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【ジョジョSBR】「ジョジョ スティール・ボール・ラン」試写レポート!違う世界線で北米横断レース。疾走感もよく表現

ネトフリユーザー見て絶対損なしの出来栄え

 これまでに、6作品が放映されたアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。その最新作となる「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」が、本日3月19日よりNetflixにて世界独占先行配信される。

 今作でも、従来のシリーズと同じく非常に個性豊かなキャラクターたちが登場。それぞれの思惑を胸に1890年の北米大陸を舞台とした大陸横断レースへと挑んでいく。サンディエゴからスタートしてゴールのニューヨークを目指すレースは、果たしてどのような展開になるのか?

 今回は、配信開始前に試写会にて一足先に見ることができた。本稿ではその中身を紹介していく。

【アニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』PV第1弾】

40年近い歴史を持つ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。擬音やポージングなどでも人気を博する!

 「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」本編の話に入る前に、まずは「ジョジョの奇妙な冒険」と本作の基本的な情報について紹介したい。

 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズは、荒木飛呂彦氏原作のマンガ。その最初の作品となる「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」が集英社刊・週刊少年ジャンプにて、1987年から連載スタート。現在は、同社のウルトラジャンプにて連載が継続されている、約40年にわたって人気を誇る作品だ。

 シリーズは、第1部の「ファントムブラッド」から現在進行中の第9部「The JOJOLands」まであり、それぞれの作品ごとに主人公が異なっている。その物語は、第1部の主人公ジョナサン・ジョースターと、敵対するディオ・ブランドーとの因縁から始まるのだが、戦いはジョースター一族の子孫達をも巻き込んで100年以上続いていく。そのため、主人公や舞台が各部ごとに異なっていくという仕組みだ。

 第1部と第2部では、特殊能力「波紋」を習得したキャラクターたちが、人間を凌駕する生命体に戦いを挑む物語が繰り広げられる。第1部の主人公ジョナサンや第2部主人公ジョセフは、最初は戦うすべを持たないものの「波紋」の習得や仲間の死といった出来事を経て強くなり、強敵たちとの戦いを制していく。戦闘の大部分は肉弾戦だが、第1部の佳境となるディオや第2部での“柱の男”たちとの戦いでは思考を巡らせてのバトルも展開されており、単なる力比べでは終わらない物語となっていた。第3部以降では、精神エネルギーを具現化したスタンドと呼ばれる存在を扱えるキャラクターたちが、スタンドに加えて己の頭脳をも駆使しての戦いに身を投じていく。

 シリーズを通しての特徴として、“強くなっていく敵に合わせて主人公たちもインフレ的に強くなる”という形を取るのではなく、バトルシーンに心理的駆け引きとなる頭脳戦を持ち込むスタイルを採っている。これにより“パワーでは下回っていても考えることで突破口が開け強敵を倒せる”という、最後まで勝負がどうなるのか分からない部分が生まれている。こういった要素を盛り込むことが「ジョジョの奇妙な冒険」が読者から大きな支持を得ることになったと言えるだろう。

 ほかにも、本作特有の「ズギューン!」や「メメタァ!」といったユニークな擬音、そしていわゆる「ジョジョ立ち」のようなキャラクターたちがとる独特のポージングなどが、非常に強い各キャラの個性と合わせて「ジョジョの奇妙な冒険」人気をより強固なものにしているといえるのではないだろうか。

 そんな本シリーズだが、アニメ化は原作連載が開始された1987年からは非常に遅れて、2012年からのスタートとなっている。原作第1部と第2部を合わせたアニメ全26話が2012年から2013年にかけて放映された後、第3部をアニメ化したセカンドシーズンが2014年と2015年に、第4部をアニメ化したサードシーズンが2016年、第5部をアニメ化した4期が2018年から2019年に、そして第6部をアニメ化した5期が2021年からNetflixにて先行配信された。

 そして今回配信となる作品は、原作のシリーズ第7部をアニメ化。物語は、1890年のアメリカを舞台に、総距離約4,000マイル(約6,000km)、賞金総額5,000万ドルという、人類史上初の乗馬による北米大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」が開催されようとしているところから始まる。

 主人公は、かつて天才騎手と呼ばれながらも半身不随になってしまい、失意の中にいたジョニィ・ジョースター。彼は「スティール・ボール・ラン」で優勝をもくろむ謎のアウトロー、ジャイロ・ツェペリが引き起こした不思議な現象に希望を見出し、レースへの参加を決意する。

【「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」あらすじ】

1890年のアメリカ。総距離約4,000マイル、賞金総額5,000万ドル、
人類史上初の乗馬による北米大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」が開催されようとしていた。

かつて天才騎手と呼ばれながらも、半身不随となり、失意の中にいたジョニィ・ジョースター。

彼はこのレースで優勝を目論む謎のアウトロー、ジャイロ・ツェペリが引き起こした不思議な現象に希望を見出し、
「スティール・ボール・ラン」への参加を決意する。

二人はそれぞれの思惑を胸に協力関係を結び、過酷な冒険へと踏み出す。

ジョニィ・ジョースター(CV:坂田将吾さん)
ジャイロ・ツェペリ(CV:阿座上洋平さん)

 「スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険」は、それまでの世界とはやや異なるほか、登場人物たちもこれまでシリーズのように歴代キャラクターの子孫たちというわけではない。いわゆるパラレルワールド的なものだが、そういう意味ではスタンドという概念さえ何となく知っていれば、これまでのことを知らなくても楽しめる位置づけになっていると表現できそうだ。

 “ツェペリ”や“ディオ”、“アブドゥル”など、既存シリーズで見たことのある名前のキャラクターたちも出演するものの、本作はこれまでとは別の世界線なので、以前と同じような活躍をするとは限らない。それ故に、第6部までしかシリーズ作品を読んでいないという視聴者にとっては、しばらくは新鮮な驚きを持って「スティール・ボール・ラン」を見ることができるのではないだろうか。

ディエゴ・ブランドー(CV:石川界人さん)
サンドマン(CV:水中雅章さん)
ポコロコ(CV:松田健一郎さん)
ウルムド・アブドゥル(CV:三宅健太さん)

「ジョジョ」らしさに加え「スティール・ボール・ラン」ならではの疾走感もよく表現されていた!

 ここからは試写会の内容に入る。前述したように、今作で主人公となるのは元天才騎手のジョニィ・ジョースターと、謎多きアウトローのジャイロ・ツェペリの二人。二人ともこれまでの作品以上に癖の強いキャラクターだが、それでいて憎めないのも従来通り。いわゆる、物語で最大のライバルとなる人物は序盤には姿を見せず、さらには登場人物たちの参加目的や、レースを隠れ蓑にして行なわれている“あること”に関しても、まだまだ不明。そのため、今回見ることができた1話目だけでは本作の壮大なスケールが堪能できないのが惜しいところではあるが、だからこそ先が楽しみになるというもの。

 そんな1話目だが、通常であればオープニングとAパート、Bパート、そしてエンディングを含めると約24分となるところを、特別拡大版の47分となっていた。当初は47分と聞いて、コミックス1巻を丸ごと収録しているのかと思っていたのだが、蓋を開けてみれば2巻までをほぼ網羅した内容になっている。冗長と思われる部分をバッサリとそぎ落とし、それでいて重要な箇所をしっかりと入れることで、非常にテンポ良く見ることができたのには感心させられてしまった。

 もちろん、作中には「ジョジョ」ならではの独特のアクションやポーズ、丁寧にアニメーションで表現されており、ファンならずともニヤリとする場面が多々ある。「ジョジョ」シリーズ特有の擬音も、画面に文字として表示するお馴染みの手法で表され、それが物語により一層の“ジョジョらしさ”を与えてくれていた。

 また、コミックスの静止画でも躍動感が感じられるバトルシーンだが、アニメーションではそれ以上にスピード感と迫力が感じられる仕上がりとなっていた。特に、要所で使われるジャイロの回転する鉄球は、その演出と相まって重さと破壊力が映像からも伝わってきたほど。攻撃のたびに、見ている方としても思わず手を握ってしまった。

 「スティール・ボール・ラン」では、そんな戦闘シーンだけでなく騎乗して走る場面も多くなるのだが、疾走感などはどのように表現するのだろうかというのは気になっていた部分。しかし、実際に見てみて、予想以上の絵力に驚かされっぱなしだった。馬の筋肉の表現などもさることながら、特に気に入ったのは1話目のクライマックスとなるジャイロ・ツェペリ独走からのゴールシーン。コミックス以上にその速さを感じられるだけでなく、音響効果とあわせて見ている方にもメキシコからの風が感じられるのではないかと思ってしまったほど。今回の試写環境が素晴らしかったというのもあるかもしれないが、配信作品とはいえ「スティール・ボール・ラン」を見るならば音周りもぜひ良い環境にセッティングして欲しいと切に願う。

レース中の様子

 加えて、BGMも本作の雰囲気にマッチしていて素晴らしいものだった。期待を裏切らない仕事をしている。疾走感に合わせてなのか、全体的にアップテンポな曲が多く、それにノせられたためか試写時間もあっという間に過ぎ去っていった。47分あったにも関わらず、体感ではその半分程度と感じたほどだったと記しておきたい。

クオリティが非常に高く作画も安定! 見て絶対に損にならない出来栄え

 1話目ではお馴染みのスタンドの出番はなかったが、今後は頭脳と肉体、そしてテクニックを駆使した戦闘シーンが展開していくので、中だるみすることなくラストまで見られるのは間違いない。

 個人的に1話目のペースから考えると2クールもしくは3クール構成になりそうだと予想している。長く楽しめそうだ。今年になってからWBCの配信など各種事情でNetflixに入ったという人も多いと思われる。そういった方も、前から入っていた方も含めて是非この機会に「スティール・ボール・ラン」を見てみてはいかがだろうか。絶対に損にはならないクオリティの作品となっているのは間違いない。そんな本作の配信は3月19日16時から開始となる。

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