インタビュー

「Marvel’s Spider-Man 2」オーディオデザイナー、プログラマーインタビュー

場所や地域で変化する住人の会話、実際にその場にいるような臨場感を!

【Marvel's Spider-Man 2】

10月20日 発売予定

価格:
通常版 8,980円
デジタルデラックスエディション 9,980円
コレクターズエディション 31,980円

 いよいよ10月20日にプレイステーション 5用タイトル「Marvel’s Spider-Man 2」が発売となる。本作はピーター・パーカーと、マイルズ・モラレスという2人のスパイダーマンが活躍するアクションアドベンチャーゲームだ。

 彼等が飛び回るのはニューヨークの街。街には車が行き交い、たくさんの人が闊歩している。大きな公園や歴史的建造物、高層ビルが建ち並ぶビジネス街から、住宅街、倉庫街など様々な表情を見せる。「Marvel’s Spider-Man 2」ではハードがPS5になり、PS5のコントローラー「DualSense(デュアルセンス)」のハプティックフィードバックや3Dオーディオといった特性を活かし、"質感"でも街の多彩な顔や、スパイダーマンならではのアクションを表現している。

 今回、本作の開発元であるInsomniacから、アドバンスシニアオーディオデザイナーのヨハネス・ハマース氏と、シニアプログラミングディレクターのダグ・シェ―ハン氏に話を聞いた。ハマース氏には音楽や打撃音などサウンド全般に対して、シェ―ハン氏はプログラム面からのゲーム内の演出に関しての話を聞くことができた。ゲームをプレイするとき、サウンドにぜひ注目して欲しい。

Insomniac アドバンスシニアオーディオデザイナーのヨハネス・ハマース氏
Insomniac シニアプログラミングディレクターのダグ・シェ―ハン氏

2人のスパイダーマンがいるニューヨークをどう表現するか?

――最初にオーディオ開発者という視点で、ハマース氏はゲーム内のオーディオにおいて、どのような理想をお持ちでしょうか? 映画やコンサートなどBGM等が強調されるエンターテイメント性と、実際に人がその環境にいるリアル感、どちらを重視しますか?

ハマース氏:私はゲームにおいてオーディオはストーリーやビジュアルをサポートする存在だと考えています。制作においてはビジュアルやアニメーションとすりあわせをして、音楽を盛り込んでいます。

 特に「Marvel’s Spider-Man 2」は前作からマップが2倍になりました。ブルックリンとクィーンズが追加されています。マップが増えたことでよりニューヨークという街を掘り下げることができるようになりました。オーディオではシネマティックに演出できたと思っています。

 そして戦いですね。「Marvel’s Spider-Man 2」ではピーターとマイルズの2人のスパイダーマンが登場します。オーディオでは2人のそれぞれのドラマを演出できるように力を入れました。街でのシネマティックな表現と、戦闘でのドラマチックさ、本作のオーディオはこの2つがポイントでした。

戦闘時の打撃音などもマイルスとモラレスで違ってくるという

――その上で「Marvel’s Spider-Man 2」ではオーディオ面でどのような目標を立てられたのでしょうか? これまでのシリーズから受け継いだ部分、新しく盛り込んだ部分、より強調した部分はどこでしょうか?

ハマース氏:2人のヒーローの演出というのが大きな目標でした。サウンドに関しては前作からすべての面で変更が加えられています。パンチやキック、体の動きの音がアップデートされており、マイルズも同様です。2人それぞれの違い、そしてそれぞれのパーソナリティーを意識したサウンドとなっています。

――プログラム面では「Marvel’s Spider-Man 2」はどのように進化したのでしょうか?

シェーハン氏:PS5の3Dオーディオ専用のハードウェアデバイス「テンペスト3Dオーディオ」をフルに活用するというのが「Marvel’s Spider-Man 2」のテーマの1つでもありました。タイラーというオーディオデザイナーとも話をして今回はすべての体験をコントローラーでフィードバックしていきたいという目標も掲げました。

 ハプティック(触感)フィードバックはもちろん、他にも色々な工夫をしています。コニーアイランド(遊園地)では、コントローラーを持ち上げることでキャラクターが腕を上げたりと、クリアなコネクションを前面に出し、リアルな体験を可能としています。没入感のある体験を目指し、様々な要素を盛り込みました。目をつぶってコントローラーとオーディオだけでも臨場感が味わえる、そういう環境を実現すべく、プレーヤーとコントローラーのつながりを目指しました。

街には公園から街角様々な場所で聞こえる音が違う。人の会話も状況や時間帯、スパイダーマンによって変化する

――「Marvel’s Spider-Man 2」は実際に街の中にいるかのような感覚が楽しめました。人の噂話や雑談、車のクラクションなど、生きている街を移動している感覚が楽しめました。この街の描写のこだわりを教えてください。

ハマース氏:そこに気がついていただいて嬉しいですね。街でどんな声が聞こえてくるかと言うことに関してはダイアログチームと綿密に打ち合わせをしました。街の場所、そしてピーターか、マイルズかということでも街の周囲の反応は変化します。そのレコーディングボリュームは相当なものになります。

 ゲーム内では実際に街の一角に立っていることで様々な会話が聞こえてきます。セルフィをしたり、ピーターでプレイをしているとマイルズが戦闘を助けてくれたりもあります。街を探索しているだけで様々な驚きがあると思うので、街や公演などで立ち止まって耳を澄ませていただきたいです。

――住人の会話だけでなく、クラクションや、鳥の声などプログラム的な側面でも街の演出が秀逸でした。プログラム側での工夫はどういうものがあったのでしょうか?

シェーハン氏:オーディオチームとシステムを作り込むというところでかなり力を入れましたアンビエント(環境)を作るシステムなど、システム開発も行っています。どこでどんな会話をしているのか、音が鳴っているのか、この音の発生源を明確にし、それらの関係性をプレーヤーがきちんと理解できるようにしています。こちらには1台の車、反対側には10台の車がある、ということを音で表現できています。すべてのシーン、すべてのキャラクターが役割を持っている、リアルなニューヨークの風景を描写する事を目指してシステムを構築しました。

コニーアイランド(遊園地)では、アトラクションに乗ると、コントローラを持ち上げることでキャラクターが腕を上げたりボタンを押すと歓声を上げたりする

ハマース氏:オーディオの観点からも工夫しています。スパイダーマンはあらゆる場所へ移動ができる。ビルの屋上と、ストリートでは全く聞こえる音が違うわけです。街と公園でも環境音は違ってくる。道を歩けば人の話し声が聞こえる。環境をきちんと音で表現しているところに注目して欲しいです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ハマース氏:チームとしてこの作品を開発できたことにとても満足しています。開発スタジオのチームで作り上げた作品が発売されることをとても楽しみにしています。

 私たち開発チームはパッションを持った人達の集まりです。あらゆる所を詳細に作り込んでいるので、細部をチェックしてください。そして、私たちはプレーヤーの皆さんがゲームをプレイしている姿を見るのが本当に楽しいです。ぜひプレイしていただければと思います。

シェーハン氏:私たちは「Marvel’s Spider-Man 2」を楽しみながら作りました。プレーヤーの皆さんも楽しんでいただければと思います。ぜひ皆さんからのフィードバックをお寄せください。私たちは時間を掛け皆さんに驚いていただけるように細かいところまで作り込みました。ぜひじっくりお楽しみください。

――ありがとうございました。