インタビュー

N高(沖縄)「Nポテ」、プロでMVPのBurn選手は「優勝するため」N高に転入

第4回全国高校eスポーツ選手権 「ロケリ」部門 優勝チームインタビュー

【第4回全国高校eスポーツ選手権 決勝大会:ロケットリーグ部門】

12月25日開催

 12月25日に開催された第4回全国高校eスポーツ選手権 決勝大会「ロケットリーグ」部門。本稿では、優勝したN高(沖縄)「Nポテ」へのインタビューをお送りする。

 大会は終わってみれば「Nポテ」の圧倒的勝利で幕を閉じた。中でも大会でMVPに選ばれ、台風の目となっていたのがBurn選手だ。Burn選手はプロチームDeToNatorの「ロケットリーグ」部門に所属する正真正銘のプロ選手であり、実力は折り紙付き。かといってBurn選手に頼りっきりではなく、他のメンバーもBurn選手に応えるように強いという、見ている限りは隙なしのチームに仕上がっていた。

左から、Nekota選手、motikun選手、Burn選手、sk選手
【第4回全国高校eスポーツ選手権ロケットリーグ部門決勝大会】

 それほど高い実力を持つBurn選手だが、過去に全国高校eスポーツ選手権に出場していない。なぜかというと、Burn選手は2年生まで別の高校に通っていて、そこでメンバーが集まらなかったから。以前から「優勝できる自信があった」というBurn選手は、3年生でついにN高への転入を決意。今大会に出場し、見事念願を叶えた。

 6月からはプロ選手としても活動しているBurn選手は、今回大会は「優勝しなきゃいけない」というプレッシャーを感じていたという。またプロシーンとは異なる、「他のメンバーのミスをいつでもフォローしにいくディフェンシブなプレイスタイル」を求められたことで、プロシーンとはまったく違う苦しみを感じていた。それでも試合では重圧を乗り越え、「いいプレイが出せてよかった」と振り返る。

 一方で、Burn選手がいることによって「プロチーム直伝の声掛け」が伝えられるなど、周りにとってもプラスの影響が働いた。N高では元プロによるコーチングとN高内での紅白戦が週一で実施されており、これらの取り組みがN高選手の実力を確実に大きく育てている。

 Burn選手を含む3年生は今回大会出場が最後となるが、3連覇がかかる2年生メンバーはどう思っているのだろうか。monmon4612選手に聞くと、「次に来る新しいメンバーに負けないように練習をがんばりたい」と応えてくれた。「引っ張っていきたい」ではなく「負けないように」というあたりが面白いが、これは謙遜ではなく「実力者が来るらしい」という話があるからだそう。N高のeスポーツ選手層はどうやら厚いようで、同校の旋風はまだまだ続きそうだ。

 またBurn選手だが、今後は「ロケットリーグ」の世界大会「Rocket League Championship Series」出場を目標に活動していくという。プロシーンではオフライン大会の出場は一度きりで、そのときは実力を出せなかった。しかし第4回全国高校eスポーツ選手権では高校生大会とはいえオフラインの場で、実力をいかんなく発揮できた。その事実は大きな自信に繋がったという。N高、そしてBurn選手のさらなる活躍に今後も注目だ。