インタビュー
PS4「バトルガレッガ Rev.2016」インタビュー
2016年10月14日 17:00
初心者でもここから始めていける「スーパーイージーモード」を搭載!
――「ガレッガ」というゲームをおぼろげにしか知らない人だと、「普通にはクリアできないゲーム」とか「色々めんどくさいゲームらしい」という印象を持っているかもしれません。そういう人に向けてのアプローチはどんなものがあるのでしょうか?
長野氏:やっぱりそこですよね。それには「スーパーイージーモード」というものを用意しています。
プレイモードとしては、「アーケードモード」、「スーパーイージーモード」、「プレミアムモード」があって、もうひとつオプションをいじった場合の「カスタム」もありますね。オプションはこちらで足した項目がたくさんあり、元からあるディップスイッチ系のものもあります。
――まずは「スーパーイージーモード」からお伺いしますが、難易度がどれぐらい変わるものなのでしょう?
長野氏:まだ調整中で、今日お見せできるものだと調整初期のものになってしまうのですが。例えばそれを「ガレッガ」をプレイしたことのない初めての人にプレイしてもらうと……多分、最初のプレイでそのままクリアできちゃうんじゃないかなと思いますね。むしろ、「ちょっとこれ簡単過ぎるよね?」ってなるかも。
久保田氏:なかなか死なない「ガレッガ」になっています。
堀井氏:「ガレッガ」は、弾を避けながら撃ち込むっていう普通のシューティングゲームと比べて、さらに「勲章を回収しながら残機を溜めていく」っていうことをしないといけないんですよね。それを同時にやるのが初めてプレイする人には辛いはずで。そこは勲章を近づいただけで吸い込めるようにしています。
長野氏:あと、単純に敵を弱くしていますね。アーケードのバランスだと、とにかく敵が堅いんですよね。最初に並んで出てくる地上雑魚ですら撃ち込んでも全部壊せないまま過ぎ去って行っちゃう。でも「スーパーイージーモード」なら1発で倒せるので。
ボスも今の調整だと、出てきてすぐに何も攻撃してこないぐらいで倒せちゃったりします。でも、さすがにちょっと簡単すぎるので、もう少し歯ごたえを出そうという方向にこれから調整していきます。
堀井氏:スーパーイージーモードを作っていくときに、まずは「ランクが上がらないようにしてみたら、いい感じになるのでは?」なんて考えてやってみたんです。で、実際にプレイしてみると最初は「あ、かなり普通に遊べるゲームになったよね」なんて思ったんですけど……後半の面になるとやっぱりかなりの難易度で打ちひしがれるという(笑)。
長野氏:「ガレッガ」ってランク0にしてプレイしてみても、全然イージーじゃないんですよ(笑)。
堀井氏:そうなんですよ!
長野氏:普通にきついんです(笑)。6面とかになると「なにこれひどい!」ってなっちゃって。全然簡単じゃない。「ランクを上がらないようにするだけじゃイージーとは言えない」ってなりましたね(笑)。弾を間引いたり、敵を柔らかくしたりして、その反動で今は簡単すぎるぐらいになってますね。
久保田氏:ランクが上がると、敵が堅くなって、もともと多い弾の量がもっと増えて、しかも弾の速度も速くなるんですよね。でも、基本的にランク最低でも元のきつさは変わらないんです(笑)。
ここで「スーパーイージーモードのプレイを実際に見てもらいましょうか」というお話になり、久保田氏が開発中のバージョンでの実演プレイを開始。
久保田氏:まず敵がとにかく柔らかいです。スタート時から残機も5からですね。
(雑魚が1発の弾で次々に破壊されていく)
――普通のシューティングゲームのようですね(笑)。
長野氏:ウエポンも5倍のスピードで増えるので、あっという間に溜まっていきますよ。
久保田氏:勲章も近くにいくだけで吸引するようになっているんですよ。勲章が画面外に落ちる速度も遅くなっていますので。
――これは楽ですね。真横にある勲章も急角度で吸い込まれていく! あ、もうウエポンが最大になってる!!
堀井氏:調整のポイントとしては“アイテムを取りやすくする”ことと“勲章を気にせず避けに集中していい”というところですね。「ガレッガ」の上手い人に聞いても「初心者に勲章を取らせるのは無理」って言うんですよね。そこをまず工夫しています。
久保田氏:最初は全部のアイテムを吸引するようになっていたんですけど、なんでもかんでも吸い込んじゃうとフォーメーションが作れなくなっちゃうので。今は勲章だけにしています。ちなみに、このモードでのスコアアタックも面白いんですよ。小ウエポンで稼いだりできますね。
長野氏:そうそう、小ウエポンが1,000点になるからおいしい。ウエポン発射時の特定の敵スコアが1.5倍にもなるから、勲章が出るところで使った方がもっと稼げるはずです。(※)
※このスーパーイージーモードでのプレイ中の会話は、インタビュー収録当時の開発時点での仕様の会話となるため、実際のスーパーイージーの仕様とは異なるとのこと。 最終的にどんな仕様になったのかは読者の皆様自身の目でお確かめ頂きたい
――1面のボスまで来ましたけど、パーツが壊れるのが早いっ!
長野氏:今だと“パーツを壊す前にボスが死んじゃう”んですよ。ボスで稼ぐのは逆に難しいですね。でもこれなら、初めてプレイする人でもクリアできますよ。
久保田氏:敵の弾がかなり間引かれているので、ものすごく楽です。あと、敵の弾に当たってしまったときの「オートウエポン」機能もありますよ!
長野氏:初心者はオートウエポンで救済されますし、スコア稼ぎをする人はそのぶんのウエポンを有効に使うとすごく稼げますね。このスーパーイージーモードはこれはこれで、スコアアタックが楽しいと思いますよ。
――オートウエポンの性能は、通常のウエポンと同じなんですか?
長野氏:変わらないです、無敵になりますね(※)。でもウエポン周りもまだ調整したいところではあって。今はウエポンが溜まりすぎてます。これじゃどうやっても死なないですからね。
※オートに限らず、ウエポンの無敵時間はアーケードより増やし、緊急回避としても使いやすくなったとのことだ。
堀井氏:いやー、発売日を考えると調整している時間はもうあまりないはずなんだけどなー! ……まぁ、いつものことですけど。
――(笑)。
長野氏:(久保田氏のスーパーイージーモードプレイを見つつ)ここの面でホーミングにするとかなり楽になるね。
堀井氏:アイテム逃しでフォーメーションの調整ができるということは知っていたけど、こうやってガジェットで表示してくれるとやりやすいよね。
久保田氏:僕も最初はそういうフォーメーションの調整ができるらしいと聞いていたぐらいだったんですけど、このガジェットがあると作りやすいです……あ、間違ってサーチにしちゃった!!
全員:(笑)。
長野氏:スーパーイージーモードなんだから、どのアイテム取っても問題ないし全部取った方がいいよ。
久保田氏:アーケードの癖でどうしても避けちゃうんですよ!(笑)。
長野氏:オプションも500点だから、このモードでは取るんだよ。アーケードだと絶対取っちゃダメだけど(笑)。
久保田氏:アーケードでは間違って取っちゃったアイテムでランクがものすごく上がりますからね。ランクグラフのガジェットのおかげで、それがどれぐらい変わるのかが見えるようになって。オプション取るとランクが跳ね上がるのにびっくりします。絶対取っちゃダメですね(笑)。
長野氏:(久保田氏がラスボスに到達したのを見つつ)先ほどもありましたが、ボスの体力が今のスーパーイージーモードだとものすごく低いです。今「ボス体力」のガジェットに60ってありますけど、本来はランクが凄く上がっていてそれが上乗せされるので、もっと高いんですよ。
久保田氏:アーケードの普通だと180ぐらいになりますよね。
長野氏:そうそう、そこにランクの分も増えると200を越えてくるんだよね。
堀井氏:そのへんの“ランクが上がると何が変わるのか”が遊んでいてわかるのもポイントですね。
久保田氏:ガジェット表示でそのあたりの落差がすごくわかるようになってます。
――スーパーイージーモードを見させて頂きましたが、今の調整だと本当に簡単ですね。今後の移植タイトルでも同じような“簡単モード”というアプローチが出てくるとは思うのですが、なにかひとつエムツーらしさのあるコンセプトみたいなものが欲しいですね。
堀井氏:そうなんですよね。
久保田氏:「ガレッガ」はアーケード版が非常に難しいゲームなので、アーケードの練習になるような難しさに調整したいんですよね。堀井がよく言う“ガレッガ養成ギブス”になるよう上手い具合にしていかないと、ですね。
堀井氏:そこだよね、本当に。
長野氏:でも“スーパーイージー”を名乗ってるからにはね、そんなに難しくするのも……。なにしろ元がベリーハードだからね。アーケードのノーマルが既にベリーハード(笑)。
――アーケードのノーマル難易度から差し引いて考えると、なかなか難しいだろうという事情もあるだけに(笑)。
長野氏:そうですね、普通の歯ごたえで遊べるぐらいになったら「ガレッガ」にとってはもうスーパーイージーかもしれない(笑)。
堀井氏:こうやって開発をして中身を知れば知るほど、「俺が悪いわけじゃなかったんだ……!」ってなります(笑)。でもその話をもとのメインプログラマーさんにしても、「でも、俺にはこれぐらいが楽しいんだけど」って言われちゃうと思うんですよね。
そんなゲームなので、今だとゲーセンなら“選ばれし者”がプレイしている様子にギャラリーができたりしますけど、スーパーイージーモードは庶民向けになって欲しいなという感じです。
久保田氏:“選ばれし者になっていけるようなバランス”というのも目指したいですね。
長野氏:もしくは、“選ばれし者にはなれなくても楽しめる”モードでもあっていいと思うんですよね。
久保田氏:世界観がいいとか、音楽がいいっていうゲームでもありますからね。そういうところが難しいと最後まで楽しめないので。スーパーイージーモードでエンディングまで見て欲しいですよね。
長野氏:さっきも少し話しましたけど、これはこれでスコアアタックに独特なものが出てきそうな感じになっているので。スーパーイージーモードでのランキングに挑戦するという楽しみもあると思います。
久保田氏:アーケードのスコアラーの人も、スーパーイージーモードのスコアアタックを新たに開拓していかれるかもしれません。
――ランキングはモード別に用意されるということですよね?
長野氏:そうです。その代わり、オプションを初期設定から変更すると、モードは「カスタム」になりますので。各モードの初期設定でプレイするとランキングに入ります。
久保田氏:初期設定がランキングのレギュレーションになっていますね。
――オプション項目はどれぐらい用意されるのでしょう? 今の段階でもかなりありますけど……!
久保田氏:これはまだ開発途中の状態で項目が入っていないんですけど、おそらくこの3倍ぐらいに……。
――(笑)。
長野氏:今、スーパーイージーモードやプレミアムモードに設定や調整項目は、全てオプション項目に入る予定ですね。
久保田氏:敵の柔らかさや弾の間引き方、勲章の吸い取りなど、全部オン/オフできるように項目が並んでいきますね。
長野氏:オプションを変えるには「カスタムモード」でプレイしてもらうことになりますが、逆に、カスタムだと本当に自由に設定できるようにしていますので。自分の腕にあわせていろいろ調整しつつプレイしてもらえればと思います。
久保田氏:スーパーイージーモードじゃあ簡単過ぎるから、もうちょっと難しくしようみたいな。
長野氏:そうして遊びこんでもらえると「アーケード版への道」みたいになるかなと思います。
久保田氏:プログラマーの福井が暴走気味にオプション項目の仕様を増やしていますので、誰でも遊びやすくできるとは思うんですよね。
堀井氏:設定項目とか仕様がガンガン増えるのは初心者向けじゃないと思うけど!
――確かにそれだけ設定項目が多いとなると、「ガレッガ養成ギブス」としては鍛え方をガイドして欲しいような、セットアップでこういう順番でプレイしていくといいよ、みたいなものが欲しいようにも思いますね。
長野氏:そういうプリセットみたいなものがある程度あったほうがいいですかね……じゃあ、ダウンロードコンテンツで!
堀井氏:その言葉、俺が今聞いたからね!
全員:(笑)。
堀井氏:いや、いいと思うんですよ。本当はそこまでやれたらって思っていますし。
長野氏:そこはプログラマーの福井が、多分なんとかしてくれます(笑)。
堀井氏:やりたがるよね、きっと。
久保田氏:話したら「いいですね!」って言いますね。
――たくさんあっても「めんどくさい」ってなっちゃう人に、どう上手くなっていってもらうかというのは、大変だとは思うんですけど欲しいですね。
堀井氏:本来、養成ギブス的に欲しいものとしては、何度もやり直して上手くなっていくところを、なにかしらの方法でその回数を減らし、アーケード版がバンバン上手くなる! っていうのが理想ではありますね。
長野氏:クイックセーブとクイックロードが30個できる(各モードごとに30個で合計120個設定可能)ようになっているので、好きなところでセーブして練習してもらう感じになりますかね。あとはリスタート機能もあって、それをボタンに割り当てると、すぐにリセットもできます。いわゆる捨てゲー機能ですね。とりあえずはそのあたりを駆使して快適にやり込んでもらえたら……。
堀井氏:やる気のある人は、いろいろと便利に使って上達していけるという感じですね。自分でいろいろセッティングするほどまでのやる気はないという人でも上達していけるものを、いずれ何か作れればと思いますねー。
――もう1つの追加モード「プレミアムモード」はどのようなものになるのでしょう?
長野氏:プレミアムは一言に言うと“冬野仕様”ですね。基本的にはランクを気にせず、普通に避けて撃つというシューティングを作る……という感じですね。ランクの上昇は各ステージごとに固定値のランクにしています。アーケード版のようなドラマティックな上がり方はしないです(笑)。
――そのあたり、エムツー流のランクの上がり方をするモードというのがあると嬉しいですね。
長野氏:ですよね! それが「プレミアムモード」になっているんです。普通に撃って避けるシューティングとして楽しめます。ぶっちゃけた話、「プレミアムモード」はアーケードともだいぶ違うゲームになってますね。
久保田氏:ほぼ別ゲーかなという感じがしますね。忠実に移植している「アーケードモード」も収録していますから、それとはまた異なる楽しみ方ができるものを作ろうという話がまずあって。「プレミアムモード」はそういう方向性になっていますね。