【特集】

【ネタバレ注意】ビリー・カーンのデレ顔を独り占め!「KOF for Girls」で2人だけの世界を堪能してみた

カード集めと上限解放、親密度やランク上げでキャラとの関係を深めよう

正式サービス中(11月8日サービス開始)

 ビクターエンタテインメント・ゲームズのAndroid/iOS用格闘×恋愛ゲーム「THE KING OF FIGHTERS for GIRLS(以下、KOFG)」が11月8日に配信された。本作は、SNKの対戦格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ(以下、KOF)」のヒーローたちと恋愛できる乙女ゲーム。草薙京や八神庵、テリー・ボガード、リョウ・サカザキらおなじみのメンバーが登場するオリジナルの「KOF」ストーリーが展開する。

 これまでファーストインプレッションやインタビューなどで本作を紹介してきたが、今回はキャラクターを絞って2章までのストーリーの流れや、その過程で楽しめる恋愛要素などを紹介していきたい。今回相手に選んだのは、ビリー・カーン。まずは彼のプロフィールを紹介しよう。なお、ストーリーの一部をネタバレしているので、プレイ中の人は注意して欲しい。

ギース・ハワードに忠誠を誓う棒術の使い手

 ビリー・カーンはイギリス出身で棒術を使う格闘家。かつてはサウスタウンの支配者であるギース・ハワードの側近だった。ギースが亡くなった今も忠義を尽くしており、ボイスもギースに関することが多い。好きなものは卵料理または、妹の手料理で、嫌いなものは命令と汚れた服。

 初登場はSNK初期の対戦格闘ゲーム「餓狼伝説」(1991年)。悪役として登場することが多いが、ギースへの実直なまでの忠誠心や、趣味が洗濯という意外にも家庭的な側面、妹リリィとの兄弟愛など憎み切れない部分が多々あり、清濁併せ持つ魅力的なダークヒーローだ。

【餓狼伝説 宿命の闘い】
趣味は洗濯。ギースに忠誠を誓っており、テリーとの因縁がある
ゲーム内でも服が汚れるのを嫌うシーンがある

 キャラ愛を思い切り語ってもいいということなので、なぜ今回ビリー・カーンを選んだのかを語りたい。筆者がビリーと初めて出会ったのは「餓狼伝説スペシャル」(1993年)。当時は格闘ゲームブームの真っ最中。「餓狼伝説」もTVアニメや映画になっており、悪役サイドでもっとも光っていたのがビリーだった。

 ゲーム中のボイスが総じてヒャッハー系で、「歩く凶器」と称される危険人物ではあるが、初代「餓狼伝説」の武器を手放すといきなり弱気になって頭を抱えて震えだすという設定や、洗濯が好きだったり、妹に言い寄ろうとするジョー・東を追い払おうとしていたりと、妙に生活感にあふれるところがあって、そのギャップがなんとも気になる。ギースに絶対の忠誠を誓っており、嫌いなもの「命令」なのにギースは別枠、「リアルバウト餓狼伝説」(1995年)以降はギースと戦う時には一礼とあいさつを欠かさないという気遣いの人でもある。

 出身がロンドンという都会っ子で、普段はバンダナで髪を隠しているが、実はショートの金髪というところもいいし、「リアルバウト餓狼伝説」で着ていた革ジャン姿もいい感じだ。アニメなどでたまに出てくる、スーツにバンダナ、棒という姿もクールでかっこいい。棒術を使った攻撃もグッとくるものがある。

 敵役ゆえに凶暴過ぎる姿で描かれることが多いビリーだが、「KOFG」では、凶暴さがいい感じにまろやかになり、大手を振って「カッコイイ!」と言えるビジュアルで登場しているのは、長年の乙女ファンにとっては嬉しくもありがたい話だ。

【 餓狼伝説SPECIAL】
【 リアルバウト餓狼伝説】

「KOFG」では神世界チームの一員として登場

 「KOFG」でのビリーは、KOFの主催者ナギのオフィシャルチーム“神世界チーム”のメンバーとして登場する。チームメンバーは山崎竜二と、ナギの忠実な部下であるヨミ。山崎は凶悪で冷酷な裏世界の人間で、ヨミに雇われて試合に出場している。初登場時のビリーは、テリーへの殺意をみなぎらせているが、まるで操られているかのように様子がおかしい。

神世界チームの一員としてKOFに参加する
登場時にはテリーへの殺意をみなぎらせている

 盛大に始まった「KOF」だったが、大会が進むにつれて次第に周囲に不穏な雰囲気が漂い始め、ファンと大会に反対する集団との対立が激化していく。そんな時、審判にまで暴力をふるう見境のない山崎を止めようと追っていったリョウとロバートが行方不明になってしまう。2人を探す主人公は、その過程で闇を浄化する不思議な力に目覚める。

ひたすら暴力に訴えかけてくる山崎はとても危険な存在だ
観客にも異変が表われ凶暴になっていく

 この浄化の力で、主人公はヨミの支配下にあったビリーも開放する。ビリーは山崎の魔の手から逃れ、怪我を負いながらも主人公たちが暮らす大門五郎の道場に辿り着き、重要な情報を彼らに届ける。その後、ビリーは主人公たちと行動を共にすることになる。

キャラクターと2人だけの時間を過ごすサイドストーリー

 メインストーリーはいかにも「KOF」らしい、格闘とオカルトを融合した物語が進行していく。メインストーリーを開放しつつ、キャラクターのランクを上げていくことで恋愛要素満載の「サイドストーリー」が解放されていく。サイドストーリーでは、メインストーリーの合間のエピソードをキャラクター事に楽しむことができる。

サイドストーリーの選択画面

 ビリーカーンのサイドストーリーは、第1話からかなり衝撃的だ。主人公はKOF会場のバックヤードで、苦しそうに歩いているビリーを見かける。我を失い暴れそうになるビリーをおしとどめようと、主人公は必死にビリーを抱きしめる。ビリーを探しにきた山崎が現われ、その時にはなにもわからないまま別れることになってしまう。

 次にストーリーが進むのは、ビリーが一緒に行動することになってからなので、しばらくはひたすらランクを上げつつメインストーリーを進めていくことになる。最初はただ怖そうなだけだったビリーが、実はかなり心配性のお兄ちゃん気質丸出しの苦労人だとわかるのは、2章を中盤以上まで進めてからだ。

サイドストーリーでは主人公を警護しようとずっと付いてくるビリーに困ってしまう場面も

トレーニングとファイトで経験値や親密度を上げよう

 メインストーリーを読むには、プレーヤーランクを上げていく必要がある。ランクを上げる方法は「トレーニング」と「ファイト」の2種類があるが、経験値を稼ぐには「トレーニング」が最も効率がいい。

 「トレーニング」は大門の道場でグローブを付けた木人と戦うというコンテンツ。難易度はEASYからEXPERTまでの4段階。難易度の差は消費するTPの差なので、どのランクのキャラクターでも3人でチームを組んでプレイすることができる。

トレーニングではキャラたちのジャージ姿を見ることができる

 報酬として大量のプレーヤー経験値とキャラクター経験値、さらにカードを強化させるためのファイトスターと、レアリティが低いカードが手に入る。キャラとの親密度も少しだけ上昇する。

トレーニングでは10個の木人を倒していく

 ただトレーニングは始まってしまうと見守ることしかできないので、プレーヤーとしては少々手持無沙汰だ。その点、「ファイト」には応援するという役割がある。「ファイト」は本作で最も「KOF」らしい要素が詰まったコンテンツだ。

 こちらも3人でチームを組んで、ランク1、10、20、40のいずれかの敵と対戦する。こちらはFPポイントを消費するが、TPとちがいどのランクの敵と戦っても消費するポイントは1のみ。ただし、ランクが高すぎる敵と戦うと負ける危険がある。負けても経験値は手に入るので、好きなランクの敵と戦えばいいのだが、やはり勝ちたいというなら近いレベルの敵と戦ったほうがいい。ちなみに、自分のランクが圧倒的に高い場合、応援する暇もなく試合が終わってしまうので、その意味でも適正レベルの敵がおすすめだ。

戦う相手はデイリーで変化する
試合前の掛け合いも「KOF」シリーズではおなじみ
画面をタップすることで応援できる
ハートマークがいっぱいになると、メッセージを返してくれる

 演出やキャラクターのアニメーションは「KOF」シリーズに順じている。オープニングの掛け合い、左右に分かれたHPゲージ、ゲージが溜まると使う超必殺技など、原作ゲームの雰囲気を丁寧に再現している。SDキャラのアニメーションやセリフも原作そのままで、こだわりを感じる。

 試合中は、画面をタップすることで、キャラクターごとにハートマークのゲージが溜まっていく。これを満タンに貯めておくと、試合終了後に貯まる親密度がアップする。

勝利メッセージの出方や勝利時の演出も、きちんと原作を踏襲している

 TPを回復するにはエナジーバー、FPを回復するにはプロテインドリンクというアイテムが必要だが、クリスタルで代替することもできる。クリスタルにはミッションの報酬などで手に入る無料クリスタルと、リアルマネーで購入する有償クリスタルがある。有償クリスタルでしか回すことができないガチャもあるが、序盤から中盤までは基本的には無課金でもたっぷり遊ぶことができる。

カードに秘められたカードストーリー

 トレーニングで手に入るカードや、ガチャで手に入るカードは、ファイトの編成時にキャラクターにセットすることでキャラを強化することができる。さらにファイト開始時の演出で、カードの絵柄がキャラクター情報として使われるのでカッコイイ姿をいつも見ることができる。

ファイトのスタート時演出には、構成でキャラクターにセットしたカードが使われる

 さらにレアリティの高いカードには、独自のカードストーリーが付いてくる。カードは、ファイトの報酬として手に入るダンベルで3段階まで上限レベルを上げることができる。この上限を上げることでSSRなら3話、SRなら2話のカードストーリーがアンロックできる。第2話でも、他のSNK作品では永遠に見ることができなさそうなビリーの照れ顔を堪能することができ、眼福ものなのだが、第3話まであるSSRのカードではさらに凄いシーンを描き下ろしのカットシーンとして見ることができる。どんなシーンなのかは、ぜひご自分で体験して欲しい。

こんな照れ顔もカードストーリーで観ることができる
会話には選択肢もある

 また、同じカードを素材に、カードを覚醒させることもできる。覚醒させるとキャラクターの表情が変化し、その後は2種類の好きな方のイラストを表示できるようになる。メインメニューの「マネジメント」の中にある「編成」画面では、トレーニングやファイトに出場させるチームを編成するほかに、お気に入りカードを3枚登録しておける。ここに登録したカードはトップ画面に表示させることができるので、私服バージョンやジャージ姿など色々なカードを登録しておいて、気分で切り替えてもいいかもしれない。

カードを覚醒させるとキャラクターの表情や絵柄が変化。
1回目の覚醒には、背景にエフェクトが表示される専用の演出が付いてくる

チャットや交流、アルバムでキャラとの関係を100%楽しもう

 「その他」から選べる「アルバム」には、ストーリー内に使われているカットシーンのイラストや、カードの一覧、ボイスの一覧を見ることができる。自分が今どのくらいの要素をアンロックできているかを確かめることができる。

ボイスアルバムでは、アンロックしているボイスを何度でも聞くことができる

 ストーリー以外にもキャラクターとのちょっとしたコミュニケーションを取るための要素が多数用意されている。メイン画面の左側にあるチャットアイコンを押すと、アイコンを使ってキャラと会話することができるチャット画面に切り替わる。また、マネジメントのファイター画面から「交流」を選ぶと、キャラクターにタッチして親密度を上げられるようになる。

画面を縦設定にすると、大画面でキャラとの交流を楽しめる

 この親密度はキャラクターのボイスをアンロックするために必要だ。キャラクターは時間によって変化する会話と、トップ画面にランダムで使われるトーク、特別なメッセージなど複数のボイスが用意されている。親密度は1回のトレーニングで2~8、ファイトで20程度上げることができる。だが最後のメッセージをアンロックするには、親密度60,200が必要なので、なかなか大変そうだ。

チャットでも洗濯の話が

スリリングなストーリーにドキドキしつつ、キャラとの関係を楽しもう

 今回メインストーリーを第2章の最後まで進めてみた。この辺りのレベルならトレーニングしているだけで、かなりサクサクとランクが上がっていく。ランクが低いうちは、TPが尽きるよりランクが上がるスピードの方が速いので、どんどんメインストーリーをアンロックしていくことができる。

 サイドストーリーのアンロックに必要なキャラクターの経験値上げには、トレーニングのデイリーボーナスが役立つ。ボーナスが付くチームは毎日変わるので、そのチームのキャラクターをセットしておけば、ぐんぐん育っていく。今回遊んだ範囲内は無課金でも、快適に遊ぶことができた。

 お気に入りのキャラクターとのサイドストーリーを合間に挟みつつ、メインストーリーでは伝奇的でスリリングなストーリーを楽しめる。「KOF」を知っていれば、バックグラウンドを承知したうえでキャラクターの掛け合いを楽しむことができるが、まったく知らない状態で少しずつ明らかになっていくキャラクターの裏側を見る楽しさも同じくらい楽しいはずだ。「KOF」を知ってる人も、知らない人も、ぜひ一度手に取ってみてはどうだろうか。

トレードマークのバンダナ姿。ちょっと凶暴そうなほほえみも可愛い