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【Predator League】eスポーツアスリートをBNK48がお出迎え! 「Predator League 2019」がタイバンコクにて開幕。SunSister Suicider'sは15キル12位のスロースタートに
2019年2月16日 01:06
Acer主催のアジアパシフィックエリアを対象にしたeスポーツイベント「Predator League」が2月15日よりタイ バンコクにおいて開幕した。初日には、日本代表として「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」部門でSunSister Suicider'sが出場し、5ラウンドを戦い、15キル15ポイントで総合12位という途中結果となった。本稿では大会初日の模様をお届けしたい。
タイは、日本と同様、ここ数年でeスポーツが爆発的に成長している国の1つだ。元々PCゲームが強い市場だったため、古くからeスポーツも盛んだが、これといったタイトルに恵まれず、eスポーツ先進国である中国や韓国の一方後ろを歩んできた。近年は、「League of Legends」をはじめ、「Dota2」や「PUBG」といったタイトルが人気を集め、それに合わせてeスポーツ人口も爆発的に伸びてきている。こうした国際大会がタイで開催される機会が増えているのも、その影響の1つだ。
度肝を抜かされたのは17時過ぎより開かれたオープニングセレモニーだ。試合そのものは、現地時間の朝9時よりスタートし、「PUBG」部門が5ラウンドを消化し、会社や学校帰りに参加しやすい17時過ぎより改めてオープニングセレモニーが行なわれたのだが、その直前にグングン来場者が増え始め、平日にも関わらず、2,000~3,000は収容できる会場がほぼ満席となった。
来場者の目的は、日本を代表するアイドルユニットAKB48の姉妹ユニットとなるBNK48のミニコンサートだ。オープニングセレモニーのメインイベントとしてウェルカムコンサートを実施する予定になっており、それを目当てに多くのアイドルファンが駆けつけたようだ。ファンの手には、大会運営側が準備したサイリウムライトを手にしており、ギュウギュウ詰めのためいわゆる“ヲタ芸”は見られなかったものの、かけ声はバッチリで会場全体で大盛り上がりだ。
その盛り上がりぶりは、その直前に行なわれた日本から応援に駆けつけたチアダンスチーム「ALIVE」のダンスや、eスポーツアスリート達にとって晴れの舞台である選手入場を吹き飛ばす勢いだった。予想を遙かに超えるほどの賑やかなオープニングを観ていて、以前韓国で行なわれた「Starcraft」の決勝戦に、当時日本でブレイクする前だった少女時代が前座として歌とダンスを披露していたのを思い出したが、日本と比べると、立ち上げ方が巧いなと思う。
さて、肝心の試合の方は、初日の2月15日は、「PUBG」の全15ラウンド中5ラウンドが実施され、日本代表のSunSister Suicider'sが15キル15ポイントの総合12位に付けた。1ラウンド当たり3キルしている計算となり、国際大会としては決して悪いスコアではないが、新ルールでは8位まで獲得できる順位ポイントが5ラウンドでゼロ、つまり1度も8位以内に入れなかったのが尾を引き、チームが目標とする一桁順位を下回る立ち上がりとなった。
先日のレポートで、大会ルールがPKLルールから、SUPERルールに変更になったことをお伝えしたが、使用マップ/モードもドラスティックに変わっている。5ラウンド中4ラウンドが、初期マップのERANGELで、ゲームモードはFPP固定となっている。「PUBG」eスポーツでは、ERANGEL/FPP/SUPERの3点が今後の標準になると考えていいようだ。
ERANGELでは北方エリアから、複数台の車輌で一気に南下するムーブを好むSunSister Suicider's。初日もそのセオリー通りにSeverny周辺に降りるケースが多かったが、1度は安全地帯が南方のミリタリーベースまで外れるなど、安全地帯に恵まれず、終始苦戦を強いられた。また、リーダーのSabrac選手のPCが試合中にクラッシュするトラブルもあり、運にも見放されていた印象がある。
その一方で、細かいアクシデントを吹き飛ばす勢いで常に好成績を残していたのが韓国からの招待チームAfreeca Freecs Fatal(AFF)だ。韓国でゲームを含めた映像配信ビジネスを展開するアフリカTVがオーナーのプロチームで、韓国の「PUBG」リーグ「PUBG Korea League(PKL)」のレギュラーシーズンで1位を獲得した実績を持つ。
誰もが緊張するラウンド1で、サークル遷移に恵まれわずか4キルでスマートにドン勝を獲得すると、その後も常にドン勝を伺う位置で、キルポイントと順位ポイントを蓄積し、34キル/58ポイントで初日一位に付けた。
韓国勢が凄いなと思うのは、AFFはPKLでMVPを獲得したRozar選手をはじめ、4人中3人がメンバー交代しているにも関わらず、その影響を感じさせないムーブと連携で、圧倒的な強さを見せつけていたことだ。おそらく何か大きな波乱が起きない限り、本大会はAFFが優勝すると思われるが、韓国勢の選手層の厚さ、個々人のスキルの高さを観ていると、「PUBG」は韓国の新たな“お家芸”になりつつあると感じた。
そのAFFに対して、タイバンコク開催という“地の利”を活かして逆転優勝を伺っているのが、タイ代表のPurple Mood E-Sportだ。本大会では、ホスト国ということで16チーム中5チームがタイのチームとなっており、その中でも一際強いチームだ。大会前日インタビューでSabrac選手が注目チームの1つに挙げており、ドン勝1、34キル、56ポイントで、堂々の2位に付けている。
「PUBG」は、2日間の会期で10ラウンドを残しており、その総合結果で順位を競うというまるで箱根駅伝のようなeスポーツ競技だ。各チームは試合を終えた夜に、チームメンバー全員で録画を見直し、悪かった部分を修正しつつ、敵の動き方も同時に学んでいく。つまり、日ごとに全チームがムーブ、戦術を修正してくるわけだ。明日以降もどのようなドラマが生まれるのか、SunSister Suicider'sが待望のドン勝をもぎ取る瞬間はやってくるのかどうか、引き続き注目したいところだ。