インタビュー

「モンハンワールド」プロデューサー辻本良三氏インタビュー

「ストV AE」コラボの“昇竜拳”は無敵判定ありで迎撃にも使える!?

【Taipei Game Show 2018】

1月26日~29日開催

会場:台北國際世貿中心一館

 Taipei Game Show 2018会期3日に行なわれた「モンスターハンターワールド」のステージイベントは既報の通り大盛況だった。本稿ではその直後に行なわれたメディアインタビューの模様をお届けしたい。

 今回世界初の情報公開となった「ストリートファイターV アーケードエディション(ストV AE)」とのコラボについては、波動拳と昇竜拳のダメージ判定に加えて、昇竜拳についてはお馴染みの“無敵判定”まで設けられ、実用性があることが明らかにされた。そのほかにも様々な質問が出ているので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

キャラメイクの“違和感”について質問が集中。仕様変更については要望次第

メーカーとメディアの間で、お互い忙しくてゲームがプレイできていない現状を嘆く一幕も
「モンスターハンターワールド」プロデューサー辻本良三氏
「モンスターハンターワールド」ディレクターの徳田優也氏
過去のローカライズは「モンスターハンターフロンティア」のみ。ナンバリング相当作品がローカライズされるのは今回が初めてだ

――これは質問ではなく意見だが、「モンスターハンターワールド」がTaipei Game Showの期間中に発売されたので、凄く辛い(笑)。

辻本良三氏:それは僕たちもそう。僕たちもできてないから(笑)。

――ゲームプレイに関して、今回はシームレスマップになっていて、フィールド面積は過去の作品より何倍も大きくなっていて、ハンターがターゲットのモンスターを狩るために必要な移動時間や、クリアするまでの時間が長くなっている。これについて、ポジティブな意見ばかりではないが、これを決定した経緯を教えて欲しい。

徳田優也氏:シームレスなフィールドにしたのは、生態系を密に描いたフィールドに入って狩りをして貰いたいという想いがあって、エリア切り替えが入ると、1つのエリアで起こしたことが、他のエリアに影響を与えることが難しかったので、すべてのエリアをひとつにすることで、すべてが繋がり響き合う生態系を実現するためにシームレスな世界を実現した

 また、モンスターを発見するまでに時間が掛かるということだが、確かに最初はそういう側面もあるが、どんどん狩猟すればするほど、出会うまでの時間が短くなるようなメカニクスを取り入れている。キャンプを増やしたり、痕跡を集めて生態研究レベルを上げていったり。今日のプレイでも見せたように、虫食い虫がモンスターまで案内してくれる。みんなは始めた直後なので時間が掛かっているかもしれないが、プレイしていくと今まで以上にスムーズにモンスターに出会えるようになっていると思う。

――キャラクタークリエイトについて、今回のキャラクターメイキングは非常に細かく設定できるが、期待していた顔とちょっと違っていた。作り直すことはできないのか?

辻本氏:作り直しはできないが、キャラクターを作るときに、表情の確認ができるようになっているので、それを見ながらキャラクタークリエイトをやってもらいたいのが1つ。そういう声を一杯頂くようなら検討はしようかなと考えている。

徳田氏:左下でライトの状態を変えられる。昼間だけではなく、夜間や夜間にライトに当たったときの表情などが確認出来る項目がある。それを使いながら作ればズレが少なくなるのかなと思っている。

――近接武器について、今作では切れ味が消耗しやすいと思う。砥石を使う頻度も上がっているので、ゲームプレイのテンポが悪くなっている印象があるが、なぜこのようなデザインにしたのか?

徳田氏:砥石の消費量は、過去作と変えていない。今までよりも多く消費するのはイメージの問題。「モンハン」シリーズは、序盤の武器は切れ味ゲージが短めですぐ消費するが、鉄鉱石や骨など、最初の強化の段階を踏める素材は簡単に手に入るようになっているので、そういう武器を早く入手して貰って、切れ味を上げて貰うという意図を含めている。今の状態で問題ないと判断している。

――マルチプレイ機能について、現状のサークルはリーダーしか招待できないし、同じサークルのメンバーでもオンライン状況を確認できないなど不便だと思う。サークル機能は今後強化する予定はあるのか?

徳田氏:その辺りの機能については我々も検討したが、自社サーバーを使っていないので、できることが限られている。現状の機能としてはリーダーしか招待できない。色んな声は頂いているので技術的にできることできないことも含めて、今後色々検討していこうと考えている。

――マルチプレイについて、友達が作った部屋に入るのに、英数字を組み合わせた部屋番号を入れなければならないのが煩わしい。新しいハンターをもっと手軽に誘えるような仕組みはないのか。集会所についても、過去作では、ハンター全員が同じ集会場にいたが、今回は村の中にいたり、武器を強化する工房にいたり、集めづらい状況にある。もうちょっとみんなでワイワイできるようなコツがあれば教えて欲しい。

徳田氏:集まりやすくする方法は、やっぱりフレンドになって、フレンド招待するのが一番簡単。一緒に遊んだ人には遊んだ履歴がゲーム内からも確認出来るので、その彼が遊んでいればその集会所に移動することもできるので、そこで交流を深めたり、フレンドになったり、ギルドカードを交換したりするのが遊びやすくなるポイント。サークルも複数登録出来るので、複数登録しておいて今自分が遊びたいサークルをアクティブにして、サークル専用ロビーを立てるとより集まりやすい状態になるかなと思う。

――武器のモーションについて、今回すべての武器で前方/後方回避ができるが、これにより武器を使える幅が広がったが、この仕様に変えた理由を教えて欲しい。

徳田氏:今回はモンスターやフィールドもシームレスで、モンスターは滑らかに追従して攻撃するようになっているので、進化したモンスターの攻撃に対応していくためには、プレーヤーも動きをシームレスにしてできることを増やして上げて、バトル全体のテンポを上げてシームレスなバトルが展開できるように、今のような形にさせていただいた。

――今回、モンスターは新しい加入したモンスターと、お馴染みのモンスターの両方がいるが、モンスターを選ぶ基準は?

辻本氏:シリーズ毎にテーマやフィールドが変わってくるので、そこに合わせたモンスターを導入しないと、あいつもこいつも全部入れてもタイトルのゲーム性に合わなかったり、フィールドに合わないとおもしろくないので、タイトルのゲームデザインやフィールドに合わせてチョイスしていく形になると思う。その上で、新モンスターを入れることでより新鮮味、ワクワク感が増していくというところがあるので、バランスを取りながら入れていくというのが基本になる。

――シームレスフィールドは生態系がよくできていて、ハンターが探索やミッションなどでクエストを行なう際、フィールドから出てくるモンスターはランダムなのか、それともあらかじめ決まっているのか?

徳田氏:クエストのターゲット以外の探索に出てくるモンスターは基本的にはランダムで選ばれるようになっている。一部の任務クエストや、特定の組み合わせで遊んで貰いたいクエストに関しては一部固定しているものもある。ランダムといっても、モンスターによってフィールド毎に棲息する出現確率が決められていて、その確率にそったランダム性になる。

辻本氏のまさかの「ナイショ」回答にインタビュー会場は笑いに包まれた

――「ストV AE」コラボでは、リュウやサクラとコラボするということだが、「ストV AE」にはほかにも春麗など様々なキャラクターがいるが、他のキャラクターとのコラボの可能性、あるいは他のカプコンタイトルとのコラボの可能性は?

辻本氏:ナイショです(笑)。

――「ストV AE」コラボで、ジェスチャーとして追加される波動拳、昇竜拳についてはダメージも与えられるということだが、もう少し詳しく教えて欲しい。昇竜拳は無敵時間を活かして、モンスターの攻撃を避けることもできるのか?

徳田氏:先ほどもステージで伝えたとおり、波動拳、昇竜拳はダメージ判定を入れてる。もの凄く大きなダメージではないが、ダメージ自体は入るようになっているし、昇竜拳に関してはお馴染みの出始めに無敵判定を入れているので、ジェスチャーはショートカット登録できるので、ショートカット登録して一発で出せるようにしておけば、モンスターの攻撃を素早くかわすという目的にも十分使えるのではないかと思う。

――台湾で「モンハンワールド」は人気だということだが、売れ行きや販売状況について手応えは?

辻本氏:現状で言うと、台湾でも凄く反響をいただいていて、今まで以上に多くの方にプレイして頂いている。想像以上のもの。僕は何度も台湾に来ていて、台湾の方達がこのタイトルについて凄く支援してくれるということを感じていたので、ローカライズをさせていただいた時に、より多くの人にプレイして貰いたいという気持ちもあったし、これまで日本語だから遊んでいないという人もいたと思うが、ようやく中文版を最速のタイミングで出せたというのはまさに皆さんのおかげ。アジアの熱が最速でのアップデート対応を可能にした。皆さんのおかげで実現することができた。

――「モンハンワールド」は、過去の作品と比較して世界観とストーリーが強化されていると感じた。世界観とストーリーの作り込みについてコメントを。

徳田氏:ご好評いただいているなら嬉しい。今回、せっかくグラフィックス表現も向上しているので、没入感をもって遊んで欲しいということで、ストーリーを充実させた。まだユーザーの感想を拾いきれていないので、まだわかっていないところがあるが、好評なら僕としては嬉しい。

――この質問はまだ早いかもしれないが、「モンハンワールドG」はリリースされるのか?

辻本氏:「G」についてはまだ未定だが、発表している中でいうと、イビルジョーを追加するし、あくまで「大型」という表現を使っているが、発売日初日にも、ギャラリー等も入ったりしている。イビルジョーの後も、無料のアップデートを数回しようと思っている。ただ、あくまでパッケージとして販売しているものなので、5年とか10年とかアップデートを継続するというわけではないと思うが、「モンハンワールド」としてしっかり遊んで満足して貰えるように数回のアップデートを考えている。