切り開くポストアポカリプス戦略RPG「ドールズフロントライン2:エクシリウム」を「東京ゲームショウ(以下、『TGS2024』)」に出展する。

 「ドールズフロントライン」は、同社が配信する“実銃”を擬人化したゲームタイトルで、これまで「ドールズフロントライン」、「ニューラルクラウド」、「逆コーラップス:パン屋作戦」と、同じ世界観、異なる時系列のタイトルが登場している。

 「ドールズフロントライン2:エクシリウム」は、物語本編となる「ドールズフロントライン」の後継作にあたり、ゲーム内グラフィックが2Dから3Dへと進化を遂げている。すでに中国では配信されている今作だが、日本国内での配信も決定し、待ち侘びているファンは多い。

 今回は、そんな注目である「ドールズフロントライン2:エクシリウム」について、サンボーンのプロデューサー・羽中氏へ書面でのメールインタビューを実施した。早速、その内容についてお届けしていこう。

【【ドールズフロントライン2:エクシリウム】PV第一弾】

製作期間は1キャラあたり半年程度。3D化した戦術人形との交流コンテンツも

――早速ですが、「ドールズフロントライン2:エクシリウム」(以下、『ドルフロ2』)のストーリーや世界観のあらすじなどを教えていただけますか。

羽中氏:「ドルフロ2」の物語は「ドールズフロントライン」の10年後から始まります。かつての巨大民間軍事企業「グリフィン&クルーガー」(以下G&K)はすでに解体されていて、それに伴い指揮官もG&Kから離脱し、汚染地域で活動する賞金ハンターとなっています。さまざまな勢力が登場する中、新たな秩序の下で渦巻く陰謀が徐々に明らかになっていきます。

――今作からシリーズに初めて触れるプレイヤーでも楽しめそうでしょうか。また、あらかじめ抑えておいた方が良い過去作の知識があれば、教えてください。

羽中氏:「ドルフロ2」は「ドルフロ」の設定を継承しつつ、独立したストーリーとなっています。ですので、「ドルフロ」シリーズをやったことのないプレイヤーの方にも十分にお楽しみいただけます。

 「ドルフロ2」は3Dモデルやレンダリングのクオリティ、光と影の表現にもこだわって制作していて、プレイヤーにはトップレベルの没入感を提供します。さらにゲームシステムはSRPGを中心にたくさんのミニゲームを実装しており、プレイヤーはユニークなゲーム体験ができると思います。もちろん、前作のストーリーを知っておくとより楽しむことができます。

――以前、すでに中国で配信されている「ドルフロ2」を個人的にプレイさせてもらいました。今作からはゲームシステムがまるっきり変化を遂げ、シミュレーションRPGに変化しましたが、その経緯について教えていただけますか。

羽中氏:新世代のゲームとして企画された「ドルフロ2」には、ストーリーのアップグレードだけでなく技術面でももっとプレイヤーが世界観に没入できるよう、より良いコンテンツを提供したいと考えています。スマホゲームにおいても3D技術がメインとなっている現在、我々もさらなる技術革新に挑戦しました。

 ゲームの世界観・ユーザー体験・技術面などを検討した結果、最終的にゲームジャンルはシミュレーションRPGに決定しました。このジャンルは戦術性と銃撃要素を両方楽しめるからです。もちろん、「ドルフロ2」は今までの伝統的なSRPGと違い、プレイヤーは新しい体験ができると思います。

――今作からキャラクターが念願の3Dモデル化を果たしました。「ドルフロ」には既に数多くの戦術人形たちがいると思うのですが、やはり将来的に目指すところは、そうした戦術人形たちの3Dモデル化になるのでしょうか。

羽中氏:「ドルフロ」は多くの指揮官の皆様に支えられ、6周年を迎えることができました。皆様の応援がなければ、ここまで長期間にわたりサービスを提供することはできませんでした。御礼を申し上げます!

 「ドルフロ」の続編として、シリーズプレイヤーの皆さんや新規でゲームをプレイする方にも、最高のゲーム体験をしていただきたい。今後、できるだけ皆様の馴染みのある人形たちを3Dモデル化していきたいと考えております。そしてIPと世界観を発展・拡張させていくためにも、新たな人形をたくさん登場させ、より豊かで広がりのあるストーリーを作っていきたいです。

――技術的な話になってしまい恐縮ですが、魅力的な戦術人形を3Dモデルにするにあたり、1体あたりのポリゴン数と、制作期間はどの程度なのでしょうか。

羽中氏:人形1体あたりのポリゴン数は、素体やスキンによって違い、また制作時間も異なるので一概には言えません。製作期間は、1キャラあたり半年程度を目安としています。

――3D化したキャラクターたちとはどのような交流や触れ合いができるのでしょうか。

羽中氏:「整備室」では、レベルアップ、メンタル拡張などの育成を行なう際にそれぞれの特別モーション動画を見ることができます。ゲーム内では、休憩中の人形をタップしたり、衣装を変えたり、プレゼントを贈ったりなど親密な触れ合いができます。さらにキャラクターの個別シナリオや日記を鑑賞することもできます。新しい触れ合いに関わるシステムを現在も開発しておりますので、ぜひご期待ください。

――現在「ドールズフロントライン」シリーズには、サービス中の「ドルフロ」のほか「ニューラルクラウド」と、買い切り型タイトルとなる「逆コーラップス:パン屋作戦」の3タイトルがあるかと思います。特に前作と「ニューラルクラウド」は、「ドルフロ2」と今後どのように棲み分けていくのでしょうか。

羽中氏:まず、サービス中の「ドルフロ」はシリーズのベースとなっている作品です。そして「ニューラルクラウド」は、シリーズの可能性を探求するための作品となっていますが、これをきっかけに「ドルフロ」に興味を持ってくれたプレイヤーもたくさんいると思います。

 「パン屋作戦」を含めたこれら3つの作品は、同じ世界観における異なるタイムラインでのストーリーとなっています。それぞれ独立しているストーリーですが互いに関連性があり、ある作品での出来事が別の作品では伏線となっている場合もあります。今後も各作品において、ストーリーと登場人物を拡張していく予定です。

 それぞれの作品でドルフロ世界の異なる側面をプレイヤーに体験していただき、最終的には完成された「ドルフロ」の世界を知っていただきたいと考えています。「ドルフロ2」は「ドルフロ」の世界観をより豊かにし、シリーズに新たなコンテンツとパワーを与えてくれるでしょう。

「ドールズフロントライン」
「ニューラルクラウド」
「逆コーラップス:パン屋作戦」

――「ドルフロ」といえば"実銃の擬人化"で知られていると思います。戦術人形たちは皆、元ネタとなる武器を持っているイメージなのですが、新たに登場するキャラクター「キャロリック」は、剣と盾を装備しています。彼女はどういう意図で生まれたのでしょうか。

羽中氏:「ドルフロ2」はプレイヤーの体験に多様性をもたらしたいという意図があります。そのため、近接武器をテーマにしたキャラクターを制作しました。弾丸が飛び交う戦場で、近接武器を使って戦うのもカッコいいのではないかと思います。キャロリックだけでなく、いろいろな近接武器を操る人形が登場する予定です。

――TGS2024で触れて欲しい、注目してほしい部分があれば教えてください。

羽中氏:TGSブースでは日本語版の試遊台を用意しています。PC版・スマホ版両方ともございますので、この機会にぜひ「ドルフロ2」を体験してみてください! その他にも、会場でしか入手できない特典グッズや、「ドルフロ2」のキャラクターに扮したコスプレイヤーも登場します。「ドルフロ2」ブースへ足を運んでいただき、雰囲気を味わっていただきたいです。

――まだ全然先の話になると思うのですが、他作品とのコラボにも期待していいのでしょうか?

羽中氏:もちろん企画しております。最近では、「ニューラルクラウド」にて「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」、そして「ドルフロ」では「攻殻機動隊SAC_2045」とのインゲームコラボが開催され、大変好評をいただきました。「ドルフロ2」も相性がいい作品とのコラボを展開していくつもりです。

――最後に日本で待ち侘びているプレイヤーに向けてメッセージをお願いします!

羽中氏:いつも「ドールズフロントライン」シリーズを応援していただき、誠にありがとうございます。「ドルフロ2」は、2024年内リリースに向けて準備しております。TGSブースでは試遊台を用意し、指揮官の皆様の来場をお待ちしております。サンボーンは、これからもプレイヤーの皆様により良いコンテンツを提供できるよう努めてまいります。「ドルフロ2」正式版のリリースにぜひご期待ください!