インタビュー
「ハースストーン コボルトと秘宝の迷宮」クリエイターインタビュー
目玉は「ダンジョン攻略」! 招集やレジェンド武器でデッキ構築に更なる幅を
2017年11月7日 02:46
BlizzCon恒例となっている「ハースストーン」の拡張版の発表がBlizzCon 2017でも行なわれた。「コボルトと秘宝の迷宮」は、「World of Warcraft」に登場するコボルトと、彼らが長い年月を掛けて構築した広大なダンジョンを舞台にしたエキスパンションで、135枚もの新カードと共に、シングプレイモード「ダンジョン攻略」が追加される。実装時期は12月を予定。今回は、BlizzConに合わせて実施されたメディアインタビューの模様をお届けしたい。
「ダンジョン攻略」で新たな秘宝を獲得せよ!
――今回発表した「コボルトと秘宝の迷宮」のテーマを教えて下さい。
Ayala氏:クラシックなファンタジーのダンジョンをイメージして開発しています。我々が好きなテーマは、探索して宝物を見つけてさらにどんどん奥に進んでいくというもので、「World of Warcraft(WoW)」でダンジョン探索しているようなイメージになっています。
――「コボルトと秘宝の迷宮」の直接的なモチーフとなっているのは何ですか?
Abel氏:基本的にはファンタジーのダンジョンです。ひとつ象徴的な存在を挙げるとするとコボルトで、「WoW」に登場するキャラクターです。頭にろうそくを立てていて、アゼロスの地下を何千年も掘っています。その過程でお宝も集めていて、という設定になっています。
――コボルト以外にはどのようなメインキャラクターが登場しますか?
Ayala氏:「狐のマリン」です。これはBlizzCon参加者はゴールデンカードが貰えて、BlizzConに参加しなかった人も無料で提供されます。「コボルトと秘宝の迷宮」の代表的なキャラクターです。
――ボスにはどのようなキャラクターが登場しますか?
Ayala氏:今回の目玉は「ダンジョン攻略」と呼ばれるシングルプレイ用のコンテンツで、トータル48体のボスが登場します。非常に規模の大きなコンテンツで、何回も遊べますし、完全に無料です。イービルコボルト、コボルトキングなど、バラエティに富んだボスが登場します。
――コボルトというのは味方ではなく、あくまで敵という扱いなのですか?
Abel氏:そうですね(笑)。今回の基本コンセプトは、コボルトを倒して、彼らがため込んでいた財宝を獲得するという内容なので、基本的には敵です。ネズミみたいなクリーチャーです。
――本エキスパンションのゲームプレイにおけるこれまでにはない新たな魅力とは?
Abel氏:「ダンジョン攻略」がそれに当たると思います。8つのステージで構成されていて、それぞれランダムで48種類の中からボスから選ばれて登場します。最初は10枚しか手元にカードがない状態からスタートして、初めはボスもネズミなどで弱いですが、クリアしていく毎にボスも強くなります。1回クリアするごとに3枚の中から1枚をデッキに追加できて、2ステージあがることに秘宝が1つ手に入れられます。それはランク戦にも使われるような有力で、ゲームを変えられる力を持つカードです。
――「コボルトと秘宝の迷宮」では、なぜ「ダンジョン攻略」というボリューミーなシングルプレイモードを入れたのですか?
Abel氏:シングルプレイモードは、「凍てつく玉座の騎士団」や「ワン・ナイト・イン・カラザン」などで過去に追加していますが、今回新たに「ダンジョン攻略」を導入した理由は、ダンジョン探索していくというのがテーマなので、そのテーマに沿ったコンテンツが必要だと考えたためです。
――新しいカードのデザインの方向性はどのようなものですか?
Ayala氏:今回135枚の新カードが登場します。当然、今までにはなかったような種類のカードも多くて、アイデアとしては前からあったが、今まで入れてなかったようなカードもいくつかあります。代表的なものは「招集」で、これはデッキの中から、ランダムなミニオンを引いてくるというものです。
この「招集」は、どうやって使うかというと、デッキに強いミニオンを入れておいて、招集カードで一気に強いミニオンを引いて局面を変えるというものです。もうひとつはレジェンダリーの武器が、各ヒーローに1つずつ入ります。今まで武器がなかったヒーロークラスにも与えられることを意味しています。ステージで紹介したプリーストは、1ターン内に3回スペルを使うと、5/5のドラゴンが召喚できます。スペルで固めたデッキを使えば、効果的にドラゴンを呼び出すことができるでしょう。
――“トレジャー”というだけあって新たなカードには強力なものが多いですが、どのようにしてゲームバランスを維持するつもりですか?
Ayala氏:すべてのカードが強く見えたかもしれませんが、我々がこだわっている部分は、「大魔境ウンゴロ」などの過去のエキスパンションと比較して、同じパワーレベルにするということです。「コボルトと秘宝の迷宮」にももの凄く強く見えるカードもあり、ひょっとすると本当に強いかもしれませんが(笑)、これまで同じパワーレベルになるようにデザインしています。
Abel氏:新しいカードの中には、ダンジョン攻略の中でしか登場しないカードもあって、それはランクマッチでは使えないようになっています。
――「コボルトと秘宝の迷宮」のリリース後、いわゆるメタはどのように変化すると考えていますか?
Ayala氏:カードをデザインする中で心がけているのは、今までになかった新しいデッキが登場して、ゲームを楽しめる状態にすることです。たとえば、昔流行ったけど最近使われていないデッキが蘇ったり、レジェンドの武器が9つ入るので、それによってデッキの幅も広がりますし、アイデンティファイドアイテムという存在もあって、これは手札に引いたときにランダムで効果が追加されるというものですが、これによってもデッキに更なる幅が出せるようになっています。
――レジェンド武器の入手方法と、プリースト以外のレジェンド武器はどのような性能になっているのか教えて下さい。
Ayala氏:現時点で情報を公開しているのはプリーストとメイジで、もう1つのメイジは、ターンの終了後に3枚カードを引いてくるというもので、強く見えるけどリスクもあります。武器の入手方法は、ログインしたときにはじめの1枚がランダムで貰えて、残りは8つはカードパックを開けるか、クラフトで作成する形になります。
――「ハースストーン」は日本でも人気の高いカードゲームですが、開発チームは日本のプレーヤーに対してどのような印象を持っていますか?
Ayala氏:多くの日本の方々にプレイしていただけるのは非常にエキサイティングなことだと思っています。「ハースストーン」はリージョンによってプレイスタイルが大きく違っていて、たとえば中国ではアリーナばかり遊ばれています。そうした日本を含む、様々な地域からフィードバックが得られることはとても貴重だと考えています。
――日本の「ハースストーン」ファンに向けてメッセージをお願いいたします。
Ayala氏:さっきの話と被りますが、新しく日本の方々がプレイしていることを光栄に思っています。こうしてインタビューができたり、コミュニティを通じてフィードバックが得られることはとても良いことだと思っています
Abel氏:日本はリッチなコレクタブルカードゲーム(CCG)の歴史を持っており、豊かなプレーヤーベースがあるので、CCGに情熱を持ったプレーヤーの方が、「ハースストーン」に情熱を傾けてくれるのはありがたいことです。
――ありがとうございました。
©2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.