インタビュー

「GT SPORT」プロデューサー山内一典氏インタビュー

ついに「GT7」に言及。FIAライセンス取得計画は「一歩ずつ前に進んでいる」

【Taipei Game Show 2018】

1月26日~29日開催

会場:台北國際世貿中心一館

 Taipei Game Show 2018の会期2日目となる1月27日、「グランツーリスモSPORT(GT SPORT)」のステージイベントの後、プロデューサー山内一典氏へのメディアインタビューが行なわれたのでその模様をお届けしたい。ステージイベントについてはイベントレポートとしてまとめているのでそちらを参照いただきたい。

カスタマイズやセッティング要素は「次の『GT』になると思う」

「GT SPORT」プロデューサーの山内一典氏
VRモードには、今後タイムトライアルが追加されるという
FIAグランツーリスモチャンピオンシップ。現在はまだテストシーズンとなっている

――「GT SPORT」はパッチで車やコースの更新をしているが、車以外に新しいアップデートの予定はあるか?

山内氏:現状では車とコースの更新。それからGTリーグというゲームモードのレースの更新の3つ。それは今後も続くと思う。

――「GT6」はたくさんのカスタマイズアイテムがあったが、今後「GT SPORT」で同じ要素を追加する予定はあるか?

山内氏:「GT SPORT」のカスタマイズ要素は、ナンバリング、「GT6」、あるいは将来出るかもしれない「GT7」とは違ったデザインを取っている。カスタマイズ要素が、キチンとすべてユーザーの皆さんが望むような内容になるのは、おそらく次の作品になると思う

――「GT SPORT」でこれまで収録された車の多くは、前作にも収録されているが、今後まったく新しい車を追加する予定は?

山内氏:そのつもり。毎月リリースしているアップデートの中には新しい車もある。今後も、過去の名車はもちろんのこと、それだけでなく新しい車を含んでいく。

――「GT SPORT」のマルチプレイは、本当のレースのようにスポーツマンシップが求められているが、実際のゲーム内のレースでは、ゲームに慣れていないユーザーもいて、スポーツマンシップを遵守するのが難しかったりする。この点について何かコメントはあるか?

山内氏:今日も先ほど会場で、「GT SPORT」のトッププレーヤー同士の対戦をみたが、ほとんどトップクラスの実車レースと同じかそれ以上のクオリティでレースをしてくれた。彼らのように“良いドライバー”がたくさん育ってくれると、「GT SPORT」の世界もリアルなモータースポーツの世界に近づいていくと思う。

――FIAから正式ライセンスが取得できるという計画はどうなったのか?

山内氏:相変わらず続いている。FIA、それから自動車クラブとの皆さんとのコミュニケーションは続けていて、一歩ずつ前に進んでいる。ただ、グローバルにそのプログラムを前に進めるのは簡単なことではない。

――PS2でリリースされていた「ツーリスト・トロフィー」が好き。「TT」の続編の計画はないのか?

山内氏:現時点の予定はないが、いつも「TT」の続編については聞かれるので、「TT」の続編として出るのか、「GT」の中にモーターサイクルが登場するのかはわからないが、いつも僕の頭の片隅にはある。

――「GT」はリアリティを追求しているが、エンターテインメントとしてはライトユーザーにはもの足りないという意見もある。そのバランスはどのように取っているのか?

山内氏:僕らが「GT SPORT」で実現した車の挙動、フィジックスというのは、おそらく上級者、ここでいう上級者というのは実際にサーキットで車を走らせたことのある人のことを指しますが、その上級者でも納得のいく動きをしていると思うし、それと同時にはじめて車を運転する人でも想像と違う動きはしないと思う。この2つのことを同時に実現したのは「GT SPORT」が初めてのことだと思う

――VRモードは現時点ではシングルプレイのみだが、今後マルチプレイに対応する予定は?

山内氏:マルチプレイの予定は今のところないが、今後のアップデートでVRモードでタイムトライアルは可能にしようと思っている。

「次の『GT』」に関する質問が集中し、苦笑いの山内氏

――今回のセッティングでは、タイヤやサスペンションなどの調整ができるが、もっと細かく調整したい人向けに新しいセッティングを搭載する予定は?

山内氏:それはおそらく次の「GT」になると思う

――“次の「GT」”について何か具体的なプランはあるか?

山内氏:まだ何もお話しできないが、「GT」をリリースした瞬間から、次の「GT」の製作を始めている。

――次回作はナンバリング、「GT7」になるか?

山内氏:それはまだわからない(笑)。

――「GT」シリーズはリアリティを追求しているが、エンターテインメント中心のレーシングゲームを作る考えはあるか?

山内氏:レースゲームというジャンルに関していうと、よりエンターテインメント性を高めたレースゲームを作ることは今後もないと思う。レースゲーム以外のジャンルで作ることはありうると思うが。

――「GT SPORT」にF1の車が出てきたが、まだジャンルの車がない。今後追加する予定はあるか?

山内氏:そういった車を追加することを否定する理由は何もないと思う。

――GTリーグの新たなモードの追加の予定は?

山内氏:GTリーグのイベントを毎月追加してるが、同じイベントの中で、新しいコースが登場すれば、新しいイベントに追加されるというようなことは今後もやっていきたい。もともと「GT」シリーズの世界の一部であった、GTリーグの世界が今後もどんどん広がっていくと思う。GTリーグの中には、今月追加したF150ラプターのレースであったり、フェラーリだけのレースだったり、基本何をやってもいいようなゲームデザインになっているので、GTリーグの中に、これまでになかったようなユニークなレースが登場することはありうると思う。

――「GT SPORT」は全年齢対象のゲームだが、今後オフライン大会などで、子供限定のレースを追加したりする予定はあるか?

山内氏:それは僕はぜひやりたいと考えている。「GT SPORT」に欠けているのは年齢を選択できるUI。そういうエイジセレクターを導入して、年齢別のレースもやりたいと考えている。ただ、オンラインでやるというのは簡単ではない。FIAのグランツーリスモチャンピオンシップに関しては、FIAが「基本的には18歳以上でやろう」と言っている。