インタビュー

【Predator League】CiNVe選手「もう1回ドン勝だよな?」 祝ドン勝! SunSister Suicider's2日目終了後インタビュー

2月15日~17日開催

会場:Nimibutr Stadium

 Predator League会期2日目、ついにドン勝を決めたSunSister Suicider's(参考記事)。Afreeca Freecs Fatal(AFF、韓国)や、Purple Mood E-Sport(PME、タイ)といったアジアを代表する強豪チームがひしめく中で、価値ある1勝となる。順位も12位から6位までジャンプアップし、ようやく存在感を見せつけた。

 SunSisterとして国際大会で勝利したのは、2017年11月に行なわれた「PUBG Asia Invitational G-Star 2017」以来、1年3カ月ぶりとなる。2日目の試合を終えた時点でコメントを取るために選手控え室に向かうと、普段は厳しい表情を崩さない選手達が珍しく笑顔を見せ、安堵の表情を覗かせていたのが印象的だった。ぜひ3日目も好調を維持したまま笑顔で大会を終えて欲しいところだ。

【笑顔のドン勝インタビュー】
1勝という本大会の目標を達成し、幾分穏やかな表情を見せるSunSister Suicider'sのメンバーたち

――ドン勝おめでとう。2日目までを終えた感想から聞かせて欲しい。

Sabrac選手:昨日、5戦やって、色々反省する中で、初めの動き出しが遅いということが課題としてあった。これは空路にもよるが、物資を漁り始めるタイミングが遅かった。2日目はそこを変えて動き出しのタイミングを早めたのと、物資が揃っていなくても視界の確保を優先して早めに動き始めるようにした。そこが出来たのが良かったと思う。先に視界を確保できたことで、安地のどこに敵がいて、どこにいないかというのを早い段階で把握できて、それが結果に良い影響を与えていたのではないかと思う。

【動き出しの早さ】
2日目の特徴はとにかく動き出しが早かったこと。本来はファーミングに掛ける時間を捨ててどこよりも早く動き出していた

――この大会では1回でもいいからドン勝が獲りたいということだったが、見事獲った。獲ったときの気持ちはどんなものだったか?

Sabrac選手:それはもうとても気持ちいい(笑)。だけど、まだまだ試合がたくさんあると思うと、そんなに喜んでいられないというか、今日が終わってもまだ明日があるので、気を引き締めないといけないなと。でも、やっぱり勝ったら嬉しい(笑)。

――国際大会でドン勝を取ったのはいつ以来か?

Sabrac選手:1年3カ月ぶり。韓国のG-Starの大会で取ったのがそれで、それ以来一度も取れなかった。

――勝利直後の映像を見ていたら軽くタッチをする程度でそんなに喜んでいなかった。

Sabrac選手:あの試合は、結構手前の段階から「これはドン勝取れるな」という内容だった。終盤もつれてどちらが取るか分からないという局面で勝ったのならもっと喜んだと思うが、むしろこれで取らなきゃダメだろという内容だったので。

【ドン勝シーン】
先にサークル中央に入り、gabha選手を丘に上がらせ鶴翼の布陣で待ち受けるSunSister Suicider's。まさに「むしろこれで取らなきゃダメだろ」という鉄壁の布陣だ

――昨日と今日、すべての試合を観戦していて、今日はまるで別のチームだと感じた。昨日の敗戦で、変わったところがあったのか?

CiNVe選手:あんまり変わっていなくて、丁寧になったかな。

CrazySam選手:初動で死なないようになったよね。

Sabrac選手:視界が確保できているから、バクチ的な動きというものを減らすことができた。カバーを置いてしっかり偵察して、いないことが確認できてから前進するというムーブができていた。慎重、丁寧にできたことが結果に繋がったのだと思う。

CrazySam選手:でもファイトするタイミングは相変わらずダメだよね。難しいところではあるけど。

CiNVe選手:まだ終盤の動きが悪い。

Sabrac選手:どのタイミングで動いて戦いをはじめるのか。

CiNVe選手:そう、仕掛け方だよね。

CrazySam選手:そこができてきたらもっと強くなれる。

CiNVe選手:そこが僕らの次のステップかな。

――しかし動き出しの早さは見ていてすぐ気づくレベルで、PJSの頃よりも遙かに早くなっていると思う。SunSisterは今後この速さが標準になるのか。

Sabrac選手:自分としては体感で「そろそろ動き出さないといけないな」と思うタイミングがあって、まだ物資が十分に集まっていないこともあったが、とりあえず視界だけでも確保しようと考えて動き出していた。

――ドン勝を取った9ラウンド目を筆頭に、チームとしてオーダーがしっかりしていた印象を受けた。IGLのSabrac選手としてはそのあたりは意識して変えたのか?

Sabrac選手:9ラウンド目で動き出したときに丘の上から見て敵がいるのを見て、この先を突っ切るのは無理だと思った。敵がここにこれだけいるんだったら、サークルの縮まり方を考えたときに、西側はそんなにいないんじゃないかと思った。実際に動いてみて、1パーティぐらいいるかと思ったがいなくて、そのまま西側の山を取れたのが大きかった。

――それにしても反時計回りでグッと回り込む動きは圧巻だった。あれはどういう判断だったのか?

Sabrac選手:パルスの動きを見て決めた。上から観て、どの集落にも敵がいて、見えている範囲だけでも4~5パーティーいた。ということは反対は空いてるということ。回り込んだ方が得策だと思った。

【南西からサークルに入るムーブ】
もともと北東にいたSunSisterだったが、偵察の結果、敵が多く布陣していることが判明し、ぐるっと回って反対側からサークルに入った

――ログを見ていたら途中で自動車事故が起こっていたようだが(笑)。

Sabrac選手:止まって視界を取るところで接触してしまった(笑)。

――ラウンド9は見事な動きだったが、ラウンド8で小屋に4人いて全滅してしまったのは、動きが硬くて良くないムーブだと思った。あれはSabrac選手の中でどういう判断だったのか?

Sabrac選手:あれは完全に出るタイミングを逸してしまった。AFFがほかとやり合っているタイミングで出るべきだったが、弾幕も凄くて出るタイミングを失ってしまってどうしようもなかった。あの局面では1回でもタイミングを逃してしまうともうどうしようもない。

CiNVe選手:あれはまさに我々にとっての課題。

【AFFのワールドクラスのキルムーブ】
Shadow選手が上から押さえつけ
Style選手が出口を塞ぎ
身動きが取れなくなったところをGukHyun選手が踏み込んでいく

――6ラウンド目は、久々にCrazySam選手らしい動きが見られて、5キルの大活躍だった。自分の中で何か変えた部分はあったのか?

CrazySam選手:いえ。いつもどおり展開して、周りの危ないところから接近して潰していくといういつも通りの動きをしただけ。

――国際大会で5キルは凄いと思う。

CrazySam選手:そんなに凄い話でもないので、なんとも思っていない。まあ、嬉しいかと言えば嬉しい(笑)。

【アタッカーとしての役目を果たすCrazySam選手】
アタッカーとしてどんどん踏み込み戦果を挙げるCrazySam選手

――7ラウンド目、病院が最終フェーズになったが、あれは見ていて辛くなるほど厳しい戦いだった。

Sabrac選手:最終安地は絶対真ん中になるのはわかっていたが、敵が全員病院の屋上から見下ろしていて、上から撃たれた瞬間に、「これはもう無理だ」と思った(笑)。だから、順位を1つでも上げようというムーブに変えて、厳しかったが3位まで行けたのは良かった。「PUBG」には絶対ドン勝が取れない試合というのがある。そういうときにいかに順位を伸ばして、敵を1人でも道連れにできるかが大事になってくると思う。試合は1回だけではないので、そういう戦い方も必要になる。

【勝てない戦い】
遮蔽物がないなか、パルスダメージを避けるために病院へ前進するSunSister。それにしてもラウンド7の殊勲賞は、ずっと隠れてガッチリ漁夫の利を得て2位に入ったMade in Thailand(MITH、タイ)のMinoru選手だろう

――それにしても先日のインタビューで序盤から中盤にかけての動きを修正したいと語っていたが、実際に修正してほとんどすべての試合で終盤まで残っていたのは素晴らしかったと思う。

Sabrac選手:序盤、中盤は今日は良かったと思う。すべてのラウンドで一桁順位がとれたし、場所の選び方、位置取りも悪くなかったと思う。7位に終わったラウンド6も、第3パルスまでど真ん中が取れていたが、第4パルスで思ったよりも東にズレてしまって、そういうときにいかにスコアを伸ばしていけるかが今後の課題だと思う。あとは、メンバー全員が生存意識を高く持っていた。その結果として4人生存のまま終盤まで行くことができたのも良かったと思う。

――見ていてとても良かったのは、屋内に篭もることにこだわらずに、屋外で適度に散開して戦うという、韓国チームが得意とするような戦い方ができていたことだと思う。

Sabrac選手:そこについてはあんまり意識していなくて、今日は単に“山安地”が多かったような気がする。山はあまり家がないので、無理に入るよりは、先に出て戦おうという感じだった。ラウンド10でも、手前の山は取れたが、戦っているときに別のパーティーが現われてしまって、それで崩れてしまった。戦闘中に別のパーティーが現われたときにどうするかというのは今後の課題。

――2日目を終えて、皆が語っていたドン勝を取りたい、1ケタ順位を確保したいという目標はほぼ達成圏内にある。3日目に向けて新たな目標を立てるとすれば?

CiNVe選手:もっかいドン勝だよな?(笑)

Sabrac選手:それはもう1度ドン勝を獲りたいが(笑)、コケないように注意しないといけない。今日のドン勝で油断していると、明日はぐだぐだになって初日よりもヒドい結果になりかねない。今日ぐらいのポイント(48ポイント)を稼げればいいと思うが、相手も強く、そんなに簡単ではないと思うので、今の順位(6位)より下がらないように、最低でも一桁順位で大会を終えるようにしたい。

――初日15ポイントで、2日目は48ポイント、単純計算で3倍の活躍をしたことになる。明日はどうなるのか楽しみだ。

Sabrac選手:いつものことだが、僕自身はそんなにデカいことをいうつもりはない(笑)。明日は初日の倍ぐらいは稼げればいい。今の我々の実力からすれば、それぐらいできれば上出来だと考えている。

――ドン勝を獲ったときは、日本の配信でも無数の祝福の声、感謝の声が挙がっていた。日本から応援しているファンにメッセージを。

CrazySam選手:ファイトするタイミングがまだまだ甘い。そこをしっかり修正できれば、ひょっとしたらもう1度ぐらいはドン勝が獲れるかもしれない。しっかり修正して明日に臨みたい。応援よろしくお願いします。

CiNVe選手:中盤以降の動きがまだまだ甘い。そこは課題で、明日はそこを修正できるかどうかが順位を上げられるかどうかの鍵になる。日本に良い収獲を持って帰れるように全力で頑張りたいと思うので応援よろしくお願いします。

gabha選手:今日の悪かったとこをしっかり反省し、明日さらに順位上げれるように頑張りたい。

Sabrac選手:1日目は結構手探りの状態で、自分の中でもやりづらさ、修正できないもどかしさのようなものを感じていた。大会期間中に修正して動きを変えるということが、これまで実はあまりできていなかったが、今回2日目でそこがしっかりできて、新しい動きを試して、結果にも繋がるということができたのは1つ大きな収獲だと思っている。この結果に満足することなく、自分の中でしっかり考えて、3日目の結果に繋げていければと考えている。

【最終日頑張れ!】